仙台ハイランド

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仙台ハイランド(せんだいハイランド)は、宮城県仙台市西部の山間に過去に存在していた遊園地ゴルフ場を中心とした複合レジャー施設である。2014年9月までサーキットの営業、2015年8月まで遊園地の営業、2016年11月までゴルフ場の営業が行われていた。また、いつ頃まで営業を行っていたのかは定かではないが、西仙台ハイランドスキー場という名称でスキー場の営業と、冬季以外も利用可能な人工スキー場の営業が行われていた。

開業当時は所在地住所が仙台市ではなく、仙台市の西に隣接する宮城郡宮城町であったため「西仙台ハイランド」という名称であったが、合併により宮城町が仙台市に編入された後に、施設名を「仙台ハイランド」へと改称した。

概要

青葉区太白区を分ける尾根上で両区にまたがる敷地を持つが、所在地は青葉区新川早坂12である。太白区側からは道路幅員狭小であり普通車クラスまでしか通行できないため青葉区側(国道48号)からのアクセスが一般的だった。

積雪地区にあるため、冬季閉鎖期間があった。例年3月中旬から営業期間に入り、遊園地は11月末、ゴルフ場は12月下旬まで営業していた[注 1]

かつては、サーキットの営業を行っていたが2014年9月15日付けで終了[1]。さらに遊園地も利用者の減少や遊具の老朽化のため2015年8月30日で閉園した [2]。跡地は売却される見通し。そして2016年11月にはゴルフ場の営業を終了した[3]

施設

仙台ハイランド遊園地

仙台ハイランド遊園地
仙台ハイランド入口
所在地日本の旗 日本 宮城県仙台市
座標北緯38度17分27秒 東経140度37分42秒 / 北緯38.290889度 東経140.62825度 / 38.290889; 140.62825
住所青葉区新川早坂12
公式サイトwww.aobagolf.jp/amusement/index
所有者株式会社青葉ゴルフ
開業1981年
閉鎖2015年8月31日
旧称西仙台ハイランド遊園地
開園期間3月中旬~11月末
アトラクション46
ジェットコースター3
ウォーターライド5

南東北遊園地協議会加盟の遊園地八木山ベニーランド(仙台市)およびリナワールド山形県上山市)との間で共通サービスがあった。

観覧車とメリーゴーランドは当施設閉鎖後に楽天山パーク(ネーミングライツ権により現在の名称はスマイルグリコパーク)に移転し改修され現在も稼動している。

遊具

プール

  • レジャープール(屋外プール)
  • アクアドーム(室内プール)
    • 流水プール
    • ウォーターボブスレー(ウォータースライダー)

その他

仙台ハイランドカントリークラブ

フェアウェイが広いため視野はいいが、フェアウェイ上に点在する松の木立のために攻略ルートが限られる難コース。

仙台ハイランドレースウェイ

メインコース コントロールタワー
  • メインコース - 左回り4,063m
  • オフロードコース - 全長1,463.70m
  • ドラッグコース - 全長935.4m
  • テクニカルコース - 全長705.73m
  • レンタルカートコース - 全長452.0m

メインコースでは、県内にあるスポーツランドSUGOと同じく山を開発したため高低差のあるコースだが、それに加え仙台ハイランドはタイトなコーナーが連続する中速サーキットとされる[4]。また同レベルの他サーキットに比べミューが低く、タイヤ戦略が難しい。2007年にはコースの舗装が一部改修された。

1994年から1998年まで全日本GT選手権が行なわれ、1987年から2007年まで全日本F3選手権が数回行なわれた。

2007年以降ではスーパー耐久レース以外には大きなイベントの開催が少なかった。また、コースレベルが整っていることに対して、年間を通してスケジュールに余裕があることや、仙台市中心やICからのアクセスが良く宿泊施設が整っているため、走り込みたい個人以外にもモータースポーツライセンスの講習会や小規模のイベント等が開催が容易いかった。また日産が日産・GT-Rの国内テストコースとするなど(カルロス・ゴーンも視察に来たことがある)、国内メーカーがテスト車両やタイヤの開発に利用していた[5]

日本で唯一 SS1/4Mileが計測できる常設ドラッグコースが常設されていた。

2011年3月の東日本大震災2012年爆弾低気圧[6]でコントロールタワー等の施設が大きなダメージを受け、以後スーパー耐久等の大規模レースイベントの開催を自粛し小規模な走行会イベントなどを中心に運営を続けていた。またコースの一部が崩落するなどの被害もあったが、これは補修された。最終的に2014年9月15日付けでサーキットの営業を終了することになった[7]。跡地はメガソーラーの建設が予定されている[8]

幻のWSPC開催

1987年には、世界スポーツプロトタイプカー選手権(WSPC)が開催される予定[注 2]だった。開催基準を満たすために、国際自動車連盟(FIA)および日本自動車連盟(JAF)の査察を幾度か受け入れコース改修作業を行ったが、最終確認時に開催基準を満たすことができず、開催1週間前に断念した。

西仙台ハイランドスキー場

最寄駅であったJR仙山線西仙台ハイランド駅(廃止済み)に到着後に当施設に電話連絡をすると、無料で駅と施設間の送迎をしてくれるサービスがあったため、自動車を運転する事が不可能な中学・高校生でも、保護者の同伴なしで施設を利用することが可能であった。しかし、JR仙山線を山形方面にさらに数駅行くと、当スキー場より施設の規模が大きく積雪量が安定していて雪質も良い山形県の面白山高原スキー場(廃止済み)があり、その最寄り駅である面白山高原駅のホームはゲレンデに直結していて(鉄道でしか行けないスキー場として有名であった)利便性が格段に良かったため、当時の宮城県の学生達は当スキー場よりも面白山高原スキー場を選択することが多かった。

現在宮城県のスキー場にはひとつも存在しないハーフパイプ設備が存在した。

冬季以外も利用可能な人工スキー場の営業も行われていた。

沿革

  • 1974年8月 - 仙台市の西に隣接する宮城郡宮城町に、西仙台ハイランドとしてオープン。
  • 1987年11月 - 宮城町が仙台市と合併したため、仙台市内となる。
  • 1989年4月 - 仙台市が政令指定都市化。住所が仙台市青葉区となる。
  • 1990年8月 - 現在の名称に変更。
  • 2006年5月 - 仙台ハイランドカントリークラブ、仙台地裁に民事再生法適用申請。
    親会社の青葉ゴルフが資金繰りに行き詰まり、会員権預託金返還が難しくなり、2006年5月24日に民事再生法を申請した。

その他

  • テレビ朝日のドラマ「西部警察 PART-III」第32話で、クライマックスのロケに使われた。
  • 1990年(平成2年)に仙台地区に流れた仙台ハイランドのCM(TVCM)にて、現在の「ハリケーンコースター」とは全く違うタイプのジェットコースターがCMで流されていた[注 3]
  • ジャッキー・チェン主演の映画『デッドヒート』(1996)の舞台となった。
  • テストコースとして使用された日産・GT-R(左ハンドル ニュルブルクリンク仕様)がセーフティカーに使用されている。またこのプラモデルが青島文化教材社から販売されている。
  • 遊園地に設置されていた観覧車は、遊園地閉鎖後、楽天Koboスタジアム宮城に移設され、野球場では国内初の施設として稼働している[9]

閉鎖後

産業廃棄物の不法投棄

レースウェイの建物やサーキットの路面は撤去、除去されたが、その際に発生した産業廃棄物は適正に処理されずに仙台ハイランド敷地内に不法投棄された。2017年9月20日、宮城県警は解体業者など関係先の家宅捜索するとともに同月25日、不法投棄箇所の掘削する捜索を行っている[10]

周辺

アクセス

JR仙山線には開設当初の名称を冠した「西仙台ハイランド駅」が存在していたが臨時駅である上に、2003年10月から全列車通過駅となっており、2014年3月をもって廃止されている[11]

脚注

  1. ^ 仙台ハイランドカントリークラブについては、当該期間中でも積雪状態によっては営業していた。
  2. ^ 耐久レースを富士スピードウェイで開催し、1週間後にスプリントレースが開催する予定であった。
  3. ^ 実際CMで流れていたジェットコースターは、当時の山梨・富士急ハイランドに有った「ムーンサルトスクランブル」だった。
  4. ^ 熊ケ根駅には電話による送迎案内の掲示がされている。

出典

関連項目

外部リンク