ハンブルク級駆逐艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。アルトクール (会話 | 投稿記録) による 2016年2月18日 (木) 15:49個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (行橋強真 (会話) による版を 60.41.71.30 による版へ巻き戻し)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

ハンブルク級駆逐艦
艦級概観
艦種 駆逐艦
艦名 西ドイツの州の名
就役期間 1964年 - 1994年
同型艦 4隻
前級 Z1級 (119型)ドイツ語版
※旧米海軍フレッチャー級駆逐艦
次級 ブランデンブルク級フリゲート
性能諸元
※101A改装後
排水量 基準:3,340t
満載:4,680t
全長 133.7m
全幅 13.4m
吃水 6.2m
機関 ボイラー (59kgf/cm², 465℃) 4基
蒸気タービン (34,000shp) 2基
スクリュープロペラ 2軸
速力 35ノット
航続距離 3,400 nmi / 18 kt
乗員 268名
兵装 Mle.53 100mm単装砲 3基
Mod.58-II MDL 40mm連装機銃 4基
エグゾセMM38 SSM連装発射筒 2基
M/50 375mm対潜ロケット砲 2基
533mm単装魚雷発射管 4門
爆雷投下軌条 2条
C4ISTAR 海軍戦術情報システム
(PALIS戦術情報処理装置+リンク 11)
M45 (100mm砲用GFCS) 3基
レーダー LW-04 長距離警戒用 1基
DA-08 対空捜索用 1基
ZW-01 対水上捜索用 1基
ソナー アトラスELAC-1BV 中周波型 1基
電子戦 AN/WLR-6 電波探知装置
SCLAR デコイ発射機 2基

ハンブルク級駆逐艦 (ドイツ語: Hamburg-Klasse Zerstörer) は、西ドイツ海軍駆逐艦。101型駆逐艦(Klasse 101)とも呼ばれる。

来歴

101型時代の「ハンブルク」

1955年西ドイツ再軍備を開始し、ドイツ連邦軍を編成した。本級は、西ドイツ初の国産駆逐艦として、新生ドイツ海軍の洋上兵力の基幹を為すものとして計画された。本級の整備計画は駆逐艦55Zerstörer 55)として進められ、12隻の整備が計画されていた。ただし、財政上の問題によって、最終的には4隻が建造されたのみに留まった[1]。建造はH・C・ストラッケン社ハンブルク造船所で行なわれた[2]

装備

本級は当初、対潜戦を主眼とするものとして開発された。その後、1975年から1977年にかけて、101A近代化改修が行われた。この改修の内容は下記の通りであった[2]

なおPALIS(Passiv-Aktiv-Link-Lage-Informationssystem)戦術情報処理装置は、元来はティーガー級ミサイル艇(148型)向けに開発されたものであり、海軍戦術情報システムに準じてリンク 11の運用能力を有しているが、同時期の日本のOYQ-3と同様、武器管制とは連接されなかった。電子計算機としてはAN/UYK-20 1基を、コンソールとしてはサンダースMk.95が用いられていた[3]。なおこの改修に伴って、当初は開放式であった艦橋が閉鎖式に変更されており、外見上の特徴となっている。

また1980年代末には、さらに戦術情報処理装置・電子戦装置の更新とRAM近接防空ミサイルの搭載を主眼とした101B改修が計画された。これらは1990年代後半に竣工する予定であったが、改修第1号とされた「ヘッセン」は改修途上で退役となった[2]。また他の艦の改修についても費用対効果を考慮して断念され、1994年までに全艦が運用を終了した[4]

配備

同型艦一覧
艦番号 艦名 起工 進水 就役 退役 備考
D181 ハンブルク
Hamburg
1960年
1月29日
1960年
3月26日
1964年
3月23日
1994年
2月24日
1998年、スペインにて解体。
D182 シュレースヴィヒ=ホルシュタイン
Schleswig-Holstein
1959年
8月20日
1960年
8月20日
1964年
10月12日
1994年
12月15日
1998年、ベルギーにて解体。
D183 バイエルン
Bayern
1961年
2月15日
1962年
8月14日
1965年
7月4日
1993年
12月7日
1995年、デンマークにて解体。
D184 ヘッセン
Hessen
1961年
2月1日
1963年
5月4日
1968年
10月8日
1990年
3月29日
1991年、ポルトガルにて解体。

ハンブルク級駆逐艦は4隻とも、1965年4月1日にヴィルヘルムスハーフェンにて編成された第2駆逐艦戦隊(2. Zerstörergeschwader)に配備された。

第2駆逐艦戦隊は1994年9月27日に解隊されたが、その伝統は1994年9月28日に編成された第6フリゲート戦隊(6. Fregattengeschwaderブランデンブルク級フリゲートが配備されていたが、2006年1月に解隊)が引き継いだ。

参考文献

  1. ^ Koop/Breyer: Die Schiffe, Fahrzeuge und Flugzeuge der deutschen Marine von 1956 bis heute., S. 48ff.
  2. ^ a b c Bernard Prezelin (1990). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 1990-1991. Naval Institute Press. ISBN 978-0870212505 
  3. ^ Norman Friedman (1997). The Naval Institute guide to world naval weapon systems 1997-1998. Naval Institute Press. ISBN 9781557502681. http://books.google.co.jp/books?id=l-DzknmTgDUC 
  4. ^ Koop/Breyer: Die Schiffe, Fahrzeuge und Flugzeuge der deutschen Marine von 1956 bis heute., S.51
  • Gerhard Koop; Siegfried Breyer (1996). Die Schiffe, Fahrzeuge und Flugzeuge der deutschen Marine von 1956 bis heute. Bernard & Graefe Verlag. ISBN 9783763759507 

外部リンク

関連項目