フォレスト・シャーマン級駆逐艦

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フォレスト・シャーマン級駆逐艦
DD-936ディケイター
艦級概観
艦種 駆逐艦
艦名 海軍功労者。一番艦はフォレスト・シャーマン提督に因む。
前級 ギアリング級
ミッチャー級(途中でDLに種別変更)
次級 スプルーアンス級(DD)
チャールズ・F・アダムズ級(DDG)
性能諸元
排水量 基準:2,800トン 満載:4,050トン
全長 127.5m
全幅 13.8m
吃水 6.7m
機関 フォスター・ホイーラーボイラー(DD-937、943、944、945、946、948はバブコック・アンド・ウィルコックス製) 4基
ゼネラル・エレクトリック蒸気タービン
(各35,000shp; DD-931はウェスティングハウス製)
2基
推進器 2軸
速力 最大: 32.5ノット
航続距離 4,500海里(20ノット時)
乗員 士官17名、兵員275名

フォレスト・シャーマン級駆逐艦 (Forrest Sherman class destroyers) は、アメリカ海軍駆逐艦の艦級。第二次世界大戦後にアメリカ海軍が初めて量産建造した駆逐艦であるとともに、艦砲魚雷を主武装とした最後のアメリカ駆逐艦でもある[1]。1953年から1959年にかけて18隻が建造され、1955年より順次就役を開始したが、1988年までに運用を終了した。

目次

概要 [編集]

SCB-85計画に基づいて建造されたが、ハル (DD-945) 以降は新型のボイラー自動燃焼システムを装備し、改良されたハリケーン・バウおよびアンカーを装着した、SCB-85A計画に移行している。このことから、SCB-85A計画艦についてはハル級駆逐艦と分類している資料もある。

本級は、大出力のAN/SQS-4艦首装備ソナーと新型のMk.42 54口径127mm単装速射砲による強力な対空・対潜戦闘力を備え、これに伴う大型化を補うため、蒸気圧力が1,200 psi以上の高圧ボイラーを備えている。

また1960年代には、ターター・システムを搭載しての防空艦改修が計画された。これはSCB240計画と呼ばれており、後部のMk.42 5インチ砲 2基を代償にしてMk.13 mod.0 GMLSおよびMk.74 GMFCSを搭載するほか、後部マストを大型化してAN/SPS-39 3次元レーダーを搭載したものである。当初は全艦がSCB240改修を受けるよう計画されたが、新造のチャールズ・F・アダムズ級に比べて、戦闘能力が2/3に限定され、費用対効果が劣ると判断されたことから、4隻が改修されるに留まった。

その後、DDG改修を受けなかった艦を対象に、対潜能力を高める改装が計画された。これは、ソナーを新型のAN/SQS-23に改装するとともにSQS-35可変深度ソナーを追加装備し、さらに長射程の対潜火力としてQH-50 DASHを搭載するというものであったが、改修が実行に移される前にDASHの運用が中止されたため、実際には、アスロック対潜ミサイルを運用するためのMk.16 GMLSを搭載することとなった。この改修は、当初はSCB251と呼ばれていたが、実際には、最初に改修されたDD-933「バリー」以外の艦に行なわれた改修はSCB221と呼ばれている。また、当初はDDG改修を受けなかった全艦が対象とされていたが、予算削減の煽りを受けて、実際に改装されたのは8隻に終わった。

本級は1960年代から1970年代にかけて、アメリカ海軍の空母戦闘群において護衛兵力の一翼をなし、トンキン湾事件でも「ターナー・ジョイ」 (DD-951) が参加した。また、大発射速度・長射程のMk.42 54口径5インチ単装速射砲3門による対空砲火力は、38口径5インチ砲6門搭載のギアリング級よりも高く評価された[1]。しかし、1970年代後半になると、防空火力ではミサイル駆逐艦に及ばず、また、SCB199シリーズ護衛駆逐艦よりも、機関の維持等の運用コストが高い[1]にもかかわらず対潜能力が同等であることから、コストパフォーマンスの悪い艦と見なされるようになっていた。このため、1970年代中盤より、新世代の汎用駆逐艦であるスプルーアンス級が就役し始めるとともに、本級は順次運用を終了し、DDG改装艦は1985年までに全艦が退役、冷戦の終結に伴って未改修艦やASW強化改装艦も急速に減勢し、1990年までに全艦が退役した[1]

兵装・電子戦要目 [編集]

対潜能力向上化改装後のDD-933バリー
DDG改装後のDDG-31ディケイター
新規建造時
SCB-85/85A
対潜強化艦
SCB-221/251
DDG改装艦
SCB-240
兵装 Mk.42 54口径127mm単装速射砲×3基 Mk.42 54口径127mm単装速射砲×1基
Mk.33 50口径76mm連装速射砲×2基 Mk.13 ミサイル発射機×1基
(RIM-24/66 SAM)
Mk.10/11 ヘッジホッグ対潜迫撃砲×2基
Mk.9爆雷投下軌条×1条 Mk.16 アスロック 8連装発射機×1基
Mk.25 533mm単装魚雷発射管×4門
Mk.32 3連装魚雷発射管×2基
FCS Mk.68 GFCS×1基
Mk.56 GFCS×1基 Mk.74 GMFCS×1基
Mk.105 UBFCS×1基 Mk.114 UBFCS×1基
レーダー - AN/SPS-39 3次元
AN/SPS-37 または AN/SPS-40 2次元対空捜索
AN/SPS-10 対水上捜索
ソナー QHB (後にAN/SQS-4) AN/SQS-23
AN/SQS-35 IVDS
電子戦
対抗手段
WLR-1 / WLR-3 ESM装置
ULQ-6 ECM装置

同型艦 [編集]

番号 艦名 造船所 就役 退役 改装 その後・備考 リンク
DD-931 フォレスト・シャーマン
USS Forrest Sherman
バス鉄工所 1955年 1982年 未改装 記念艦として寄贈のため保管中, 10/10/1996 [1]
DD-932
/ DDG-32
ジョン・ポール・ジョーンズ
USS John Paul Jones
1956年 1982年 DDG改装 艦隊演習で標的艦として海没処分, 01/31/2001 [2]
DD-933 バリー
USS Barry
1956年 1982年 ASW強化 除籍後に記念艦として寄贈のため保管, 01/31/1983; 現在ワシントンD.C.で公開中 [3]
DD-936
/ DDG-31
ディケーター
USS Decatur
ベスレヘム・スチール,
フォアリバー
1956年 1983年 DDG改装 艦隊演習で標的艦として海没処分, 07/21/2004 [4]
DD-937 デイヴィス
USS Davis
1957年 1982年 ASW強化 防衛再利用マーケティング・サービス (DRMS) によってスクラップとして売却, 06/30/1994 [5]
DD-938 ジョナス・イングラム
USS Jonas Ingram
1957年 1983年 ASW強化 艦隊演習で標的艦として海没処分, 07/23/1988 [6]
DD-940 マンリー
USS Manley
バス鉄工所 1957年 1983年 ASW強化 防衛再利用マーケティングサービス(DRMS)によってスクラップとして売却, 06/30/1994 [7]
DD-941 デュポン
USS Du Pont
1957年 1983年 ASW強化 防衛再利用マーケティングサービス(DRMS)によってスクラップとして売却, 12/11/1992 [8]
DD-942 ビグロー
USS Bigelow
1957年 1982年 未改装 艦隊演習で標的艦として海没処分, 04/02/2003 [9]
DD-943 ブランディ
USS Blandy
ベスレヘム・スチール,
フォアリバー
1957年 1982年 ASW強化 防衛再利用マーケティングサービス(DRMS)によってスクラップとして売却, 06/30/1994 [10]
DD-944 ムリニクス
USS Mullinnix
1958年 1983年 未改装 艦隊演習で標的艦として海没処分, 08/23/1992 [11]
DD-945 ハル
USS Hull
バス鉄工所 1958年 1983年 未改装 艦隊演習で標的艦として海没処分, 04/07/1998 [12]
DD-946 エドソン
USS Edson
1958年 1988年 未改装 記念艦として寄贈のため保管中, 06/14/2004 [13]
DD-947
/ DDG-34
ソマーズ
USS Somers
1959年 1982年 DDG改修 艦隊演習で標的艦として海没処分, 07/22/1998 [14]
DD-948 モートン
USS Morton
インガルス造船所 1959年 1982年 ASW強化 防衛再利用マーケティングサービス(DRMS)によってスクラップとして売却, 03/04/1992 [15]
DD-949
/ DDG-33
パーソンズ
USS Parsons
1959年 1982年 DDG改修 艦隊演習で標的艦として海没処分, 04/25/1989 [16]
DD-950 リチャード・S・エドワーズ
USS Richard S. Edwards
ピュージェット・サウンド 1959年 1982年 ASW強化 艦隊演習で標的艦として海没処分, 04/10/1997 [17]
DD-951 ターナー・ジョイ
USS Turner Joy
1959年 1982年 未改修 記念艦として寄贈, 04/10/1991; 現在ワシントン州ブレマートンで公開中 [18]

脚注 [編集]

  1. ^ a b c d アメリカ駆逐艦史 世界の艦船 1995年5月号増刊 海人社

参考文献 [編集]