アイバニーズ
アイバニーズ(Ibanez)は、日本の楽器メーカー、星野楽器のギターベースに名を冠されるブランド。
第二次大戦前に星野楽器が輸入していたスペインのギター製作家サルバドール・イバニェス(Salvador Ibañez)の工房がスペイン内戦によって廃業した[1]後、星野楽器が商標を買い取ったものが始まり。当初はイバニェス・サルバドール(Ibanez Salvador)ブランドであったが[2]、後にIbanezとされた。
日本ではIbanezは「イバニーズ」とも読まれていたが、1980年代の末頃、英語読みをカタカナ化した「アイバニーズ」を正式な呼称と定めた。
概要
1970年代後半から1980年代にかけて一斉を風靡したニューミュージックバンド、オフコースのギタリスト、鈴木康博にAR(Artist)シリーズを提供し広告塔としていた[3]。1980年代のヘヴィメタルブームの時期に看板モデルRGを誕生させ、ポール・ギルバートやスティーヴ・ヴァイらと積極的にエンドースメント契約を結んで人気が高まり、コーン、リンプ・ビズキットなどのヘヴィロックのミュージシャンに支持されるようになる。オフスプリング、ペニーワイズなどのメロコア勢にも多数使用されている。
前出の二人の他、ジョー・サトリアーニ、パット・メセニー、ジョージ・ベンソン、ジョン・スコフィールドらにもギターを提供し、シグネイチャー・モデルを生産した。
GSRシリーズなど価格面でも操作性面でも優しく設計された初心者向けの製品の販売もしており、廉価版アンプも数種類用意されている。
エフェクターやアンプも製造しているが、特にオーバードライブ・エフェクターの「チューブ・スクリーマー」シリーズはゲイリー・ムーア、スティーヴィー・レイ・ヴォーンらも愛用する、この分野の定番商品である。事実上世界初の市販化となった7弦ギターやエクストラロングスケールのギターなど、先進的な製品を発売することでも知られている。さらに2008年には8弦エクストラロングスケールギターを発売[4]、2009年には7弦ベースを発売[5]、2014年には9弦28インチスケールギターを発売している。
略歴
- 1908年、星野書店の楽器部として創業。
- 1929年、合資会社星野楽器店設立。
- 1935年、弦楽器の製造を開始。
- 1962年、星野楽器店がエレクトリックギター、ギターアンプの製造メーカー「多満製作所」を設立。この頃に、輸出用ブランドとして「アイバニーズ」が誕生。
- 1972年、アメリカの楽器販売会社「ELGER CO.」を買収
- 1981年、「ELGER CO.」を「HOSHINO INC.」に、「星野楽器店(資)」を「星野楽器(株)」に、「多満製作所」を「星野楽器製造(株)」に改名。
主な製品
- ギター
- 2002年、オランダの楽器販売会社「SERLUI B.V.」を買収。
- エフェクター
主な使用アーティスト
日本国外 ※[]内はシグネチャー・モデル
- ポール・スタンレー シグネチャー・モデル PS1CM、PS10 BK、PS120 BK
- ゲイリー・ウィルス[GWB]
- スティーヴ・ヴァイ [JEMシリーズ/UVシリーズ]
- スティーヴ・ルカサー [ROCKET ROLL Ⅱ SPECIAL MODEL 400SL ]
- ジョー・サトリアーニ [JSシリーズ]
- フィル・コリン(デフ・レパード) [DestroyerⅡ DT-555]
- ニック・ヒパ(アズ・アイ・レイ・ダイング)
- ジョシュ・ギルバート(〃)
- クリント・ノリス(-ex アズ・アイ・レイ・ダイング)
- デクスター・ホーランド(オフスプリング)
- ヌードルズ(〃) [NDMシリーズ]
- ポール・ギルバート(レーサーX、Mr.Big) [PGMシリーズ/FRMシリーズ] オールドアイバニーズコレクターとして知られ、60〜70年代以降のモデルを多数所有し、実際にレコーディングにも使用している。
- マーティ・フリードマン(-ex メガデス)[MFMシリーズ]
- クリス・ブロデリック(〃)
- マンキー(KORN) [APEXシリーズ]
- フィールディ(〃)[K5]
- ヘッド(〃)[KOMRAD]
- フランク リデル [UV777BK]
- ディーノ・カザレス(フィア・ファクトリー)[DCM]
- シャーリー・ダンジェロ(アーチ・エネミー、スピリチュアル・ベガーズ)
- ジョージ・ベンソン [GBシリーズ]
- アンディ・ティモンズ [ATシリーズ]
- パット・メセニー [PMシリーズ]
- ジョン・スコフィールド [JSM100]
- ヤニ・リーマタイネン(-ex ソナタ・アークティカ)
- ピーター・イワース (イン・フレイムス)[PIB]
- フランク・ギャンバレ [FGMシリーズ]
- ミック・トムソン(スリップノット) [MTM1]
- ポール・グレイ(〃)
- マイク・ダントニオ(キルスウィッチ・エンゲイジ)
- サム・トットマン(ドラゴンフォース)[STM1]
- ハーマン・リ(〃)[EGEN18]
- イーサーン(エンペラー)
- ポール・ロマンコ(シャドウズ・フォール)[PRB1]
- マシュー・バックハンド(〃)[MBM1]
- オマー・ロドリゲス・ロペス [ORM1]
- キコ・ルーレイロ(アングラ、メガデス)[KIKO100]
- カン・ピョンフィ(牡丹峰楽団)
- ジェラルド・ビーズリー[GVB]
- トニー・マカパイン
- パーシー・ジョーンズ
- フレドリック・トーデンダル(メシュガー)[M8M]
- マルテン・ハグストローム(〃)[M8M]
日本国内
- 手島いさむ(UNICORN)
- 鈴木康博(オフコース)
- 安部俊幸(チューリップ、オールウェイズ)
- 姫野達也(〃)
- 宮城伸一郎(ARB、チューリップ)
- 津本幸司
- 寺尾聰
- 飯塚昌明
- 阿部真央
- SCHON(-exMR.ORANGE、CRAVE)
- 狩姦(陰陽座)
- HIRO(HEAD PHONES PRESIDENT)
- MAR(〃)
- NARUMI(〃)
- 鈴木修
- ルイ(SCREW)[SRT]
- 零乃(ViViD)[J-Custom]
- 渡辺祐 [AT100,J-custom]
- 虎(Alice Nine)
- 比嘉 清正 (紫)
- 早川岳晴
シリアルナンバー
Serial numbers |
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国産Ibanezのシリアルナンバー (アコースティック以外) Japanese Ibanez Serial Numbers 1997年以降 (CEマーク)
1987-1997
1975-1986
ほとんどの国産Ibanezはフジゲンによって製造されているが、Blazerモデルはダイナ楽器 、Axstar by Ibanez(AX40, AX45, AX48, AXB50, AXB60, AXB65, AX70, AX75)は中信楽器によって製造されている。Axstar AXB1000はフジゲン製である。 韓国製のIbanezシリアルナンバー C = Cort製, S = Samick製(1990–1995), S/SQ = Vester Guitars(Saehan)製, P = Peerless(飯田楽器)製, Y = Yoojin製, A = Sae-In製.
E = Crafter(Sung-Eum)製
W = World Musical Instruments製
インドネシア製のIbanezシリアルナンバー I = Cortのインドネシア工場製, K = KWO Hsiao製
中国製のIbanezシリアルナンバー Z = Yeou Chern製, J=Sejung製
その他のIbanezシリアルナンバー
過去のアコースティック
Silver Cadet model
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関連項目
脚注
- ^ Historic Guitar Markers of the Valencia School http://zavaletas-guitarras.com/content/index.cfm?action=view&ContentID=68&Parent_ContentID=39
- ^ Ibanez Brand History http://www.hoshinogakki.co.jp/hoshino_j/history/ibanez_h.html
- ^ なお、同時期にARを使用していたミュージシャンに、チューリップの安部俊幸(チューリップ脱退前後は特別仕様のAM205に変更)、寺尾聰などがいる
- ^ 日本では予約限定生産で2009年2月発売予定。
- ^ 本数限定SPOT生産で2009年7月発売。http://www.ibanez.co.jp/japan/news/f_products/2009/SR7/index.html