M-2002

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暴風号/暴風虎
各種表記
ハングル 폭풍호
漢字 暴風號/暴風虎
発音 ポップンホ
ローマ字 P'okpoong-Ho
英語表記: Pokpung-ho
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暴風号
性能諸元
全長 10.28 m
車体長 6.46 m
全幅 3.45 m
全高 2.23 m
重量 39.51 t
懸架方式 トーションバー方式
速度 57 km/h整地
45 km/h(不整地
行動距離 430 km
700~900 km(外部タンク搭載時)
主砲 125 mm滑腔砲 2A46?
副武装 PKT7.62mm機関銃(同軸)
KPV14.5mm重機関銃(対空・対物・対人)
9K32/SA-7または9K34/SA-11対空ミサイル発射機
装甲 複合装甲?
爆発反応装甲?
エンジン 4ストロークV型12気筒水冷ディーゼルエンジン
730 hp以上?
乗員 3 もしくは4 名
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暴風号/暴風虎と似ているとされる85式戦車(画像は85-III式戦車ERA付き)[1]

外部からM-2002のコードネームで認識される暴風号または暴風虎(発音はどちらも同じ、ポップンホ)は、1990年代朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が開発したとされる戦車である。

概要[編集]

1990年代初頭、朝鮮人民軍T-5559式戦車をはじめ、T-62ライセンス生産した天馬号/天馬虎(チョンマホ)を配備していた。一方、北朝鮮の事実上の敵国である大韓民国K1を開発、大規模な配備を始めたことに刺激され、1990年代に入って、朝鮮労働党の下に置かれる第2経済委員会と第2国防科学院により、T-62を基に開発が始まったとされる[2]

2002年2月16日には、平壌郊外で新型戦車の性能試験を行ったことが朝鮮中央放送のテレビ番組で発表され、アメリカ国防総省は、この新型戦車にM-2002の仮称を与えた。[3]

咸鏡南道・新興のリュ・ギョンス[4]戦車工場で2002年から生産されているとされる。

2010年2月、北朝鮮国内向け放送にて新型戦車の動画が再び公開され、4月に大韓民国韓国放送公社第2チャンネルが朝8時のニュース番組で、この映像を受信した動画を放映した。画面にはT-72とは異なる戦車が一台で走行していた[1]。この時公開された画像では、戦車側面の転輪が、画像が悪い、回転している、砂埃、などで不鮮明ながらも、T-55~T-62系列のスターフィッシュ型転輪に見えることも、この新型戦車がT-62を基に開発されたことを裏付けている。

その後、同2010年に行われた軍事パレードに大挙して登場。パレードに招待された北朝鮮国外のメディアにも大々的に公開された。

開発経緯[編集]

2001年8月金正日がロシアを訪問し、当時のプーチン大統領と国営公社オムスク戦車工場[5]を視察した際に要求した、T-90の購入を拒否されたことで、その代わりに自国で開発せざるを得なくなったという推測もあるが、しかし、翌年の2002年の性能試験との間のわずか1年間で、新型戦車を北朝鮮が独自に開発することは不可能であり、時系列に無理がある。もしくはこの頃に開発が始まったのが、2010年に登場した、お椀型鋳造砲塔の新型戦車なのかもしれない(後述)。北朝鮮が新型戦車の開発に10年近くかかるとすれば辻褄は合う。別の説では、要求したのはT-90そのものではなく、T-90に用いられている新型エンジンV-84-MSや51口径125mm滑腔砲 2A46M-2だとされている[6]

2001年は韓国が44口径120mm滑腔砲(自動装填装置無し)を搭載したK1A1(1996年4月に1号車完成、本格的量産は2000年から)を公開した年であり、そのこととT-90もしくは125mm滑腔砲を要求したとする説と関係がある可能性がある。逆に考えれば、この時点までは暴風号/暴風虎は115mm滑腔砲(自動装填装置無し)仕様で開発されていた可能性がある[7]。そして1990年代初頭から10年近くかけて開発してきた戦車の基本構造を、翌年の2002年の性能試験までの1年で自動装填装置有りに改めるのは無理である。よって2013年現在も、暴風号/暴風虎は乗員4名で自動装填装置無しのままである可能性がある(下述の乗員配置についての項目も参照)。

T-72ベース説[編集]

「北朝鮮が1990年代にソビエト連邦からT-72を約300輌入手し(仮に事実だとしてもモンキーモデルのT-72Mだと思われる)、平壌を中心とした二個戦車師団に配備した」、もしくは、「北朝鮮がソ連時代にT-72のライセンス生産の許可を得て、1991年から大量生産した」、との未確認情報がある[3]。しかし北朝鮮がT-72を、ロシアから購入したり、ライセンス生産をしたという確証はない。一説には北朝鮮は、在韓米軍M1A1や韓国陸軍のK1に対抗するために、ソ連にT-72の供与を求めたが、T-72の技術が北朝鮮経由で中国に流出することを恐れたソ連に断られたとも言われている(しかし結局中国は別ルートでT-72を入手し、国産戦車開発の参考としている)。

上記に基づく推測では、オムスク視察の後、北朝鮮の第二機械工業設計局[8]でT-72を基にしたと推測される新型戦車の開発が始まったとされる。

しかし、そもそも北朝鮮がT-72を保有及び生産したのかも疑問がある。もし北朝鮮がT-72を保有しているのであれば、今まで映像が露出していないのはおかしいし(牽制や国威発揚の為、軍事パレードに出てくるはず。最新の暴風号/暴風虎が出ている以上、隠す必然がない)、そうであれば無いと判断するのが妥当であり、そして無い物を基にすることはできないのである。

北朝鮮がT-72を保有もしくは生産したという説は、T-62の北朝鮮版である天馬号/天馬虎の改良型をT-72と錯誤したものとする意見もある。天馬号/天馬虎4号からは背の低い新型砲塔に換装し、サイドスカートも備えていることから、一見するとT-72に見えないこともない(ただし転輪は5個)。

聯合ニュース2010年8月17日付けによると、「韓国の情報当局は、北朝鮮は1990年代末まで「T-62」と「天馬号」を独自に生産し、前方地域や平壌一帯に集中配備したと把握している」とある。上記の「T-72を1990年代に入手もしくはライセンス生産」「T-72を平壌中心に配備」という説は、この聯合ニュースの報道と同じ情報の中の「T-62」と「天馬号」をT-72と錯誤したものと思われる。

設計[編集]

現在、暴風号/暴風虎とされている戦車は2種類が確認されているが、実態は不明である。

車体[編集]

全体的な設計は、外観からパキスタン軍が使用している中国北方工業公司85式戦車シリーズの85-II式戦車(風暴II型/Storm-II/WZ-1227F2)、85-IIM式戦車/85-IIAP式戦車(WZ-1228)に似ているのではないかと見られている。このことは中国もしくはパキスタンが北朝鮮の新型戦車の開発に関与している可能性を示唆している。そうであれば北朝鮮がどこから高出力エンジンや125mm滑腔砲や複合装甲などの現物もしくは技術を入手したのかという疑問も氷解する。

北朝鮮とパキスタンは過去に弾道ミサイルと核開発において相互に協力関係にあり、通常兵器において繋がりがあっても不思議ではない。

また、アフリカなどの友好国からT-90やT-80UDなどのコンポーネンツをかき集めて、暴風号/暴風虎開発の参考にしたとする見方もある。

暴風号/暴風虎は、T-62の車体を転輪の数を5輪から6輪へ増やして延長し、T-62では車体前方寄りだった砲塔を車体中央に位置させたたものであるとする説もある。それが推測される理由はT-64戦車以後のソビエト製戦車では操縦席が中央に移動したが、北朝鮮の新型戦車は依然として左側に設置されている事にある[1]。前部フェンダーは角張っている。車体側面にはサイドスカートが装備され、車体前方下部にはゴム板も装備している(これらは成型炸薬弾対策)。また、新型車体であれば(85式戦車シリーズのように、T-72のカセトカに倣った)自動装填装置を備えている可能性もある(が、砲塔の乗員配置から、その可能性は低い。後述)。

砲塔もT-72と大きく形状が異なり、85式戦車に似た、前面に楔形の増加装甲を取り付けた、面構成の角型(溶接?)砲塔である[1]。砲塔の前面や側面や後面の角度は垂直ではなく傾斜している。また、砲塔と車体の表面に爆発反応装甲(ERA)を追加で装備する可能性もある。車長席はT-62と同じく砲塔左側にある(T-72は砲塔右側)。砲塔側面には左右それぞれ4連装発煙弾発射機を備えている。

また、T-55AGMウクライナハリコフ・モロゾフ設計局が開発した輸出用のアップグレードキットをT-55に適用した戦車。T-62にも適用可能(T-62AGM))のように、T-55やT-62も改造すれば125 mm滑腔砲を装備できるのは実証済みである。

これらのことから、暴風号/暴風虎はT-72が基ではなく、北朝鮮で生産しているT-62(天馬号/天馬虎)を基に、85式などの技術を適用して大幅に改造し、生産した物と考えるのが妥当だと思われる。北朝鮮は暴風号/暴風虎を100~250輌程保有していると推測されている。

武装[編集]

主武装は、T-62に搭載されている115mm滑腔砲2A20、もしくは、T-72に搭載されている125mm滑腔砲2A26/2A46/2A46Mまたはその改良型と考えられており[1] 、主砲基部にT-62(天馬号/天馬虎)よりも若干大きな箱型のレーザー測距儀?を装備する(これもT-72が基ならば砲塔に埋め込んでいるはず)。9M119 レフレークス対戦車ミサイルの運用能力があるかは不明。2010年の時点では、角型溶接砲塔の新型戦車の主砲砲身にサーマルスリーブは装着されておらず(その後は不明)、お椀型溶接砲塔の新型戦車には装着されている。

副武装として、旧ソ連の戦車と同じPKT7.62mm機関銃を主砲同軸に装備するが、砲塔上面右側の対空機関銃は朝鮮人民軍の他の装甲車両と同じKPV14.5mm重機関銃に強化されている(旧ソ連・ロシアや中国は12.7mm)。

お椀型鋳造砲塔の新型戦車の砲塔上面左側には、主力戦車としては珍しく地対空ミサイル9K32/SA-7または9K34/SA-11の発射機を搭載しているのが確認されている(画像外部リンク2参照))を有している(逆に言えば、自前で対空武装を施さなければならないほど、対空自走砲などの僚車による防空能力が低いことを意味している。これらは赤外線誘導で、本来は歩兵が携行する短距離ミサイルだが、低空を低速で飛行する対戦車ヘリコプターなどには充分な脅威となる。

もうひとつの新型戦車について[編集]

また、これとは別に、2010年10月10日の軍事パレードでは、転輪が6個で操縦席が中央にある新型車体に、お椀型(鋳造?)砲塔を載せた新型戦車も確認されている[3]。これを天馬号/天馬虎の最新型とする説もあるが、2010年と2012年に天馬号/天馬虎の最新型である「天馬5号(チョンマオホ)」がこれとは別に登場している。

サーマルスリーブを装着した主砲は115〜125mm滑腔砲の可能性がある。車長席はT-62と同じく砲塔左側にある。砲塔上面右側にはKPV14.5mm重機関銃を、砲塔上面左側には携行地対空ミサイルを備えている。砲塔側面には左右それぞれ4連装発煙弾発射機を備えている。操縦席前方の傾斜した車体前面には、爆発反応装甲のブロックらしきものが確認できる。この2010年の時点では砲塔前面に爆発反応装甲らしきものは確認できない。砲塔後部は箱状のバスルになっており、即応弾を収納しているものと推測される。バスル後部には籠(雑具置き場兼成型炸薬弾対策のケージ装甲?)が付いている。砲塔鋳造部分後端バスル部分直前の位置の砲塔上面には太めの棒が立っており、シュノーケルか環境センサーの可能性がある。

この戦車は2012年4月15日に行われた、金日成主席生誕100周年記念軍事パレードにも登場している。操縦席前方の傾斜した車体前面には、爆発反応装甲のブロックらしきものが確認できる。この2012年の時点ではお椀型鋳造砲塔前面に、T-90の「コンタークト5」のような形状の、楔形の板(爆発反応装甲?ただのゴム板との説あり)を備えている。車体左側面にエンジンの排気口があることが確認できる。第1~2転間輪と第4~5転輪の間が、他の転輪間より少し離れている。転輪が6個で操縦席が車体中央であるが、転輪がスターフィッシュ型であることや車長席が砲塔左側にあることから、これが一部で誤認されているような、爆発反応装甲付きのT-72でないことがわかる。

中国網2013年1月17日付けは、「北朝鮮が2012年4月に開催した閲兵式でほとんどの主力戦闘装備を動かしたことをロシア軍事産業共同体のサイトが1月15日に報道した」と、間接的に報じた[9]。その中にはM-2002 暴風虎も含まれていたとされる。M-2002 暴風虎として公開された画像は、転輪が6個で、操縦席前方の傾斜した車体前面に爆発反応装甲のブロックらしきものを、お椀型鋳造砲塔前面に楔形の板を備えており、上記2010年と2012年と同じ戦車である。外見からは、T-80とT-90が装備する、砲塔前面の対赤外線防御装置「シュトーラ」や、砲塔上面の対ミサイルアクティブ防護システムアリーナ」などは見当たらない。

これらの車体中央操縦席にお椀型鋳造砲塔の新型戦車も、情報源によっては暴風号/暴風虎とされ、先の車体左側操縦席に角型溶接砲塔の新型戦車と、どちらかが、あるいは両方とも、暴風号/暴風虎なのか、情報が混乱している。

不思議なことは、近年の戦車の常識としては、車体中央操縦席の方が車体左側操縦席の方より進歩的なはずだが、その新型車体に、お椀型鋳造砲塔を載せていることである。もっとも、T-90の初期型も、お椀型鋳造砲塔なので、角型溶接砲塔より格段に劣っているとは一概に言えない。この砲塔は、鋳鋼のムクとも考えにくく、砲塔前面左側の丸い大きな直接照準孔の奥に、縦に細長い直接照準孔が見えることから、基礎となる砲塔(主装甲)の上にお椀型鋳造砲塔を被せた、いわば砲塔全体が複合装甲やスペースド・アーマーである多層構造になっているものと推測される。そのためか天馬号/天馬虎(T-62)の砲塔よりも一回り大きくなっている。外殻が鋳造なのは、T-90の初期型を参考にしたであろうことと、技術的な慣れと、未だに韓国陸軍の数的な主力であるM48A5K及びK1の105mmライフル砲には、良好な避弾経始が有効であると判断されたからであろう。

より進歩的な車体であることから、お椀型鋳造砲塔の新型戦車は、暴風号/暴風虎の改良型である可能性がある。その場合は時系列的に、K1A1に対抗するために、2001年にT-90もしくは125mm滑腔砲の購入をロシアに断られた後に、自前で開発したとも考えられる。もしそうだとすればT-90を目標(参考)に開発されたとしてもおかしくはなく、T-90並の性能とされるのはこちらの車輌のことなのかもしれない。仮にT-90並だとしても、開発開始時期が2001年頃だとすると、T-90の初期型並だと思われる(新型のウラジーミル溶接砲塔を搭載したT-90Aの生産は2004年から。もしT-90S/Aを参考にしていたら、似た形状の角型溶接砲塔になっていたはず)。改良点は、K1A1の44口径120mm滑腔砲に耐えるために防御力を強化し、K1後期型とK1A1の複合装甲を破るために主砲は120~125mm砲(間に合わせなので、車体を根本的に改良できず、自動装填装置は無し)を搭載することと、車体中央へ操縦席を移動させることと考えられる。

聯合ニュース2013年6月19日付けは、北朝鮮が2005年から2012年にかけて、「先軍号」と「天馬5号」からなる新型戦車約900輌を追加配備したと報じた[10]

先軍号あるいは先軍虎(発音はどちらもソングンホ)は金正日の「先軍政治」から名づけられたとされる。先軍号/先軍虎は「北朝鮮が2010年10月に軍事パレードで公開した暴風号より搭載されている射撃統制装備や砲塔などが新型」、「従来型の戦車を改良したもので、射程が長く、最高速度は時速約70km」とされる。先軍号/先軍虎の画像は未確認だが、説明や配備時期からすると、あるいはこれがお椀型鋳造砲塔の新型戦車のことかもしれない。

乗員配置について[編集]

M-2002 暴風号/暴風虎の基となったと思われるT-62は、車体左側に操縦手、砲塔左側の前に砲手と後ろに車長、砲塔右側に装填手を配置した計4名であったが、暴風号/暴風虎とされる2種類の新型戦車もそれを踏襲して計4名である可能性がある。その場合、自動装填装置は搭載しておらず、主砲も自動装填装置を必要とする2A46系の125mm滑腔砲ではなく(2A46系の125mm滑腔砲は、砲弾と装薬筒が分離しており(分離装薬筒方式)、これを手動で別々に装填するのは、発射速度が遅くなり(毎分1~2発程度)、不合理である。ただし、発射速度が遅くなることを甘受して、手動装填方式の125mm滑腔砲を採用している可能性もある)、一部で推測されているようにT-62の115mm滑腔砲のままである可能性もある。

その根拠となるのは砲塔の乗員配置である。まず軍事パレードの映像で、戦車の砲塔から敬礼をしている人物(おそらく車長。砲手であった場合は仮説の前提が崩れる。その場合は砲塔右側に車長がいることになる)の位置から、車長は砲塔左側後ろにいると思われる。次に砲手の位置だが、2種類の新型戦車は、砲塔前面左側に大きな丸い孔が開いている。これはT-55やT-62と同じく砲手用の直接照準孔と思われる。両車とも、砲塔側面から見た、もしくは、直接照準孔から覗く、砲塔前面の増加装甲(複合装甲?)の厚さはあまり厚くないので防御力は高くなく、砲塔左側に砲手と車長が前後に並ぶ空間は確保されている(もしくは確保するために砲塔内側に向けて厚くできなかったとも推測できる)と思われる。砲塔前面右側には縦に細長い孔があいているが、これもT-55やT-62に倣えば、PKT7.62mm同軸機銃用の孔である。よって砲手は車長の前方、砲塔左側前にいる。

そうなると、もし計3名、つまり砲塔内に2名だとすると、主砲砲尾を挟んで砲塔右側には誰もいないことになる。これは戦車内の貴重な空間の無駄であり、砲塔上面右側にあるKPV14.5mm重機関銃を操作する人間がいなくなるし、砲塔上面右側にハッチがあることからも、まずありえない。

角型溶接砲塔の新型戦車の画像の一つからも、操縦手が操縦席ハッチから頭を出し、砲塔上面左側ハッチから上半身を出す車長の隣で、砲塔上面右側ハッチから上半身を出している人物(おそらく装填手)が確認できる。砲手は砲塔内なので確認できない。

自動装填装置を採用したT-62~T80系列とT-72~T-90系列では、計3名、つまり砲塔内に2名となったが、その代わり、T-55やT-62では砲塔左側にいた車長を砲塔右側に移し、砲塔上面右側の機関銃の操作を行わせ、砲手は砲塔左側に位置したままである。

よって、2種類の新型戦車は、砲塔右側に装填手がいると考えるのが妥当であり、その場合、自動装填装置は不要である。西側の第2~3.5世代主力戦車も自動装填装置を積んでいない物がほとんどなので、もし自動装填装置が無くても欠陥とはいえない。暴風号/暴風虎が韓国のK1に対抗すべく開発されたことを考えれば(暴風号/暴風虎の本来の仮想敵は、K1A1やK2ではない)、十分納得がいく仕様である。

暴風号/暴風虎の後継戦車について[編集]

2009年3月17日、新華社通信とそれを伝聞する形で中央日報が、「北朝鮮が韓国のK2に対抗するために、ロシアのT-95に匹敵する新型戦車を研究・開発中」と報じた[11]。ただ本家であるT-95自体が2010年に開発が中止されたので、北朝鮮の新型戦車開発も先行きがどうなるか不明である。

参考文献[編集]

  1. ^ a b c d e KPAJOUNAL Vol.1,No.4
  2. ^ “北朝鮮が新型戦車「暴風号」初公開、旧ソ連製を改良”. 聯合ニュース. (2010年8月17日). http://japanese.yonhapnews.co.kr/northkorea/2010/08/17/0300000000AJP20100817000700882.HTML 2012年6月19日閲覧。 
  3. ^ a b c 日本周辺国の兵器 - T-72戦車(暴風号)
  4. ^ 金日成とともにパルチザン抗争を行った柳京守もしくは柳京洙のこと。後に戦車師団長。
  5. ^ 当時チョールヌィイ・オリョールを開発中。翌2002年倒産。時期的に金正日の目的がチョールヌィイ・オリョールの見学や購入やライセンス生産契約であった可能性もありうる
  6. ^ 李ジョンヨン:著 宮田敦司:訳『北朝鮮軍のA to Z 亡命将校が明かす朝鮮人民軍のすべて』 光人社 2009年 ISBN 9784769814436
  7. ^ 後に125mmに換装した可能性もある。もし最初から125mm砲を搭載するつもりであったならば、自動装填装置をセットで搭載していないのはおかしい。設計開始された1990年代初頭の時点では、武装面では従来のままでK1(105mmライフル砲搭載、自動装填装置無し、初期型は複合装甲無し)に十分に対抗できると考えたとしても無理は無い。ましてや、105mm砲に最適化された設計の車格の小さなK1に、後に120mm砲を無理やり搭載することになるのを予想するのは困難であろう。よって改良点は防御力や機動力の向上に重点をおいて設計された可能性がある
  8. ^ Bermudez Jr., Joseph S. (2001-03-14). The Armed Forces of North Korea. I.B. Tauris. ISBN 1-86064-486-4.
  9. ^ “ロシアメディア:朝鮮の神秘的戦車「暴風虎」”. 中国網. (2013年1月17日). http://japanese.china.org.cn/culture/2013-01/17/content_27714097.htm 2013年1月17日閲覧。 
  10. ^ “北朝鮮の新型戦車「先軍号」を初確認 900台戦力化”. 朝鮮日報. (2013年6月19日). http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/19/2013061900439.html 2013年6月20日閲覧。 
  11. ^ “新華社「北、ロシアの次世代主力T-95級戦車を開発中」”. 中央日報日本語版. (2009年3月18日). http://japanese.joins.com/article/738/112738.html 2013年1月25日閲覧。 

外部リンク[編集]

Nuvola apps kview.svg 画像外部リンク
Searchtool.svg 走行試験中の暴風号
Searchtool.svg 砲塔のアップ。携行対空ミサイルを装備している。