えのしま (列車)

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えのしま
メトロえのしま
えのしま号(2004年2月14日 大和駅)
えのしま号(2004年2月14日 大和駅
概要
日本の旗 日本
種類 特別急行列車
現況 運行中
地域 東京都・神奈川県
運行開始 えのしま:1964年(昭和39年)
メトロえのしま:2018年(平成30年)
運営者 小田急電鉄
路線
起点 新宿駅北千住駅
終点 藤沢駅片瀬江ノ島駅
使用路線 小田急小田原線江ノ島線
東京メトロ千代田線
技術
車両 30000形「EXE」
50000形「VSE」
60000形「MSE」
70000形「GSE」
軌間 1067 mm
電化 直流1500 V
備考
運転開始日は、えのしまの定期運転が開始になった時のもの。
詳しくは、沿革を参照。
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えのしまとは、小田急電鉄新宿駅 - 片瀬江ノ島駅(一部藤沢駅)間を小田原線江ノ島線経由で運行する特別急行列車ロマンスカー)の愛称。

本項では東京地下鉄線内に乗り入れる「メトロえのしま」についても述べる。

運行概況

2018年3月17日現在のダイヤの状況を記載する。江ノ島・鎌倉方面への観光需要により、休日の運行本数は、平日に比べて大幅に増加する。

平日

  • 下り1本・上り2本運転。
    • 32号のみ「はこね」と併結運転する。他は単独運行
    • 全列車片瀬江ノ島発着。

土休日

  • 「えのしま」下り5本・上り6本、「メトロえのしま」下り2本・上り1本運転。
    • 「えのしま」は全列車単独運転、「メトロえのしま」は全列車「メトロはこね」に併結運転する。
    • 2号のみ藤沢発でそれ以外は全て片瀬江ノ島発着。

平日・土休日共通

  • 下り新宿発18時00分以降の全特急の列車名が「ホームウェイ」となる。江ノ島線系統の「ホームウェイ」は平日が片瀬江ノ島行き1本・藤沢行き5本、土休日は片瀬江ノ島行き3本・藤沢行き2本の計5本である。
  • 上り新宿着9時30分までの全特急の列車名が「モーニングウェイ」となる。江ノ島線系統の「モーニングウェイ」は平日が片瀬江ノ島発・藤沢発各1本、土休日は藤沢発1本である。

その他

  • 2004年12月より、平日ダイヤでは昼間時間帯の「えのしま」を削減し、湘南急行快速急行に置き換えた。
  • 車内販売は2018年3月17日以降、定期列車では実施されない(同年3月16日までははこねと連結する平日の9・10号、土休日の15・16号のみ実施していた)。但し、繁忙期などは臨時に営業することがあり、その際は特急ロマンスカー時刻表の項目に掲載される[1]

停車駅

えのしま号

新宿駅 - 新百合ヶ丘駅 - 相模大野駅 - 大和駅 - 藤沢駅 - 片瀬江ノ島駅

メトロえのしま号

北千住駅 - 大手町駅 - 霞ケ関駅 - 表参道駅 - 成城学園前駅 - 相模大野駅 - 藤沢駅 - 片瀬江ノ島駅

車両

現用車両

7000形LSEにて運行される「えのしま」
30000形EXE「えのしま」
  • 30000形「EXE」「EXEα」
    • 2010年3月ダイヤ改正以降は基本的にほとんどの列車が30000形「EXE」で運行されるが、一部他形式で運行される場合がある。2018年3月17日のダイヤ改正より、「メトロえのしま」と「えのしま」2号以外の全列車が当形式となった。
  • 50000形「VSE」70000形「GSE」
    • 平日の2号で運行される。展望車両は共通運用のため、日によって形式が異なる。
    • 50000形「VSE」は2016年3月26日ダイヤ改正までは「スーパーはこね」「はこね」専用であり、同改正で追加された「スーパーはこね」「はこね」以外の使用列車も「ホームウェイ」であったため、2018年3月16日までは「えのしま」の定期運用を持っていなかった。ただし、それ以前に7000形「LSE」・10000形「HiSE」の部品の一部に不具合が発見されたことによる運用離脱中や、30000形「EXE」の車両点検の都合で代走使用されたことがある。
  • 60000形「MSE」
    • 「メトロえのしま」全列車で運行される。
    • 夏季の平日、「湘南マリン号」が運行される場合は、間合い運用として24号が60000形「MSE」で運行された。2012年3月17日のダイヤ改正から2018年3月17日のダイヤ改正まで平日上り1本・土休日に2往復運転し、「あさぎり」11・12号併結列車でも運行されていた。

過去の車両

沿革

1929年(昭和4年)に江ノ島線が全通し、急行列車が夏期を中心に運行された。この時期の江ノ島線は「普通列車のガラスまで割れる」、「列車のトイレに10人乗っていた」ほどの混雑を呈したと言われる[要出典]。しかし、座席指定席制を採用した列車は運行の事実がないとされており、直接的なものとしては戦後に運行を再開した際に運行された海水浴輸送の臨時特急列車およびそれに類する列車群からである。

  • 1951年(昭和26年):新宿駅 - 片瀬江ノ島駅間で座席定員制の「納涼列車」が運行される。
    • 箱根特急の運行終了後にビール等を積み車内で販売し、利用者はそれを片手に片瀬江ノ島駅より片瀬海岸で夕涼みをしてから新宿方面へ帰るものであったが、後に「えのしま」が定期化されると、夏期のみビールの販売や「ビヤホール列車」などとして運転されたとされる。後に、「すず風」などの愛称がつけられた。しかし、沿線の宅地化が進んだことで1970年代に休止。1990年代に一時的に復活したが、現在では行われていない。公式にはこれを「江ノ島特急」の緒としている。
  • 1952年(昭和27年):新宿駅 - 片瀬江ノ島駅間で特急料金の設定を開始し、臨時列車ながら特急列車の運行を開始。
    • 基本的には、海水浴の輸送が主となる夏期臨時列車であった。なお、この当時は「サービス特急」と称する[要出典]通勤形電車による料金を徴収しない特急列車や快速急行も運行され、これの一種として箱根特急の合間に特急形車両を使用して特急料金を徴収する「特急」を運行としたとされる。そのため、運行されるのは箱根方面の列車本数が少ない平日のみであった。また、愛称は「かもめ」・「ちどり」・「江ノ島」・「かたせ」・「しおじ」など多種多様のものが使われた。
  • 1964年(昭和39年):「えのしま」の名称で、休日に限り定期運転を開始。
  • 1965年(昭和40年):「えのしま」、毎日運行開始。
  • 1967年(昭和42年):新原町田駅(現、町田駅)に停車開始。
    • 1966年(昭和41年)に「さがみ」の運行も開始しており、これより通勤輸送も視野に入ることとなる。また、同じ年に新原町田駅停車の「あしがら」も運行を開始する。
    • 以来、車両の変遷はあるが、一貫してロマンスカーを使用した特急列車として運行される。ただし、本数は1時間に1本程度であり、当初は3000形「SE」・「SSE」を中心に使用するなど、「さがみ」・「あしがら」と同様に中間停車特急並みに扱われていた。
  • 1996年(平成8年):大和駅に停車開始。また、一部列車は30000形「EXE」により運行されるようになる。この列車は、「あしがら」と併結運転を開始する。
  • 1998年(平成10年)8月22日:停車駅を従来の町田駅から相模大野駅に変更[3]
  • 1999年(平成11年):「サポート」運転開始に合わせて、一部列車は新百合ヶ丘駅に停車。「えのしま」の大部分の列車が「サポート」と併結運転となる。また、新宿駅18時以降の「えのしま」に「ホームウェイ」の名称を使用開始。ただし、江ノ島線方面の「ホームウェイ」については新百合ヶ丘駅通過とされる。以後、30000形「EXE」が運用の中心となる。
  • 2004年(平成16年):日中の新宿駅 - 藤沢駅間に快速急行が毎時2本新設され、到達時間で「えのしま」との差異が少なくなったことから運転本数も見直され、平日を中心に大幅な減便となる。また「サポート」の愛称が「はこね」・「さがみ」に分割・変更されたことにより、「えのしま」との併結列車の愛称も同様に変更となる。
  • 2012年(平成24年)3月17日:ダイヤ改正実施により「あさぎり」の使用車両が6両編成の60000形「MSE」に変更され、合わせて停車駅に相模大野駅が追加となったことで、休日のみ運転のあさぎり11・12号と併結運行を開始する。また、土休日のホームウェイは新百合ヶ丘駅に停車する。
  • 2013年(平成25年):ダイヤ修正実施により、土曜・休日のさがみ・えのしま65号がはこね・えのしま15号に変更される。また、さがみ・えのしま80号がはこね・えのしま16号に変更される。
  • 2016年(平成28年)12月:本来運用予定の車両の故障が原因で、1000形1051編成+1251編成の10両が「えのしま74号」に充当された[2]
  • 2018年(平成30年)3月17日:ダイヤ改正により「メトロえのしま」を新設。朝方の新宿方面への「えのしま」を「モーニングウェイ」に改称。「えのしま」全列車が新百合ヶ丘駅に停車。70000形「GSE」運行開始。

脚注

  1. ^ 特急ロマンスカーの車内販売臨時営業について 小田急電鉄株式会社
  2. ^ a b 特急ロマンスカーを一般車が代走”. 鉄道ファン (2016年12月13日). 2016年12月13日閲覧。
  3. ^ “小田急ロマンスカー 相模大野など一部停車 8月22日ダイヤ改正から”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1998年5月15日) 

外部リンク