Complete EACH TIME

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Complete EACH TIME
大滝詠一スタジオ・アルバム
リリース
録音 STUDIO“不夜城”Shinanomachi & Roppongi
ジャンル ポップス
レーベル NIAGARACBS/SONY
プロデュース 大瀧詠一
チャート最高順位
大滝詠一 アルバム 年表
ナイアガラ・レーベル 年表
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Complete EACH TIME』(コンプリート・イーチ・タイム)は1986年6月1日 (1986-06-01)にリリースされた大滝詠一スタジオ・アルバム

解説[編集]

EACH TIME[2]発表時、収録時間やカッティング技術の問題、構成上の理由から収録できなかった「Bachelor Girl」と「フィヨルドの少女」を追加収録し、収録曲も曲順が一部変更された完全盤。アナログ盤は収録時間の関係上、「レイクサイド・ストーリー」がフェイドアウト・バージョンに差し替えられた以外はオリジナル盤のマスターが使われたが、それでも50分12秒というナイアガラ・レーベルの諸作品の中で最も長い収録時間となり、また初の長時間録音盤となった。そのためカッティング・レベルが通常より低くなっている。また、CDは『EACH TIME SINGLE VOX[3]のマスターに2曲追加となり、楽曲の長さや構成が異なる。

短期間で市場から姿を消したこと、オリジナル版『EACH TIME』が再発(1989年版、1991年のCD選書)されたことから、レアアイテムの一つとなっている。なお、『Complete EACH TIME』と同じ収録曲のものに「魔法の瞳」以外の楽曲でオリジナル盤のマスターを使用し、ボーナス・トラックを追加収録したものが『EACH TIME 20th Anniversary Edition[4]となる。

アートワーク[編集]

LP、カセット、CDのいずれも外袋にバクダン・ステッカーが貼られ、LPは初回プレスのみヴィニール・パッケージ仕様。ジャケットに描かれた“Complete”の文字は大滝自筆のもの。

収録曲[編集]

SIDE 1[編集]

  1. 夏のペーパーバック
    CDではイントロ部分を始めとして楽器がやや少なめに構成され、間奏のサックス・ソロが別テイクに差し代わっているバージョンを収録。このバージョンは後に『B-EACH TIME L-ONG』にも使用されている。
  2. Bachelor Girl
    アルバム初収録曲。大滝は当時「Bachelorという単語がGirlに付くのはおかしい(Bachelorは「独身の男性」を指す)」という指摘を受け、『EACH TIME』への収録が見送られた。その後、過去に事例があることがわかり、大滝が稲垣潤一のカバーを提案し、そのバージョンが先に発表される形となった。追って大滝の『B-EACH TIME L-ONG』に収録された。本アルバムでは、シングル・バージョン(イントロにSEがあり、エンディングがフェードアウト)で収録されている。
  3. 魔法の瞳
    CDでは『EACH TIME SINGLE VOX』と同じ歌詞が加筆されているロング・バージョンを収録。このバージョンはその後20周年盤に収録されている(1989年盤には収録されず、1991年盤はオリジナル・バージョンを収録)。
  4. 木の葉のスケッチ
    CDではエンディングがフェイド・アウトせずに終わる。
  5. 恋のナックルボール
    エンディングのSEが終わった後、大滝の「まぁ、割り合い良かったな」のあるバージョンだが、その前にあるドゥーワップ・コーラスは『EACH TIME SINGLE VOX』では4回繰り返すが、本作では2回繰り返すバージョンで収録されている。
  6. 銀色のジェット

SIDE 2[編集]

  1. 1969年のドラッグレース
  2. ガラス壜の中の船
  3. ペパーミント・ブルー
  4. レイクサイド ストーリー
    わずかに、後奏の楽器が小さめに抑えられている。この盤からエンディングがフェイドアウトするバージョンに換わった。
  5. フィヨルドの少女
    「Bachelor Girl」とのカップリングで、ナイアガラ・レーベル最後のアナログ・シングルとして発売された。ギタリストとして参加したマッチ・ルータラが、後に自身のバンド“ザ・ムスタング”(フィンランドインストゥルメンタルバンド)のアルバム『ペレスロイカ』で「さらばシベリア鉄道」とともにカバーした。

クレジット[編集]

All Songs Written by 松本隆 & 大瀧詠一
 
Musicians
   Drums    ; 
   E.Bass    ;  長岡“AKAGAI”道夫
   Guitars    ; 
   Keyboards    ; 
   Synth.Prog    ;  松武“第3京浜”秀樹
   L.Perc    ; 
   Wood Bass    ;  小泉僖美雄
   Harp    ;  山川恵子, 入江愛子, 野畑潤子, 張谷恭子
   Accordion    ;  岡田徹
   Clarinet    ;  Mr.北村英治
   Oboe    ;  大野守
   Vibraphone    ;  金山功
   Sax    ;  Jake H.Concepsion
   Chorus    ;  伊集加代子, 和田夏代子, 鈴木宏子
   Cheer Boys    ;  PERCUSSION GROUP 72
   Strings    ;  加藤ジョー・グループ
 
   STRINGS ARRANGE ; 井上鑑
 
   SPECIAL GUEST ; MATTI LUHTALA (Guitar) from Finland

Studio All Nighters
  
  • Ω大森, ブッシュマンナベ, 歌舞伎町松尾, ぼくちゃん太田,
  • XEVIOUSアトム, OLYMPIC芳川, DRE2台川部, ハーモナイザー宮田,
  • DELETE津久間, 余下吉太, SEDICいのう, MYアガリ3好,
  • スケジュール・シスターズ(土屋幸子, 浅香友美子),
    RACOON佐藤, 笠井“CUTTING ENGINEER”鉄平,
  • 松殿オーナーFlowrin G.H.,
  • カフェ・バーVEGA, 赤坂フォンテーヌ
 
   Recorded & Remixed at STUDIO“不夜城”Shinanomachi & Roppongi
   STUDIO COMMAND & HYPER NECAM DRIVED by クローク
   PAPILAPOPAスタジオ退屈男  大野“オニギリ1人占め”邦彦
   Engineer 吉田“ユンケルMIX”保
 
Each Times 定期購売者一覧
  
  • 白川隆二, 浜野啓介 (CBS/SONY),
  • 松本隆, 清水桂子 (Termini),
  • 伊部誠 (CMC),
  • キャンキャン中山, フリー平原, 小滝詠司 (Mitaka Group),
  • 中山泰, 養父正一, 河田久雄 (Design),
  • 朝妻一郎, Pop-cicle木崎, Mr.Chibumaker (60's Fun Club),
  • 前島“キヨーレオピン”洋児, 塚田“出前一丁”千春,
  • 増田“チェーン1時間”真一, 山縣“再就職”裕子, 梅田“安産”智恵子,
  • 小出“バイブル”豊子, 野口“フォークの火を消すな”健作,
  • ジャマイカ・イタル, 金田一“ハマッコ”伴内 (NIAGARA Staff)
 
駅売り愛読者一覧
  
 
Produced by 大瀧詠一 For Niagara Enterprises

リリース履歴[編集]

# 発売日 リリース 規格 品番 備考
1 1986年6月1日 (1986-06-01) ナイアガラCBSソニー
LP
28AH 2001 (NGLP-539,540-OT) 『EACH TIME』に2曲が追加され、曲順も変更されたコンプリート版。LPは初回プレスのみヴィニール・パッケージ仕様。CDは『EACH TIME SINGLE VOX』のマスターに2曲追加となっている。
28KH 2001 (NGCA-123,124-OT)
CD
32DH 555 (NGCD-5-OT)

脚注[編集]

  1. ^ 『オリコン・チャートブック LP編 昭和45年 - 平成1年』オリジナル・コンフィデンス、1990年、98頁。ISBN 4871310256
  2. ^ EACH TIME』 1984年3月21日 (1984-03-21)発売 NIAGARACBS/SONY LP:28AH 1555 (NGLP-539,540-OT), CT:28KH 1460
  3. ^ EACH TIME SINGLE VOX』 1984年4月1日 (1984-04-01)発売 NIAGARA ⁄ CBS/SONY 5LP:50AH 1706~10
  4. ^ EACH TIME 20th Anniversary Edition』 2004年3月21日 (2004-03-21)発売 NIAGARA ⁄ Sony Music Records CD:SRCL 5002