Best Always

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Best Always
大滝詠一ベスト・アルバム
リリース
ジャンル ロック
ポップス
時間
レーベル NIAGARASony Music Labels
SRCL 8010-2
プロデュース Eiichi “Mr Niagara” Ohtaki
チャート最高順位
ゴールドディスク
  • ゴールド(日本レコード協会[1]
  • 大滝詠一 アルバム 年表
    EACH TIME 30th Anniversary Edition
    2014年
    Best Always
    (2014年)
    NIAGARA CD BOOK II
    2015年
    テンプレートを表示

    Best Always』(ベスト・オールウェイズ)は、2014年12月3日に発売された大滝詠一のオールタイム・ベスト・アルバム

    解説

    大滝にとっては初となる純粋な意味でのソロ・ベストアルバムで、過去に大滝は『DEBUT』『B-EACH TIME L-ONG』『SNOW TIME』といったベストアルバム、『大滝詠一 SONG BOOK』といった自選集の発売はあったものの、それらは何れも再演再録、ライブ音源での収録、オーケストラ音源とのミックス音源、後半部分を未発表インストで固めるといった変則的な作品集であり、一般に認知される「既存の楽曲を発売当初のままの形で収録し、それをまとめて網羅したものをひとつのアルバムとして販売する」といった形態でのベストアルバムは生前頑なに拒み、そのような形態で販売される作品は今回が初めてである。

    『最新作』だったアルバム『EACH TIME 30th Anniversary Edition』のデジタルリマスター作業を終えた後、大滝は2013年12月30日午後に急死。2010年1月3日放送の「山下達郎のサンデー・ソングブック」“新春放談”にて大滝は、「EACH TIME30周年盤でナイアガラ不滅プロジェクトを完結させ、過去作品全てをオリジナル形態でBOXセットを発売、シングルオンリーの作品についてはベストで補完する」といった構想を語っていたものの、それが実現されることのないままアルバム30周年事業のみが完了したのみだった。

    制作にあたっては、女婿でナイアガラ・エンタープライズを継承した坂口修(音楽評論家)と、長男の大瀧詞巧ら大瀧家の親族が監修した。

    本作は大滝のソロデビュー前にあたるはっぴいえんど時代から最後の歌声となった竹内まりやとのコラボレーション曲「恋のひとこと」までの楽曲で自身が関わった各アルバムから最低1曲を選出する形で、レコード会社の垣根を越えて楽曲を寄せ集めて2枚に集約して制作されたアルバムとなる。シングル楽曲は数あるバージョン違いの中から基本的に初CD化にあたるシングルバージョンを優先収録としており、中にはミックス違いで自身のCD収録に至らなかった作品の初CD化、コンピレーションアルバムのために他社に原盤貸与した形でのみCD化されていた作品の自身のアルバムでの初収録、CM用に制作されながらもお蔵入りしていた作品なども含めた決定版となる。収録順は基本的に時系列に沿ったもので、DISC1をはっぴいえんど~コロムビア期、DISC2をソニー移籍後から最後の作品に至るまでという構成となっている。中でも、ファンの間でも存在が噂されながらも大滝本人が実在を明かさなかった自身最大のヒット作ともいえる「夢で逢えたら」の大滝歌唱によるセルフカバーが収録されたことは大きく報じられている[2]

    ブックレット内には山下達郎伊藤銀次佐野元春杉真理竹内まりやからの寄稿文を掲載。曲目解説はDISC 1を安田謙一、DISC 2を能地祐子がそれぞれ担当。アート・デザインは中山泰が手掛けた。初回生産限定盤は三方背BOX仕様となるほか、初出のカラオケを収録した『Best Always Track』を加えた3枚組。

    チャート成績

    2014年12月15日付のオリコン週間アルバムランキングで初登場2位を獲得した。大滝にとってTOP3入りは、1997年にシングル「幸せな結末」で2位を獲得して以来17年ぶりとなった。また、アルバムのTOP3入りは『EACH TIME』(1984年)以来30年ぶりとなる。しかしこれはLPでのチャートインであったため、CDのアルバム作品としては初のTOP3入りを果たした[3]

    収録曲

    DISC 1

    1. ナイアガラ・ムーン(イン・ザ・プール Mix)
      作詞・作曲:大瀧詠一 編曲:大瀧詠一 / Str.山下達郎
      NIAGARA MOON』収録曲。本作では映画『イン・ザ・プール』用にリミックスされたものが収録された。ボーカルも録り直されている。
    2. 12月の雨の日 (Single Version) / はっぴいえんど
      作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一
      はっぴいえんど作品では唯一選出。
    3. 恋の汽車ポッポ (Single Version)
      作詞:江戸門弾鉄 作曲・編曲:多羅尾伴内
      この曲のみモノラル音源での収録。
    4. 空飛ぶくじら (Single Version)
      作詞:江戸門弾鉄 作曲:大瀧詠一 編曲:多羅尾伴内
    5. 指切り
      作詞:松本隆 作曲・編曲:大瀧詠一
      大瀧詠一』収録曲。
    6. Cider '73 '74 '75
      作詞:伊藤アキラ 作曲・編曲:多羅尾伴内
      『NIAGARA MOON』収録曲。
    7. 楽しい夜更し
      作詞・作曲・編曲:大瀧詠一
      『NIAGARA MOON』収録曲。
    8. 夜明け前の浜辺
      作詞・作曲・編曲:大瀧詠一
      NIAGARA TRIANGLE Vol.1』収録曲。
    9. 幸せにさよなら / ナイアガラトライアングル 山下達郎 伊藤銀次 大滝詠一
      作詞・作曲・編曲:伊藤銀次
      『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』収録曲。1997年の「山下達郎のサンデー・ソングブック」“新春放談”でオンエアされた、大瀧から歌い始める順番違いの“シングル・スペシャル”を元に、新たにミックスされたもの。バック・トラックには細野晴臣松任谷正隆が参加したシングル・ヴァージョンが使われている。
    10. ニコニコ笑って
      作詞・作曲:大瀧詠一 編曲:多羅尾伴内
      GO! GO! NIAGARA』収録曲。
    11. Cider '77
      作詞:伊藤アキラ 作曲・編曲:多羅尾伴内
      Niagara CM Special Vol.1』収録曲。ここでは1983年にCDで発売された『Special Issue』所収の60秒バージョンで収録。
    12. The Very Thought Of You / シリアポール
      作詞・作曲:R.Noble 編曲:多羅尾伴内 / Str.山下達郎
      シリア・ポールのアルバム『夢で逢えたら』収録曲。
    13. 青空のように (Single Version)
      作詞・作曲:大瀧詠一 編曲:多羅尾伴内 / 山下達郎
      『NIAGARA CALENDAR』再発売時にリマスター対象から外れていたシングルバージョン。初CD化。
    14. 真夏の昼の夢 (’81 Mix)
      作詞・作曲:大瀧詠一 編曲:多羅尾伴内
      NIAGARA CALENDAR』収録曲。1981年にCBS・ソニーから再発された際に大滝自身がリミックスしたバージョンで収録。
    15. ブルー・ヴァレンタイン・デイ (Single Version)
      作詞・作曲:大瀧詠一 編曲:多羅尾伴内
      『NIAGARA CALENDAR』再発売時にリマスター対象から外れていたシングルバージョン。初CD化。
    16. 外はいい天気だよ '78
      作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一 編曲:大瀧詠一 / Str.山下達郎
      DEBUT』収録曲。はっぴいえんど『HAPPY END』収録曲(「外はいい天気」)のセルフ・カヴァー。
    17. 烏賊酢是!此乃鯉
      作詞・作曲・編曲:多羅尾伴内
      LET'S ONDO AGAIN』収録曲。本作には1987年に『NIAGARA BLACK BOOK』用に制作された未発表バージョンで収録。
    18. 夢で逢えたら
      作詞・作曲:大瀧詠一 編曲:多羅尾伴内 / Str.山下達郎
      ボーナス・トラック。生前はファンから「大滝自身が歌う夢で逢えたらを聴かせてくれ」といったラジオで問い合わせがあっても「そんなものは無い」と答えていたセルフカバーバージョン。大滝自身がライブで披露することも無く、『A LONG VACATION』のコンサートで観客からリクエストされても、太田裕美に歌わせて本人は歌わなかった。家族のみにその実在とマスターの所在を明かしており、本バージョンが初めてお披露目となったのは大滝の葬儀の場であった。2014年夏、スタッフが遺品の中からマスターテープを発見。ケースには“Sing by OTAKI”と書かれてあり、80年代初めに録音されたもので、その存在が家族にのみ明かされていた音源が収録されている[4]

    DISC 2

    1. 君は天然色 (Single Version)
      作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一 編曲:多羅尾伴内
      1981年発売の『A LONG VACATION』収録曲。本作収録には自身のアルバムでは未CD化のままだった(『ゴールデンJポップ 1981−82ベストヒット集』(ソニーミュージックレコーズ・SRCL3923)などコンピレーションアルバムでCD化された例はあり)シングルバージョン(イントロのカウント音をカット)が選ばれ、アルバム初収録となる。
    2. 恋するカレン (Single Version)
      作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一 編曲:多羅尾伴内
      『A LONG VACATION』収録曲。この楽曲も未CD化のままだったシングルバージョン(ミックスの大きな違いはないが、イントロの音量が少し大きい)が選出され、これはアルバム初収録となる。
    3. A面で恋をして (Single Version) / 佐野元春杉真理 大滝詠一
      作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一 編曲:多羅尾伴内
      NIAGARA TRIANGLE Vol.2』収録曲。シングルバージョンは自身のアルバム初収録で、かつエンディングの後にマシンガンの音が入った初回プレス版のCD化は初めてだった(マシンガン音のないセカンドプレスシングル版は『青春歌年鑑』『ゴールデンJポップ 1981−82ベストヒット集』『松本隆風街図鑑』などのコンピレーションアルバムでCD化済)。
    4. さらばシベリア鉄道 (Single Version)
      作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一 編曲:多羅尾伴内
      A LONG VACATION』収録曲で、もともとは太田裕美への提供曲のセルフカバー。イントロのフェードインがカットされ、エンディングのフェードアウトが早いシングルバージョンは初CD化。
    5. オリーブの午后
      作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一 編曲:CHELSEA
      NIAGARA TRIANGLE Vol.2』収録曲。
    6. ♥(ハート)じかけのオレンジ (Single Version)
      作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一 編曲:CHELSEA
    7. ROCK'N'ROLL 退屈男 / 大滝詠一 with Jack Tones
      作詞・作曲:大瀧詠一 編曲:宿霧十軒
      NIAGARA TRIANGLE Vol.2』と同時期に制作されたアルバム未収録曲。曲中に「うなづきマーチ」の一節が使われている。
    8. CM Special Vol.2 (Complete Version)
      作詞・作曲・編曲:大瀧詠一
      NIAGARA CM SPECIAL Vol.2』収録曲。
    9. Cider '83
      作詞:伊藤アキラ 作曲:大瀧詠一 編曲:多羅尾伴内
      『NIAGARA CM SPECIAL Special Issue』収録曲。本作に収録されているのは未発表だった60秒バージョン。
    10. ペパーミント・ブルー
      作詞:松本隆 作曲・編曲:大瀧詠一
      EACH TIME』収録曲。オリジナル形態の『EACH TIME』からは唯一選出された楽曲で同アルバム発売時にはリードトラック扱いでアルバムプロモーション用のCMでも使われていた。
    11. バチェラー・ガール (Single Version)
      作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一 編曲:大瀧詠一 / Str.井上鑑
    12. フィヨルドの少女 (Single Version)
      作詞:松本隆 作曲・編曲:大瀧詠一
    13. 夏のリビエラ 〜Summer Night in Riviera〜
      作詞:MARTHA LAVENDER 作曲:大瀧詠一
      企画盤にして世界初のプロモーションオンリーCD『SNOW TIME』収録曲。森進一に提供した「冬のリヴィエラ」の英詞セルフカバー。本作発売まで収録作品が全て廃盤になっており、入手困難な状態が続いていた。
    14. 幸せな結末
      作詞:多幸福 作曲:大瀧詠一 編曲:井上鑑
      1997年に12年ぶりの新曲として発売されたシングルで大滝自身最大の売り上げを誇るミリオンセラー作品。大滝詠一ソロ名義のアルバムに収録されるのはこの作品が初めてのことである。
    15. Happy Endで始めよう
      作詞:Koufuku Ohno 作曲:Bannai Tarao 編曲:Rinky O'hen
      「幸せな結末」のカップリング曲。随所にはっぴいえんどへのリスペクト、オマージュ、セルフパロディが盛り込まれている。本楽曲も大滝ソロ名義としては初アルバム化作となる。
    16. 恋するふたり
      作詞:多幸福 作曲:大瀧詠一 編曲:井上鑑
      最終シングル。アルバム初収録。松田聖子に提供した『風立ちぬ』の春バージョンとして制作された。「幸せな結末」から7年後の2003年に発売された。
    17. 恋のひとこと〜Something Stupid〜 / 竹内まりや Duet With 大滝詠一
      作詞・作曲:Carson C.Parks 編曲:山下達郎・服部克久
      フランク・シナトラナンシー・シナトラ父娘による、1967年発表のデュエット曲のカヴァー。2002年12月22日放送の「山下達郎のサンデー・ソングブック」での年忘れ夫婦放談でのオンエアが初出(オリジナル音源を元に制作)。このレコーディング自体も5年ぶりのスタジオ入りと伝えられた。後に竹内まりやのアルバム『Longtime Favorites』のリード曲として収録された。本作では唯一、大滝の作品以外からの選出。生前最後の公式レコーディング作品。

    DISC 3『Best Always Tracks』(初回盤のみ)

    1. ナイアガラ・ムーン
    2. 幸せにさよなら
    3. 夢で逢えたら
    4. ROCK'N'ROLL 退屈男
    5. CM Special Vol.2
    6. Cider '83
    7. 夏のリビエラ ~Summer Night in Riviera~
    8. 幸せな結末
    9. Happy Endで始めよう
    10. 恋するふたり

    クレジット

    Mastering Engineer : Tetsuya Naitoh (Sony Music Studios Tokyo)
    Remastered on Oct 2014
    Art Design : Yasushi Nakayama (NYC)
    A&R : Naoki Yoshitake (Sony Music Records)
    Asako Tsunoda (Sony Music Records)
    Director : Masaaki Shirota
    Advisor : Hiroaki SHimura
    Supervisor : Shikoh Ohtaki and Faamily
    Producer : Eiichi “Mr Niagara” Ohtaki
     
    Disc1 Track2-5 Licensed by Bellwood / King records KING RECORD Co.,Ltd.
    Disc2 Track17 Licensed by Warner Music Japan
    竹内まりや by the courtesy of Warner Music Japan

    脚注

    注釈

    出典

    外部リンク

    Sony Musicによる紹介ページ
    ニュースサイト