始生代

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始生代(しせいだい、Archean eon)とは、地質時代の分類のひとつ。40億年前(または38億年前)から25億年前までの間を指す。最初の生命が誕生したと考えられる冥王代の次の時代であり、原核生物から真核単細胞生物が現れるまで[1]原生代の前の時代である。太古代とも呼ばれる。

概要[編集]

地層が現存する最初の地質時代で、最古の地層はグリーンランド西部、イスア地域のイスア緑色岩帯英語版で、約38億年前のものである[2]。グリーンランド、カナダ楯状地バルト楯状地、スコットランド、インド、ブラジル、オーストラリア、南部アフリカなどに残っている岩石のほとんどは変成作用を受けている。

生物[編集]

系統樹による推計では、冥王代またはこの時代の初期に全生物の共通祖先が現れ、始生代には多様化が進んで古細菌真正細菌の門の多くが出そろったと考えられている[3]。35億年前の地層からは古細菌と真正細菌の活動の痕跡が発見されている[4]。後期には真核生物の祖先も現れたとされている。

27億年前の地層からはストロマトライトが発見されており、これを形成した藍藻類は地球上に酸素を供給し始めたと考えられる。

分類[編集]

始生代はさらに4つに分類される[5]

冥王代との境界の年代値は公式には決まっておらず、暫定的な値として40億年前が使われている。この時代は放射年代測定による年代値ではなく、国際標準層序年代(Global Standard Stratigraphic Age)による数値年代で定義されているため、年代数値に誤差は生じない[6]

原始生代 (Eoarchean)
始生代初期。40億年前(または38億年前)から36億年前。
古始生代 (Paleoarchean)
始生代前期。36億年前から32億年前。
中始生代 (Mesoarchean)
始生代中期。32億年前から28億年前。
新始生代 (Neoarchean)
始生代後期。28億年前から25億年前。

脚注[編集]

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  1. ^ 池谷仙之・北里洋著『地球生物学 ー地球と生命の進化ー』)東京大学出版会 2004年 82ページ
  2. ^ 川上紳一・東條文治 『最新地球史がよくわかる本 第2版』 2009年 秀和システム ISBN :4-7980-2435-X
  3. ^ Battistuzzi FU, Hedges SB (February 2009). "A major clade of prokaryotes with ancient adaptations to life on land". Mol. Biol. Evol. 26 (2): 335–43.
  4. ^ Ueno Y, Yamada K, Yoshida N, Maruyama S & Isozaki Y (2006). “Evidence from fluid inclusions for microbial methanogenesis in the early Archaean era”. Nature 440 (7083): 516–519.
  5. ^ International Stratigraphic Chart (ICS)
  6. ^ 地質年代表における年代数値―その意味すること (日本地質学会ホームページ)

参考文献[編集]

  • 国土交通省地質・土質調査成果電子納品要領(案)付属資料

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • 仲田崇志 (2009年10月29日). “地質年代表”. きまぐれ生物学. 2011年2月14日閲覧。