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仙石原

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
仙石高原から転送)
仙石原
大字
金時山山頂よりみた仙石原地区
左に箱根火山の中央火口丘である神山、その手前が台ヶ岳
地図北緯35度16分11秒 東経139度00分37秒 / 北緯35.26964度 東経139.01025度 / 35.26964; 139.01025
日本の旗 日本
都道府県 神奈川県の旗 神奈川
足柄下郡
市町村 箱根町
人口情報2020年(令和2年)10月1日現在[1]
 人口 3,623 人
 世帯数 1,744 世帯
面積[2]
  22.101783749 km²
人口密度 163.92 人/km²
標高 640 m
郵便番号 250-0631[3]
市外局番 0460(小田原MA[4]
ナンバープレート 湘南
ウィキポータル 日本の町・字
神奈川県の旗 ウィキポータル 神奈川県
ウィキプロジェクト 日本の町・字
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仙石原(せんごくはら、せんごくばら)は神奈川県足柄下郡箱根町の地名。ススキ草原仙石原温泉で知られる。

概要

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箱根火山カルデラ内の北部に位置し、湿原草原が広がる。総面積は約16ha。これはかつてこの地域がカルデラ湖の一部だった名残りである。富士箱根伊豆国立公園に指定されている。現在は一部が別荘地やゴルフ場として整備されている。現在は2005年にオープンした箱根ラリック美術館をはじめ、ポーラ美術館星の王子さまミュージアム箱根ガラスの森等の美術館が点在し、美術館目当ての観光客も多い。

仙石原のことを、古くは「千穀原」とも書いた。地名の由来については複数の説があり、戦国時代から江戸時代前期にかけての武将・大名、豊臣秀吉の最古参家臣仙石秀久に由来する説や、源頼朝が雄大な原野を眺めて「この地を開墾すれば米千石はとれるだろう」と言ったのを由来とする説[5]などがある。

歴史

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紀元前1,000年ころに、神山の北西斜面で水蒸気爆発が起こり、これが引き金となって崩壊が起こり、大量の土砂が神山岩屑なだれとなって仙石原に流れ込んだ。その後、神山北西斜面の崩壊跡に地下からマグマが上昇し、冠ヶ岳ができ、冠ヶ岳火砕流が繰り返し北西斜面を流れ下り、このとき崩れた土砂が仙石原をつくった。弥生時代中期には、多量の土砂のせき止めによって、古芦ノ湖の仙石原部分が湿地化し、農耕民が住み始めた。

箱根山の噴火に関する主な出来事

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2015年4月26日から箱根山で火山性地震が増加し[8]、5月6日に箱根山が気象庁により噴火警戒レベル2に指定されると[9]、仙石原においても、観光に深刻な影響が出始めた[10]。立ち入り規制の対象となった大涌谷周辺の温泉と、そこから温泉の供給を受ける温泉への影響は大きく、仙石原温泉の業者の一人は、6月の始めから宿泊予約が激減したことを、「死活問題」と語った[10]

6月30日に噴火警戒レベルが3(入山規制)に引き上げられると[11]、仙石原のホテルにおいても、宿泊客が通常の5割以下になるところがみられるなど、事態が深刻化した[12]

地理

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河川

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明神ヶ岳(みょうじんがたけ)明星ヶ岳(みょうじょうがたけ)小塚山(こづかやま)台ヶ岳(だいがたけ)大涌谷(おおわくだに)神山(かみやま)箱根峠(はこねとうげ)三国山(みくにやま)古期外輪山(こきがいりんざん)古期外輪山(こきがいりんざん)中央火口丘(ちゅうおうかこうきゅう)湖尻(こじり)芦ノ湖(あしのこ)駿河湾(するがわん)
金時山南西の丸岳山頂付近からみた仙石原と周辺の山々 (2012年9月撮影)

世帯数と人口

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2020年(令和2年)10月1日現在(国勢調査)の世帯数と人口(総務省調べ)は以下の通りである[1]

大字 世帯数 人口
仙石原 1,744世帯 3,623人

人口の変遷

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国勢調査による人口の推移。

人口推移
人口
1995年(平成7年)[13]
4,588
2000年(平成12年)[14]
4,313
2005年(平成17年)[15]
4,022
2010年(平成22年)[16]
4,095
2015年(平成27年)[17]
3,611
2020年(令和2年)[1]
3,623

世帯数の変遷

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国勢調査による世帯数の推移。

世帯数推移
世帯数
1995年(平成7年)[13]
1,908
2000年(平成12年)[14]
1,831
2005年(平成17年)[15]
1,707
2010年(平成22年)[16]
1,922
2015年(平成27年)[17]
1,643
2020年(令和2年)[1]
1,744

事業所

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2021年(令和3年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[18]

大字 事業所数 従業員数
仙石原 340事業所 3,144人

事業者数の変遷

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経済センサスによる事業所数の推移。

事業者数推移
事業者数
2016年(平成28年)[19]
337
2021年(令和3年)[18]
340

従業員数の変遷

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経済センサスによる従業員数の推移。

従業員数推移
従業員数
2016年(平成28年)[19]
3,069
2021年(令和3年)[18]
3,144

施設

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箱根湿生花園(2017年7月)

文化財

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行事

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  • 3月 - すすき草原野焼き
  • 3月27日 - 仙石原諏訪神社にて例大祭が行われる。
    「湯立獅子舞」(仙石原神楽保存会)が行われる。
  • 5月5日 - 金時神社にて金時祭が行われる。
  • 7月第三日曜日 - 仙石原諏訪神社より御神輿が町内を練り歩く天王祭が行われる。
    家内安全・無病息災・商売繁盛を願い各家を一軒一軒周り地元の仙石原青年団が御神輿を左右に揺らし飛び跳ねる。
  • 8月13・14・15日 - 仙石原文化センターにて青年団による納涼盆踊り大会。
  • 8月下旬 - 仙石原文化センターにてすすき祭。

ギャラリー

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交通

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索道

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箱根ロープウェイ

バス

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仙石原を走る高速バス

拠点となる停留所としては、「仙石」・「仙石案内所前」・「仙郷楼前」などがある。すすき草原小田急ハイウェイバス箱根登山バスの「仙石高原」停留所が最寄である。

道路

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その他

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日本郵便

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脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b c d 令和2年国勢調査の調査結果(e-Stat) -男女別人口,外国人人口及び世帯数-町丁・字等”. 総務省統計局 (2022年2月10日). 2022年2月20日閲覧。
  2. ^ 『国勢調査町丁・字等別境界データセット』(CODH作成)”. CODH. 2023年8月22日閲覧。(CC-BY-4.0)
  3. ^ a b 仙石原の郵便番号”. 日本郵便. 2023年8月17日閲覧。
  4. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2019年6月24日閲覧。
  5. ^ 新編相模国風土記稿 仙石原村.
  6. ^ 同年9月3日、郵政省告示第461号「八十円郵便切手の様式の件」
  7. ^ 令和元年台風第19号災害対応報告書 p9”. 箱根町 (2020年). 2022年2月4日閲覧。
  8. ^ 「箱根のやや活発な地震活動(4月26日〜)」神奈川県温泉地学研究所
  9. ^ 「火山名 箱根山 噴火警報(火口周辺)」(気象庁地震火山部、平成27年5月6日)
  10. ^ a b 「箱根旅館、商店が悲鳴 宿泊予約入らず「死活問題」」(『スポーツ報知』、2015年6月7日)
  11. ^ 火山名 箱根山 噴火警報(火口周辺)平成27年6月30日12時30分 気象庁地震火山部
  12. ^ 「箱根温泉街が悲鳴 レベル引き上げで宿泊客5割以下」(『日刊スポーツ』2015年7月12日)
  13. ^ a b 平成7年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年3月28日). 2019年8月16日閲覧。
  14. ^ a b 平成12年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年5月30日). 2019年8月16日閲覧。
  15. ^ a b 平成17年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年6月27日). 2019年8月16日閲覧。
  16. ^ a b 平成22年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2012年1月20日). 2019年8月16日閲覧。
  17. ^ a b 平成27年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2017年1月27日). 2019年8月16日閲覧。
  18. ^ a b c 経済センサス‐活動調査 / 令和3年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 事業所数、従業者数(町丁・大字別結果)”. 総務省統計局 (2023年6月27日). 2023年9月15日閲覧。
  19. ^ a b 経済センサス‐活動調査 / 平成28年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 都道府県別結果”. 総務省統計局 (2018年6月28日). 2019年10月23日閲覧。
  20. ^ 郵便番号簿 2022年度版” (PDF). 日本郵便. 2023年7月17日閲覧。

参考文献

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関連項目

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