プーリーム
プーリーム (ヘブライ語: פּוּרִים、 )は、ユダヤ暦のアダルの月の14日に行われるユダヤ教の祭りである。籤の祭りとも呼ばれる。プーリム、プリムとも書かれる。
概要
[編集]春を間近に控えた季節の祭りである。子供だけでなく大人も仮装をし、賑やかな遊びに浮かれる。グレゴリオ暦の2月、3月に相当するアダルの月は「一年中で一番幸せな月」とも言われるが、それはこの祭りのためでもある。
歴史的経緯
[編集]ユダヤの賢女エステルの故事にちなむ祭事である。聖書メギッラーの一書である「エステル記」に記されている。
紀元前586年、エルサレムはバビロニアに滅ぼされ、ユダヤ人の多くは「捕囚」となり、バビロニア各地へ強制移住させられた(バビロン捕囚)。ついでユダヤ人は、バビロニアを滅ぼしたアケメネス朝ペルシャの支配を受けた。
エステル記によれば、ペルシャ王アハシュエロスの高官であったハマンはユダヤ人の虐殺を企てた。しかしこの企みは、ユダヤ人を守ろうとする神の意志をうけたエステルおよびモルデカイによって阻まれた。ユダヤ人たちは難を逃れただけでなく、王により、敵対勢力を打倒する許しを得た。戦いが終わった日はのちに祝日とされ、宴を催し、この故事を祝う日となった。
日付
[編集]太陽暦から見ると、移動祝日となる。
この月は、閏年には繰り返される月なので、閏年にはプーリームとその関連の祭りや記念は第二アダルの月に行う(ユダヤ暦参照)。こうすることによって、プーリムをいつも過越の祭りの前の月に持ってくることができる。 ただし、カライ派は常にプーリームを第一アダルに祝う。
閏年におけるの第一アダルの14日と15日は「プーリーム・カタン Purim katan(小さなプーリーム)」と呼ばれ、葬儀や断食が禁じられている。
2018年3月2日にユダヤ教の超正統派の居住区であるエルサレムメーアー・シェアーリームではパレードや仮装パーティーが開催され、大量のアルコール飲料が消費された[1]。