天竜浜名湖鉄道

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天竜浜名湖鉄道株式会社
Tenryu Hamanako Rail Road
Tenryu-futamata sta.jpg
天竜二俣駅(本社所在地)
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 THR、TH、天浜、天浜鉄道
本社所在地 日本の旗 日本
431-3311
静岡県浜松市天竜区二俣町阿蔵114番地の2
設立 1986年昭和61年)8月18日
業種 陸運業
事業内容 旅客鉄道事業、旅行代理店業、一般旅客定期航路事業、自動車運送事業 他
代表者 社長 鈴木茂樹
資本金 授権資本金:6億5000万円
払込資本金:6億3000万円[1]
発行済株式総数 6,300株
売上高 4億38百万円(2011年3月期)
営業利益 △1億95百万円(2011年3月期)
純利益 8百万円(2011年3月期)
純資産 1億48百万円(2011年3月31日)
総資産 3億71百万円(2011年3月31日)
従業員数 88人(2010年4月時点)
決算期 3月末日
主要株主 静岡県(2,500株 39.7%)[2]
浜松市(1,227株 19.5%)[2]
掛川市(479株 7.6%)[2]
湖西市(327株 5.2%)[2]
森町(284株 4.5%)[3]
豊橋市(40株 0.6%)[4]
外部リンク www.tenhama.co.jp/
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天竜浜名湖鉄道株式会社(てんりゅうはまなこてつどう)は、静岡県鉄道会社。本社は静岡県浜松市天竜区天竜二俣駅に所在。

国鉄特定地方交通線二俣線を前身とし、静岡県遠州地方浜名湖北岸を走る鉄道路線「天竜浜名湖線」を運営する、同線の沿線自治体などが出資する第三セクター企業である。

歴史[編集]

  • 1986年(昭和61年)8月18日:設立
  • 1987年(昭和62年)3月15日:天竜浜名湖線開業
  • 2003年(平成15年)4月1日天竜市観光協会(現・天竜観光協会)から川下り事業を移管され、一般旅客定期航路事業認可を受けて運航開始。
  • 2011年(平成23年)8月17日:同社の運航する天竜川下りにおいて船が転覆し、乗客が死亡する事故が発生。

鉄道事業[編集]

路線[編集]

車両[編集]

現有車両[編集]

TH2100型[編集]
天竜浜名湖鉄道TH2100型気動車
TH2100型TH2111(4次車)
TH2100型TH2111(4次車)
営業最高速度 85 km/h
車両定員 52(座) + 68(立) = 120人
最大寸法
(長・幅・高)
18,500 × 2,800 × 4,033 (mm)
車両質量 30.0t
軌間 1067 mm
機関 N14-R ×1
機関出力 330ps
歯車比 3.326
駆動装置 液体式
変速機 TACN-33-1601
変速段 変速1段・直結3段
制動方式 電気指令式空気ブレーキ
保安装置 ATS-ST
製造メーカー 新潟鐵工所(1次車)
新潟トランシス(2次車以降)
備考 NDCシリーズ

TH2100型は、2001年平成13年)にTH1型を置き換える目的で登場した。全長18.5 m で座席はセミクロスシートドアチャイムが付いている。 駆動機関は米国カミンズディーゼル社のN14-Rを1機搭載、変速機は変速1段・直結3段の日立ニコトランスミッション製TACN-33-1601を搭載している。低速域からの直結段投入とパワーオンシフトによる燃費と、加速力の向上が計られている。台車は2軸駆動で、一部の車両には急勾配区間の空転対策として砂まき装置が設置された。最高速度は85 km/h

1次車はTH2000型として登場したが、後にTH2100型に改番された。新潟鐵工所で製造された最後のNDCで、かつNDC初のTICS対応となっており、当時最新鋭の技術が盛り込まれていた。

新潟トランシス製となった2次車は、ブレーキ回路の二重系統化や、ドア部にLED表示が設置されるなどの改良が施された。

4次車では、ドアチャイムが変更され、6次車では2回鳴るものに変更された。

2001年より全14両を投入してTH1型を置き換え、現在も主力車両として運行中。なお登場に際し、塗装デザインを募集していた。寄せられたデザインを元に現在の塗装が決められている。

編成一覧[編集]
  • TH2101 - TH2103 …1次車
  • TH2104 - TH2106 …2次車
  • TH2107 - TH2109 …3次車
  • TH2110・TH2111 …4次車
  • TH2112・TH2113 …5次車
  • TH2114 …6次車
TH9200型[編集]

構造はTH2100型とほぼ同じだが、団体列車運用を想定し、転換クロスシート、AV設備等を備えた特別車両。団体運用が無い時は、一般車両としても運行される。1両のみが製造された。車体の外装デザインは一般から公募されたもので、白ベースにブルー、オレンジ、グリーンが鮮やかに彩られたカラフルな車体デザインとなっている。宝くじの助成を受けて導入されたため、「宝くじ号」の表記が入っている。なお、この車両はTH2100型3次車に近い時期に製造されたため、ドアチャイムはTH2109までと同じである。なお、TH9200型の「92」は宝くじの「くじ」からとっている。


TH3000型[編集]
天竜浜名湖鉄道TH3000型気動車
最高速度 85 km/h
車両定員 58(座) + 57(立) = 115 名
最大寸法
(長・幅・高)
18,500 × 3,090 × 4,070(mm)
車両質量 30.2 t
機関 NTA855R
機関出力 350PS/2000rpm ×1
駆動装置 液体式
変速機 TACN-22-1614
変速段 変速2段、直結1段
台車 FU50D/FU50T(2軸駆動式ボックスベルスタル方式)
制動方式 SME3管式直通空気ブレーキ
製造メーカー 富士重工業

TH3000型は、1995年(平成7年)に輸送力増強用に増備された車両で、TH3501とTH3502の2両が投入された。TH3502は2008年2月より休車扱いとされていたが、2010年9月に廃車・解体された。JR東海に倣いカミンズ社製のエンジン (NTA855R1) を搭載。クリーム色にオレンジの濃淡のストライプという外装で、登場時は異彩を放った。残るTH3501は、2006年頃後述のトロッコ列車「そよかぜ」にあわせた塗色に変更された。この車両には、急勾配区間の空転対策として砂まき装置が設置されている。天浜線の車両の中では唯一窓が開けられるタイプである。なお、主力のTH2100型とはブレーキの形式が異なるため、連結不可である。


過去の車両[編集]

TH1型[編集]
天竜浜名湖鉄道TH1型気動車
奥浜名湖へ進入するTH104(2002/5/24撮影)
奥浜名湖へ進入するTH104
(2002/5/24撮影)
最高速度 80 km/h
車両定員 46(座) + 54(立) = 100 名
最大寸法
(長・幅・高)
15,500 × 3,040 × 3,550 (mm)
車両質量 23.5 t
軌間 1067 mm
機関 PE6HT
機関出力 230ps/1900rpm ×1
駆動装置 液体式
変速段 変速2段・直結1段
制動方式 SME3管式直通空気ブレーキ
製造メーカー 富士重工業
備考 LE-Carシリーズ

TH1型は、かつて天竜浜名湖鉄道に存在した気動車である。

天竜浜名湖鉄道開業時(国鉄二俣線からの転換時)の新造車両で、いわゆるレールバスである。全15両存在したうち、TH後継車両への置き換えが進み、予備車として最後に残された2両(TH-106・TH-211)も2005年11月末に廃車された。一部の車両は2006年春にミャンマーに譲渡されヤンゴン環状線で使用されている。

当形式はコスト削減のためバス用部品が多用され、それがゆえに老朽化が進んでいた。そのためTH2100型の導入と共に廃車となり2004年10月16日に定期運用を終了。なお末期には固定運用となっていた。

翌日2004年10月17日には「ありがとうTH1型」という記念イベントが行われた。当該イベントの際には2編成連結された2両編成での運行となり、乗車したまま転車台などを体験する企画である。また、3編成並べての写真撮影会も実施された。

定期運用終了後もTH-106・TH-211が残存していたが、2005年11月16日にTH-106が、11月22日にTH-211が休車となり、11月29日に2編成とも廃車となった。

整理券は現在のバーコード式整理券ではなく、乗車駅も印字されずに数字のみを印字したスタンプ式整理券だった。

方向幕は回転幕式である。

編成一覧[編集]

TH1型は車体構造は全く同じだが、以下の4種類4形式が存在した。

TH1型 = 101 - 110・115
標準型で、車内はロングシートと4組のクロスシート。
101・102・103・104は当時の沿線市町村(掛川市、三ケ日町、細江町、天竜市)のPR車として塗装変更された。
107は「浜名湖花博」のラッピング車両として開催期間中走行した。
108は後にトロッコ用牽引車TH211の予備車として塗装変更無く整備された。
110は野鳥の集いに併せ静岡県によってスコッチプリントによる、野鳥カラーとなった。
追加増備車である115は、運転台仕切り戸の引き戸化や前面のステップが可動式へマイナーチェンジされた。
TH2型 = 211
初代イベント対応車。車内は1型と同じだが、クロスシートは取り外し可能であり、畳を敷くことでお座敷車となった。後に「トロッコそよかぜ号」のメイン牽引車となり、トロッコ車両に合わせた塗装変更、砂箱の復活、ギアー比変更、幌の更新等、トロッコ牽引車として整備された。
TH3型 = 312・313
1型との違いは、車内のクロスシートが6組に増えているのみである。これは、観光路線として、長距離旅客に対応するためであった。
TH4型 = 414
115と共に増備された1両。イベント車として導入され、天浜線唯一のオールロングシート車であった。通路に畳を敷くことが可能で、211よりも簡単な作業でお座敷車となれたため、お座敷車1両の時は優先的に414が充当された。
トロッコ用客車[編集]

トロッコ列車「トロッコそよかぜ号」用で本来はTHT100型、THT200型という形式名である。

JR貨物所有であった無蓋貨車トキ25000を種車として、当時の名鉄住商の工場にて改造が施工された。各部品には、長良川鉄道の廃車から発生した運転台、名鉄HL車の乗務員扉、尾灯、北陸鉄道旧型車の前照灯等が使用されていた。岐阜から天竜二俣まではトレーラーによる陸路で搬入された。動力はなく、TH1型・TH3000型に牽引・推進を委ねていた。

2005年度から登場した「トロッコ列車弁当」は外観がこの車両をイメージしたデザインで、価格は1000円(税込)。

2007年に台枠に亀裂が入っていたことが判明し、運行を取り止めた。その後も運転再開に向けて関係者の尽力が続けられたが、結局財政上の問題などから運転再開はならなかった(修復するには億単位の費用がかかることが判明している)。

乗車券等[編集]

硬券[編集]

有人駅をはじめとする一部の駅では硬券を発行するほか、転車台見学では見学記念硬券を購入しての見学となる。

割引乗車券[編集]

  • 1日フリーきっぷ(天浜線全線で利用できる。)
  • 共通1日フリーきっぷ(天浜線の一部区間と遠鉄西鹿島線全線が利用できるフリーきっぷで、西ルート・東ルートの2種類がある)
  • 遠州ぐるっときっぷ(共通1日フリーきっぷにJR東海東海道線の一部区間の乗車券がセットになったもの。)
  • 漫遊きっぷ(天浜線の一部区間とJR東海東海道線上の発駅から範囲内までの天浜線・東海道線の往復乗車券がセットになったもの。)

定期券[編集]

通学定期に限り、2010年度より通学ジャストパスという終了日指定定期を発行している。

2013年3月15日から31日に、2013年度(4月1日 - 2014年3月31日)中有効の全線フリー定期「年間フリーパス」を平日昼間用1万円、土休日終日用1万5千円で発売。それぞれ500枚限定で、券面には「天浜線☆宣伝部長」と書かれており、購入者を「天浜線宣伝部長」に委嘱して天竜浜名湖線の魅力を広めてもらう[5][6]

航路・自動車事業[編集]

天竜川川下り船(2006年)

2003年(平成15年)4月から、天竜観光協会からの委託で「遠州天竜舟下り」として天竜川川下り事業を行っていた。運航区間は、浜松市天竜区米沢から二俣(飛龍大橋)の約6km。1948年(昭和23年)に二俣町観光協会(当時)が開始した川下りを引き継いだ。船には動力(エンジン)が着いていることから、一般旅客定期航路として認可を受けている。自動車運送事業も行っているが、天竜二俣駅から川下り乗船場と、川下り下船場から天竜二俣駅を結ぶ無料送迎バスを運行しているためである。

なお、2011年8月17日に5人が死亡した転覆事故の影響により川下り船は以降の運航を中止した。

その後、安全管理の確保に必要な新たな人件費がかかること、2011年3月期で当事業は117万円の赤字になっており、鉄道事業でも1億9355万円の赤字となるなど川下りを立て直す余裕はないとして、事業廃止の方向性が示され、同年11月の取締役会で川下り事業からの撤退を決定した[7]。浜松市や静岡県は補助金や他社への委託などを検討したが有効策は見つかっておらず、天竜観光協会も後継となる事業者が見つからないため廃止を受けいれるとしている[8][9]

天竜浜名湖鉄道が登場する作品[編集]

脚注[編集]

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出典[編集]

外部リンク[編集]