バーズム

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バーズム
Burzum
基本情報
別名 URUK-HAI (1987 - 1991)
出身地 ノルウェーの旗 ノルウェー ホルダラン県
ベルゲン
ジャンル ブラックメタル
アンビエント
活動期間 1987年 -
レーベル デスライク・サイレンス・プロダクション
Cymophane Productions
Misanthropy Records
Byelobog Productions
トイズファクトリー
ディスクユニオン
公式サイト www.burzum.org
メンバー
カウント・グリシュナック (ボーカルギターベースドラムスキーボード)

Burzum (バーズム、バーザム、ブルツム) は、Varg Vikernes (ヴァルグ・ヴィーケネス、英語音表記:ヴァーグ・ヴァイカーネス) によるブラックメタルアンビエントのプロジェクト・バンド。録音の際、ボーカルとすべての楽器をヴァーグ自身が担当している。バンド名はモルドールの暗黒語で「闇」を意味する burz に複数形の接尾辞 -um を足したもの。Burzum の活動の中で、ヴァーグは Count Grishnackh (カウント・グリシュナック) と名乗っていたが、Grishnackh は『指輪物語』に登場するオークの名グリシュナッハ Grishnákh から取られている。また Count は一般には「伯爵」の意だが、ヴァーグ自身の主張によれば、語源であるラテン語Comtes[1] (仲間) を意識しているという[2]

ヴァーグはナチズムの信奉者として有名で、民族主義的色彩の強いゲルマン異教思想の一種である Wotanism や Odalism の信奉者でもあるが、Burzum で扱うテーマはもっぱら指輪物語と北欧神話からヒントを得ている。また、ヴァーグはメタル、ひいてはロックが黒人音楽にルーツを持つことを否定的に捉えているが、メタル自体に対しての否定はしていない。

目次

[編集] メンバー

[編集] セッション・メンバー

[編集] 略歴

1987年に、ヴァルグ・ヴィーケネスによって立ち上げられたソロプロジェクト『URUK-HAI』が前身。ヴァルグがオールド・フューネラルから脱退して、名前をバーズムに変更する。その後、1991年から活動を活発化させる。

更には、1990年代前半、数々の教会放火で世界中のアンダーグラウンド・メタルシーンにその悪名を轟かせた。当時のノルウェーにはインナーサークルと呼ばれるブラックメタルバンドの連合体とも呼べる集団が存在しており、各構成員間で「誰が最も邪悪か?」を競い合う状況が生まれていた。ヴァルグの犯罪行為もインナーサークル内での地位を高める目的で行われたものである。

1993年、セッションメンバーとして参加していたバンド、メイヘムのギタリストであり、ノルウェーブラックメタル界の首領でもあったユーロニモス刺殺した容疑で、ヴァルグが逮捕される。翌1994年に、放火、窃盗爆弾テロの容疑でヴァルグは追加起訴され、懲役21年の有罪判決を受ける。

2000年、オフィシャルサイトを通じて Burzum の活動停止を宣言。

2003年、ヴァルグが仮釈放中に逃走を図り再逮捕される。その後はノルウェー国内で最も厳重なセキュリティーを誇るトロンハイム刑務所に移送される。2006年中に再度仮釈放される可能性があったが、ノルウェー当局はヴァルグの仮釈放を2008年4月まで延期するとの声明を発表。ヴァルグ側はこの処置を、ノルウェー憲法及びEU人権条項に反するとして抗議したが、却下された。

2008年6月、ノルウェー当局がヴァルグ側の仮釈放申請を再度拒否。これにより、出所時期はまったくの未定となったが、期限付きながら家族と自宅で過ごす権利を得ることに成功。ただし、完全出所は2015年以降。2010年3月8日、『Hliðskjálf』に次ぐ11年ぶりの7thアルバム『Belus』を発表。更に2011年には、早くも8thアルバム『Fallen』をリリース。

[編集] 音楽的特徴

Hvis Lyset Tar Oss』のジャケットに用いられたテオドール・キッテルセンFattigmannen』(1894-95)
『Filosofem』のジャケットに用いられたテオドール・キッテルセン『Op under Fjeldet toner en Lur』(1900)
『Fallen』のジャケットに用いられたウィリアム・アドルフ・ブグローÉlégie』(1899)

いわゆる「デス声」とはまた異なる喚き散らすボーカル、極度にノイズが乗り音が割れたギター、同じフレーズの反復、北欧神話をモチーフとした歌詞などからなる独自の世界観を築き上げており、現在でも世界中に根強いファンを持っている。歌というよりは、嘆き、泣きながらの絶叫といったヴォーカルである。途中何の歪みのない声でぼそりとつぶやいたり、ウォー……と気だるそうな声で歌っているが、いずれにせよとても暗い曲調である。生々しく物騒で、鬱々とした世界が読み取れる。4thアルバム『Filosofem』ではヴォーカルや、ギターの歪みがとても強く、1st~3rdアルバムとはまた雰囲気の違う仕上がりとなっている。だが、邦題が「絶望論」というのも頷けるほど暗く、絶望的な心情を読み取ることができる。

1stアルバムのように、意図的に音質を悪くし、不気味で生々しく過激なブラックメタルを「プリミティブ・ブラックメタル」とも呼ぶことがある。また、絶望的でリアルな精神病の世界(鬱など)をあらわした音楽を「デプレッシブ・ブラックメタル」ということもある。この様な鬱な音楽のジャンルを確立したのがBurzumといっても過言ではないだろう。

ヴァルグが刑務所に収監された後に録音された後期の2枚のアルバムは完全なアンビエントアルバム (インストゥルメンタル)となっている。これは刑務所の独房内に楽器の持ち込みを禁止され、小型のシンセサイザーの使用のみ許されたためである。とはいえ、投獄前に製作されたアルバム、『Filosofem』の全6曲中の後半3曲もシンセを多用したインスト曲で構成されており、仮にユーロニモスの殺人がなかったとしても、同じような方向性に向かった可能性が高い。

再始動後の Belus ではシンセサイザーによるインストゥルメンタル曲はなく、初期の作風に回帰している。ただ、ヴォーカルはDarkthroneのTransilvanian Hungerのようになっており、典型的なプリミティブ・ブラックメタルになっている。

どのアルバムにも共通して言えるのは、シンプルなフレーズを何度も繰り返すことだろう。

また、アルバムのディスクジャケットには、著名な画家の絵が用いられていることが多い。3rdアルバム『Hvis Lyset Tar Oss』と4thアルバム『Filosofem』のディスクジャケットには、ノルウェーの画家テオドール・キッテルセン (Theodor Severin Kittelsen)の絵が用いられている。『Hvis Lyset Tar Oss』には『Fattigmannen』(1894-95)、『Filosofem』には『Op under Fjeldet toner en Lur』(1900)が用いられ、それぞれのブックレットの中で用いられている絵もテオドール・キッテルセンのものである。また、8thアルバムの『Fallen』のディスクジャケットには、フランスの画家、ウィリアム・アドルフ・ブグロー (William-Adolphe Bouguereau)の1899年作、『Élégie (Elegy)』が用いられており、ブックレット内では、デンマーク画家ローレンツ・フローリッヒ (Lorenz Frølich)とドイツ画家ルートヴィヒ・ピーチ (Ludwig Pietsch)の絵が用いられている。

2ndアルバムと、3rdアルバムの日本盤はトイズファクトリーより発売されていたが、現在は廃盤になっており入手は困難である。ただし、後に輸入盤にライナーノーツを付けた日本国内仕様のものがディスクユニオンから発売されており、そちらの入手は容易である。

[編集] ディスコグラフィー

以下、日本国内で発売されたことのある作品については〔 〕内に日本語タイトルを付記。
  • 1992年 Burzum (1st Album)
  • 1993年 Aske (Mini Album)
  • 同年 Det Som Engang Var (2nd Album) 〔トイズファクトリー盤:『涅槃宮』、輸入盤日本国内仕様:『無常の門』〕
  • 1994年 Hvis Lyset Tar Oss (3rd Album) 〔トイズファクトリー盤:『白昼夢』、輸入盤日本国内仕様:『虚無光』〕
  • 1995年 Burzum/Aske (Re-issued、1st Album/Mini Album) 〔輸入盤日本国内仕様:『欝なる黎明』〕
  • 1996年 Filosofem (4th Album) 〔輸入盤日本国内仕様:『絶望論』〕
  • 1997年 Dauđi Baldrs (5th Album)
  • 1999年 Hliđskjálf (6th Album)
  • 2010年 Belus (7th Album)〔輸入盤日本国内仕様:『ベリウス』〕
  • 2011年 Fallen (8th Album)〔輸入盤日本国内仕様:『フォールン』〕

[編集] コンピレーション

  • 1998 Presumed Guilty 〔"Et Hvitt Lys Over Skogen" 収録〕
  • 1998 Gummo 〔"Rundgang Um Die Transzendentale Säule Der Singularität" 収録〕
  • 2004 Fenriz Presents... The Best of Old-School Black Metal 〔"Ea, Lord of the Deeps" 収録〕

[編集] ベストアルバム

  • 1998 Burzum 1992-1997
  • 2002 Burzum Anthology
  • 2006 Draugen

[編集] トリビュート

  • 2002 Visions
  • 2003 A Man, a Band, a Symbol
  • 2003 Wotan Mit Uns!
  • 2005 The Tribute
  • 2005 Burzum Tribute Atakk

[編集] 脚注

  1. ^ 原文ママ。正確なラテン語は comes, comitis
  2. ^ マイケル・モイニハン、ディードリック・ソーデリンド 『ブラック・メタルの血塗られた歴史』 島田陽子訳、メディア総合研究所、2008年。

[編集] 外部リンク

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