減算方式

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減算方式(げんざんほうしき)は、倍音を多く含んだ音源から、倍音成分を文字通り引くことによって、任意の音色を合成する方式。

概要[編集]

ジョゼフ・フーリエが提唱したフーリエの定理によれば、「任意の関数正弦波の合成で表すことができる」とされている。この理論に基づき、楽器の音色を電子的に合成するという試みがなされた。その内、1960年代に登場したモーグ・シンセサイザーを先達とするアナログシンセサイザーは、この方式を採用している。

全体的な流れとしては、オシレータと呼称される発振機能によって基準となる正弦波を作り出し、分周器によって同波の倍音を合成した後、この音声信号を、フィルターと呼ばれる音響を加工する機能に送り、倍音成分を削り取ることで目的の音に近づける。さらに アンプリファイアーに送って音量を制御する、という構成によって音響の合成がなされている。

減算方式の長所[編集]

音色の合成において、基本の波形をフィルターやアンプで加工するという構成(特にフィルターの制御によって音色の時間的な変化を作り出すという構成)は減算方式の基本概念であり、乗算方式等と比較して直感的な操作が容易であるとされている。

減算方式の短所[編集]

通常、楽器の音は、持続部分の倍音成分の他、時間的変化を伴った倍音成分の存在が音色や音質の決定に影響を及ぼしているとされている。特に音の出だしは持続部分とは異なる倍音構成が存在する(不規則な倍音(ノイズ)を伴う例が多い)。減算方式でこういった構造を有する楽器音を模倣する為には、出だしの部分のみを別の系統で構築して混合させるといった工夫が必要となる。

関連事項[編集]