ラグビー南アフリカ共和国代表

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ラグビー南アフリカ共和国代表
ユニオン 南アフリカラグビー協会
愛称 スプリングボクス
エンブレム スプリングボック,プロテア
ヘッドコーチ 南アフリカ共和国の旗 ジャック・ニーナバー
主将 南アフリカ共和国の旗 シヤ・コリシ
最多キャップ ヴィクター・マットフィールド (127)
最多得点選手 パーシー・モンゴメリ (893)
最多トライ選手 ブライアン・ハバナ (67)
ファースト
ジャージ
セカンド
ジャージ
初国際試合
ケープ植民地 0 - 4 ブリテン諸島 イギリスの旗
(1891年7月30日)
最大差勝利試合
 南アフリカ共和国 134 - 3 ウルグアイ 
(2005年6月11日)
最大差敗戦試合
 ニュージーランド 57 - 0 南アフリカ共和国 
(2017年9月16日)
ラグビーワールドカップ
出場回数 8 (1995年初出場)
最高成績 優勝(1995200720192023)
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ラグビー南アフリカ共和国代表(ラグビーみなみアフリカきょうわこくだいひょう)は、南アフリカ共和国におけるラグビーユニオンナショナルチーム。愛称は「スプリングボクス」(Springboks)である。

概要[編集]

初のテストマッチは1891年7月30日ブリティッシュ・ライオンズ戦。ユニフォームの胸にある、南アフリカに生息するガゼル属の仲間スプリングボックのマークから、スプリングボクスと呼ばれるようになった。もともと伝統的にラグビー強豪国であったが、アパルトヘイトにより国際社会から制裁を受け、国際舞台から遠ざかっていた。そのためラグビーワールドカップ第1回第2回は不参加であった。また、スプリングボクスはアパルトヘイトの象徴として見られ、富裕層の白人には人気があったが、貧困層とされるほとんどの黒人に不人気であり、ラグビーよりもサッカーの方が人気があったという。

その後、アパルトヘイトが終わり、国際舞台に復帰することになる。1995年にW杯を自国で開催し初出場、そして初優勝を果たす(初出場初優勝は初回を除き史上唯一)。また、2007年大会で2度目の優勝を、2019年大会で史上最多タイとなる3度目の優勝を果たした。一次リーグではニュージーランド代表に敗れたが、一次リーグで黒星を喫したチームの優勝は史上初である。

ニュージーランド代表(オールブラックス)、オーストラリア代表(ワラビーズ)と開催しているトライネイションズでは1998年、2004年と2009年に優勝。2012年からアルゼンチン代表(ロス・プーマス)が加わりザ・ラグビーチャンピオンシップと改称している。

2015年に入りザ・ラグビーチャンピオンシップでアルゼンチンに史上初めて敗れるなど3戦3敗の最下位に終わった。ラグビーワールドカップ2015でも9月19日のプールBの開幕戦でW杯で過去僅か1勝の日本代表(ブレイブブロッサムズ)に32-34で敗れた(詳細はラグビーワールドカップ2015日本対南アフリカを参照)。なお、AFPはW杯史上最も衝撃的な結果、イギリスのPAスポーツはスポーツ史上最大の番狂わせと報じた[1][2]。2015年W杯は決勝トーナメントの準決勝でオールブラックスに敗れ3位に終わった。

2019年秋に開催されたラグビーワールドカップ2019では一次リーグ初戦のニュージーランドには敗れるもその後は負けることなく、決勝ではイングランドを32-12で破って3大会ぶり3度目の優勝を果たし、オールブラックスの優勝回数に並ぶこととなった。これを受け、世界ランキングは3位から1位へと浮上した。世界ランク1位となるのは2009年11月16日以来10年ぶりのことである。

成績[編集]


ワールドラグビー男子ランキング
上位20チーム(2024年3月18日時点)[3]
順位 変動* チーム ポイント
1 増減なし  南アフリカ共和国 094.54
2 増減なし  アイルランド 090.69
3 増減なし  ニュージーランド 089.80
4 増減なし  フランス 087.92
5 増減なし  イングランド 085.75
6 増減なし  スコットランド 082.82
7 増減なし  アルゼンチン 080.68
8 増加1  イタリア 079.41
9 増加1  オーストラリア 077.48
10 減少2  ウェールズ 077.26
11 増減なし  フィジー 076.38
12 増減なし  日本 074.27
13 増減なし  ジョージア 074.02
14 増減なし  サモア 072.23
15 増加1  トンガ 071.57
16 減少1  ポルトガル 070.28
17 増減なし  ウルグアイ 067.94
18 増減なし  アメリカ合衆国 067.39
19 増減なし  スペイン 064.37
20 増減なし  ルーマニア 061.66
21 増減なし  ナミビア 060.90
22 増減なし  チリ 060.56
23 増減なし  カナダ 060.49
24 増減なし  香港 059.80
25 増減なし  ロシア 058.06
26 増減なし  スイス 057.44
27 増減なし  オランダ 057.29
28 増加1  ベルギー 055.89
29 減少1  ブラジル 055.37
30 増加1  韓国 053.46
*前週からの変動
南アフリカ共和国のランキングの推移

生のグラフデータを参照/編集してください.

出典: ワールドラグビー[3]
推移グラフの最終更新: 2024年3月18日

ラグビーワールドカップ[編集]

トライネーションズとザ・ラグビーチャンピオンシップ[編集]

トライネーションズ (1996–2011; 2020)
国/地域 試合 ポイント ボーナス
ポイント
テーブル
ポイント
優勝
回数
P 得点 失点
 ニュージーランド 76 52 0 24 2054 1449 +605 35 243 11
 オーストラリア 76 30 3 43 1591 1817 −226 34 160 3
 南アフリカ共和国 72 28 1 43 1480 1831 −351 24 138 3
 アルゼンチン 4 1 2 1 56 84 –28 0 8 0
出典:  lassen.co.nz – Tri-Nations, Australia, New Zealand, South Africa

ボーナスポイントはT – 4*W − 2*Dとして算出。T=テーブルポイント、W=勝利数、D=引き分け数

ザ・ラグビーチャンピオンシップ (2012-)
国/地域 試合 ポイント ボーナス
ポイント
テーブル
ポイント
優勝
回数
P 得点 失点
 ニュージーランド 57 48 2 7 1,979 1,059 +920 36 233 9
 南アフリカ共和国 57 28 4 25 1,449 1,289 +160 26 146 1
 オーストラリア 57 25 3 29 1,304 1,553 −249 13 126 1
 アルゼンチン 57 8 1 48 1,036 1,868 −832 12 46 0
更新: 2023年7月29日
出典:  lassen.co.nz – TRC, Argentina, Australia, New Zealand, South Africa
ボーナスポイントはT – 4*W − 2*Dとして算出。T=テーブルポイント、W=勝利数、D=引き分け数
トライネーションズとザ・ラグビーチャンピオンシップを含めた全期間 (1996–)
国/地域 試合 ポイント ボーナス
ポイント
テーブル
ポイント
優勝
回数
P 得点 失点
 ニュージーランド 133 100 2 31 4,033 2,508 +1,525 71 476 20
 オーストラリア 133 55 6 72 2,895 3,370 −475 47 286 4
 南アフリカ共和国 129 56 5 68 2,929 3,120 −191 51 284 4
 アルゼンチン 61 9 3 49 1,092 1,852 −860 12 54 0
更新:2023年7月29日
ボーナスポイントはT – 4*W − 2*Dとして算出。T=テーブルポイント、W=勝利数、D=引き分け数

選手[編集]

現在の代表[編集]

スプリングボクススコッド[4]

選手 ポジション 誕生日 (年齢) キャップ チーム
ジョセフ・ドウェバ英語版 フッカー (1995-10-25) 1995年10月25日(28歳) 2 南アフリカ共和国 ストーマーズ
デオン・フーリー英語版 フッカー (1986-09-25) 1986年9月25日(37歳) 4 南アフリカ共和国 ストーマーズ
マルコム・マークス フッカー (1994-07-13) 1994年7月13日(29歳) 59 クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
ボンギ・ンボナンビ フッカー (1991-01-07) 1991年1月7日(33歳) 55 南アフリカ共和国 シャークス
トーマス・デュトイ プロップ (1995-05-05) 1995年5月5日(28歳) 15 南アフリカ共和国 シャークス
スティーヴン・キッツォフ プロップ (1992-02-10) 1992年2月10日(32歳) 71 南アフリカ共和国 ストーマーズ
ヴィンセント・コッホ プロップ (1990-03-13) 1990年3月13日(34歳) 41 スタッド・フランセ・パリ
フランス・マルハーバ プロップ (1991-03-14) 1991年3月14日(33歳) 58 南アフリカ共和国 ストーマーズ
オックス・ンチェ プロップ (1995-07-23) 1995年7月23日(28歳) 19 南アフリカ共和国 シャークス
トレヴァー・ニャカニ プロップ (1989-05-04) 1989年5月4日(34歳) 59 ラシン92
ルード・デヤハー ロック (1992-12-17) 1992年12月17日(31歳) 65 埼玉パナソニックワイルドナイツ
エベン・エツベス ロック (1991-10-29) 1991年10月29日(32歳) 110 南アフリカ共和国 シャークス
フランコ・モスタート ロック (1990-11-27) 1990年11月27日(33歳) 63 三重ホンダヒート
マーヴィン・オリエ英語版 ロック (1993-02-15) 1993年2月15日(31歳) 11 南アフリカ共和国 ストーマーズ
ジャンリュック・デュプレア バックロー (1995-08-05) 1995年8月5日(28歳) 13 セール・シャークス
ピーターステフ・デュトイ バックロー (1992-08-20) 1992年8月20日(31歳) 66 トヨタヴェルブリッツ
シヤ・コリシ () バックロー (1991-06-16) 1991年6月16日(32歳) 75 南アフリカ共和国 シャークス
エバン・ルース英語版 バックロー (2000-01-21) 2000年1月21日(24歳) 3 南アフリカ共和国 ストーマーズ
クワッガ・スミス バックロー (1993-06-11) 1993年6月11日(30歳) 31 静岡ブルーレヴズ
マルコ・ファンスタデン英語版 バックロー (1995-08-25) 1995年8月25日(28歳) 10 南アフリカ共和国 ブルズ
ドウェイン・フェルミューレン バックロー (1986-07-03) 1986年7月3日(37歳) 63 アルスター
ヤスパー・ヴィーセ バックロー (1995-10-21) 1995年10月21日(28歳) 20 レスター・タイガース
ファフ・デ・クラーク スクラムハーフ (1991-10-19) 1991年10月19日(32歳) 46 横浜キヤノンイーグルス
ジェイデン・ヘンドリクス英語版 スクラムハーフ (2000-03-23) 2000年3月23日(23歳) 12 南アフリカ共和国 シャークス
ハーシェル・ヤンチース スクラムハーフ (1996-04-22) 1996年4月22日(27歳) 22 南アフリカ共和国 ストーマーズ
コーバス・ライナー スクラムハーフ (1990-02-07) 1990年2月7日(34歳) 24 モンペリエ・エロー・ラグビー
グラント・ウィリアムズ (ラグビー) スクラムハーフ (1996-07-02) 1996年7月2日(27歳) 1 南アフリカ共和国 シャークス
マニー・リボック フライハーフ (1997-07-15) 1997年7月15日(26歳) 3 南アフリカ共和国 ストーマーズ
ハンドレ・ポラード フライハーフ (1994-03-11) 1994年3月11日(30歳) 63 レスター・タイガース
ダミアン・ウィレムス フライハーフ (1998-05-07) 1998年5月7日(25歳) 27 南アフリカ共和国 ストーマーズ
ルカニョ・アム センター (1993-11-28) 1993年11月28日(30歳) 31 南アフリカ共和国 シャークス
ダミアン・デアレンデ センター (1991-11-25) 1991年11月25日(32歳) 70 埼玉パナソニックワイルドナイツ
アンドレ・エスターハイゼン センター (1994-03-30) 1994年3月30日(29歳) 11 ハーレクインズ
ジェシー・クリエル センター (1994-02-15) 1994年2月15日(30歳) 59 横浜キヤノンイーグルス
カート=リー・アレンゼ ウイング (1996-06-17) 1996年6月17日(27歳) 7 南アフリカ共和国 ブルズ
チェスリン・コルビ ウイング (1993-10-28) 1993年10月28日(30歳) 23 RCトゥーロン
マカゾレ・マピンピ ウイング (1990-07-26) 1990年7月26日(33歳) 36 南アフリカ共和国 シャークス
カナン・ムーディ ウイング (2002-11-05) 2002年11月5日(21歳) 3 南アフリカ共和国 ブルズ
ウィリー・ルルー フルバック (1989-08-18) 1989年8月18日(34歳) 83 トヨタヴェルブリッツ

※所属、 キャップ数(Cap)は2023年7月5日現在

歴代代表選手[編集]

キャプテン[編集]

人種別の割り当て比率について[編集]

2014年4月、南アフリカのスポーツ省はスプリングボクスを含む南アフリカのスポーツの代表チームについて黒人選手の割り当てを従来までの50%から60%に引き上げることを決定し、これに従わない競技団体は強化費用の提供停止や国際大会への出場を禁止すると発表した。なお、南アフリカ共和国のラグビー協会は詳しい説明を求めると報じられている[5]

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]