ビターズ

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Angostura aromatic bitters

ビターズ (bitters) は、薬草香草樹皮香辛料精油など数種類を酒に付け込んで作成する、苦味の強いアルコール飲料。苦味酒・苦味剤ともよばれる。昔は胃薬などとして使われていたが、現在では主にカクテルに苦味をつけたり、香りや色を良くしたりする目的で使用される。

イギリスの有名なエールの1種、「ビター」とはまったく別のものである。

ビターズの製法はブランドによって様々であり、またその詳しい製法は秘伝とされている場合が多い。したがって、詳しい原材料については不明であり、資料によっては記述が異なることもある。

ビターズは通常ごく少量のみ使われるため、「ビターズ・ボトル」(bitters bottle)という専用容器に入れておくことが多い。ビターズ・ボトルはひと振りすると中身が1ダッシュ(数滴程度)ずつ出るようになっている。

種類[編集]

有名なビターズとしては、アンゴスチュラ・ビターズとオレンジ・ビターズがある。

アンゴスチュラ・ビターズ[編集]

アンゴスチュラ・ビターズ (Angostura bitters) は、1824年にドイツ人医師、ヨハン・ゴッドリーブ・ベニヤミン・ジーゲルトがベネズエラの町「アンゴスチュラ」(現シウダ・ボリバル)滞在中に考案したビターズ[1]。 当初は強壮剤として作られ、現在もラベルに健康に及ぼす効果が謳われている。ジーゲルトはアンゴスチュラ・ビターズに「アマルゴ・アロマティコ」と名付け、イギリスに輸出し好評を得た。その後の政情不安によりベネズエラからトリニダード島ポートオブスペインに拠点を移し、生産が続けられている[1]

リンドウやハーブ、スパイスから作られた苦味酒であり、現在のレシピにアンゴスチュラ(ミカン科の樹木)の樹皮は含まれていない(ラベルに"Does not contain Angostura Bark"の記述がある。)

マンハッタンピンク・ジンをはじめ、多くのカクテルに使用される。バーには、必ず置いておくべき酒としても有名。

オレンジ・ビターズ[編集]

オレンジ・ビターズ (orange bitters) は、オレンジの皮を原料とするビターズ。アンゴスチュラ・ビターズに比べ、使用されることは少ない。

脚注[編集]

  1. ^ a b ピエール・ラスロー『柑橘類の文化誌:歴史と人の関わり』寺町朋子訳 オーム社 2010年 ISBN 9784903532608 pp.224-226.

参考文献[編集]

  • 岩松誠志 監修, 『ベストカクテル』, 大泉書店, 2000.
  • 日本バーテンダー協会 編著, 『ザ・カクテルブック』, 柴田書店, 1999.
  • 吉田芳二郎 著, 『洋酒入門』, 保育社, 1968.