ラプラス作用素
数学において、ラプラス作用素(らぷらすさようそ、英: Laplace operator)とは多変数関数の2階偏微分を表す作用素の一種。ラプラシアン(Laplacian)、ラプラスの演算子とも呼ばれる。ラプラス作用素の名はフランスの数学者ラプラスに因む。自然科学における多くの偏微分方程式は、ラプラス作用素で記述され、解析学において主要な役割を果たす。
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定義と性質 [編集]
- 定義
3次元の直交座標系(x, y, z )に対し、
で定義される2階の微分作用素Δをラプラス作用素と呼ぶ。
記号Δの代りに、ナブラ記号∇を使って、∇2と表すこともある。
ベクトル解析における勾配 grad=∇と発散 div=∇・を用いて表現すれば、
となる。すなわち、ラプラス作用素の作用は勾配ベクトル場の発散をとることに相当する。
- n 次元への一般化
一般に n 次元のラプラス作用素が次で定義される。
- 微分形式による一般化
多様体上の微分形式ωに対し、外微分d並びに共役微分δ= * d *で定義される演算
を一般化されたラプラス作用素と呼ぶ。
直観的な意味 [編集]
ラプラス作用素の直観的な意味を理解するために、次のような一辺 L の立方体での平均値
を導入する。このとき、ラプラス作用素の作用Δu との間に
の関係式が成り立つ。すなわち、ラプラス作用素の作用は「ある点での関数の値とその点の周囲での関数の値の平均との差の、周囲領域を小さく取ったときの極限」として理解できる。
- 関係式の導出
上式を導くには、次のようにすればよい。表記の簡略化のためx = (x, y, z ), x0 = (x0, y0, z0 )とする。点x0 中心にu (x )をテイラー展開すると
であり、これを立方体領域[x0 − L/2, x0 +L/2]×[y0 − L/2, y0 + L/2]×[z0 − L/2, z0 + L/2]で積分すると、(x-x0)、(x-x0)(y-y0)…の項が0になること及び
等に注意して
となる。これを整理すれば、上述の関係式を得る。
応用 [編集]
自然科学における多くの偏微分方程式が、ラプラス作用素で記述される。
座標変換 [編集]
応用上は、直交座標系以外の座標系でのラプラス作用素の表現が有用となる場合が多い。
2次元極座標(円座標) [編集]
2次元において、極座標(r, θ) (x =r cosθ, y =r sinθ)をとれば、
3次元極座標(球座標) [編集]
3次元において、極座標(r, φ ,θ) (x =r sinθcosφ, y =r sinθsinφ, z =r cosθ)をとれば、
または
3次元円筒座標 [編集]
3次元において、円筒座標(r, φ ,z) (x =r cosφ, y =r sinφ, z )をとれば、
一般座標系 [編集]
一般座標系(x1, x2,… xn)においては、計量テンソルgij ならびにg = det(gij ) を用いて、以下のように表される。


















