POBox
POBox(「ピーオーボックス」あるいは「ポボックス」、Predictive Operation Based On eXample)は、ユーザインタフェースの研究者で、元ソニーコンピュータサイエンス研究所研究員の増井俊之が考案・開発した、文章入力補助機能のソフトウェアである。
携帯電話やPDAその他モバイル端末向けの予測変換機能としては先駆け的存在だった[1]。
また、iPhoneの日本語入力システムもPOBoxの開発経験を買われ2006年に米Apple社に入社した増井らの手によって開発が行われたものである。
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[編集] 特徴
POBoxは「予測/例示インタフェース」を採用し、ユーザからの入力に対して次のように処理を行う。
- 変換辞書に登録されている単語について、入力文字の組み合わせから予測して候補を表示する。
- 過去の入力内容、単語の使用頻度に基づいて、入力単語を予測して候補を表示する。
使い込むほどにユーザの癖を学習し、極端な場合、1文字入力とカーソル操作で希望する文章の入力が完了する。PDAや携帯電話といった、入力デバイス(キーボード)空間が制約される環境で真価を発揮する。
[編集] 対応プラットフォーム
[編集] パーソナルコンピュータ・携帯情報端末
[編集] 携帯電話
au向けにC406Sで初搭載され、以後ドコモ向け(SO503iを除く)やVodafone(当時)向け(802SEを除く)のソニー、ソニー・エリクソン製の日本国内向け端末にも標準で採用され続けている。2011年現在は上位版の"POBox Pro"として搭載されている。一部機種を除きソニー・エリクソンの公式PCサイトより自作のダウンロード辞書作成も可能になっている。
POBox自体は予測変換エンジンのため、Wnn(オムロン)シリーズ(当初は辞書のみ、その後基幹部分も含め採用)、W64Sを含む2009年以降の機種はiWnnとの組み合わせで搭載されている。カタログなどにもPOBoxの搭載が強調されて掲載されることも多い。ジョグダイヤルとの組み合わせで「スピードメーラー」などの呼称で搭載されたこともあったが、携帯電話のプラットフォームやユーザインタフェイス共通化のためジョグダイヤルは姿を消している。
POBoxでは予測精度の向上を目的としてデフォルトの辞書の登録語数はATOK(予測変換システムのAPOTを含む)などと比較すると絞り込まれており、ユーザーが目的に応じてダウンロード辞書を活用することを前提としている[2]。またATOKでは濁点や半濁点を入力するまでこれらの付いた候補は表示されないのに対し、POBoxでは表示される[1]。
- POBox
- 以下のようなマイナーバージョンアップが行われたが、名称は変更されなかった。
- POBox Pro
- 搭載機種:SO705i / W43S / W44S / W51S / ウォークマンケータイ W52S / W53S
- 予測変換ウィンドウにおけるタブの採用など使い勝手が向上した。さらに入力詳細設定で文字入力時の細かい設定ができるようになった。
- POBox Pro 2.0
- 搭載機種:SO905i / Cyber-shotケータイ SO905iCS / W54S / Cyber-shotケータイ W61S
- POBox Proより学習機能・予測機能を強化。新たに文字入力後に接続語を予測する「つながり候補」機能が追加された。2タッチ入力(ポケベル打ち)にも対応した。
- POBox Pro E
- 搭載機種:W62S
- POBox Pro 2.0をベースに、英語の予測変換に対応している。
- POBox Pro 3.0
- 搭載機種:SO906i / フルチェンケータイ re(W63S) / Walkman Phone, Xmini(W65S)
- POBox Pro 2.0からさらに学習機能・予測機能が進化している。新機能として[4]複合語入力に対応した「つなげて学習」、話し言葉を学習、候補に表示する「しゃべり語学習」が追加されている。キーを押し続けることで同じ文字を連続入力できる「つづけて入力」(通称「ジョジョ打ち」[5][6])、デコレーションメールの色付き文字を学習する「カラフルPOBox」を搭載している。
- POBox Pro 3.0E
- 搭載機種:W64S / Cyber-shotケータイ S001 / Walkman Phone, Premier3 / G9 / S002 / BRAVIA Phone U1 / URBANO BARONE
- POBox Pro 3.0をベースに、英語の予測変換に対応している。
- POBox Pro 4.0E
- 搭載機種:Cyber-shotケータイ S003 / BRAVIA Phone S004 / BRAVIA Phone S005 / URBANO MOND
- 変換候補でデコレーション絵文字(絵文字風のイラスト画像)を表示するほか、「ありがとう」「うれしい」「かなしい」など感情を示す言葉を変換する際には、その感情に合わせた文字色の変換候補を表示するようになった[7]。
- POBox Pro 5.0E
- 搭載機種:Cyber-shotケータイ S006 / G11
- 単語の読みの長さにより変換候補を絞り込む「ワイルドカード予測」(iWnn由来の機能)が追加され、カラフルPOBoxにおいても英語予測に対応した[8]。
- POBox Pro 6.0E
- 搭載機種:S007 / URBANO AFFARE
- 過去の入力履歴を参照して文字入力をする前に予測候補を出す「いきなり予測」(やはりiWnn由来)が追加された[9]。
- POBox Touch
- 搭載機種:Xperia(SO-01B) / Xperia arc(SO-01C) / Xperia acro(SO-02C・IS11S) / Xperia ray(SO-03C) / Xperia PLAY(SO-01D) / Sony Ericsson mini(S51SE)
- Android搭載スマートフォン向けバージョンで、ソフトウェアキーを用いたタッチパネルでの日本語や記号入力に最適化した、ダイナミック表示を行うQWERTYキーなどのUIが特徴となっている。自作ダウンロード辞書には対応していない。
- 2.0でフリック入力やQWERTYキーなどのカスタマイズ機能、3.0でSimeji互換のプラグインによる外部アプリとの連携機能や英語予測変換、4.xでキーボードスキンへの対応や音声入力への対応がそれぞれ行われた。公式サイトにおいてプラグインとして紹介されているものにはユニークなものも存在する[10]。
[編集] 家電製品
- ソニー Airboard
- ソニー DCR-IP55(カムコーダ)
- ソニー DPP-EX50(デジタルフォトプリンター)
[編集] 脚注
- ^ a b c 斎藤健二 (2004年7月29日). “携帯日本語入力 進化の系譜 - POBoxの現在” (日本語). ITmedia +mobile. 2011年5月21日閲覧。
- ^ a b 斎藤健二 (2002年12月12日). “POBox初のメジャーバージョンアップ - 「SO212i」” (日本語). ITmedia +mobile. 2011年5月21日閲覧。
- ^ 坪山博貴 (2001年6月7日). “これだけ違う,携帯の文字入力 - POBoxの威力” (日本語). ITmedia +mobile. 2011年5月21日閲覧。
- ^ “POBOX Pro 3.0E” (日本語). ソニー・エリクソン. 2011年5月21日閲覧。
- ^ “「G9」で“ジョジョ打ち”をしてみた” (日本語). ITmedia +mobile (2009年5月11日). 2011年5月21日閲覧。
- ^ “「Xperia」で“ジョジョ打ち”はできるのか” (日本語). ITmedia +mobile (2010年1月22日). 2011年5月21日閲覧。
- ^ “多彩な機能” (日本語). S003 機能. ソニー・エリクソン. 2011年5月21日閲覧。
- ^ “多彩な機能” (日本語). S006 機能. ソニー・エリクソン. 2011年5月21日閲覧。
- ^ “Communication” (日本語). au S007 機能. ソニー・エリクソン. 2011年5月21日閲覧。
- ^ “エンタテインメント系アプリ” (日本語). POBox Plug-in 対応アプリケーション. ソニー・エリクソン. 2011年5月21日閲覧。
[編集] 外部リンク
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