高性能計算

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高性能計算ハイ・パフォーマンス・コンピューティング(high-performance computing、HPC)は、計算科学のために必要な数理からコンピュータシステム技術までに及ぶ総合的な学問分野である[1]

概要[編集]

1980年代はベクトル計算機が主流であったが、近年ではスカラー計算機超並列にする方向が盛んである。HPC用クラスタをHigh-Performance Computing Cluster、HPCC(en:HPCC)という。システムの構築や利用には高いレベルの技術的スキルが不可欠であるが、汎用の部品で構成することができる。柔軟性、演算性能の面で優れ、比較的低コストであるため、並列コンピューティングによるHPCはスーパーコンピュータ業界に普及しつつある。

科学研究に使われる計算に対して用いられることが多く、関連する用語に高性能技術計算high performance technical computingHPTC)がある。工学的利用(例えば計算流体力学(computational fluid dynamics)や、仮想的なプロトタイプの構築・試験など)を指す。最近では、クラスタベースの高性能計算機はビジネスにも利用されるようになってきた。例えばデータウェアハウスLOBアプリケーション(line-of-business application)、トランザクション処理などである。

最も高性能なスーパーコンピュータはTOP500リストで見ることができる。TOP500は世界中の最も高性能なコンピュータシステムで構成された上位500機のリストである。リストは年に2度6月と11月に改訂され、それぞれISC(International Supercomputing Conference)とSC(Supercomputing Conference)で発表される。

GPGPU[編集]

並列コンピューティングの一角を担う技術として、従来は画像処理やモニター出力のみを行なってきたGPUを汎用計算に用いるという、GPGPUと呼ばれる技術概念が存在する。GPUはCPUと比較して多数の演算器を搭載しており、単純計算の繰り返しや命令の同時発行に特化している。そのため、単純な計算能力(FLOPS値)に関していえばGPUはCPUをはるかにしのぐ。TOP500の上位には、IntelAMDの汎用CPUに加えてNVIDIA Tesla GPUを多数搭載したスーパーコンピュータが名を連ねている[2] [3]。 また、CPUと比較して電力あたりの理論演算性能(ワットパフォーマンス、Performance per Watt)が高いのもGPUの特徴である。2014年11月度のGreen500においては、AMD FirePro S9150 GPUを搭載したドイツGSI研究所のL-CSCクラスターが首位を獲得した[4] [5]

参考文献[編集]

  1. ^ 岩波講座計算科学別巻『スーパーコンピュータ』「はじめに」より
  2. ^ 【PC Watch】 中国のNVIDIA Tesla搭載スパコンがTOP500の2位に
  3. ^ 【PC Watch】 TOP500でOpteron 6274/Tesla K20X搭載システムが1位
  4. ^ AMD FirePro S9150搭載マシンが、Green500でNo.1を獲得 - 最新情報 - ニュース - 株式会社エーキューブ
  5. ^ 「AMD FirePro」搭載スーパーコンピューターが Green500 Listで首位を獲得-Sapphire PGS-プロフェッショナル・グラフィックスソリューション

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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