ビッグ・リボウスキ

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ビッグ・リボウスキ
The Big Lebowski
監督 ジョエル・コーエン
脚本 イーサン・コーエン
ジョエル・コーエン
製作 イーサン・コーエン
製作総指揮 ティム・ビーヴァン
エリック・フェルナー
ナレーター サム・エリオット
出演者 ジェフ・ブリッジス
ジョン・グッドマン
スティーヴ・ブシェミ
ジュリアン・ムーア
音楽 カーター・バーウェル
撮影 ロジャー・ディーキンス
編集 ロデリック・ジェインズ
トリシア・クック
製作会社 ワーキング・タイトル・フィルムズ
配給 アメリカ合衆国の旗 グラマシー・ピクチャーズ
日本の旗 アスミック
公開 アメリカ合衆国の旗 1998年3月6日
日本の旗 1998年9月24日
上映時間 117分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $15,000,000
興行収入 $17,451,873[1]
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ビッグ・リボウスキ』(原題: The Big Lebowski)は、1998年製作のアメリカ映画コーエン兄弟製作のコメディ映画

同姓同名の大金持ちと間違えられ、誘拐事件に巻き込まれた男の騒動を描いている。

ストーリー[編集]

ジョージ・H・W・ブッシュ政権下、湾岸戦争のころのロサンゼルス。ジェフリー・リボウスキこと“デュード”は同姓同名の金持ちと間違えられ、闖入してきた暴漢たちに部屋の敷物に小便をかけられてしまう。敷物の弁償を求めて金持ちの“ビッグ・リボウスキ”を訪れるデュード。しかしビッグ・リボウスキは彼を穀潰しの怠け者と見なして、けんもほろろに追い返す。去り際にデュードは屋敷から立派な敷物を持ち帰る。

その後、デュードはビッグ・リボウスキから呼び出され、彼の豪邸に再び向かう。そこでデュードは、ビッグ・リボウスキの誘拐された妻バニーの身代金の引渡し役をして欲しいと頼まれる。依頼を引き受け、自宅でまどろむデュード。彼は新手の侵入者たちに気絶させられ、ビッグ・リボウスキの家から持ち出した敷物を奪われてしまう。

誘拐犯たちとの交渉にあたって、デュードはビッグ・リボウスキの秘書から身代金の入ったブリーフケースを託される。身代金の引渡しに向かうデュードに、ボウリング大会のチームメイトであるウォルター・ソブチャックが無理やり同行すると言いだし、ウォルターはこの事件はバニーによる自作自演の狂言誘拐であり、みすみす大金を彼女に与える必要はないと主張する。

ウォルターの妨害により身代金の引渡しに失敗するデュード。気晴らしにボウリング場に向かうデュードとウォルターだが、ボウリングに興じている間に大金の入ったブリーフケースを積んだデュードの愛車が盗まれてしまう。

デュードは警察に車と敷物の盗難届を出すが、彼の元に敷物を盗んだという女から電話が掛かってくる。デュードを殴って敷物を持ち出したのは、ビッグ・リボウスキの娘である前衛アーティストのモード・リボウスキとその一味だった。

デュードを自分のアトリエに呼び出したモードは、リボウスキ家の内実を彼に暴露する。デュードに身代金の奪還を依頼するモード、デュードを付け狙うドイツ訛りの誘拐犯たち、そしてバニーを探し回る街の顔役ジャッキー・トリホーン。怪しげな人物たちが絡んできて、事件は一気に複雑な様相を見せ始める。

キャスト[編集]

ジェフリー・“デュード”・リボウスキ
演 - ジェフ・ブリッジス
スラッカーだが、友人たちとボウリング大会に参加している。街一番の不精者。カクテルホワイトルシアンを好み、マリファナを吸う。
ウォルター・ソブチャック
演 - ジョン・グッドマン
ベトナム戦争退役軍人で防犯ショップの経営者。デュードのボウリングのチームメイトで親友。つねに拳銃を持ち歩く。ユダヤ人ではないが、ユダヤ人の前妻の影響で改宗した厳格なユダヤ教徒であり、サバトの日には何もしない。ドニーが何か話そうとする度に遮る。すぐにベトナム戦争の話題を出し、デュードをいらつかせる。
セオドア・ドナルド・“ドニー”・カラボッソス
演 - スティーヴ・ブシェミ
小心者のサーファー。デュードのチームメイト。ゲームを真面目に楽しんでいる。なにか話そうとする度にウォルターに遮られるため、デュードらが関わっている事件が見えていない。そのためセリフが少ないのだが、これはコーエン兄弟の前作「ファーゴ」でブシェミが非常にお喋りな役を演じたためにセリフを極力減らしたからだという。
ジェフリー・リボウスキ
演 - デヴィッド・ハドルストン
通称“ビッグ・リボウスキ”。朝鮮戦争の時の後遺症で脚に障害を持ち、車椅子に乗っている大富豪。現在の妻はバニーであり、モードは亡くなった妻との子。
モード・リボウスキ
演 - ジュリアン・ムーア
“ビッグ・リボウスキ”が亡くなった妻との間にもうけた娘。フェミニスト前衛芸術家。結婚はしていないが子供を欲しがっている。
バニー・リボウスキ
演 - タラ・リード
“ビッグ・リボウスキ”の新妻。ポルノ映画に出演した過去がある。明らかにモードより若い。緑色のペディキュアをしている。
ブラント
演 - フィリップ・シーモア・ホフマン
“ビッグ・リボウスキ”の忠実な秘書。二人のリボウスキをつなげる役割を果たす。
ウーリ・コンコル
演 - ピーター・ストーメア
ニヒリスト集団のリーダー格。カール・ハンガスと言う名前でポルノ映画に出演した過去がある。ニヒリスト集団は全員ドイツ人であり、ドイツ語訛りの英語を話す。彼らは元ミュージシャンで「アウトバーン」というアルバムを出したことがあるという設定であり、モデルはクラフトワークである。
ジーザス・クィンターナ
演 - ジョン・タトゥーロ
ボウリング大会準決勝でのデュードたちの対戦相手。少年愛者露出狂ラテンアメリカ系訛りの英語を話す。
ノックス・ハーリントン
演 - デヴィッド・シューリス
ビデオアーティスト。モード・リボウスキの友人。スキンヘッド
ダ・フィーノ
演 - ジョン・ポリト
いわば探偵。雇い主はバニーの両親。
ジャッキー・トリホーン
演 - ベン・ギャザラ
リッチなポルノ映画プロデューサー闇金融のボスという裏の顔を持つ。バニーを探している。
ザ・ストレンジャー
演 - サム・エリオット
この映画の語り部。ボウリング場にあるバーでたびたびデュードの隣に座るカウボーイ風の男。テキサス訛り。

備考[編集]

ミュージシャンのエイミー・マン、および、レッド・ホット・チリ・ペッパーズフリーがニヒリストの一人として出演している。

日本語吹替[編集]

役名 俳優 日本語吹替
VHS・旧DVD BD・新DVD版
ジェフリー・“デュード”・リボウスキ ジェフ・ブリッジス 山路和弘 菅生隆之
ウォルター・ソブチャック ジョン・グッドマン 玄田哲章
セオドア・ドナルド・“ドニー”・カラボッソス スティーヴ・ブシェミ 小杉十郎太 二又一成
ジェフリー・リボウスキ デヴィッド・ハドルストン 有川博 樋浦勉
モード・リボウスキ ジュリアン・ムーア 土井美加 唐沢潤
バニー・リボウスキ タラ・リード 高橋理恵子
ブラント フィリップ・シーモア・ホフマン 宮本充 石住昭彦
ウーリ・コンコル ピーター・ストーメア 荒川太朗 家中宏
ジーザス・クィンターナ ジョン・タトゥーロ 井上倫宏 中村秀利
ノックス・ハーリントン デヴィッド・シューリス 家中宏 牛山茂
ダ・フィーノ ジョン・ポリト 西村知道 宝亀克寿
ジャッキー・トリホーン ベン・ギャザラ 羽佐間道夫 勝部演之
ザ・ストレンジャー サム・エリオット 勝部演之 大塚周夫

作品解説[編集]

映画の脚本自体は1991年公開の『バートン・フィンク』とほぼ同時期に書かれたものであるが、当時のコーエン兄弟は彼らの望んだスタッフや俳優を起用できなかったため製作を延期していた。前作の『ファーゴ』の成功で自分たちの望む映画を作れるようになったコーエン兄弟が、改めて製作に取り掛かった作品だとされる[2]

映画のタイトルである『ビッグ・リボウスキ』は、チャンドラーの代表作である『大いなる眠り』(原題:The Big Sleep)からとられている[3]

当初コーエン兄弟は、レイモンド・チャンドラーハードボイルド小説のような語り口の映画を作ろうとしていた。映画中では二回デュードの夢のシーンがあるが、コーエン兄弟はそれらを楽しみながら撮影したという。

デュードについて[編集]

デュードのモデルとなったのは、過激な反戦運動で知られる映画プロデューサーのジェフ・ダウドである。ダウドはコーエン兄弟が処女作の『ブラッド・シンプル』の配給先を探している時にそれを手助けした、いわば兄弟にとっての恩人ともいえる人物であった。

配役[編集]

主人公のヒッピー崩れのダメ男デュードを、ジェフ・ブリッジスが演じている。ブリッジズは初めて映画の脚本を読んだ時、自分がデュード役を演じるために生まれてきたように思えた、と語っている[3]

デュードのボウリング大会でのチームメイトや対戦相手を、ジョン・グッドマンスティーブ・ブシェミジョン・タトゥーロらコーエン兄弟制作映画の常連たちが演じているが、いずれの役もコーエン兄弟が彼らの起用を脚本執筆の時から想定して書いたものである[4]

考察[編集]

主人公が不可解な事件に巻き込まれ、怪しげな人物たちと出会い、事件の真相を探るという映画の基本的な構造は、チャンドラー作品と相似している[4]

主人公が悪漢に気絶させられ、夢や幻覚を見るという筋書きも、ハードボイルド小説ではありがちなものである。

反響・評価[編集]

映画は1998年3月6日に北米で公開され、北アメリカで約1700万ドルの興行収入をあげた[1]。興行的には制作費を若干上回る程度の利益しかあげられず、批評的にも前作『ファーゴ』以上の作品を期待していた多くの評論家たちを失望させた。

公開当時は批評的にも興行的にも今ひとつの評価だった本作品だが、DVDが発売されると徐々にブームに火が付き、一躍人気映画となった。深夜に観る映画のチョイスとして、主に若者たちから支持を集めたともいわれる[5]。2012年現在ではカルト映画として一部の熱狂的ファン[誰?]から絶大な支持を受けている。ブリッジスが本作品で見せた自然体の演技は高く評価されている[誰によって?]

1998年度のベルリン国際映画祭では金熊賞の候補となったが、受賞には至らなかった。

2003年にはエンターテイメント・ウィークリー誌のカルト映画トップ50で第34位にランクインした。

リボウスキ・フェスティバル[編集]

この映画の熱狂的なファンによって、毎年リボウスキ・フェスティバルという名前のイベントが開催されている。ホワイト・ルシアンを飲みながら、映画の好きな登場人物に扮してボウリングをするというイベントである。2002年の第1回大会はルイビル、それ以降は毎年違う都市で開催されている[6]

脚注[編集]

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  1. ^ a b The Big Lebowski (1998)” (英語). Box Office Mojo. 2011年2月25日閲覧。
  2. ^ Carolyn R. Russell (2001). The Films of Joel and Ethan Coen. Jefferson: McFarland & Company, Inc., Publishers. pp. 142. ISBN 0-7864-0973-8. 
  3. ^ a b Production Notes(『ビッグ・リバウスキ』の製作秘話、ユニバーサル・ピクチャーズ版DVD収録)
  4. ^ a b Making of The Big Lebowski(『ビッグ・リボウスキ』製作の模様を扱ったドキュメンタリー、ユニバーサル・ピクチャーズ版DVD収録)
  5. ^ Finlo Rohrer、“Is The Big Lebowski a cultural milestone?”、BBC News Magazine、2008年10月10日。(参照:2009年3月23日)
  6. ^ The Lebowski Fest: An Achiever's Story(リボウスキ・フェスティバルを取材したドキュメンタリー、ユニバーサル・ピクチャーズ版DVD収録)

外部リンク[編集]