ディーレイ級護衛駆逐艦
| ディーレイ級護衛駆逐艦 | ||
|---|---|---|
| 艦級概観 | ||
| 艦種 | 護衛駆逐艦 | |
| 艦名 | 海軍功労者 一番艦はサミュエル・D・ディーレイに因む。 | |
| 建造期間 | 1952年 - 1958年 | |
| 就役期間 | 1954年 - 1974年 | |
| 前級 | ジョン・C・バトラー級護衛駆逐艦 | |
| 次級 | クロード・ジョーンズ級護衛駆逐艦 | |
| 性能要目 | ||
| 排水量 | 基準:1,314 t | |
| 満載:1,877 t | ||
| 全長 | 96.01m | |
| 全幅 | 11.21m | |
| 吃水 | 3.38m | |
| 機関 | 蒸気タービン2缶1基 1軸推進(20,000 shp) |
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| 最大速力 | 27ノット | |
| 航続距離 | 6,000海里(12ノット時) | |
| 乗員 | 士官12名、兵員160名 | |
| 兵装 | Mk.33 3インチ連装砲 | 2基 |
| Mk.108 ウェポン・アルファ対潜迫撃砲 | 1基 | |
| Mk.32 3連装短魚雷発射管 | 2基 | |
| 爆雷投射機 | 8基 | |
| 爆雷投下軌条 | 1条 | |
| 艦載機 | QH-50 DASH (無人対潜ヘリ) (1962年以降のFRAM改装で搭載、DE-1006,1014,1021を除く) |
2機 |
| レーダー | AN/SPS-6 対空捜索用 | |
| AN/SPS-10 対水上捜索用 | ||
| ソナー | AN/SQS-4 艦底装備 のちにSQS-23に換装(※一部艦除く) |
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| FCS | Mk.63 砲FCS | |
| Mk.105 水中FCS | ||
ディーレイ級護衛駆逐艦(ディーレイきゅうごえいくちくかん Dealey class destroyer escorts)は、アメリカ海軍の護衛駆逐艦の艦級。計画名はSCB72。当初は航洋護衛艦(ocean escorts、元の護衛駆逐艦)と呼ばれたが、1975年6月30日の艦種変更でフリゲートに分類された。1952年から1958年にかけて13隻が建造され、1954年より就役を開始し、1974年まで運用されていた。
目次 |
[編集] 概要
ディーレイ級は、アメリカ海軍が第二次大戦後初めて建造した護衛駆逐艦である。多くの新機軸を採用し、戦後のアメリカ護衛駆逐艦のプロトタイプとなった。
本級は、新開発のSQS-4ハル・ソナー、Mk.108 ウェポン・アルファ対潜迫撃砲、のちにはMk 32 短魚雷発射管と、最新鋭の対潜機器・兵装を搭載した。ただし、Mk 108 ウェポン・アルファの開発遅延から、初番艦はスキッド対潜臼砲を搭載して就役したほか、部隊配備後も可動率の低さなどもてあまし、最終的に撤去されている。また、DE-1006,1014,1021を除く各艦は1962年より順次改装を受け、ソナーを新型のSQS-23に換装するとともに、後部の3インチ砲と爆雷を撤去して、QH-50 DASH (無人対潜ヘリコプター) 2機およびその運用設備を設置した。ただし、DASHはのちに運用中止され、その運用設備は、ヘリコプターの発着甲板に変更されている。
本級は、このように多くの新機軸を盛り込んだものの、就役後もなお進歩しつづけるテクノロジーに対応するには、あまりに小さすぎ、また、原子力潜水艦の速力に対抗するには、あまりに鈍足であった。このことから、本級は失敗作と見なされ、ノックス級フリゲートの就役に伴い、1972年から1973年にかけて全てが退役した。ディーレイ(USS Dealey, DE-1006)およびハートレイ(USS Hartley, DE-1029)は1972年に外国に売却されたが、残りの艦は全てスクラップとして売却された。しかし、本級の代替となったノックス級を含めて、SCB199シリーズと呼ばれる護衛駆逐艦のシリーズは、いずれも本級をベースとしており、その歴史的な意義は決して小さくない。
[編集] 来歴
本級の計画は、当初、沿岸域での船団護衛や哨戒を狙って、173フィート型駆潜艇の発展型として開始された。しかし、駆潜艇の延長線上の設計では、新しく開発されたソナーや対潜前投兵器を搭載する余地を確保できないことから、より大型の設計に変更された。これに続く構想では、1000トン級に大型化し、76ミリ砲やヘッジホッグ、爆雷、魚雷発射管などを搭載するものとなったが、根本的な問題の解決には至らなかった。このことから、最終的にはジョン・C・バトラー級護衛駆逐艦をベースとして、新開発の対潜前投兵器やソナーに対応して設計されることとなった。
[編集] 船体・機関
本級は、大戦型の護衛駆逐艦と同様の平甲板船型を採用しており、また、荒天時のピッチング減少を狙って重心を後方に下げ、艦首の乾舷を高めている。上部構造物にはアルミニウム軽金属が多用され、重量を40%低減している[1]。
また、本級は、主機関についても新しい設計を採用している。従来のアメリカ護衛駆逐艦は、蒸気タービン推進とする際には、通常の駆逐艦などと同様にタービン2基、2軸推進を採用していた。これに対し、本級は、戦時の急速建造を考慮して、フォスター・ホイーラー式水管缶2基とド・ラバル式ギヤード・タービン1基に1軸推進という方式を採用した。主機タービンは高圧・低圧の2胴構成で、機関に異常が生じた際にも極力推進力を維持できるよう、必要に応じて高圧タービンと低圧タービンのいずれか一方で運転可能とした。本級の機関出力は20,000馬力、主缶で発生される蒸気の性状は、圧力42.2kgf/cm²(600psi)、温度454℃であった[2]。
同様にギヤード・タービンを採用したジョン・C・バトラー級護衛駆逐艦(ただし2基2軸式)においては、出力12,000馬力で機関重量403トンであったのに対し、本級では出力20,000馬力で412トンとなっており、技術進歩と1軸推進へのトレードオフの成果が如実に現れている。これは、のちのブロンシュタイン級フリゲートにはじまるSCB199シリーズにおいても採用され、アメリカ護衛駆逐艦で標準的な方式となった[2]。
[編集] 装備
本級は、レーダー、ソナー、対潜兵器、主砲など、装備のあらゆる面で新型化がはかられており、その戦闘能力は、従来の艦を大きく上回っている。
[編集] 対潜戦闘システム
本級は、対潜センサーとして新開発のAN/SQS-4ソナー・システムを初搭載した。これは8〜14キロヘルツの周波数を使用し、探知距離4600メートルを狙ったものであった。のちには、より強力・低周波のAN/SQS-23に換装されている(一部艦を除く)。これは、周波数4.5〜5.5キロヘルツ、探知距離9100メートルであった[3]。
また、本級は、新世代の対潜前投兵器として、Mk.108 ウェポン・アルファ対潜迫撃砲を装備した。これは、従来より使用されていたヘッジホッグよりも大型のロケット爆雷を、より長距離(最大射程700〜900メートル)に投射するもので、新世代の対潜兵器として大いに期待されたものであった。しかし、実際には、不発率の高さで現場での評判は悪く、また、原子力推進の導入により高速化する潜水艦脅威には対抗しきれないものであった。このことから、のちには、より信頼性の高い対潜火力として、Mk.44短魚雷を発射する3連装のMk 32 短魚雷発射管を装備している[3]。これらを統制する水中攻撃指揮装置 (UBFCS) としては、護衛駆逐艦 (DDE) 改修を受けたフレッチャー級駆逐艦やミッチャー級駆逐艦が搭載したMk.102の簡素化・改良型であるMk.105を採用した[4]。
また、のちに、本級の一部は、新開発の長距離対潜兵器であるQH-50 DASH (無人対潜ヘリコプター)を搭載した。これは、無線誘導の無人ヘリコプターによって、母艦装備のソナーで探知した敵潜水艦に対して短魚雷を投射するものであったが、これまた信頼性の低さから短期間の運用に終わった。DASHを搭載した艦の多くは、のちにLAMPSを搭載するよう改修されたが、本級は船型過小であると考えられたことから、ヘリコプターの着艦に対応するように飛行甲板を拡張したのみで、LAMPSの搭載は行なわなかった。
[編集] 砲熕兵器システム
本級は、新開発のMk.33 3インチ連装速射砲をはじめて搭載した。これは、従来、個艦防空に用いられてきた4連装のボフォース 40mm機関砲の代替として開発された、アメリカ海軍の第二次世界大戦後第一世代の3インチ砲システムである。極めて高い発射速度・追随性能を備えた半自動砲であり、VT信管によって極めて高い防空効果を発揮できる。本級は、これを前後に1基ずつ搭載し、極めて高い個艦防空力を備えた。その射撃指揮は、SPG-34レーダーを有するMk.63 砲射撃指揮装置によって行なわれた[3]。
[編集] 準同型艦
- オスロ級フリゲート
- 本級を元に建造されたノルウェー海軍のフリゲート。
- アルミランテ・ペレイラ・ダ・シルヴァ級フリゲート
- 本級を元に建造されたポルトガル海軍のフリゲート。対潜前投兵器として、4連装ボフォース対潜ロケット砲を2基搭載している。
[編集] 参考文献
- アメリカ護衛艦史 世界の艦船 2006年1月号増刊 海人社 EAN 4910056040164
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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