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タコマ級フリゲート

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タコマ級フリゲート
PF-67 ピオリア (1945年)
PF-67 ピオリア
基本情報
艦種 哨戒フリゲート
命名基準 都市名
前級 アッシュヴィル級フリゲート
要目
排水量 1,264 トン
全長 93.0メートル (305.1 ft)
最大幅 11.4メートル (37 ft)
吃水 3.5メートル (11 ft)
機関方式 ボイラー×2基+直立型4気筒3段膨張式レシプロ蒸気機関×2基(5,500shp), 2軸推進
速力 20ノット (37 km/h)
航続距離 8,250海里 (15,280 km)
乗員 190名
兵装 50口径Mk.22 3インチ単装砲×3門
40mm連装機銃×2基
20mm単装機銃×9門
ヘッジホッグ×1基
対潜爆雷投射機(Y砲)×8基
爆雷投下軌条×2条
レーダー SA 対空
SL 対水上
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タコマ級フリゲート (英語: Tacoma class frigate) は、第二次世界大戦期に運用された、アメリカ海軍の哨戒フリゲート

概要

アメリカがイギリスのリバー級フリゲートを原型として自国用に建造したもので、他の多くの戦闘艦と異なり、商船構造で設計された。このため防御力の面で見劣りしたものの、建造期間が短くなったうえ、海軍の造船所ではなく民間の造船所に建造を委任することができた。第二次大戦中に建造されたアメリカの護衛駆逐艦は主機関に蒸気タービンもしくはディーゼルエンジンを利用[1]するが、タコマ級は原型艦と同様に直立型直列4気筒3段膨張式のレシプロ蒸気機関を使用する[2]

タコマ級フリゲートは他国への貸与・供与が多かった。建造された96隻のうち21隻はイギリス海軍に貸与され、コロニー級と新たに命名された。また、大戦末期には日本に対する防備用として28隻がソ連赤色海軍に供与された。ソ連では警備艦に分類され、タコマ級あるいはPF級の艦級名で呼ばれた。なお、アメリカ本国に配備されたものも、多くの艦はアメリカ沿岸警備隊の要員によって運用されていた。

終戦後、ソ連から返還された内の18隻は日本の海上警備隊に貸与され警備船となり、海上自衛隊発足後はくす型護衛艦(PF)として1972年まで運用された。

また、ソ連から返還された内の5隻は創生期の大韓民国海軍にも貸与され、豆満級フリゲートとして1973年まで運用された。

脚注

  1. ^ これらの機関で発電機を作動させ、電動モーターでスクリューを回転させる方式が多い。
  2. ^ アメリカの護衛駆逐艦が1軸推進を特徴とするようになるのは、第二次大戦後に設計・建造されたディーレイ級以降である。
    1軸推進機関は、護衛駆逐艦の発展型である航洋護衛艦・フリゲートにも受け継がれており、O.H.ペリー級もその例外ではない。

関連項目

外部リンク