第一製薬

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第一製薬株式会社(だいいちせいやく)はかつて存在した日本医薬品メーカー。1915年10月1日創業。スローガンは創業70周年記念時に制定された「いのち、ふくらまそう。」。本社所在地は東京都中央区日本橋であった。

歴史[編集]

第一製薬の前身「アーセミン商会」は、慶松勝左衛門によって1915年に設立された。前年に始まった第一次世界大戦のため、海外からの医薬品の輸入が途絶えた。とりわけ深刻だったのは、梅毒の特効薬とされていた「サルバルサン」(Salvarsan, ドイツヘキスト社商標・一般名)だった。サルバルサンはドイツの細菌学者パウル・エールリヒが、留学していた泰佐八郎の協力を得て開発した薬剤である。

2005年9月28日三共持株会社方式で経営統合。2005年4月に業界2位となったアステラス製薬山之内製薬藤沢薬品工業が合併)を抜き、武田薬品工業に次ぐ業界2位となった。共同持株会社として「第一三共株式会社」を設立。2007年4月に三共ともども第一三共に完全統合した。

また、OTC部門は共に分離され、第一三共ヘルスケアを設立。さらに2006年4月には藤沢薬品工業山之内製薬のOTC部門切り離しによって誕生したゼファーマを買収。OTCで大正製薬に次ぐ業界2位に躍り出た。なお、ゼファーマは吸収された形となり、企業名はそのまま第一三共ヘルスケアである(2008年2月時点)。

代表的な商品[編集]

医療用
  • タリビッド(一般名:オフロキサシンOFLX)
ウイントマイロン(一般名:ナリジクス酸NA)をリード化合物として合成された抗菌剤。研究開始6年後に合成されたDJ‐1611は腸管吸収が悪く、開発を断念。1979年に見出されたDJ‐6783は尿中に排泄され、断念。1980年にオフロキサシンにたどり着いた。この間合成された新規化合物は1,100に及ぶ。OFLXによって、ニューキノロン系抗菌剤が化学療法経口)の主流を占めるようになった。
タリビッドはラセミ体であり、そのL体のみを製剤化したもの。LVFXはOFLXの10倍(他のニューキノロン剤の100倍)という「にわかには信じ難い」(開発者・早川勇夫談)効力を持つ。LVFXの特許出願は1985年だが、6つのグループがしのぎを削っており、早川によれば「特に2番手との差はわずか2日違い」であった。早川はこの発明により紫綬褒章を受章した。
  • パナルジン®(抗血小板剤、一般名:塩酸チクロピジン
  • オムニパーク®(非イオン性造影剤、一般名:イオヘキソール)
  • モービック®(COX-2阻害薬、一般名:メロキシカム)
  • サンリズム®(不整脈治療薬、一般名:ピルジカイニド
  • アーチスト®(α・βブロッカー血圧降下剤、一般名:カルベジロール
  • ミルタックス®(消炎鎮痛外用薬、一般名:ケトプロフェン
  • コバシル®(持続性組織ACE阻害薬、一般名:ペリンドプリルエルブミン)→協和発酵へ販売移管
  • シンレスタール®(脂質異常症治療薬、一般名:プロブコール
  • ユリーフ®(選択的α1A受容体阻害薬前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬、一般名:シロドシン)
  • ノイエル®(一般名:塩酸セトラキサート)
  • パントシン®(一般名:パンテチン)
B群ビタミンの一種であるパントテン酸の前駆物質。生体内のTCAサイクルを活性化させる。なお、ロシュ社とならんで、第一製薬はパントテン酸の世界的な供給メーカーである。
  • トランサミン®(一般名:トラネキサム酸)
世界初の抗プラスミン剤、「イプシロン」(一般名:イプシロン‐アミノカプロン酸)のトランス体で、「イプシロン」の6~10倍の効力を持つ。1969年「トランサミン」は第21回「毎日工業技術賞」を、1970年には「横行地記念賞」を受賞した。現物質発明者の岡本彰祐神戸大学名誉教授(1916 - 2004)は抗プラスミン剤の開発により、フランスの学者からノーベル賞に推薦された。
一般用
  • カロヤンシリーズ 頭髪剤
  • パテックス 外用消炎鎮痛薬
  • システィナC ビタミン栄養剤
  • センロック 胃腸薬
  • 新黒丸 下痢止め
  • メディエード 総合感冒薬
  • ペラック 風邪薬
  • シャント 強心薬
  • ベトネベート 皮膚薬 かゆみ止め
  • イクジマリン 水虫薬

など

テレビ提供番組[編集]

歴代を含める。

ほか多数

創業記念広告[編集]

1986年から2005年まで10月1日の創業記念日には創業記念広告シリーズを新聞などに掲載していた。

2000年から2005年の創業記念メッセージは下記のとおりである。

  • 2000年(創業85周年)「抗菌剤は副作用との戦いでもあります」
  • 2001年(創業86周年)「菌が悲鳴をあげました」
  • 2002年(創業87周年)「HELP」~菌がシッポを巻きました~
  • 2003年(創業88周年)「菌よ、さらば」
  • 2004年(創業89周年)「細菌VS抗菌剤」
  • 2005年(創業90周年)「いのちに"if"がある限り」

関連項目[編集]