ケヴィン・ミララス

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ケヴィン・ミララス
エヴァートンFCでのミララス(2015年)
名前
本名

ケヴィン・アントニオ・ジョエル・ジスラン・ミララス・イ・カスティージョ

Kevin Antonio Joel Gislain Mirallas y Castillo[1]
ラテン文字 Kevin MIRALLAS
基本情報
国籍 ベルギーの旗 ベルギー
スペインの旗 スペイン
生年月日 (1987-10-05) 1987年10月5日(36歳)
出身地 リエージュ
身長 182cm
体重 70kg
選手情報
ポジション FW (WG)
利き足 右足
ユース
1999-2003 ベルギーの旗 スタンダール・リエージュ
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2003-2008 フランスの旗 リール 76 (10)
2008-2010 フランスの旗 サンテティエンヌ 53 (3)
2010-2012 ギリシャの旗 オリンピアコス 52 (34)
2012-2019 イングランドの旗 エヴァートン 151 (29)
2018 ギリシャの旗 オリンピアコス (loan) 13 (2)
2018-2019 イタリアの旗 フィオレンティーナ (loan) 27 (2)
2019-2020 ベルギーの旗 アントワープ 18 (2)
2020-2021 トルコの旗 ガズィアンテプ 28 (5)
2022 ポルトガルの旗 モレイレンセ 8 (1)
2022-2023 キプロスの旗 AELリマソール 21 (4)
通算 447 (92)
代表歴
2003 ベルギーの旗 ベルギー U-16 10 (8)
2003-2004 ベルギーの旗 ベルギー U-17 13 (7)
2005 ベルギーの旗 ベルギー U-18 4 (0)
2005-2006 ベルギーの旗 ベルギー U-19 16 (4)
2006-2007  ベルギー U-21 5 (2)
2008  ベルギー U-23 [2] 6 (2)
2007-2018 ベルギーの旗 ベルギー 60 (10)
1. 国内リーグ戦に限る。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

ケヴィン・アントニオ・ジョエル・ジスラン・ミララス・イ・カスティージョ(Kevin Antonio Joel Gislain Mirallas y Castillo, 1987年10月5日 - )は、ベルギーリエージュ州リエージュ出身の元サッカー選手。元ベルギー代表。現役時代のポジションはウインガー

経歴[編集]

リール[編集]

2003年8月に地元のスタンダール・リエージュの下部組織からフランス1部リールへ渡った[3] ミララスは、その後に加入してきたエデン・アザールを始めとした同胞数名と下部組織で研鑽を積み[4]、2005年5月7日のパリ・サンジェルマンFC戦で82分からリーグ初出場を飾ると、僅か3分後に初得点に決勝点を挙げ、クロード・ピュエル監督の期待に応えた[5]。2006年5月12日には、チームと2009年6月までの初プロ契約を締結した[3]

その後、ファンからクリスティアーノ・ロナウドになぞらえて称賛される[6] 程の成長を見せていくと、リールでの最終年となった2007-08シーズン終盤戦の4月の間にASナンシー戦(1得点)を皮切りにオリンピック・マルセイユ戦(2得点)、トゥールーズFC戦(2得点)の3試合で5得点を挙げ、同月のリーグ全選手中で最多得点を記録した選手となる圧巻のパフォーマンスを見せ[7]パトリック・クライファートニコラ・フォーヴェルグ英語版といったストライカー陣の不振が続く中で19歳の若手ながら一人気を吐いた[8]

サンテティエンヌ[編集]

リールの未来と期待がかかるミララスに対し、当然のように国内外の数クラブが注目を集まったが、本人は契約延長を望んでおり[8]、シーズン終了後に契約交渉を開始した。しかし、数度交渉するもなかなか納得が出来ずにいる中で同時期に同国1部のASサンテティエンヌから接触が図られ、会談を持った際に会長や監督の言葉に動かされた[9] 結果、7月26日に同クラブと4年契約で個人合意し[10]、9月1日にクラブ間合意に達して正式に入団が決定した[11]

サンテティエンヌでは、リール時代のセンターフォワードとは違ってアラン・ペラン監督の下で主に右サイドで起用され[12]、2009年2月1日のオリンピック・リヨンとのデュルビ・デュ・ローヌという重要な試合で初得点を挙げる場面を見せた[13] ものの、全体的、特に2009-10シーズンは23試合無得点と移籍金400万ユーロに見合う活躍は出来ず、2010年6月18日にギリシャ1部オリンピアコスFCへ1シーズン貸し出されることとなった[14]。なお、同契約には250万ユーロでの買い取りオプションが付随している[15]

オリンピアコス[編集]

2012年、オリンピアコスFCでのミララス

オリンピアコスでは、KSベサ・カヴァヤとのUEFAヨーロッパリーグ 2010-11予選2回戦で初出場を飾り、10月2日のオリンピアコス・ヴォル戦 (3-1) で初得点及び2得点目を挙げて[16] 以降で主力に定着して得点を量産する活躍から、同シーズン冬の移籍市場最終日である2011年1月31日にオプションが行使されて完全移籍を果たし[17]、最終的に加入1季目で得点王のジブリル・シセに次ぐ14得点を記録した[15]

翌2011-12シーズンは、敵地でのレヴァディアコスFC戦 (4-0) でハットトリック[18]アステラス・トリポリFC戦 (7-2) で4得点を挙げる[19] 等、左サイドやセカンドトップを務めている[20] にもかかわらず、昨季以上に得点力に磨きをかけ、チームをリーグ戦とカップ戦2冠達成へと導いた。個人としては、25試合20得点で得点王に輝くと共にギリシャサッカー選手連合 (PSAP) が選出するギリシャサッカーPSAP賞英語版で年間最優秀選手に選出されている[21][22]

エヴァートン[編集]

2012年8月19日に移籍金600万ポンドイングランド1部エヴァートンFCと4年契約を締結する[23]。なお、その際に同国1部のアーセナルFCからオファーがあり交渉したものの、より多くの出場機会や同胞マルアン・フェライニの存在からエヴァートンを選択したとクラブの公式チャンネルで明かした[24]

後半から途中出場でデビューを飾った8月25日のヴィラ・パークでのアストン・ヴィラFC戦での得点はオフサイドとなって初得点を逃した[25] ものの、それから4日後のレイトン・オリエントFCとのフットボールリーグカップ2回戦 (5-0) で初先発すると、2得点2アシストの活躍を見せた[26]。9月22日の敵地でのスウォンジ・シティAFC戦 (3-0) では、カウンター攻撃からのシュートを相手GKミシェル・フォルムに一旦弾かれてゴールバーに防がれるも、こぼれ球に詰めより頭によってリーグ初得点を挙げた[27]。その後、2012年11月10日のサンダーランドAFC戦中にハムストリングを負傷した[28] 影響から出場機会が限られ、翌12月の試合はトッテナム・ホットスパーFC戦で途中出場したのみと苦しい時期を過ごしたが、2013年2月26日のオールダム・アスレティックAFCとのFAカップ5回戦 (3-1) で下位リーグが相手ながらも得点を挙げ、続くリーグ戦の方でも3月2日のレディングFC相手に得点を挙げて復調の兆しを見せる。3月30日のストーク・シティFC戦では、攻め込まれる中で味方GKティム・ハワードが弾いたこぼれ球をハーフウェイライン上で拾うと同時にスティーヴン・エンゾンジ (en) を躱して攻勢に転じると、相手陣内に残っていたジェフ・キャメロンをドリブルで突破し、アスミル・ベゴヴィッチの守るゴールへ冷静にシュートを決めた[29]。その後、5月12日のウェストハム・ユナイテッドFC戦で移籍後初複数得点を挙げ、長年チームを指揮してきたデイヴィッド・モイーズ監督の本拠地での最終戦に華を添えた[30]

オリンピアコス再加入[編集]

2018年1月7日、オリンピアコスFCにシーズン終了までのレンタル移籍で再加入[31]

フィオレンティーナ[編集]

2018年8月4日、ACFフィオレンティーナに1シーズンのレンタル移籍で加入[32]

ロイヤル・アントワープ[編集]

2019年8月、ロイヤル・アントワープFCに移籍した[33]

ガズィアンテプBB[編集]

2020年10月5日、ガズィアンテプBBに1年契約で加入した[34]

モレイレンセFC[編集]

2022年1月25日、モレイレンセFCへ加入することが発表された。

AELリマソール[編集]

2022年7月23日、AELリマソールに移籍した[35]

2023年8月31日、現役引退を表明した[36]

代表歴[編集]

ベルギー代表でのミララス(2013年)

世代別代表としては、U-16代表から様々な年代を経験し、U-21代表では中心選手としてチームをUEFA U-21欧州選手権2007準決勝進出及び北京オリンピック出場権獲得に貢献した。その北京オリンピックでは、U-23中国戦とU-23イタリア戦でそれぞれ得点を挙げている[37]

2007年8月12日にブリュッセルでのセルビア戦 (3-2) でA代表初出場を飾ると共に初得点を挙げた[38]。クラブで鼠径部を負傷して終盤戦を欠場していたことから、2014 FIFAワールドカップ出場が危ぶまれていたものの[39]、5月13日にマルク・ヴィルモッツ監督の下でメンバー入りを果たした[40]

個人成績[編集]

クラブ[編集]

2017年5月26日現在
クラブ シーズン リーグ カップ リーグカップ UEFA 通算
出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点
リール 2004-05 3 1 0 0 0 0 0 0 3 1
2005-06 15 1 0 0 2 0 2 0 19 1
2006-07 23 2 0 0 2 0 5 0 30 2
2007-08 35 6 2 1 0 0 0 0 37 7
通算 76 10 2 1 4 0 7 0 89 11
サンテティエンヌ 2008-09 30 3 2 0 0 0 8 1 40 4
2009-10 23 0 4 1 2 0 0 0 29 1
通算 53 3 6 1 2 0 8 1 69 5
オリンピアコス 2010-11 27 14 3 0 0 0 3 0 33 14
2011-12 25 20 3 0 0 0 6 0 34 20
通算 52 34 6 0 0 0 9 0 67 34
エヴァートン 2012-13 27 6 4 1 2 2 - 33 9
2013-14 32 8 4 0 1 0 - 37 8
2014-15 29 7 2 1 0 0 5 3 36 11
2015-16 23 4 3 1 4 1 - 30 6
2016-17 34 4 1 0 1 0 - 36 4
通算 145 29 14 3 8 3 5 3 172 38
総通算 326 76 28 5 14 3 29 4 397 88

代表[編集]


ベルギー代表国際Aマッチ
出場得点
2007 6 2
2008 4 1
2009 9 1
2010 2 0
2011 3 0
2012 8 2
2013 10 3
2014 8 0
2015 1 0
2016 4 0
2017 4 1
2018 1 0
通算 60 10

代表での得点[編集]

# 開催年月日 開催地 対戦国 スコア 結果 試合概要
1. 2007年8月22日 ベルギーの旗ブリュッセルボードゥアン国王競技場 セルビアの旗 セルビア 2–0 3–2 UEFA EURO 2008予選
2. 2007年9月12日 カザフスタンの旗アルマトイアルマトイ・オルタリク・スタディオン カザフスタンの旗 カザフスタン 1–2 2–2 UEFA EURO 2008予選
3. 2008年11月19日 ルクセンブルクの旗ルクセンブルク市スタッド・ヨジー・バーテル ルクセンブルクの旗 ルクセンブルク 0–1 1–1 親善試合
4. 2009年11月14日 ベルギーの旗ヘントユレス・オッテンスタディオン ハンガリーの旗 ハンガリー 3–0 3–0 親善試合
5. 2012年5月25日 ベルギーの旗ブリュッセル、ボードゥアン国王競技場 モンテネグロの旗 モンテネグロ 1–1 2–2 親善試合
6. 2012年10月12日 セルビアの旗ベオグラードスタディオン・ツルヴェナ・ズヴェズダ セルビアの旗 セルビア 0–3 0–3 2014 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選
7. 2013年5月29日 アメリカ合衆国の旗クリーブランドファーストエナジー・スタジアム アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 0–1 2–4 親善試合
8. 2013年9月6日 スコットランドの旗グラスゴーハムデン・パーク スコットランドの旗 スコットランド 0–2 0–2 2014 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選
9. 2013年11月19日 ベルギーの旗ブリュッセル、ボードゥアン国王競技場 日本の旗 日本 1–0 2–3 親善試合
10. 2017年3月28日 ロシアの旗ソチフィシュト・オリンピックスタジアム ロシアの旗 ロシア 1–1 3–3 親善試合

タイトル[編集]

クラブ[編集]

オリンピアコスFC
ロイヤル・アントワープFC

個人[編集]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ "Clubs submit retained and released lists" premierleague.com
  2. ^ TOURNAMENT STATISTICS 「Kevin MIRALLAS」”. FIFA.com. 2013年12月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月6日閲覧。
  3. ^ a b "L'attaquant belge du LOSC s'est engagé pour trois ans avec le LOSC"
  4. ^ "Interview Kevin Mirallas blijf geloven in jezelf"
  5. ^ "Lille keep Lyon waiting"
  6. ^ "La saison qui peut tout changer pour Mirallas"
  7. ^ "Kevin Mirallas, le poison d'avril"
  8. ^ a b "Mirallas dans le mille"
  9. ^ "Mirallas : «Je ne dirai jamais de mal du LOSC»"
  10. ^ "Mirallas au clash avec Lille"
  11. ^ "St-Etienne ask Mirallas to spark season"
  12. ^ "Mirallas se plait en ailier droit"
  13. ^ "Kevin Mirallas scoort in Lyon, Gerets verliest in sneeuw"
  14. ^ "Mirallas joins Olympiakos on loan"
  15. ^ a b "Pourquoi Mirallas est une star en Grèce ?"
  16. ^ "Kevin Mirallas scoort twee keer bij 3-1-zege Olympiakos"
  17. ^ "L'ASSE annonce le transfert de Mirallas à l'Olympiakos"
  18. ^ "Rode Duivel Mirallas scoort drie keer voor Olympiakos"
  19. ^ "Quatre buts? Juste dans mon jardin"
  20. ^ "Kevin Mirallas: «Si je pars, c’est pour jouer la C1»"
  21. ^ "Mirallas désigné joueur de la saison"
  22. ^ "Βραβεία ΠΣΑΠ: Οι καλύτεροι του 2012"
  23. ^ "Everton sign Kevin Mirallas from Olympiakos for £6m"
  24. ^ "Kevin Mirallas turned down Arsenal for Everton move"
  25. ^ "Aston Villa 1–3 Everton" BBCスポーツ
  26. ^ "Everton 5–0 Leyton Orient" BBCスポーツ
  27. ^ "Swansea 0–3 Everton" BBCスポーツ
  28. ^ "Toffees battle back" espnfc
  29. ^ "Solo Golazo! Kevin Mirallas (Everton) vs Stoke"
  30. ^ "Everton 2 West Ham 0: Moyes signs off at Goodison with a win after Mirallas double"
  31. ^ "Mirallas Returns To Olympiakos"
  32. ^ MIRALLAS E’ UN CALCIATORE DELLA FIORENTINA ViolaChannel 2018年8月5日
  33. ^ Kevin Mirallas leaves Everton to join Royal Antwerp” (2019年8月30日). 2022年8月1日閲覧。
  34. ^ 元ベルギー代表MFミララスがトルコに移籍”. 超ワールドサッカー (2020年10月5日). 2020年10月5日閲覧。
  35. ^ savvar (2022年7月23日). “Ανακοίνωση Έναρξης Συνεργασίας” (ギリシア語). Αθλητική Ένωση Λεμεσού. 2022年8月1日閲覧。
  36. ^ Kevin Mirallas zet punt achter voetbalcarrière en is de nieuwe technisch directeur bij Eendracht Aalst” (オランダ語). Het Nieuwsblad (2023年8月30日). 2023年12月14日閲覧。
  37. ^ "Kevin MIRALLAS" fifa.com
  38. ^ "Dembélé double downs Serbia"
  39. ^ "Kevin Mirallas: Groin injury keeps Everton forward out of run-in"
  40. ^ "Belgium include Januzaj & Origi, omit Simons"

外部リンク[編集]