ヤコビ法 (固有値問題)

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数値線形代数においてヤコビ法(古典ヤコビ法)は実対称行列固有値と固有ベクトルをすべて同時に求める手法である[1][2]ドイツ数学者カール・グスタフ・ヤコブ・ヤコビの名前にちなむ。

原理[編集]

対称行列が与えられたとき、ヤコビの回転行列を次のように定める[1][2]

このとき、非対角要素のうちで絶対値最大な要素に対して

とおく。以下、

の非対角要素のうち、絶対値最大な要素に対して順次同じ操作を行って回転行列を定める。このとき、

が成り立つ (は対角行列)[1][2]の対角要素がの固有値での各列が固有ベクトルを与える[1][2]

変種[編集]

ヤコビ法には様々な変種がある[1]

  • しきい値ヤコビ法 (となるようにしきい値を選び、なるに対して回転を施す)[1]
  • 特別巡回ヤコビ法 (2次収束する)[1]

意義[編集]

現代ではQR法可積分アルゴリズムなど、ヤコビ法(古典ヤコビ法)より計算が早くて精度の良い方法が多く存在する[1][2][3][4]。しかしそれらのほとんどは固有ベクトルまで求めることができないので、逆べき乗法を使う必要がある[1][2]。そのため現代でも固有値と固有ベクトルをすべて同時に求められて2次収束するヤコビ法(古典ヤコビ法)が重宝されている[1][2]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j 山本哲朗『数値解析入門』サイエンス社〈サイエンスライブラリ 現代数学への入門 14〉、2003年6月、増訂版。ISBN 4-7819-1038-6
  2. ^ a b c d e f g 森正武. 数値解析 第2版. 共立出版.
  3. ^ 数値線形代数の数理とHPC, 櫻井鉄也, 松尾宇泰, 片桐孝洋編(シリーズ応用数理 / 日本応用数理学会監修, 第6巻)共立出版, 2018.8
  4. ^ David S. Watkins (2008), The Matrix Eigenvalue Problem: GR and Krylov Subspace Methods, SIAM.

参考文献[編集]

外部リンク[編集]