硝石

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硝石
偏光顕微鏡下で観察した硝酸カリウムの結晶
偏光顕微鏡下で観察した硝酸カリウムの結晶
分類 硝酸塩鉱物
シュツルンツ分類 5.NA.10
Dana Classification 18.1.2.1
化学式 KNO3
結晶系 斜方晶系
モース硬度 2
光沢 ガラス光沢
無色白色
条痕 白色
比重 2.1
文献 [1][2][3]
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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硝石(しょうせき、nitre[4]niter[4]saltpeter[4])は、硝酸塩鉱物の一種。化学組成は KNO3硝酸カリウム)、結晶系斜方晶系

産出地[編集]

中国内陸部や西アジア南ヨーロッパのような乾燥地帯、例えばスペインイタリアエジプトアラビア半島イランインドなどでは、土壌から析出した硝石が地表で薄い層になって産するため、天然に採取される。

北西ヨーロッパ東南アジア日本のような湿潤環境下では、天然では得がたい。ドイツフランスイギリスのような北西ヨーロッパでは、家畜小屋土壁の中で、浸透した家畜の排泄物微生物の作用によって硝酸カリウムとなったものを抽出して硝石を得ていた。また、東南アジアでは、伝統的に高床式住居の床下でを多数飼育してきたため、ここに排泄された鶏糞、豚糞を床下に積んで発酵熟成させ、ここから硝石を抽出してきた他、熱帯雨林洞穴に大群をなして生息するコウモリの糞から生成したグアノからも抽出が行われてきた。日本では、基本的には戦国時代火器導入以降の黒色火薬の原料としての硝石を中国や東南アジア方面(インド)からの輸入に頼っていたが、加賀国飛騨国などでは培養法というサクと呼ばれるから硝酸カリウムを得る技術が開発され、硝石を潤沢に生産していたほか、他の地方では古土法と呼ばれる古い家屋の床下にある表層土に微生物の作用によって硝酸カリウムが蓄積したものを抽出して硝石を得ていた。古土法の生産量は少なかったが、結局は戦乱が収まったことにより、国内での需要を賄えるようになった。

性質・特徴[編集]

用途・加工法[編集]

火薬染料肥料など窒素を含む化学物質が必要な製品の原材料として、歴史的に用いられてきた。特に加熱すると硝酸イオンが分解して酸素を発生するため、火薬製造における酸化剤として重視されてきた。また、食肉保存において食中毒の原因となる細菌、特に塩漬け豚肉の食中毒の原因となりやすいボツリヌス菌の繁殖を抑制するためにも用いられ、塩漬け加工に際してとともに肉にすり込むこと(塩せき)が古くから行われてきた。そのため、硝石を用いた肉加工品は亜硝酸イオンと肉のミオグロビンの結合のため独特の桃色を呈する。通常のハムが加熱しても赤みを保つのはこのためであり、食品添加物として用いられる亜硝酸塩は発色剤とも呼ばれる。

サイド・ストーリー[編集]

窒素に相当する英語 nitrogen は、硝石を意味する nitre: niter)+ gen に由来する。

フランスでは、硝石採取人という職業があり、国王よりあらゆる家に立ち入って床下や穴蔵の土を採取することができる特権が与えられていた。硝石採取人は採取した土を温湯に溶解して炭酸カリウムを加えて硝酸カリウム塩を作り、これを濃縮して放冷すれば結晶ができる。この結晶をもう一度溶解して再結晶化すると精製された硝石となり、火薬の原料に使われる。その生産量は年間300トンほどであり、別名「ケール硝石」と呼ばれていたが、輸入物に比べて品質は低かった。そのため、需要を満たすには足りず、インド硝石などの輸入が大きな割合を占めていたが、フランス革命の時代になると、イギリスとの戦争からインドからの輸入が困難になった。そのため、フランス革命以後になると、硝石丘による人工的に硝石を得る方法が発明され、ナポレオン戦争の火薬原料の供給に大きな役目を果たした。開始から採取まで5年余りを要すが、土の2~3%もの硝石を得ることができたため、生産量は採取を上回った。硝石丘は他の国でも行われ、幕末の日本にも伝来している。

硝石とよく似た性質を持つものに、チリ硝石がある。チリ硝石は南米チリから大規模な鉱床が発見されて、近代になって資源開発が行われ、ハーバー・ボッシュ法の発見以前には、世界的に重要な窒素工業の原料となっていた。このチリ硝石の主成分は硝酸カリウムではなく、硝酸ナトリウム(NaNO3)である。

脚注[編集]

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  1. ^ 「おもな鉱物」『理科年表 平成20年』 国立天文台編、丸善2007年、641頁。ISBN 978-4-621-07902-7
  2. ^ Niter, MinDat.org, http://www.mindat.org/show.php?id=2917 2012年7月18日閲覧。  (英語)
  3. ^ Niter, WebMineral.com, http://webmineral.com/data/Niter.shtml 2012年7月18日閲覧。  (英語)
  4. ^ a b c 文部省編 『学術用語集 地学編』 日本学術振興会1984年、147頁。ISBN 4-8181-8401-2

関連項目[編集]