トヨタ・TF103

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トヨタ・TF103
カテゴリー F1
コンストラクター トヨタ
デザイナー グスタフ・ブルナー
ルネ・ヒルホルスト(空力ヘッド)
高橋敬三
ルカ・マルモリーニ
先代 トヨタ・TF102
後継 トヨタ・TF104
主要諸元
シャシー カーボンファイバー ハニカム コンポジット モノコック
サスペンション(前) プッシュロッド トーションバー
サスペンション(後) プッシュロッド トーションバー
エンジン トヨタ・RVX-03
トランスミッション 6速 セミAT
燃料 エッソ
タイヤ ミシュラン
主要成績
チーム パナソニック トヨタ・レーシング
ドライバー フランスの旗 オリビエ・パニス
ブラジルの旗 クリスチアーノ・ダ・マッタ
コンストラクターズタイトル 0
ドライバーズタイトル 0
初戦 2003年オーストラリアグランプリ
出走優勝ポールFラップ
16000
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トヨタ・TF103、トヨタ2003年のF1世界選手権に投入したフォーミュラ1カー。デザイナーはグスタフ・ブルナー

開発[編集]

TF103はトヨタのテストコースであるポール・リカール・サーキットで、2003年1月8日に公開された。

TF103はコンベンショナルな設計であり、チームの認識は前作のTF102の「論理的な発展」であった。グスタフ・ブルナー、高橋敬三による共同設計作であり、いっそうの軽量化と高ダウンフォース化が計られた。

一番の改良はエンジンであった。RVX-03は2002年9月に初のテストが行われ、チームに軽量化と高出力の二つの恩恵をもたらした。エンジン改良の功績はルカ・マルモリーニによるものであった。

シーズン中には空力面のアップデートが続けられた。スペインGPではディフューザーやバージボードを改良。イギリスGPではサイドポンツーンがシェイプアップされ、フェラーリ・F2003-GA風の放熱ルーバーが刻まれた。ドイツGPではバージボードを廃してボーダーフィンを取り付けた。また、ミシュランタイヤとのマッチングを最適化するため、サスペンションやセッティングの調整が行われた。

パフォーマンス[編集]

ハンガリーGPのダミーグリッドに停まるTF103(手前のマシン)、ドライバーはクリスチアーノ・ダ・マッタ

ドライバーランナップを一新し、B・A・Rからオリビエ・パニスを迎え、2002年のCARTチャンピオンであるクリスチアーノ・ダ・マッタがF1へ転向した。

TF103は予選でトップ10入りすることが多くなったが、速さはなく決勝でのレースペースにつながらないという課題もあった。イギリスGPではコースに闖入者(ニール・ホラン)が侵入した際の混乱で、11周目には1-2を走行している。日本GPでは天候の巡り合わせもあったが、予選セカンドローに2台を並べた。

結局ルール改正にも助けられ、ダ・マッタが10ポイント、パニスが6ポイントと計16ポイントを獲得して、この年のコンストラクターズランキングは8位となった。

スペック[編集]

TF103のステアリング

シャーシ[編集]

エンジン[編集]

F1における全成績[編集]

(key) (太字ポールポジション

シャシー/エンジン
タイヤ
ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 ポイント 順位
2003年 TF103
トヨタ V10
M
AUS
オーストラリアの旗
MAL
マラヤ連邦の旗
BRA
ブラジルの旗
SMR
サンマリノの旗
ESP
スペインの旗
AUT
オーストリアの旗
MON
モナコの旗
CAN
カナダの旗
EUR
欧州連合の旗
FRA
フランスの旗
GBR
イギリスの旗
GER
ドイツの旗
HUN
ハンガリーの旗
ITA
イタリアの旗
USA
アメリカ合衆国の旗
JPN
日本の旗
16 8位
フランスの旗 パニス Ret Ret Ret 9 Ret Ret 13 8 Ret 8 11 5 Ret Ret Ret 10
ブラジルの旗 ダマッタ Ret 11 10 12 6 10 9 11 Ret 11 7 6 11 Ret 9 7

参照[編集]

外部リンク[編集]