大阪府都市開発5000系電車
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大阪府都市開発5000系電車 | |
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泉北5000系5507F(天下茶屋駅にて) | |
基本情報 | |
運用者 | 泉北高速鉄道 |
製造所 |
川崎重工業 東急車輛製造 |
製造年 | 1990年-1995年 |
製造数 | 5編成40両 |
運用開始 | 1990年 |
主要諸元 | |
編成 | 8両編成 |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 | 直流1500V(架空電車線方式) |
全長 | 20,725 mm |
全幅 |
2,744 mm(先頭車) 2,740 mm(中間車) |
全高 | 4,160 mm |
車体 | アルミニウム合金 |
駆動方式 | WNドライブ |
制御方式 | GTO-VVVFインバータ |
制動装置 | 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ |
大阪府都市開発5000系電車(おおさかふとしかいはつ5000けいでんしゃ)は、1990年(平成2年)に営業運転を開始した大阪府都市開発(現・泉北高速鉄道)の通勤形電車。本項では、なんば方先頭車の車両番号+F(Formation=編成の略)を編成名として表記する。
概要
大阪府都市開発は従来、相互乗り入れ先の南海電気鉄道の車両をベースとした車両を導入していたが、本形式は同社にとって初のオリジナル設計で製造された。また、同社ならびに直通先の南海で唯一の8両固定編成・非貫通車となった。8両固定編成であるが、4・5号車(サハ5600形)は検査を柔軟に行うため分割併合が容易な電気連結器と入換灯を装備している。
車両製造は川崎重工業と東急車輛製造[1](5501Fの和泉中央方の4両、5509F)の2社が担当した。
制御装置は同社で初めてGTO素子を用いたVVVFインバータ制御を採用、ブレーキは電気指令式、台車はボルスタレス台車となった。なお登場当初は南海2000系をベースとした制御装置であったが、後に南海1000系をベースとしたものに換装された。
車体はアルミ合金製ながら白色に全塗装されている。ラインカラーは窓下に青の濃淡2本のラインが入り、窓上には濃青のラインが入っている。また、窓上のラインは運転台後方の扉の後ろの窓部分で太く斜め下に降りて窓下のラインに合流している[2](このデザインは後に南海電気鉄道が車体塗色を変更する際に影響を与えたと言われている[誰によって?])。1996年の7000系営業運転開始と同時に、先頭車側面の濃青のラインの窓下部分に「SEMBOKU」のロゴを貼り付けた。
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SS-132型台車
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電気連結器と入替灯を装備した5600形
(せんぼくトレインフェスタ2015会場にて)
内装
座席は赤色(優先座席は灰色)のモケットを使用した4/7列ロングシートで、3000系ではパイプ製だった座席仕切りを改善、棚は網棚に戻った。また、扉開閉時のドアチャイムやドア上のLED式の情報案内表示[3](千鳥配置)も設置され、5501Fを除き中間車には車椅子スペースが用意された。車内案内表示器のLEDスクロールの速さは7000系と比べて少し遅めで、準急または区間急行なんば行き列車での停車駅案内では、終点のなんばも案内され(7000系の場合は一駅手前の停車駅である新今宮まで案内される)、中百舌鳥駅到着時の乗換案内に高野線の旧愛称「りんかんサンライン」が表示される。
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5000系 車内
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LED式車内案内表示器
リニューアル工事
本形式は製造から20年以上が経過しており、設備や内装の劣化が深刻化したため、2015年より5501Fを始めとするリニューアル工事が施行されている。
リニューアル内容は以下の通り。
- 前照灯・尾灯・標識灯をLEDに交換
- 乗降扉の交換(客室側はステンレス無塗装)
- 前面・側面行先表示器をフルカラーLEDに交換(5507F以降)
- 和泉中央方先頭車に車いすスペースを設置
- 車内案内表示器を4ヶ国語対応のLCDディスプレイに変更[4](表示デザインは7020系のものとは異なり、京阪電気鉄道で使用されているデザインに近い)
- 座席モケットを7020系に準じたものに交換
- 南海8000系と同型の大型座席仕切りを設置
- 化粧板・床材の張り換え
車体の塗装は全剥離し、南海千代田工場にて再塗装された。なお、制御装置の更新は見送られている。
始めに5501Fが光明池車庫で改造され2015年4月より営業運転に復帰し、翌年の4月には2編成目となる5503Fも営業運転に復帰した。5505Fは特別塗装だったためラッピングを剥離した青地の塗装のまま改造され[5]、千代田工場にて塗装変更などを施し2018年5月より営業運転に復帰している。
2019年3月に改造された5507Fからは行き先表示がフルカラーLEDに変更された。2020年2月の5509Fをもって本系列のリニューアル工事は完了した。
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リニューアル車の車内
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新たに設けられた車いすスペース
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LCD式車内案内表示装置
特別塗装車「ハッピーベアル」
1999年5月5日より、大阪府堺市の大阪府立大型児童館ビッグバン開館(同年6月)を記念し、館長である漫画家松本零士のデザインによる特別塗装が5505Fに施された。車体には同館のイメージキャラクターである「ベアル」と「メロウ」が描かれていた。この塗装は当初は2001年4月位までの予定であったが、好評のため2005年に塗装を修繕し引き続き運行した。
2009年に、同館開業10周年を機にこの編成の愛称を公募し[6]、6月21日に松本も臨席して愛称発表式が行われ[7]、「ハッピーベアル」とすることが発表された[8]。発表後、前面窓裾に愛称のロゴステッカーが貼り付けられた。
2015年から進行しているリニューアル工事の影響により、2017年10月1日をもって運行を終了した。同年9月20日よりメッセージステッカーが貼り付けられ、運行終了後は10月7日開催の「せんぼくトレインフェスタ2017」会場で7000系フロンティア号とともに展示された[9][10]。
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5000系特別塗装車
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愛称のロゴステッカーの隣に「ありがとう」のメッセージステッカーが貼り付けられた
ラッピング
- 2016年1月22日から2019年4月21日まで、5509Fの車体側面全体に薔薇の柄をあしらったパチンコ店のラッピングが施された。
- 2018年2月13日からは、5503Fの車体に泉北沿線の大学(桃山学院大学、桃山学院教育大学、プール学院短期大学)のスクールカラー、ロゴ等をデザインしたラッピング車両が運行を開始した[11]。
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パチンコ店ラッピング(5509F)
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沿線大学ラッピング(5503F)
運用
2005年10月16日のダイヤ改正後、日中データイム時に8両編成で運転される列車が激減したため、8両固定編成である同車の運用も相応に減少したが2015年12月5日のダイヤ改正で日中の運用を再開している。また、2017年8月26日のダイヤ改正では大半が8両編成で運転されるためさらに運用が増えている。現在では中百舌鳥駅 - 和泉中央駅間の折り返し運転の他、準急、区間急行などに使用されている。2015年12月5日からは女性専用車両が難波方から4両目(4号車、5600形)に、平日朝時間帯の難波行き区間急行(和泉中央駅 - 天下茶屋駅間)のみ設定されている。
登場当初は線内運転のみの運用であり、南海高野線への乗り入れは1992年のダイヤ改正からである。また、高野線は今宮戎駅、萩ノ茶屋駅と、岸里玉出駅 - 浅香山駅間のプラットホーム有効長が6両編成までの対応[12]であるため、高野線へ乗り入れる各駅停車の運用実績は無い。
方向幕には高野線の行先(北野田 - 三日市町間)も収録されているが、登場時の時点で泉北車の高野線運用は消滅しているため現在も営業線での使用実績は無い。
在籍数
2016年現在、5編成40両が在籍する。
編成表
全編成リニューアル工事施工済。
編成番号/形式 | 1号車 クハ5500 (Tc) |
2号車 モハ5000 (M1) |
3号車 モハ5000 (M2) |
4号車 サハ5600 (T) |
5号車 サハ5600 (T) |
6号車 モハ5100 (M2) |
7号車 モハ5000 (M1) |
8号車 クハ5500 (Tc) |
竣工 | 備考 |
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5501F | 5501 | 5001 | 5101 | 5601 | 5602 | 5102 | 5002 | 5502 | 1990年7月20日 | |
5503F | 5503 | 5003 | 5103 | 5603 | 5604 | 5104 | 5004 | 5504 | 1992年8月22日 | 沿線大学ラッピング |
5505F | 5505 | 5005 | 5105 | 5605 | 5606 | 5106 | 5006 | 5506 | 1993年10月13日 | 元:特別塗装車「ハッピーベアル」 (1999年5月5日 - 2017年10月1日) |
5507F | 5507 | 5007 | 5107 | 5607 | 5608 | 5108 | 5008 | 5508 | 1995年4月1日 | 行先表示器LED化 |
5509F | 5509 | 5009 | 5109 | 5609 | 5610 | 5110 | 5010 | 5510 | 1995年2月23日 | 行先表示器LED化 |
備考 | 弱冷車 | 女性専用車 | 弱冷車 |
関連項目
松本零士による特別デザイン車両が存在する(した)他社の鉄道車両
- 近鉄860系電車・伊賀鉄道200系電車(忍者列車)
- 北海道ちほく高原鉄道CR75形気動車
- 上信電鉄500形電車
- 西武3000系電車
- 西武20000系電車
- 北九州高速鉄道1000形電車
- 肥薩おれんじ鉄道HSOR-100形気動車 - 2010年7月7日運用開始
上記のうち、忍者列車の2系列以外は松本の作品『銀河鉄道999』をモチーフにしたものである。
- 相鉄8000系電車 - 双子電車
脚注
- ^ 現事業・総合車両製作所横浜事業所
- ^ 北大阪急行電鉄8000形電車は運転台後方の扉の部分で太く斜め下に降りている。
- ^ 登場時は現在のものとは仕様が異なっていた。
- ^ 併記されている号車番号は、なんば方の先頭車が1号車のため「泉北ライナー」「こうや/りんかん」とは順序が逆である。
- ^ 青地塗装の5505F(泉北高速鉄道公式Twitter) - せんぼくん【公式】@泉北高速鉄道、2018年2月21日
- ^ "泉北高速鉄道5000系ペイント列車愛称募集" (Press release). 泉北高速鉄道. 23 February 2009. 2012年11月2日閲覧。
- ^ "「ペイント列車」愛称発表式及び松本零士氏一日駅長を開催します!" (Press release). 泉北高速鉄道. 26 May 2009. 2012年11月2日閲覧。
- ^ "ペイント列車の愛称が『ハッピーベアル』に決定しました!" (Press release). 泉北高速鉄道. 21 June 2009. 2012年11月2日閲覧。
- ^ "ありがとう「ハッピーベアル」~ラッピング車両「ハッピーベアル」の運行を終了します~" (Press release). 泉北高速鉄道. 15 September 2017. 2017年9月15日閲覧。
- ^ “泉北高速鉄道「フロンティア号」「ハッピーベアル」10/7イベントで揃い踏み”. マイナビニュース. (2017年10月3日)
- ^ "桃山学院大学、桃山学院教育大学、プール学院短期大学 合同ラッピング電車を運行します" (Press release). 泉北高速鉄道. 2018-2-6.
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の日付が不正です。 (説明) - ^ 岸里玉出駅は高架化前に使用されていた部分が帝塚山側に残っておりプラットホームそのものは長いが、その部分は柵で閉鎖されており、6両編成を超える部分の車両で乗降することは事実上不可能である。
外部リンク
- 車両図鑑 5000系 - 泉北高速鉄道
- 車両図鑑 ペイント列車(ハッピーベアル) - 泉北高速鉄道