大屋駅

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大屋駅
駅舎(2021年10月)
おおや
ŌYA
田中 (3.4 km)
(2.4 km) 信濃国分寺
地図
所在地 長野県上田市大屋[1]454
北緯36度22分10.62秒 東経138度17分48.61秒 / 北緯36.3696167度 東経138.2968361度 / 36.3696167; 138.2968361座標: 北緯36度22分10.62秒 東経138度17分48.61秒 / 北緯36.3696167度 東経138.2968361度 / 36.3696167; 138.2968361
所属事業者 しなの鉄道
所属路線 しなの鉄道線
キロ程 34.7 km(軽井沢起点)
電報略号 オウ[1]←ヲウ
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線[1]
乗車人員
-統計年度-
839人/日(降車客含まず)
-2019年-
開業年月日 1896年明治29年)1月20日[1]
備考 直営駅
標高:482m[1]
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大屋駅(おおやえき)は、長野県上田市大屋にあるしなの鉄道しなの鉄道線である[1]

歴史

明治初期には諏訪地域蚕糸業者は、甲州街道を使用して甲武鉄道八王子駅まで生糸を陸送していたが、1888年(明治21年)に信越本線が開通すると、和田峠を越えて長久保宿経由で信越本線の田中駅まで陸送するようになった。しかし諏訪地域から田中駅までは遠く不便であったため、諏訪地方の養蚕業者や地域住民が陳情を行った結果、日本初の請願駅として1896年(明治29年)に長久保宿により近い田中駅 - 上田駅の間に大家駅[注 1]が開業した。これによって生糸の輸出港である横浜までの輸送時間が大幅に短縮され、輸出相場に対応した出荷が可能となった [注 2]

日本初の請願駅として駅前に石の碑文が設置されており[2]、こうした生糸輸送をめぐる当駅が持つ歴史的意義について、日本の産業近代化に貢献した産業遺産としての価値を持っていると評価されたことから、2007年(平成19年)には上田市の製糸関連遺産として信州大学繊維学部講堂などと共に、経済産業省近代化産業遺産に認定された。

年表

上田丸子電鉄大屋駅

電鉄大屋駅
でんてつおおや
Dentetsu-Ōya
東特前 (0.6 km)
(1.1 km) 信濃石井
所在地 長野県上田市大屋
所属事業者 上田丸子電鉄
所属路線 丸子線
キロ程 5.4 km(上田東起点)
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
開業年月日 1918年(大正7年)11月21日
廃止年月日 1969年(昭和44年)4月20日
備考 丸子線廃線に伴い廃駅
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上田丸子電鉄の電鉄大屋駅は、上田丸子電鉄丸子線が丸子鉄道線の第一期線として開業した際、起点駅として設置された。開業時から貨物輸送の関係からスイッチバック機能を持っていて国鉄信越本線を介しての貨車受渡しを行っていたが、第二期線として上田東駅まで延伸すると、珍しいスイッチバック方式の列車交換駅となり線路が複雑となった。そこで1959年(昭和34年)には当時としては全国でも珍しい電気式系伝装置を装着し、交換を容易にする改良を行った。ホームは現在の駅舎の待合室の隣にあり、改札は丸子鉄道~上田丸子電鉄初期は共通であったが、1956年(昭和31年)に独自の駅舎が完成すると分離、廃止まで続いた。

当駅跡地は、現在しなの鉄道直営の駐車場となっている[1]

駅構造

直営駅であり[6]、相対式(下り線)および島式(上り線)の2面2線構造をもつ[1]。かつては貨物列車用の中線(JR時代に撤去)および、上り待避線(しなの鉄道移管後に撤去)を有していた。またJR時代には特急「あさま」の一部も停車していた。

駅待合室では当時駅業務受託業者が運営する売店「アットライフ」が、平日と土曜のみ営業していたが、2016年1月時点では売店はすでに存在していなかった。

駅舎の切り妻部分に、大屋の頭文字Oをかたどったと思われる飾りが付けられている[2]

のりば

番線 路線 方向 行先
1 しなの鉄道線 下り 長野方面
2 上り 軽井沢方面

(出典:しなの鉄道:駅構内マップ

  • 当駅には発車ベルが設置されている。

利用状況

年間乗車人数及び1日あたりおおよその乗車人員は次のとおり[7]

  • 2000年度 590千人 : 1,616人/日
  • 2001年度 568千人 : 1,556人/日
  • 2002年度 538千人 : 1,474人/日
  • 2003年度 516千人 : 1,410人/日
  • 2004年度 509千人 : 1,395人/日
  • 2005年度 495千人 : 1,356人/日
  • 2006年度 485千人 : 1,329人/日
  • 2007年度 459千人 : 1,254人/日
  • 2008年度 460千人 : 1,260人/日
  • 2009年度 435千人 : 1,192人/日
  • 2010年度 420千人 : 1,151人/日
  • 2011年度 421千人 : 1,153人/日
  • 2012年度 420千人 : 1,148人/日
  • 2013年度 431千人 : 1,181人/日
  • 2014年度 413千人 : 1,132人/日
  • 2015年度 407千人 : 1,112人/日
  • 2016年度 397千人 : 1,088人/日
  • 2017年度 380千人 : 1,041人/日
  • 2018年度 355千人 : 973人/日
  • 2019年度 307千人 : 839人/日

駅周辺

  • 国道152号
  • 大屋郵便局
  • ミスダ酒店 - 屋根に、明治時代の面影を残す蚕種造りと呼ばれる小さな屋根付きの気抜けがある駅前の酒店[2]
  • 海野宿[1]
  • 信州国際音楽村[1]

バス路線

上田駅方面行きと、JRバスは、駅ロータリーに進入せず、大屋駅前交差点南側の新聞販売店前(対面の居酒屋前)にて客扱いを行う。佐久上田線のみ国道18号線上大屋西交差点東側付近(徒歩約5分)に停留所(大屋北)がある。その他は駅正面左側に停留所がある。

JRバス関東
千曲バス
東信観光バス
  • 芦田(立科町役場前)
上田市 オレンジバス 
  • 神川・神科コース:火・金曜日のみ運行で1日2便運行。駅前ロータリー発着
上田市 丸子地域循環バス まりんこ号 
  • 東コース:石井バス停(県道大屋芦田線石井交差点東側付近。東信観光バス、または徒歩にて連絡。約500メートル)1日上下2便ずつ運行

隣の駅

しなの鉄道
しなの鉄道線
快速
田中駅 - 大屋駅 - 上田駅
普通
田中駅 - 大屋駅 - 信濃国分寺駅

かつて存在した路線

上田丸子電鉄
丸子線(廃止時点)
東特前駅 - 電鉄大屋駅 - 信濃石井駅

脚注

注釈

  1. ^ 参考文献『鉄道』(p.92)の原文ママ。おそらく当駅(大屋駅)のことと思われる。
  2. ^ 中央本線が諏訪地域に通じたのは1905年

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l 信濃毎日新聞社出版部『長野県鉄道全駅 増補改訂版』信濃毎日新聞社、2011年7月24日、246頁。ISBN 9784784071647 
  2. ^ a b c 日本絹の道/日本初の請願駅・大屋駅 山浦直人(交通史研究者)、おらほ放送局(長野大学前川道博研究室)
  3. ^ a b c d e 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、576-577頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  4. ^ 「しなの鉄道大屋駅の売店 営業契約、地元業者と結ぶ 7日開業へ」『信濃毎日新聞』信濃毎日新聞社、2003年7月3日、朝刊、20面。
  5. ^ “しなの鉄道、乗り継ぎ割引を廃止 減便や無人駅拡大も 22年春から順次 経営改善策”. 信濃毎日新聞. (2021年11月27日). https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2021112600826 2021年12月6日閲覧。 
  6. ^ 窓口営業時間 | 時刻表・運賃・各種乗車券 | しなの鉄道株式会社”. www.shinanorailway.co.jp. 2022年4月3日閲覧。
  7. ^ 上田市の統計 - 上田市

参考文献

関連項目

外部リンク