ハットトリック

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ハットトリック: hat trick)とは、古典的な奇術で、シルクハットを用いてウサギなどを取り出す芸のことである。また大道芸で、ダービーハットシルクハットなどを使い、回す、ジャグリングのように投げる、身体の上を転がすなど芸のことをも指す語である。この語は現在ではスポーツの分野などでも使われる。

クリケット[編集]

投手が連続3球で3人の打者をアウトにすること。昔、これを成し遂げた投手には賞として帽子(ハット)が贈られた。

サッカー[編集]

サッカーでは1人の選手が1試合に3点以上得点することをハットトリックと呼ぶ。サッカーのストライカーにとって、ハットトリックを決めることは実力を証明する勲章としての意味合いを持ち、全世界で定着している。ただし、プロリーグや国際試合ではハットトリックの達成は非常に難しく、目にする事はまれである。FIFAワールドカップでのハットトリックは49回記録されている。[1]イタリア語ではトリプレッタ[2]とも表記される。同一選手が同一試合に6点を挙げることはダブルハットトリックと呼ばれるがプロのトップレベルの試合では不可能に近いとされている[3]

ハットトリック連続世界記録は、中山雅史が記録した4試合連続(1998年4月15日4月29日Jリーグ)。 国際試合における最短時間でのハットトリック世界記録も中山であり、2000年2月16日に行われたアジアカップ予選ブルネイ戦において試合開始3分15秒でハットトリックを記録している。上記2つの世界記録はギネスブックに掲載された。

Jリーグにおいては、Jリーグ開幕節で当時鹿島アントラーズジーコが初のハットトリックを記録。以降年間11回ペース(J1リーグのみ、公式データより)でハットトリックが生まれている。
Jリーグでの最短でのハットトリック記録は眞中靖夫(2001年7月14日)で交代出場から5分、最初のゴールから3分で達成している。

リーグ戦での1試合最多得点は野口幸司1995年5月3日)、エジウソン1996年5月4日)、中山雅史(1998年4月18日)呂比須ワグナー(1999年5月29日)の5得点で、リーグ戦でのダブルハットトリック(6得点)達成者は出ていない。 ただし「Jリーグの公式戦」ならば、2005年12月10日、当時ヴァンフォーレ甲府バレー柏レイソルとのJ1・J2入れ替え戦第2戦でダブルハットトリックを記録している。 この時は柏レイソルが第1戦を落とし、勝ちにいかざるをえない状況で前半序盤に2失点してしまい、なおかつ退場者を出してしまったためにゴールの量産が容易な状況であった。 なお日本サッカーリーグ(JSL)時代には、1974年日立松永章がダブルハットトリック(対トヨタ自動車)をマークしている。この時は正ゴールキーパー、サブキーパーが試合中に二人とも怪我をして第3キーパーが出場した。

日本の女子サッカーのトップリーグにおける最高得点記録は1996年日興證券ドリームレディースリンダ・メダレンが第一節OKI FC Winds相手に達成した10ゴールが最高である。 他にもリーグ内でのレベル差の激しくなる女子カテゴリーや地域リーグ、高校選手権の予選などで時折ダブルハットトリック以上の記録は生まれている。

なお、サッカーでの同一試合での同一選手による最多得点記録は、1942年12月13日、フレンチカップのランス・レーシング・クラブ対オーブリー・アスチュリエ戦でのステファン・スタニ選手(ランス所属)による16得点である[3]

ダーツ[編集]

ダーツ競技においては、1スローの3本をすべてブルエリアに入れることをいう。なお、3本ともインブルに入れると「スリー・イン・ザ・ブラック」となる。

ホッケー[編集]

ホッケーなどでは1人の選手が1試合に3得点以上、もしくはラグビーなどで3回得点すること。ただし、各競技ともルールにこの言葉の明示はない。

モータースポーツ[編集]

モータースポーツでは、1つのレースにおいて「ポールポジション獲得」、「決勝レースでのファステストラップ記録」、「優勝」の3つを成し遂げることをハットトリックと呼ぶ場合がある。あくまでも通称であり公式な名称ではなく、公式な記録として扱われることもないが、大変意義のあることとして賞賛される。

さらに上記の3つに「決勝レースでの全周回トップ走行」が加わると「グランドスラム」と呼ばれる[4]

脚注[編集]

  1. ^ ウェキペディア英語版「List of FIFA World Cup hat-tricks」による
  2. ^ : tripletta
  3. ^ a b 管野浩編 『雑学おもしろ事典』 p.158 日東書院 1991年
  4. ^ "Magic numbers - a statistical look at the 2013 season". Formula 1 - The Official F1 Website.(2013年12月20日)2013年12月27日閲覧。

関連項目[編集]