モスコー・ミュール
モスコー・ミュール | |
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基本情報 | |
種別 | ロングドリンク |
作成技法 | ビルド |
スタイル | バック |
色 | 琥珀色透明 |
グラス | 銅製マグカップ |
アルコール度数 | |
度数 |
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国際バーテンダー協会のレシピ | |
ベース | ウォッカ |
装飾材料 | ライム・スライス |
材料 |
ウォッカ …… 45ml |
ライム・ジュース …… 10ml | |
ジンジャー・ビア …… 120ml |
モスコー・ミュール(Moscow Mule)とはオールデイカクテル(食前食後を問わず飲めるカクテル)として、非常にメジャーなスタンダードカクテルの一つ。モスコー・ミュールとは「モスクワのラバ」という意味があり、「ラバに蹴飛ばされたように」効いてくる、強いウォッカベースのカクテルであることを表す。なお名称にクーラーとは付いていないが、クーラーの一種である[3]。またバック(en)の一種でもあり、しばしば「ウォッカ・バック」とも呼ばれる。
由来[編集]
1940年代初頭、ハリウッドのジャック・モーガンというバーテンダーがイギリスのリキュールである「ピムス NO.1」を使ったカクテルのために大量に仕入れたジンジャービア(en)の在庫を処分するために考案したとされている説と、1946年にスミノフブランドのウォッカの販売促進のため、スミノフを使った手軽に作れるカクテルを製造元のヒューブライン社が紹介したため広がったという説、あるいはジャック・モーガンとヒューブライン社が組んで広めた、とされる説が有名。
また、本式では銅のマグカップに入れて提供されるものである。今日でも本格的なバーではそのようにして出されているのは、ジャック・モーガンの友人が器を銅のマグカップにすることを提案し、それが広まったとされているからである。なお公衆衛生の観点から、銅中毒(en)予防のためマグカップの内側と縁をニッケルかステンレスでメッキすることを勧めているものの、毒性を示す30mg/Lに達するための酸性度と所要時間については議論がある。
バリエーション[編集]
ウォッカをテキーラに替えるとメキシカン・ミュールに、またラムに替えるとジャマイカン・ミュール(スージー・テーラー)に、スコッチ・ウイスキーに替えるとマミー・テーラーに[4]、ジンに替えるとマミーズ・シスターに[5]、アブサンに替えるとワイルド・ミュールとなる。
その他、ウォッカを他の酒類で置き換えたバリエーションと呼称に次のようなものがある。
ベース | 名前 |
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バーボン・ウイスキー | ケンタッキー・ミュール または ホースファーザー |
バーボン・ウイスキーとコーヒー・リキュール | ニュー・オーリンズ・ミュール |
ジン | ジン・ミュール、ロンドン・ミュール、ミュンヘン・ミュール または フォッグホーン |
バンダバーグ・ラム(en) | オージー・ミュール |
アイリッシュ・ウイスキー | アイリッシュ・ミュール |
ブレンデッド・スコッチ・ウイスキーとサンジェルマン(en) | グラスゴー・ミュール |
アブサン | ボヘミアン・ミュール |
アブサンとシナモン・シュナップス | デッドマンズ・ミュール |
コニャックとアンゴスチュラ・ビターズ | フレンチ・ミュール |
洋梨リキュールとポワール・ウィリアム(en) | プリッキー・ペア・ミュール |
サザンカンフォート | サザン・ミュール |
トゥアカ(en) | トスカーナ・ミュール |
アクアビット | オスロ・ミュール |
付け合せにローズマリーとクランベリー | ミスルトウ・ミュール |
他のバリエーションとして、ジンジャー・ビアの代わりにジンジャー・シロップやジンジャー・エールを用いるものがある[6]。
副材料としてニンジンのジュースやアンゴスチュラ・ビターズを追加するアレンジもある[7]。
ラズベリーシロップまたはクレーム・ド・フランボワーズを加えるとモスコー・ミュールからフロラドラ([[:en:en]])になる。
ジンジャー・ビアの代わりにマウンテンデューを使うとモスコー・モールになる[8]。
標準的なレシピ[編集]
ジンジャー・エールを用いたレシピ[編集]
日本など、ジンジャー・ビアが一般的に流通していない地域ではジンジャー・エールを用いる。この場合、ウィルキンソン等の辛口のジンジャー・エールを使う場合もある。次のレシピは日本における標準的なレシピである。
- ウォッカ 45ml
- ライム・ジュース 15ml
- ジンジャー・エール 適量
- ライム・スライス 1枚
飲み口はやや甘くアルコール度数も高くないカクテルになっている。日本ではジンジャー・ビアの入手が難しいため代用としてジンジャー・エールを使用したレシピが広まったと言われている。
作り方[編集]
関連項目[編集]
- サラトガ・クーラー - ライム・ジュースとジンジャーエールを使ったノンアルコールカクテル。
脚注[編集]
- ^ 桑名伸佐 監修 『カクテル・パーフェクトブック』p.135 日本文芸社 2006年2月25日発行 ISBN 978-4-537-20423-0
- ^ 桑名伸佐 監修 『カクテル・パーフェクトブック』p.136 日本文芸社 2006年2月25日発行 ISBN 978-4-537-20423-0
- ^ 山本祥一朗 監修 『カラー図解 カクテル』 成美堂出版 1994年12月10日 ISBN 4-415-07873-7
- ^ 北村聡 著『定番から人気の焼酎カクテルまで 基本のカクテル』(世界文化社、2005年12月1日発行、ISBN 4-418-05324-7)によるとマミー・テーラーのレシピはスコッチ・ウイスキー45ml、ライム・ジュース15ml、ジンジャーエール適量となっており、モスコー・ミュールのベースをスコッチ・ウイスキーに替えてつくられるカクテルと考えられる。
- ^ 北村聡 著『定番から人気の焼酎カクテルまで 基本のカクテル』世界文化社 2005年12月1日発行 ISBN 4-418-05324-7
- ^ Graham, Colleen (2019年5月24日). “Stoli Alibi: A Soda Drink Where Vodka and Ginger Meet”. The Spruce Eats. 2020年6月22日閲覧。
- ^ “Carrot Moscow Mule Cocktail” (2017年4月13日). 2020年6月22日閲覧。
- ^ Hines, recipe: Nick. “The Mountain Dew Moscow Mole”. VinePair. 2020年6月22日閲覧。
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