サゼラック

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サゼラック

サゼラック(英語: Sazerac)は、ライ・ウイスキーをベースとするスタンダードカクテル[1]。異説もあるが、世界最古のカクテルと言われている[1]

アメリカ合衆国ニューオーリンズで1930年代より飲まれており、1959年にニューオーリンズのサゼラック・コーヒー・ハウスでジョン・シラーが命名したと言われている[1]

1850年、オールド・ファッションドコニャック(またはブランデー)をベースにしたカクテルがあり、ニューオーリンズのバーテンダーであったセウェル・テイラーがこのカクテルにフランスの「Sazerac de Forge et Fils」というブランドのコニャックを取り寄せて用いるようになったため、これをサゼラックと呼ぶようになった[2]。セウェル・テイラーのバーは、ほどなくアーロン・バードに売却されたが、アーロン・バードはサゼラックのレシピを受け継ぎ、店名を「ザ・サゼラック・コーヒー・ハウス」として、カクテルを看板メニューにした[2]。1860年頃にはコニャック版オールド・ファッションドだったサゼラックにアブサンが追加されるようになったと推測されている[2]

1870年代にフランスのブドウ畑(ワイン畑)がフィロキセラ(病害虫)のためワイン、ブランデー、コニャックの生産が壊滅状態になり、アメリカが輸入するコニャックも激減した。そのため、サゼラック・ハイスを経営していたトーマス・ハンディがコニャックの代用品としてライ・ウイスキーが用いることを考案した[2][3]。これが、そのまま標準的なレシピとなっていった。また、アブサンも用いられるが、アブサンが禁止されていた期間はシャルトリューズペルノ・リカールのペルノーが用いられていたこともあり、アブサンが解禁された後も、こちらを用いるレシピもある。

1933年に、ニューオーリンズでサゼラック社英語版が誕生して、サゼラックに用いる「Sazerac Rye Whisky」の販売を行っている。また、「サゼラック」というプレミックスされたカクテルの瓶詰めも販売している。

日本には、少なくとも1920年代以前には伝わっていたようで、日本初のカクテルブックである『カクテル(混合酒調合法)』(1924年、秋山徳蔵)には、サゼラックの記載がある。

レシピの例[編集]

レシピの一例を記す[1]。上記のようにアブサンの代わりにシャルトリューズやペルノーを用いるレシピもある。

  • ライ・ウイスキー - 45ml
  • アブサン - 5mlから15ml
  • ビターズ - 3dash
  • 角砂糖 - 1個
  • 水 - 少量
秋山徳蔵本によるレシピ
  • サゼラック・ブランデー - 1ジガー(jigger) = 1.5オンス = 約45ml
  • ビターズ - 3滴
  • ガム・シロップ - 小さじ1杯
  • レモンピール
トーマス・ハンディによるレシピ
The World's Drinks and How to Mix Them英語版』(1908年ウィリアム・T・ブースビー英語版著)に採録されているレシピ[3]
  1. ロックグラスにライ・ウイスキー、ビターズ、シュガーシロップ、クラッシュアイスを入れ、ステアする。
  2. 別の冷やしたロックグラスの内側をアブサンで濡らす(リンスする)。
  3. アブサンでリンスしたロックグラスにライ・ウイスキー等をステアしたものを注ぎ、レモン・ゼストで香り付けする。なお、出来上がりのロックグラスに氷は入れない。

なお、サゼラック社では、ライ・ウィスキーはサゼラック社が販売するSazerac Rye Whisky、アブサンはHerbsaint英語版、ビターズはペイショーズ・ビターズを用いるのが公式としている。

出典[編集]

  1. ^ a b c d 『カクテル事典』学研パブリッシング、2014年、59頁。ISBN 978-4-05-800320-6
  2. ^ a b c d デイヴ・ブルーム、鈴木隆行『ウイスキーバイブル 本当のたのしみ方を知りたくなったら、この本からはじめよう』日本文芸社、2018年、239頁。ISBN 978-4-53-721594-6
  3. ^ a b オーダーメイドのクラシック カクテル・セレクション”. インターコンチネンタルホテルズグループ. 2019年1月28日閲覧。