Microsoft IME

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

Microsoft IME
開発元: マイクロソフト
最新版: 2007 / 2006年11月
対応OS Windows
プラットフォーム x86, x64
種別: インプットメソッド
ライセンス プロプライエタリ
公式サイト office.microsoft.com

Microsoft IME(マイクロソフト・アイエムイー)とは、マイクロソフトが開発したインプットメソッドIME)である。MS-IME(エムエス・アイエムイー)と略されることがある。IMEは、本来Windowsのインプットメソッド全般の一般名称であるが、Microsoft IMEを単にIMEと呼ぶ場合が多い。

日本語中国語繁体字簡体字)、韓国語など、入力できる言語ごとにMicrosoft IMEが存在するが、ここでは日本語入力システム(日本語IME)としてのMicrosoft IMEについて述べる。

目次

[編集] 概要

初代MS-IMEはエー・アイ・ソフトが開発した日本語入力システムWX2 for WindowsOEMであり、Microsoft Windows 3.1(マイクロソフトから発売されたパッケージ版のみ)およびMicrosoft Office 4.2、Microsoft Word 6.0に標準添付されていた。その後、WX3をベースに開発されたMicrosoft IME 95OSWindows 95に標準搭載された。その後もオフィススイートMicrosoft OfficeMicrosoft Wordなどに標準添付され、日本語入力システムにおけるシェアはこれらに伴って拡大した。

WindowsやMicrosoft Officeのメジャーバージョンアップに歩調を合わせるかたちでMicrosoft IMEのバージョンアップが続けられており、辞書の改良やプログラムの開発・改良など、変換精度や操作性の向上が進められている。

2007年4月時点での最新バージョンは、Microsoft Office Input Method Editor 2007である。

なお、Windows XPやWindows Vistaに標準で付属しているMS-IMEは、Officeに付属しているものに比べて若干機能が制限されている。名称もOfficeに付属しているものとは異なり、Microsoft Input Method Editorとなっている。

[編集] 機能

[編集] 再変換

一度確定した文字列を未確定に戻したり再変換する機能がMicrosoft IME 98から導入された。Windowsと緊密に連係したMicrosoft IMEならではの機能と言える。

再変換機能はMicrosoft IMEだけでなくアプリケーション側も対応している必要がある。メモ帳などWindows 98以降のアクセサリやMicrosoft Office製品を始めとする大多数のソフトで利用できるが、依然として非対応のソフトも存在し、そうしたソフト上で再変換を行うと文字化けしてしまうことが報告されている。

[編集] ナチュラルインプット

Microsoft IME 2002以降から、新しい入力方法として「ナチュラルインプット」が導入され、文節の区切りなどを意識せずに入力できるようになった。また、マイクをパソコンに接続することで音声認識により日本語文字入力をすることも可能となっている。ただし、ナチュラルインプットの対応アプリケーションはMicrosoft Officeなど一部製品に限られる。

またナチュラルインプットでは自動的に前後の文字列を未確定に戻して変換を行うため、再変換機能が前提にあって実現した機能である。

[編集] 課題

Microsoft IMEの日本語変換精度に対する満足度は決して高いとは言えない。 変換精度はバージョンアップごとに若干の改良はあるものの、学習機能に癖がある。 これは、長文(連文節)の一括変換を重視しているため[1]

Microsoft IMEの傾向として、単語や単文節変換の多用と、それらに対する、バックスペースによる変換候補の修正を多用すると、誤学習の傾向が特に強くなる。 最新のMicrosoft IMEとOffice IMEの2007版のうち、特に後者はこの傾向が極端になっており、単語や文節単位の変換と、それらの変換候補の修正を繰り返すと、すぐに辞書の学習内容が誤学習したまま固定化され、ただの単語変換さえ正常にできなくなるほどである。[2]

そのため、使用者によっては学習すればするほど変換効率が落ちると感じることもある。 あるいは、バージョンアップされても能力的には改善はあまりされていないと感じる。

この学習の癖はベースとなったWXシリーズにも見られたものである。 WXシリーズの場合ユーザーもこの特徴を理解しており、学習されやすい入力の仕方を心掛けたり、ユーザー辞書を積極的にメンテナンスして誤学習単語を削除するなどして対処していた。 自ら辞書を鍛えることによって変換効率を上げることがWX使いの醍醐味とさえ思われていた。 しかしながら、IMEに使いこなしの楽しみなど求めていない大多数のユーザーにとっては、WXはユーザー側が対処しなければならない程扱いにくいIMEに他ならなかった。 そのようなマニア向けIMEをベースとしたことが今のMS-IMEの問題に繋がっていると言っても過言ではない。

また、コンピュータの性能によっては入力時の反応が鈍いことや導入されている全てのコンピュータ上で共通することとして変換効率の悪さなど、問題はなお指摘され続けている。 これらの問題は生産性の悪化につながることから、ATOK等の他の日本語入力システムを個人的または会社・団体で導入する例も見られる。最新版であるMicrosoft IME 2007では予測変換機能やくだけた言い回しに発生する誤変換率の減少など変換エンジンそのものの見直しが行われた。しかし、同時に変換時の反応が鈍くなってしまう(SP1である程度解消される)ことも指摘されており、新たな課題になっている。

なお、Microsoft Office 2003に初めて実装されたフィードバック機能を使えば、最新の流行語や時事関連用語などを一発で変換できるようにはなるが、前述の通り変換精度自体が向上するわけではないので、利用する際は過信しすぎないよう注意が必要である。

[編集] 脚注

  1. ^ 著名な商用IMEで、長文(連文節)の一括変換志向が薄いのは、富士通のJapanist(旧OAK)程度しかない。Japanistの場合は、ワープロ専用機のOASYSや当時のIMEであるOAKの時代に、単文節変換を重視していた流れがある為。もちろん、かつてのOAKや現在のJapanistでも連文節変換自体は可能。
  2. ^ そのため、元マイクロソフト最高技術責任者の古川亨氏が、古巣であるににも関わらず名指しで批判した。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク