悟空の大冒険
悟空の大冒険 | |
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ジャンル | テレビアニメ |
原作 | 手塚治虫 |
脚本 | 菅野昭彦ほか |
監督 | 杉井ギサブロー(総監督) |
演出 | 出崎統ほか |
出演者 |
右手和子 増山江威子 野沢那智 愛川欽也 滝口順平 近石真介ほか |
オープニング | 「悟空の大冒険マーチ」(ヤング・フレッシュ) |
エンディング |
「悟空が好き好き」(ヤング・フレッシュ。前期) 「悟空音頭」(中山千夏、ヤング・フレッシュ。後期) |
製作 | |
プロデューサー | 川畑栄一 |
制作 | フジテレビ、虫プロダクション |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1967年1月7日~同年9月30日 |
放送時間 | 土曜19:00 - 19:30 |
放送枠 | フジテレビ系列土曜夜7時台枠のアニメ |
放送分 | 30分 |
回数 | 39 |
特記事項: 明治製菓(現:Meiji Seika ファルマ)一社提供。 |
『悟空の大冒険』(ごくうのだいぼうけん)は、1967年に放映された日本のテレビアニメ。手塚治虫の漫画『ぼくのそんごくう』を元に作られた作品である。
概要
1967年1月7日 - 同年9月30日にフジテレビ系にて『鉄腕アトム』(アニメ第1作)の後番組として放映された。カラー作品である。提供スポンサーは、『アトム』に引き続き明治製菓(現:Meiji Seika ファルマ)一社。
手塚治虫の「ぼくのそんごくう」は『西遊記』を元に描かれた漫画である。この漫画を原作に虫プロダクションがスラップスティックなギャグアニメとして作り上げたのが本作である。
キャラクターや話の内容が現代風に風刺されており、三蔵法師が、天竺まで教典を取りに行く、という基本設定を除いて、ほとんど作り替えている。登場人物も、竜子という女性キャラが追加されている[1]。
劇中の各キャラクターの"大げさな表現"は時代を先取りしすぎた部分(時流にのった“妖怪連合シリーズ”などの路線変更が行われたが、後半の視聴率不振の盛り返しには至らなかった)もあり、3年間続いた「アトム」の後番組にもかかわらず、9か月(39話)で放映を終了した。
番組内容にマッチした主題歌・副主題歌も印象的なもので、特に副主題歌は2000年代になってからテレビCMに流用されたりもしている。例えば、「牛乳が好きな人のメグミルク」のCMでは、歌詞を「牛乳が好き」に変えて使っている(俗に言う「替え歌」である)。
パイロットフィルム
この作品にはパイロットフィルムがある。しかし、その内容はどちらかというと、東映動画制作の劇場アニメ『西遊記』(1960年)に近い。たとえば、パイロット版では、悟空が三蔵法師を呼ぶ呼び方が「おっしょうさま」(これは『ぼくのそんごくう』においても同様)なのに対し、本編では「坊さん」である。
なお、この内容変更に関しては、総監督の杉井ギサブローが、完成したパイロット版を見るなり「自分の作りたかった物はこれじゃない」と手塚治虫に直訴し、手塚から「なら好きなように作って良いから」と了解を得たためとのちに発言している[2]。また、音楽もパイロット版と本編とは異なる。本編は宇野誠一郎である。
キャスト
- 竜海仙人(声:永井一郎)
- 老人(声:八奈見乗児)
- 金角(声:大塚周夫)
- ベロリベロベロ(声:和久井節緒)
- ムシャムシャ女王(声:向井真理子)
- ハンター、一ツ目など(声:増岡弘)
- つらら大王、ガツガツ大王、銀角など(声:雨森雅司)
- 釈迦、オールド・グット、ガローマ、化物王など(声:大宮悌二)
- 銀糸仙人など(声:熊倉一雄)
- 役不明(声:小原乃梨子、熊倉一雄、三輪勝恵、大竹宏、小林清志、田の中勇、小宮山清、塩見竜介、内海賢二、神山卓三)
スタッフ
- 総監督:杉井ギサブロー
- プロデューサー:川畑栄一
- 脚本:菅野昭彦、佐野美津男ほか
- 演出:出崎統、高橋良輔、北野英明ほか
- 作画監督:山本繁
- 美術監督:藤本四郎
- 音響監督:鈴木芳男
- 技術監督:土屋旭
- 制作担当:富岡厚司
- 資料:三上康雄
- 編集:松浦典良
- 文芸:鈴木良武
- 音楽:宇野誠一郎
- 録音・効果:アオイスタジオ
- 現像:東洋現像所
- 制作協力:フジテレビ、アートフレッシュ
- 制作:虫プロダクション
音楽
初期の『世界名作劇場』(当時は『カルピスまんが劇場』)で『ムーミン』、『アンデルセン物語』、『山ねずみロッキーチャック』の音楽を担当した宇野誠一郎がBGMを作・編曲し、ほとんどの主題歌・挿入歌の作・編曲も行ったほか、歌詞を手掛けた曲もある。
主な歌手は宇野作品をいくつか歌っているヤング・フレッシュ。その他、『ひょっこりひょうたん島』からは前川陽子[3]や中山千夏[4]、そして『アンデルセン物語』や『さるとびエッちゃん』でも宇野と組むことになる増山江威子が参加した。
主題歌
- オープニングテーマ (第1~39話)
- 悟空の大冒険マーチ[5]
- 作詞:吉岡治/作曲・編曲:宇野誠一郎/歌:ヤング・フレッシュ
- エンディングテーマ1 (第1~25話)
- 悟空が好き好き
- 作詞:吉岡治、宇野誠一郎/作曲・編曲:宇野誠一郎/歌:ヤング・フレッシュ
- 正規版(モノラル録音)はテイチクと朝日ソノラマから発売。日本コロムビア音源(ステレオ録音)はセルフカヴァー版(歌:ヤング・フレッシュ、アンサンブル・ファンタジア)で、歌い方や「かもね」というセリフの言い方が微妙に異なる。
- エンディングテーマ2 (第26~39話)[6]
- 悟空音頭
- 作詞:井上ひさし/作曲・編曲:宇野誠一郎/歌:中山千夏、ヤング・フレッシュ
挿入歌
- 悟空がやってくる
- 竜子のうた
- 作詞・作曲・編曲:宇野誠一郎/歌:増山江威子
イメージソング
- レッツゴーボンダンス
- 作詞・作曲・編曲:宇野誠一郎/歌:中山千夏、ヤング・フレッシュ
- レッツ!悟空ダンス
- 作詞・作曲・編曲:宇野誠一郎/歌:前川陽子、ヤング・フレッシュ
サブタイトル
この節の加筆が望まれています。 |
- 第1話 悟空誕生
- 第2話 キント雲はいただき
- 第3話 坊さんナンバーワン
- 第4話 宝の地図はペケペケ
- 第5和 雨に唄えば
- 第6話 銀糸仙人
- 第7話 ゴミまで愛して
- 第8話 博士は何にしびれたか
- 第9話 おかしな?おかしな?
- 第10話 ハートでいただき
- 第11話 どっちもどっち!
- 第12話 ぼくはコブコブよ!
- 第13話 王様はユウレイ
- 第14話 カジババと40にんの盗賊
- 第15話 あけてビックリ
- 第16話 5.9(ゴクウ)作戦
- 第17話 奥様は妖怪
- 第18話 ベロリベロベロ
- 第19話 われらガードマン
- 第20話 荒野の妖怪
- 第21話 プイプイ教の大魔神
- 第22話 妖怪連合シリーズ第1弾! ドラゴンの牙
- 第23話 妖怪連合シリーズ第2弾! バラモンの足
- 第24話 妖怪連合シリーズ第3弾! ヘラクレスの手
- 第25話 妖怪連合シリーズ第4弾! ハネ一族の巻
- 第26話 妖怪連合シリーズ第5弾! メデュウスの髪の毛
- 第27話 妖怪連合シリーズ 第6の妖怪ハリケーン
- 第28話 妖怪連合シリーズ第7弾! 妖怪連合のさいご
- 第29話 つらら大王の巻
- 第30話 ガツガツムシャムシャの巻
- 第31話 かげろうの谷
- 第32話 火輪童子の巻
- 第33話 おいらゴウケツだい
- 第34話 人喰いジャングル
- 第35話 霊感大王
- 第36話 おナカの中の中
- 第37話 かぼちゃの化物
- 第38話 金角銀角の巻
- 第39話 あれが天竺の灯だ(最終回)
脚注
- ^ 竜子のキャラクターは元の『西遊記』に登場する玉龍がモチーフと考えられる。『西遊記』の玉龍は馬の姿にされた龍で性別は男だが、本作のベースとなった『ぼくのそんごくう』で女性という設定が取り入れられていた。
- ^ アニメージュ1978年9月号の特集『幻のパイロットフィルム』でのインタビューより。
- ^ 前川陽子は『ひょっこりひょうたん島』の主題歌でソロ・デビューしたが、その後、一時的に(本作や『仮面の忍者 赤影』の頃)ヤング・フレッシュに所属していた。
- ^ 中山千夏は『ひょっこりひょうたん島』の博士役として劇中歌をいくつか歌った。
- ^ OPのラストで転んだ悟空のマント状が直立して『悟空の大冒険』というタイトルが映し出される演出があるが、本放送時はタイトルではなく「提供(社紋)明治製菓」という提供クレジットが出た。提供クレジット付きはDVDに初収録された。
- ^ 再放送のEDは「悟空がすきすき」に統一されていたが、「悟空音頭」もDVDで復活した。なお、カートゥーンネットワークで再放送された時は双方が使われた。
フジテレビ系 土曜日19:00枠 【当番組まで明治製菓一社提供枠】 |
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
鉄腕アトム(アニメ第1作)
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悟空の大冒険
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