岡田麿里

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岡田麿里
プロフィール
誕生日 1976年????
出身地 日本の旗 日本 埼玉県秩父市[1]
主な作品
映画 まじめにふまじめ かいけつゾロリ なぞのお宝大さくせん
心が叫びたがってるんだ。
アニメ とらドラ!
true tears
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
舞台 ミュージカル黒執事 -The Most Beautiful DEATH in The World- 千の魂と堕ちた死神
受賞
第16回アニメーション神戸賞・個人賞
その他
漫画原作、作詞

岡田 麿里(おかだ まり、女性、1976年[2] - )は、日本脚本家アミューズメントメディア総合学院卒業。日本脚本家連盟会員。

経歴[編集]

埼玉県秩父市出身[1]。両親は早くに離婚し[3]、母と母方の祖父(高校時代に死別)の3人家族で育つ[4]。小学校低学年の頃から月に1・2回程度の「ずる休み」をするようになり[4]、五年生の頃から不登校が本格化した[5]

中学校進学に際して、誰からも嫌われない親友をモデルに「キャラクターづくり」をしてクラス内で思い描いていたポジションを得たが[6]、一年生の一学期が終わる頃にはストレスを覚えるようになり、学校を休む[7]。欠席の間に小学校時代の不登校の話が広まり、クラスの中で「本当は繊細」というキャラクターづけがされたことで、再度不登校を始めた[8]。ほぼ引きこもりの生活を送り[9]、大きな学校行事がある日などを除いて登校しなかった[10]。ただ、作文の課題だけは提出していた[11]。三年生の時点で卒業に必要な出席日数は満たせない状況だったが、「高校に合格すれば卒業させざるを得ない」という話を聞き、自宅で受験勉強をして高校に合格した[12]

しかし、高校でも半年程度で三たび不登校となる[13]。高校には「決められた課題を提出すれば最低限の出席日数でも進級できる」という決まりがあり、担任教師と話して読書感想文を提出することになった[14]。感想文には担任教師が評をつけて返却し、そのやりとりは三年生まで続いて[15]、高校を卒業する[16]。岡田はコンピュータゲーム専門学校に入ることを決め[17]、1995年春に上京した[18]

専門学校では自分と似たオタクや不登校経験者と知り合った[19]。専攻はゲームシナリオコースで、授業が楽しく、やがてシナリオライターになりたいと思うようになる[20]。しかし、伝手は全くない状態で、成人向けVシネマのシナリオ募集を見つけて応募、卒業直前に採用されてデビューした[21]。Vシネマのシナリオは非常に安価だったため、テープ起こしで生計を立て、やがてフリーで漫画原作、ゲームシナリオ、CDドラマなどの脚本に携わる[22]

1998年の『DTエイトロン』の第9話「FANG OF THE TANK-CEMETERY」よりアニメ脚本を手掛け始める[23]。岡田によると、ブラインドタッチのできない知人から「タイピング要員」として仕事を頼まれて初めてアニメ作品に参加し、監督のアミノテツローから「ライター希望なら」とアイディアを求められてシナリオを書くに至ったという[24]。しかし以後の営業をせず、すぐにアニメのライターにはならなかった[25]。2001年に『おとぎストーリー 天使のしっぽ』の脚本を担当。この作品を契機にアニメのライターを志し、アミノテツローに仕事をしたいと申し出る[26]。アミノからは「自分についてのシナリオを書く」という課題を与えられ、岡田は自らの不登校時代をモチーフにしたシナリオを提出した[26]。岡田にとって、不登校のカミングアウトという側面もあった[27]。アミノからは「アニメ業界に入って、いつか俺の遺作のホン(脚本)を書け」という返事をもらい、本格的にアニメのシナリオライターとなる[27]

2011年上半期に、『フラクタル』、『放浪息子』、『GOSICK -ゴシック-』、『花咲くいろは』、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(以下、『あの花』と略記)など延べ6クール分のシリーズ構成を同時に担当した(そのうちの3作品『フラクタル』、『花咲くいろは』、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』は原作のないオリジナルアニメであるが、それぞれのシリーズ構成・脚本を実際に執筆した時期が全て重なっていた訳ではない)。

2017年4月に自伝『学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで』(文藝春秋)を刊行した[28][29][30]

人物[編集]

『おとぎストーリー 天使のしっぽ』では、ネットで原作ファンからの「死ね」という非難を見てひどく落ち込み、「自分の死が願われ続けている」という恐怖から体重が減ってこれを「不幸ダイエット」と呼んでいた[31]。一時ネットも見なくなったが、スタッフから勧められて評価するコメントを目にして嬉し泣きし、これを契機に本格的にアニメのライターを志した[31]

テレビアニメ『ローゼンメイデン』の水銀燈が、アニメ第1期の第8話「蒼星石 Lapislazuri Stern」で血圧が上がり苦しむ元治に発したセリフとして「乳酸菌摂ってるぅ?」があるが、そのセリフを発案したのはこの回の脚本を担当した岡田であると、松尾衡監督が語っている。

テレビアニメ『花咲くいろは』の原案は『航空宅配便に乗るヒロインの物語』だったにもかかわらず、岡田の意見により温泉旅館を舞台にした物語に変更になった[32]

『あの花』に関して[編集]

『あの花』は企画コンペへの応募作品で、「本当に書きたいものを書いてください」というリクエストに対して、「登校拒否児は魅力的なキャラクターとして成立するか」という興味から、それを主人公とする作品を提案した[33]。この作品では、岡田が監督とキャラクターデザインの希望を出してよいという話になり、長井龍雪田中将賀の名を挙げたという[34]。当初、舞台として故郷の秩父をモチーフにしながらも、それを明示することは拒否していた[35]。スタッフによるロケハンで実家に寄った際に、「参考」としてその内部の写真が撮影され、岡田は「あくまで参考」と主張したが、最終的にそのまま使用された[36][30]

作品[編集]

テレビアニメ[編集]

シリーズ構成

脚本

OVA[編集]

劇場アニメ[編集]

Webアニメ[編集]

テレビドラマ[編集]

ドラマCD[編集]

  • ARIA The NATURAL ドラマCDII(2006年)
  • ARIA The NATURAL パーフェクトガイドブック(2006年)
  • スケッチブック 〜full color's〜 ドラマCD Sketch Book Stories 〜前夜祭〜(2007年)
  • タビと道づれ ドラマCD(2009年)

映画[編集]

Vシネマ[編集]

  • からん 花嫁は冷たい瞳(2000年)

漫画原作・ストーリー原案[編集]

小説[編集]

作詞[編集]

舞台[編集]

著書[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 朝日新聞Be2017年4月15日付1面。
  2. ^ アニメーション神戸-第16回アニメーション神戸賞
  3. ^ 岡田、2017年、pp.90 - 91
  4. ^ a b 岡田、2017年、p.25
  5. ^ 岡田、2017年、pp.32 - 33
  6. ^ 岡田、2017年、pp.44 - 45
  7. ^ 岡田、2017年、pp.47 - 51
  8. ^ 岡田、2017年、pp.52 - 54
  9. ^ 岡田、2017年、p.61
  10. ^ 岡田、2017年、p.77
  11. ^ 岡田、2017年、p.103
  12. ^ 岡田、2017年、pp.108 - 110
  13. ^ 岡田、2017年、p.115
  14. ^ 岡田、2017年、p.116
  15. ^ 岡田、2017年、p.127
  16. ^ 岡田、2017年、pp.134 - 135
  17. ^ 岡田、2017年、p.137
  18. ^ 岡田、2017年、p.139
  19. ^ 岡田、2017年、p.148
  20. ^ 岡田、2017年、pp.151 - 153
  21. ^ 岡田、2017年、pp.154 - 157
  22. ^ 岡田、2017年、pp.163 - 164
  23. ^ 『アニメージュ』(徳間書店)2012年2月号「この人に話を聞きたい」第147回、98頁より。
  24. ^ 岡田、2017年、pp.170 - 171
  25. ^ 岡田、2017年、pp.173 - 174
  26. ^ a b 岡田、2017年、pp.184 - 186
  27. ^ a b 岡田、2017年、p.195
  28. ^ 下山進 (2017年4月12日). “ひきこもりの少女は人気アニメ作家になった”. 東洋経済ONLINE. http://toyokeizai.net/articles/-/165317 2017年4月16日閲覧。 
  29. ^ “(フロントランナー)アニメ脚本家・岡田麿里さん 「あの花」「ここさけ」の先に”. 朝日新聞. (2017年4月15日). http://www.asahi.com/articles/DA3S12889359.html 2017年4月16日閲覧。 
  30. ^ a b “(フロントランナー)岡田麿里さん 「現実は妄想ほど怖くなかった」”. 朝日新聞. (2017年4月15日). http://www.asahi.com/articles/DA3S12889278.html 2017年4月16日閲覧。 
  31. ^ a b 岡田、2017年、pp.177 - 181。本書には作品のタイトルはないが概要と監督名は記載されている。
  32. ^ P.A.WORKS BLOG 花咲く舞台袖・Q&A② 温泉旅館
  33. ^ 岡田、2017年、pp.213、216
  34. ^ 岡田、2017年、pp.218 - 219
  35. ^ 岡田、2017年、pp.221 - 222
  36. ^ 岡田、2017年、pp.223 - 224
  37. ^ スタッフ”. 劇場版「花咲くいろは HOME SWEET HOME」公式サイト. 2012年9月28日閲覧。
  38. ^ “清水富美加×飯豊まりえW主演、女子高が舞台のミステリー小説「暗黒女子」映画化”. 映画ナタリー. (2016年9月8日). http://natalie.mu/eiga/news/201009 2016年9月8日閲覧。 

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]