VCF

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VCF(Voltage-controlled filter)は、電圧で音声信号の倍音成分を制御する機能。主にアナログシンセサイザーの音色制御に用いられる。

概要[編集]

アナログシンセサイザーは、通常はVCOで任意の波形を持つ音声信号を出力し、その音声信号を加工する事により、様々な音色を得る構造になっているが、VCFは、基本的にはそのVCOから出力された基本的な波形(三角波パルス波ノコギリ波/等…)に含まれる倍音をカットして音色を加工するという「音色フィルタ」の役割を担っている。

倍音成分を加工する場合は、音程によってカット領域や基点などが対応して変化する必要がある。例えば演奏された音程の基本周波数が440Hzで、カットしたい倍音が880Hzである場合、音声フィルタは880Hzの音域をカットする様に設定される。だが次に1オクターブ上の音程を演奏した場合、基本周波数は880Hzに変化する。この変化の情報を音声フィルタに伝えない場合、音声フィルタは880Hzに変化した基本周波数をカットする様に作動してしまう。

この問題を解決する為には、音声フィルタに対し、演奏された音程の変化に伴って、カット領域を変化させる様に制御する必要がある。VCFは、ボルテージ(電圧)のコントロール(制御)信号を受け取って、設定を随時変更する事により、音程に追従した形で倍音成分をカットする事が可能となった。

さらに、電圧で制御する事が可能になった事により、エンベロープ・ジェネレーターLFOの制御信号を利用して音色に時間的な変化をつける事も可能となった。

分類[編集]

VCFには以下の種類がある。

ローパスフィルタ
ロー(低音域)をパス(通過)させるフィルタ。倍音成分をカットする機能を持つ。フィルタとしては最も基本的な機能。
ハイパスフィルタ
ハイ(高音域)をパス(通過)させるフィルタ。ローパスフィルタとは逆に、基本周波数の領域からカットする機能を持つ。
バンドパスフィルタ
任意の帯域(バンド)のみをパスさせるフィルタ。ただし通常の機種には、この機能そのものが設定出来るVCFは搭載されておらず、ローパスフィルタとハイパスフィルタを直列につないで使用する事によって機能を得る。
バンドリジェクトフィルタ
バンドパスフィルタとは逆に、任意の帯域のみをリジェクト(カット)するフィルタ。ただし通常の機種には、この機能そのものが設定出来るVCFは搭載されておらず、ローパスフィルタとハイパスフィルタを並列につないで使用する事によって機能を得る。

Resonance[編集]

Resonance (レゾナンス、またはリゾナンス。直訳すると「共鳴」)は、VCFのパラメータのひとつとして搭載されている機能。倍音成分のカットポイントの周波数を強調する事で音色の変化を得る。また、任意の値を超えると設定した音域で発振し、それ自体を音源として利用する事が出来る(イーミュー (E-mu)製など、一部発振しない機器もある)。

関連項目[編集]