SHERLOCK (シャーロック)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
SHERLOCK
ジャンル 推理ドラマ
放送時間 90分
放送期間 2010年7月25日 - 8月8日(シリーズ1)
2012年1月1日 - 1月15日(シリーズ2)
2014年1月1日 - 1月12日(シリーズ3)
放送国 イギリスの旗 イギリス
制作局 英国放送協会
製作総指揮 マーク・ゲイティス
スティーヴン・モファット
ベリル・ヴァーチュー英語版
レベッカ・イートン英語版
ベサン・ジョーンズ
スー・ヴァーチュー英語版
脚本 マーク・ゲイティス
スティーヴン・モファット
スティーヴ・トンプソン英語版
出演者 ベネディクト・カンバーバッチ
マーティン・フリーマン
マーク・ゲイティス
ルパート・グレイヴス
アンドリュー・スコット英語版
ユナ・スタッブス英語版
ヴィネット・ロビンソン英語版
ルイーズ・ブリーリー英語版
外部リンク BBC公式サイト
テンプレートを表示

SHERLOCK (シャーロック)』(原題:Sherlock)は、『シャーロック・ホームズ』シリーズを翻案したイギリスBBC製作のテレビドラマ。英国アカデミー賞最優秀テレビドラマ賞、エミー賞ミニ・シリーズ部門脚本賞を受賞し、作品賞 (ミニシリーズ/テレビ映画部門)にノミネートされた。また、ジョン・ワトソン役のマーティン・フリーマンは本作での演技により英国アカデミー賞テレビ部門最優秀助演男優賞を受賞している。

概要[編集]

舞台を21世紀のイギリスに置き換え、自称「コンサルタント探偵」であるシャーロック・ホームズが、スマートフォンインターネットといった最新機器を駆使して事件を解決する様を描く。各エピソードはドイルの原作を下敷きとしている。

シリーズ1(全3回)は2010年7月25日 - 8月8日にイギリス・BBC Oneで放送。日本では2011年8月22日 - 24日にNHK BSプレミアムで放送後、2012年にはAXNミステリー放送された。また2013年1月にはNHK総合でも放送され、日本国内では地上波初放送となった。 シリーズ2(全3回)は2012年1月1日 - 15日にBBC Oneで放送された後、日本では2012年7月22日 - 8月5日にNHK BSプレミアムで放送された。 シリーズ3は2014年1月2日 - 12日にBBC Oneで放送された。制作ペースは脚本の完成度を上げる目的もあって新作を毎年放送出来ないという(連続ドラマと比べれば)非常に遅いペースになっている。主演2名のハリウッド映画出演も撮影スケジュールの点で遅さに拍車をかけている。

コミカライズ版が2012年10月4日発売の月刊青年漫画誌ヤングエース角川書店)2012年11月号より『SHERLOCK ピンク色の研究』と題して6回にわたり連載され単行本化された。また、2014年1月号よりシーズン1の第2話をコミカライズする『SHERLOCK 死を呼ぶ暗号』として改めて連載を開始した。脚本はマーク・ゲイティスとスティーヴン・モファット、作画はJay.が担当している。

シャーロックの視線に映る証拠品や人物の状態がモーショングラフィックを使った字幕で表示される。登場人物がスマートフォンで送受信するメールのメッセージやパスワード入力の場面についても同様である。NHK放送版はこれらのフォローに字幕スーパーを使わず手描きのメッセージに至るまで日本語化表示しており、番組最後の吹き替え版クレジットでもキャスト/スタッフの記名にタッチパネル操作を模した動きを与えている。

DVD/Blu-Rayには第1回のパイロット版が収録されており、放送版までには画質、デジタルな視覚効果を絡めた編集の面で試行錯誤があった事を確認出来る。

あらすじ[編集]

21世紀、陸軍の軍医としてアフガン戦争に従軍したジョン・ワトソンは、戦傷によりイギリス本国に送還され、トラウマを抱えたままロンドンで苦しい生活を送っていた。そんな中、研修生時代の古い知り合いと出会い、自分と同じくルームメイトを探しているらしいシャーロック・ホームズという変わった男を紹介される。頭脳明晰なシャーロックは、スマートフォンやGPSといった現代の技術を駆使し、周囲の人々を戸惑わせながらもその天才的なひらめきと推理力でジョンと共に数々の事件を解決していく。

登場人物[編集]

シャーロック・ホームズ
演 - ベネディクト・カンバーバッチ(声・三上哲
背が高く、暗い色の巻き毛で痩せ型の男。僅かな事柄から物事を類推することを非常に得意とし、自らを「世界で唯一のコンサルタント探偵」「高機能ソシオパス(High-functioning Sociopath)」と呼ぶ。スコットランド・ヤードが解決困難と判断した殺人事件を謝礼金・支給交通費無しで請け負う。自分を満足させる事件がない(特に依頼が来ない暇な)ときは拳銃を乱射したり、銛を振り回したりなど、常軌を逸した行動をとる。
頭脳明晰だが周囲を小馬鹿にして全てを自分基準で考える。友人は数少ないことが示唆されている[1]
「自分は仕事と結婚している」と言い、恋愛を軽蔑している。検視官のモリー・フーパーには恋愛感情を抱かれているが、それを知りつつ敢えてその気があるように振る舞い情報を得ている[2]
各地の地理や地質そして天気、細菌や暦などに関して非常に深い知識を持っている。またロンドンの道路について(一方通行などの情報も含め)詳しい。一方テレビ番組や出演タレントのゴシップ、地動説など興味を持たない分野への知識が全く無い。またグラフィティ・アートを描く少年やホームレスのネットワークを“眼と耳”として利用している[3]
服装や持ち物は非常に高価なブランド品が多い。シーズン1では使用するスマートフォンがBlackBerry BoldでパソコンはVAIOであったが、シーズン2ではiPhone 4MacBook Pro。喫煙者であるが、禁煙の為にニコチンパッチ依存症であることがシーズン1では描かれている[4]。兄のマイクロフトとの関係は酷い状態だが、必要に応じ情報交換を行っている。
ジョン・ヘイミッシュ・ワトソン[5]
演 - マーティン・フリーマン(声・森川智之
シャーロックの同居人かつ相棒。シャーロックと比べると背が低く、髪は金髪。日常的な買い物や様々な請求書の支払いを(シャーロックが一切しないため仕方なく)担当している。また事件の捜査に同行し、周囲に気を遣うことのない彼のフォローに回っている。当初シャーロックをゲイと思い、周囲からの「シャーロックとジョンは付き合っている」という誤解を嫌がっている[6]
キングス・カレッジ・ロンドンで医学を学んだ後、アフガン戦争に軍医[7]として派遣された。派遣時所属はロイヤル・ノーサンバーランド・フュージリアーズ。戦地で左肩に銃創を負ったため送還されるが、PTSDに悩まされ左手の断続的な痙攣と右脚を上手く動かすことができなくなり杖をついて生活していた。定職につくことも出来ず物価の高いロンドンでの生活を止めようとしていた時に研修医時代の友人と再会、彼の紹介でシャーロックと出会うことになる。そして一緒に行動することで症状は改善され、シーズン1の1話後半で杖無く歩けるようになり、第2話以降では杖を使っていない。
誠実かつ勇敢で惚れっぽい。シャーロックと違い警察との関係も良く、シャーロックから高い信頼を寄せられるようになる[8]FN ブローニング・ハイパワー[9]を所持し、射撃はシャーロックに名手と呼ばれる程の腕前である。道徳心も持ち合わせ、シャーロックと一度会っただけの時に彼のもとでスパイをするようマイクロフトに頼まれるが断っている。
シーズン1ではルームシェアを始めて以降も金銭的に困っていることは変わらず、近所の病院で働いている。そこで上司の医師サラ・ソーヤーと出会い交際していた[10]
シーズン1、2共に関わる女性の多くに興味を示している。故にシャーロックと同性愛の関係に見られることを嫌がっている。
シリーズ2ではシャーロックの個人秘書のような立場となり、医師として働いている様子は見られなくなる。サラ以降も何人もの女性とデートを重ねていることが明らかになっている。
ユニクロのジーンズを愛用し、姉のお下がりのNokia[11]を使用。姉のハリエットとは彼女のアルコール依存症と離婚が原因で関係が悪化している。

スコットランド・ヤード[編集]

レストレード警部
演 - ルパート・グレイヴス(声・原康義
シャーロックに捜査を依頼する刑事。性格に難があるシャーロックに対しては、その有能さから仕方なく依頼しているものの、他の同僚たちと違いあからさまな敵意は抱いてない。だが証拠を持ち去られたり、警察手帳をスラれたりすることには不満を抱いている。ニコチンパッチの使用者。モリアーティにはシャーロックの数少ない友人の一人としてみなされ、本人が気づかないうちに人質にとられている。
アンダーソン[12]
演 - ジョナサン・アリス英語版(声・内田岳志
鑑識官。シャーロックとはお互いに軽蔑しあっている関係。妻がロンドン市内から外出している際にサリーと不倫している。
サリー・ドノバン
演 - ヴィネット・ロビンソン英語版(声・三鴨絵里子
巡査部長。アンダーソンと同じくシャーロックを軽蔑し、面と向かって「変人」と呼びかける。ジョンに、シャーロックはサイコパスであり、いつか退屈さを理由に殺人犯を捕まえる方から殺人を犯す方になるのではないかと度々警告している。

その他[編集]

ハドソン夫人
演 - ユナ・スタッブス英語版(声・谷育子
ベーカー街221Bの家主。1階に住んでおり2階をシャーロックとジョンに貸している。彼女の夫がフロリダ州の未解決事件の犯人であるとシャーロックが突き止め、死刑を確定させたことから知り合いになる。「家主であり家政婦ではない」と何度も言うが、二人に対し面倒を見て夕食を作ったりもしている。また、女性に対する扱いが冷淡なシャーロックから唯一温かく接せられている女性でもあり、彼女もモリアーティからシャーロックの友人の一人として目をつけられている。
マイクロフト・ホームズ
演 - マーク・ゲイティス[13](声・木村靖司
シャーロックの兄。初登場時は正体を明かさずジョンを誘拐し、弟のスパイをして欲しいと要求している。シャーロックとの関係は悪く、体重の増減が激しいことを馬鹿にされている。だがその頭脳は弟以上に明晰で、推理力も上回っている。シャーロック曰く「危険な男」。
「英国政府の小さな地位」にあると言うが、街中の監視カメラを勝手に動かせたり他国の大統領選を操作できたりと本人が言う以上に大きな権力を握っていることを仄めかしている。個人秘書のアンシアと行動を共にしている。
特定の部屋以外では口を開いてはいけないという規則を持つ秘密クラブの会員。原作に同様の規則を持つ「ディオゲネス・クラブ」が登場する。
モリアーティを危険視し、尋問を行うものの犯罪の尻尾を掴めずに釈放している。シャーロックの半生を彼に語った事が弟の窮地を招く原因となってしまった。
モリー・フーパー
演 - ルイーズ・ブリーリー英語版(声・片岡身江
聖バーソロミュー病院英語版モルグに勤める法医学者。シャーロックに片想いをしており、彼が死体を調べられるように自らの立場を利用して度々便宜を図っている。シャーロックいわく「化粧をしないと地味な顔」。ジムの正体(モリアーティ)を知らずに交際していたこともある。シャーロックには化粧や服装で中傷に近い言動を受けることも多いが、シーズン2において、彼女もジョン達と同じく仲間の一人として認識されていたことが判明し、重要な役割を担う。シーズン3では、シャーロック似の婚約者をシャーロックたちに紹介するが…。
アイリーン・アドラー
演 - ララ・パルヴァー英語版(声・永島由子
王族や上流階級の男女を相手にしたBDSMサービス提供を仕事としている女性。国家や政府に関わる秘密を抱えており、言動は支配的。
「バッキンガム宮殿の主」から依頼を受けてアイリーンの所有するデータを入手しようとしたシャーロックを、一度は推理の面でも肉体的にも完全に打ち負かした初めての女性。その後アイリーンはシャーロックに対し何度も誘いのメールを送り続けるが、シャーロックは返信しなかった。自身が持つ切り札をシャーロックに見破られたため命の危機に晒され、逃亡生活を送る羽目になる。シーズン3では、シャーロックのマインド・パレスに登場する。
ジム・モリアーティ
演 - アンドリュー・スコット英語版(声・村治学
「世界で唯一のコンサルタント犯罪者」を自称する男。全話の事件の犯人に資金・情報を提供した首謀者であるが自らの手を汚すことを嫌う。シャーロックに強い興味を持ち、また興味が無くなればすぐにでも殺すつもりだと言っている。年齢設定が比較的原作に近い本作の主要人物の中で彼の設定は青年であり、長身痩躯の老人とはかけ離れている。
シャーロック曰く「蜘蛛のような存在」で犯罪という糸を巡らし、自分は動くことなく悪事をやってのける天才。
頭脳だけでなく演技力にも非常に長けている。シーズン1では同性愛者のふりをして正体を悟られること無くシャーロックとジョンの前に現れ、シーズン2では被害者を装って思慮の浅い女性記者に接近し、役者と偽り彼女を利用して捏造記事を書かせている。
サラ・ソーヤー
演 - ゾーイ・テルフォード英語版(声・小林さやか
ジョンが勤める病院の医師。ジョンの恋人。自己防衛のために多少戦うことは出来る。シーズン2でジョンとニュージーランドへ旅行した後に破局したことが判明。
チャールズ・オーガスタス・マグヌッセン
演 - ラース・ミケルセン英語版(声・森田順平
ビジネスマンでありメディア王。シーズン3を通しての黒幕。西側諸国の著名人について、ありとあらゆる情報に精通し、個人情報を握ることで政治的影響力を持ち、恐喝を行う。『犯人は二人』のチャールズ・オーガスタス・ミルヴァートンの現代版といえる。
メアリー・モースタン
演 - アマンダ・アビントン英語版[14]
3rd seasonよりジョン・ワトスンの交際相手として登場し、妻となり懐妊した。しかし彼女はある秘密についてマグヌッセンに脅迫されていた。

各話[編集]

※放送日はそれぞれの国における初回放送日。

シリーズ1[編集]

#
(通算)
邦題
原題
イギリス放送日
日本放送日
主な元ネタ
1話
(1)
「ピンク色の研究」
"A Study in Pink"
2010年7月25日
2011年8月22日
緋色の研究 "A Study in Scarlet"
2話
(2)
「死を呼ぶ暗号」
"The Blind Banker"
2010年8月1日
2011年8月23日
恐怖の谷 "The Valley of Fear"
踊る人形 "The Adventure of the Dancing Men"
3話
(3)
「大いなるゲーム」
"The Great Game"
2010年8月8日
2011年8月24日
ブルースパーティントン設計書 "The Adventure of the Bruce-Partington Plans"

シリーズ2[編集]

  • イギリス - BBC One(2012年1月1日 - 2012年1月15日)
  • 日本 - NHK BSプレミアム(2012年7月22日 - 2012年8月5日)
#
(通算)
邦題
原題
イギリス放送日
日本放送日
主な元ネタ
1話
(4)
「ベルグレービアの醜聞」
"A Scandal in Belgravia"
2012年1月1日
2012年7月22日
ボヘミアの醜聞 "A Scandal in Bohemia"
2話
(5)
「バスカヴィルの犬(ハウンド)」
"The Hounds of Baskerville"
2012年1月8日
2012年7月29日
バスカヴィル家の犬 "The Hound of the Baskervilles"
悪魔の足 "Devil's Foot"
3話
(6)
「ライヘンバッハ・ヒーロー」
"The Reichenbach Fall"
2012年1月15日
2012年8月5日
最後の事件 "The Final Problem"

シリーズ3[編集]

  • イギリス - BBC One(2014年1月1日 - 2014年1月12日)
  • 日本 - NHK BSプレミアム(2014年5月24日 - 2014年6月7日予定[15]
#
(通算)
邦題
原題
イギリス放送日
日本放送日
主な元ネタ
1話
(7)
「空(から)の霊柩(きゅう)車」
"The Empty Hearse"
2014年1月1日
2014年5月24日
空き家の冒険 "The Adventure of the Empty House"
2話
(8)
「三の兆候」
"The Sign of Three"
2014年1月5日
2014年5月31日
四つの署名 "The Sign of the Four"
3話
(9)
「最後の誓い」
"His Last Vow"
2014年1月12日
2014年6月7日
最後の挨拶 "His Last Bow"
犯人は二人 "The Adventure of Charles Augustus Milverton"

日本における再放送[編集]

  • シリーズ1
  • シリーズ2
    • 2013年1月1日 - 3日、NHK BSプレミアム
    • 2014年4月27日 - 5月11日、NHK BSプレミアム

メディア展開[編集]

コミカライズ

脚注[編集]

  1. ^ 劇中でモリアーティが人質にとった友人は、ジョン、レストレード、ハドソン夫人の3人である。
  2. ^ ただし、モリアーティに追い詰められた際には、彼女に対し助けを求める等、信頼する仲間であることを認めている。
  3. ^ 原作のベイカー街遊撃隊に相当する。
  4. ^ 原作の薬物依存に相当する。
  5. ^ ミドルネームが「ヘイミッシュ」であるというのは、作家ドロシー・L・セイヤーズの説に基づいている。
  6. ^ このアイデアは製作者のスティーヴン・モファットマーク・ゲイティスの間で原作を読んだ際に共通して浮かんだものであり、また以前から同様の疑惑をシャーロキアンたちも研究対象にするなどしている。
  7. ^ 衛生兵としてか、それとも単に医師免許を持った兵士であっただけなのかは不明。
  8. ^ シャーロックを連行した上に侮辱した警察幹部を殴りつけている。
  9. ^ その様に作中では明言されるが、使用されているのはSIG SAUER P226である。
  10. ^ シーズン2の時点でサラとは破局している。
  11. ^ パイロット版ではiPhone 3GS
  12. ^ 冗談の可能性もあるが、マーク・ゲイティスはファーストネームがシルヴィアであると明かしている。
  13. ^ 本ドラマのエグゼクティブ・プロデューサーかつ共同制作者かつ脚本家である。
  14. ^ アマンダ・アビントンはワトソン役のマーティ・フリーマンの実生活のパートナーでもある。
  15. ^ 最新の第3シーズン BSプレミアム 2014年5月放送!

外部リンク[編集]

登場人物のウェブサイト[編集]

登場人物が制作したという設定のウェブサイト(全て英語)。