出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
体積積分(たいせきせきぶん、英: volume integral)とは、数学、特に多変数解析における用語で、3次元領域上の積分を指す。すなわち、多重積分の特殊な例である。積分の記号として∰が用いられる。
体積積分は特に物理学において多くの応用がなされており、例えば流束密度を求めることに利用される。
体積積分は直交座標系における関数を領域で三重積分することと見なせるから、一般には以下のように表せる。
また円筒座標系では、以下のようになる。
球面座標系(ISOの表記法に従い、を方位角、 を極角とする。)では以下のようになる。
3変数関数を単位立方体(英語版)上で積分すると以下のようになる。
単位立方体の体積が1であるという予想通りの結果が得られる。これは自明な例だが、体積積分ははるかに有用である。例えば、単位立方体の密度分布を表すスカラー密度関数を体積積分することにより、その単位立方体の質量を得ることができる。ここでは以下の密度関数を考える。
このような密度関数を持つ単位立方体の質量は以下で得られる。