ヴァンデルモンドの行列式

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線型代数学において、ヴァンデルモンドの行列式(ヴァンデルモンドのぎょうれつしき、: Vandermonde's determinant)とは、ある特殊な形をした正方行列行列式である。名称は18世紀フランス数学者であるアレクサンドル=テオフィル・ヴァンデルモンド英語版に因む。ヴァンデルモンドは「ファンデルモンド」と表記されることもある。ファン (前置詞) も参照。

定義[編集]

各行が初項1の等比数列であるような正方行列

ヴァンデルモンド行列: Vandermonde matrix)といい、その行列式をヴァンデルモンドの行列式という。テキストによっては、上記の転置行列

で定義している場合もあるが、行列式は転置をとっても変わらないので、行列式としては全く同じものである。

公式[編集]

ヴァンデルモンドの行列式は、各行の公比の差積に等しい。具体的には、上記の行列 V に対して

が成り立つ。n = 2, 3 の場合を書き下せば、

である。公式よりただちに分かることとして、x1, …, xn が全て異なるとき、かつそのときに限り、ヴァンデルモンドの行列式は 0 ではない。

公式の証明[編集]

この公式は、n に関する数学的帰納法で示すこともできるし、行列式の性質を用いたうまい証明の仕方もある。実際、行列式の交代性(行を入れ替えると行列式は −1 倍になる)と因数定理によって、det Vxjxi たちを因数に持つことが分かるので、あとは次数と係数を比較すれば、公式が成り立つことが容易に分かる。

応用[編集]

ヴァンデルモンドの行列式は、数学のいろいろな場面で現れる。最も古典的なのは、多項式の決定に関することである。x1, …, xn が全て異なるならば、

を満たす n − 1 次以下の多項式 f(x) は一意に定まる。このことを示すために、

とおくと、上記の条件から、係数 a0, …, an−1

を満たす。この連立一次方程式の係数行列がヴァンデルモンド行列に他ならず、x1, …, xn が全て異なることよりその行列式は 0 ではないので、これは逆行列を持つ。よって、係数 a0, …, an−1 は一意に定まり、f(x) が一意に定まる。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]