「ペドフィリア」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
「ペドフィリア差別」節はすでに記事内の他の文章と重複しているほか、出典からのコピペがあるため除去。
専門家の資料に基づく文章&出典を追加。対象と関係の低い文章および独自研究を削除。出典からのコピペとおぼしき文章を編集。
1行目: 1行目:
{{性的}}
{{性的}}
{{出典の明記|date=20084月}}
{{独自研究|date=20209月}}
{{医学の情報源|talk=1}}
'''ペドフィリア'''({{lang-en-short|pedophilia}})とは、幼児・小児(一般に10歳以下)を対象とした性愛・性的嗜好のこと。略して俗に'''ペド'''と呼ばれる。類義語には'''小児性愛'''(しょうにせいあい)・'''小児愛'''(しょうにあい)・'''児童性愛'''(じどうせいあい)がある。[[思春期]]の子どもへの性的嗜好は'''[[エフェボフィリア]]'''({{lang-en-short|ephebophilia}})という。ペドフィリアの性向を持つ人を、'''ペドファイル'''もしくは'''ペドフィル'''({{lang-en-short|paedophile}})という。
'''ペドフィリア'''({{lang-en-short|pedophilia}})とは、幼児・小児(一般に10歳以下)を対象とした性愛・性的嗜好のこと。略して俗に'''ペド'''と呼ばれる。類義語には'''小児性愛'''(しょうにせいあい)・'''小児愛'''(しょうにあい)・'''児童性愛'''(じどうせいあい)がある。[[思春期]]の子どもへの性的嗜好は'''[[エフェボフィリア]]'''({{lang-en-short|ephebophilia}})という。ペドフィリアの性向を持つ人を、'''ペドファイル'''もしくは'''ペドフィル'''({{lang-en-short|paedophile}})という。


医学的疾患(性嗜好障害)を指して使われるが、一般に障害とまでは言えない小児への性的嗜好全般を指す場合もある(児童性虐待者については[[チャイルド・マレスター]]を参照)。また小児性愛の性的嗜好を持つ事と、小児性愛障害を抱く事は必ずしも同一では無く、小児性愛の性的嗜好を持つだけでは要治療の対象になる訳では無い
医学的疾患(性嗜好障害)を指して使われるが、一般に障害とまでは言えない小児への性的嗜好全般を指す場合もある(児童性虐待者については[[チャイルド・マレスター]]を参照)。


本記事では、一般的な概念としてのペドフィリア(小児性愛)を説明する。現在における[[精神医学]]上の障害としての小児性愛も、[[精神障害の診断と統計マニュアル|DSM]] 及び [[疾病及び関連保健問題の国際統計分類|ICD]] における「記述」規準において触れている。
本記事では、一般的な概念としてのペドフィリア(小児性愛)を説明する。現在における[[精神医学]]上の障害としての小児性愛も、[[精神障害の診断と統計マニュアル|DSM]]及び[[疾病及び関連保健問題の国際統計分類|ICD]]における「記述」規準において触れている。


== ペドフィリアの概念 ==
== ペドフィリアの概念 ==
65行目: 66行目:


=== 日常語としての用法 ===
=== 日常語としての用法 ===
ペドフィリア(pedophilia)は、精神医学的疾患分類とは別に、日常語として強く未成年へ惹きつけられる性的嗜好を表す言葉として用いられることり、特に欧米諸国では日常語としての使用頻度が比較的高い
本来はペドフィリア(pedophilia)は「性癖」ではなく、精神疾患と位置付けられ、いわゆる性癖である「[[ロリータコンプレックス]](ロリコン)」とは異なる<ref name="wezzy1912">{{Cite web|url=https://wezz-y.com/archives/71360|title=「小児性愛障害は“性癖”ではない」男児への性暴力加害者がメディアに出演で物議|accessdate=2020/9/4|publisher= wezzy |author= |date=2019/12/22}}</ref>。しかし、世間ではペドフィリアという言葉は、精神医学的疾患分類とは別に、日常語として強く未成年へ惹きつけられる性的嗜好を表す言葉として用いられること


日本の場合、[[ロリータコンプレックス]](ロリコン)とペドフィリアが混同され、日常語としての「ペドフィリア」は、ロリコンに比べて病的・犯罪的ニュアンスを伴って使用される場合が多い{{要出典|date=2020年8月}}。また、いわゆる[[オタク]]的社会風俗場面においては、「少女」の中でも特に幼い「[[幼女]]」(未就学児を含む、おおむね1歳から9歳の女児)に対する性的嗜好を「ペドフィリア」として呼び分けることがあるが、この場合「ペドフィリア」「ロリコン」共に通俗的な使用であり、恣意的な使い分けである場合が多い{{要出典|date=2020年8月}}。
日本の場合、ロリコンとペドフィリアが混同され、日常語としての「ペドフィリア」は、ロリコンに比べて病的・犯罪的ニュアンスを伴って使用される場合が多い{{要出典|date=2020年8月}}。また、いわゆる[[オタク]]的社会風俗場面においては、「少女」の中でも特に幼い「[[幼女]]」(未就学児を含む、おおむね1歳から9歳の女児)に対する性的嗜好を「ペドフィリア」として呼び分けることがあるが、この場合「ペドフィリア」「ロリコン」共に通俗的な使用であり、恣意的な使い分けである場合が多い{{要出典|date=2020年8月}}。


なお日本国内において、13歳未満(12歳以下)の児童に対する[[わいせつ]]行為は、[[刑法 (日本)|刑法]]176条により強制わいせつ罪と定められている。また、13歳未満(12歳以下)の児童は[[性的同意年齢]]に達しておらず、性的合意能力が認定されていないことから、13歳未満(12歳以下)の児童との性行為には、刑法177条により強制性交等罪が適用されるなど、法的には13歳未満(12歳以下)の子供との性行為が禁止されている。
なお日本国内において、13歳未満(12歳以下)の児童に対する[[わいせつ]]行為は、[[刑法 (日本)|刑法]]176条により強制わいせつ罪と定められている。また、13歳未満(12歳以下)の児童は[[性的同意年齢]]に達しておらず、性的合意能力が認定されていないことから、13歳未満(12歳以下)の児童との性行為には、刑法177条により強制性交等罪が適用されるなど、法的には13歳未満(12歳以下)の子供との性行為が禁止されている。
78行目: 79行目:
* カルフォルニア大学ロサンゼルス校心理学部ポール=オーカミによれば性欲の第一の対象が思春期前の子どもだというアメリカ人の割合は1%前後だという。ただし「小児性愛者」の意味は法令や心理学者の判断、記者の偏見によって左右されるため、人口に占める小児性愛者の割合は1%・5%・21%・50%、いずれも正しいという。
* カルフォルニア大学ロサンゼルス校心理学部ポール=オーカミによれば性欲の第一の対象が思春期前の子どもだというアメリカ人の割合は1%前後だという。ただし「小児性愛者」の意味は法令や心理学者の判断、記者の偏見によって左右されるため、人口に占める小児性愛者の割合は1%・5%・21%・50%、いずれも正しいという。
* 警察庁の調べでは、2005年の1月から11月までの小学生の犯罪被害件数は、強姦41件、強制猥褻1110件、公然猥褻112件である(ただし、犯罪記録は直接小児性愛者の数とは結びつかない)。
* 警察庁の調べでは、2005年の1月から11月までの小学生の犯罪被害件数は、強姦41件、強制猥褻1110件、公然猥褻112件である(ただし、犯罪記録は直接小児性愛者の数とは結びつかない)。
* ペドフィリア(小児性愛)が異常あるいは[[精神障害]](Mental Disorder)かどうかについては、議論の余地がある。かつて APA の精神障害診断基準 [[精神障害の診断と統計マニュアル|DSM]] から同性愛を外すことに尽力したリチャード・グリーン(Richard Green)等は、小児性愛感情を持つ一般人は、20-25%存在し、小児性愛的刺激物への反応率は 27.7% と、広範に存在することから、ペドフィリアを DSM より取り除くことを主張している<ref>''Archives of Sexual Behavior'' Vol. 31, No. 6 2002年</ref>。
* ペドフィリア(小児性愛)が異常あるいは[[精神障害]](Mental Disorder)かどうかについては、議論の余地がある。かつてAPAの精神障害診断基準 [[精神障害の診断と統計マニュアル|DSM]]から[[同性愛]]を外すことに尽力したリチャード・グリーン(Richard Green)等は、小児性愛感情を持つ一般人は、20-25%存在し、小児性愛的刺激物への反応率は27.7%と、広範に存在することから、ペドフィリアをDSMより取り除くことを主張している<ref>''Archives of Sexual Behavior'' Vol. 31, No. 6 2002年</ref>。最近の[[精神医学]]では、平均との「乖離性」よりも、その「適応性」(主体の孤立・苦悩・経済的破綻)や「価値的基準」(社会規範の遵守等)を重視する傾向がある。そのため、小児性愛(pedophilia)を医学上正常の範疇とする考えは少数派に留まる。この(「乖離性」より「適応性」や「価値的基準」を重視する)観点から近年「同性愛」は、性嗜好障害から除外された{{要出典|date=2020年9月}}

註:最近の[[精神医学]]では、平均との「乖離性」よりも、その「適応性」(主体の孤立・苦悩・経済的破綻)や「価値的基準」(社会規範の遵守等)を重視する傾向がある。そのため、小児性愛(pedophilia)を医学上正常の範疇とする考えは少数派に留まる。この(「乖離性」より「適応性」や「価値的基準」を重視する)観点から近年「[[同性愛]]」は、性嗜好障害から除外された。


== ペドフィリアの類型 ==
== ペドフィリアの類型 ==
93行目: 92行目:


== ペドフィリアになる原因 ==
== ペドフィリアになる原因 ==
性犯罪に関する加害者臨床を専門とする斉藤章佳によれば、小児性愛障害と診断された人は、生まれながらにして子どもへの性嗜好を最初から有していたわけではなく、多くの場合、[[児童ポルノ]]を通して「子どもは性的な存在である」という認識を強化し、認知を歪めていくと指摘されている<ref name=toyokeizai1>{{Cite web|url= https://toyokeizai.net/articles/-/317903 |title= 子どもへの性被害生む児童ポルノという引き金 |accessdate=2020/08/21|publisher= 東洋経済オンライン}}</ref>。そのため「児童ポルノがあるから現実の子どもに被害がいかない」「現実とファンタジーの区別はついている」という認識は誤りであるとも語っている{{R| toyokeizai1}}。[[性障害専門医療センター]]SOMECの[[福井裕輝]]は、子どもにしか興味がない『純粋型』と、大人に興味はあるがなにかしらの理由で性的欲求が子どもに向かう『非純粋型』の2種類のうち純粋型については、遺伝性が高い3つくらいの遺伝子が関係しているのではないかと推測されているとし親がそうでなくても、遺伝子による先天的な特徴であり非純粋型については、ストレスや、成人女性に相手にされないといった環境的要因が大きいと語る<ref>[https://nikkan-spa.jp/1481525 小児性愛は病気なのか?人口の5%いる彼らの犯罪を防ぐには | 日刊SPA!]</ref>。
ペドフィリアが先天的なものか後天的なものかに関して、結論は出ていない<ref name="bunshun2002">{{Cite web|url=https://bunshun.jp/articles/-/29765|title=子どもへの性加害は「平均週2~3回」小児性犯罪者のすさまじい実態|accessdate=2020/9/4|publisher= 文春オンライン |author= |date=2015/12/8}}</ref>。
性犯罪に関する加害者臨床を専門とする斉藤章佳によれば、小児性愛障害と診断された人は、生まれながらにして子どもへの性嗜好を最初から有していたわけではなく、多くの場合、[[児童ポルノ]]を通して「子どもは性的な存在である」という認識を強化し、認知を歪めていくと指摘されている<ref name=toyokeizai1>{{Cite web|url= https://toyokeizai.net/articles/-/317903 |title= 子どもへの性被害生む児童ポルノという引き金 |accessdate=2020/08/21|publisher= 東洋経済オンライン}}</ref>。児童を対象としたポルノを見る行為を繰り返し重ねると、「小児=性的対象」だと無意識に刷り込まれて、行動化へのハードルが格段に低くなる<ref name="diamond1612">{{Cite web|url=https://diamond.jp/articles/-/112737|title=性犯罪者が被害者に抱く「身勝手な妄想」の正体(下)|accessdate=2020/9/4|publisher= ダイヤモンド・オンライン |author= |date=2016/12/28}}</ref>。そのため「児童ポルノがあるから現実の子どもに被害がいかない」「現実とファンタジーの区別はついている」という認識は誤りであるとも語っている{{R| toyokeizai1}}。ペドフィリア当事者のヒアリングでは、95%が「児童ポルノが加害行為のトリガーになる」と答えた<ref name="wezzy1912" />。
[[性障害専門医療センター]]SOMECの[[福井裕輝]]は、子どもにしか興味がない『純粋型』と、大人に興味はあるがなにかしらの理由で性的欲求が子どもに向かう『非純粋型』の2種類のうち純粋型については、遺伝性が高い3つくらいの遺伝子が関係しているのではないかと推測されているとし親がそうでなくても、遺伝子による先天的な特徴であり非純粋型については、ストレスや、成人女性に相手にされないといった環境的要因が大きいと語る<ref>[https://nikkan-spa.jp/1481525 小児性愛は病気なのか?人口の5%いる彼らの犯罪を防ぐには | 日刊SPA!]</ref>。


他にもペドフィリアになる(ペドフィリアに至る)原因については諸説ある。一説には脳内のセロトニンの異常によるという{{要出典|date=2016年12月}}。また一説には児童期の虐待などが原因とされる{{要出典|date=2016年12月}}。自身が児童であった時のイメージを、そのまま対象の児童に投影してしまうためという説{{要出典|date=2016年12月}}、他に、成人との性的接触に挫折した代償(前述ICD)であるという説{{要出典|date=2016年12月}}。幼少期にふさわしくない性的刺激を体験した者(親の性交を見る等)は児童性愛者になりやすいと唱える者{{誰|date=2016年12月}}もいる。また近年の研究では、チャイルドマレスターを含む性犯罪者の中には一部脳の欠損や機能障害(遺伝的なものを含む)が認められる場合が報告され、原因のひとつと考えられる{{要出典|date=2016年12月}}。
他にもペドフィリアになる(ペドフィリアに至る)原因については諸説ある。一説には脳内のセロトニンの異常によるという{{要出典|date=2016年12月}}。また一説には児童期の虐待などが原因とされる{{要出典|date=2016年12月}}。自身が児童であった時のイメージを、そのまま対象の児童に投影してしまうためという説{{要出典|date=2016年12月}}、他に、成人との性的接触に挫折した代償(前述ICD)であるという説{{要出典|date=2016年12月}}。幼少期にふさわしくない性的刺激を体験した者(親の性交を見る等)は児童性愛者になりやすいと唱える者{{誰|date=2016年12月}}もいる。また近年の研究では、チャイルドマレスターを含む性犯罪者の中には一部脳の欠損や機能障害(遺伝的なものを含む)が認められる場合が報告され、原因のひとつと考えられる{{要出典|date=2016年12月}}。
102行目: 105行目:
{{see also|[[チャイルド・マレスター]]}}
{{see also|[[チャイルド・マレスター]]}}


ペドフィリア(小児性愛)という用語は子どもへの性犯罪を行う者に対して一般的によく使われる<ref name="Jashley">{{cite journal |first1=M. Ashley|last1=Ames|first2=David A.|last2=Houston | title = Legal, social, and biological definitions of pedophilia | journal = [[Archives of Sexual Behavior]] | volume = 19| issue = 4 | pages = 333–42 | date = August 1990 | pmid = 2205170 | doi = 10.1007/BF01541928 |s2cid=16719658}}</ref><ref name="Jedwards">{{cite journal|author-first=Michael|author-last=Edwards|editor-first=Marianne|editor-last=James|title=Treatment for Paedophiles; Treatment for Sex Offenders|url=https://aic.gov.au/file/5759/download?token=53fJP8hS|journal=Paedophile Policy and Prevention|issue=12| pages= 74–75}}</ref>。しかし、子どもに対し性的な夢想を抱く人間を小児性愛者(ペドフィリア)といい、子どもに対して性的な虐待を行う犯罪者を小児性犯罪者([[チャイルド・マレスター]])といい、この2つは区別される<ref name="conver2002">{{Cite web|url= https://theconversation.com/we-need-to-support-paedophiles-to-prevent-child-sex-offending-44845|title= We need to support paedophiles to prevent child sex offending |accessdate=2020/9/4|publisher= The Conversation |author= |date=2020/2/2}}</ref>。
「ペドファイル」の嗜好・思想・存在自体が悪であり、罪として扱われているという主張もある<ref name=":0">{{Cite web|url=https://waseda.repo.nii.ac.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=repository_action_common_download&item_id=16389&item_no=1&attribute_id=162&file_no=1&page_id=13&block_id=21|title=児童保護か思想犯罪か ― 海外におけるマンガ規制の違憲問題と世論 ―|accessdate=2019/4/3|publisher=|author=ティム・F・G・ダヴィドソン|format=PDF|date=2013/3}}</ref>。子どもに対し性的な夢想を抱く人間を小児性愛者(ペドフィリア)といい、子どもに対して性的な虐待を行う犯罪者を小児性犯罪者([[チャイルド・マレスター]])という。子どもに性的虐待を行う者は[[ペドフィリア|ペドファイル]]の傾向があると思われがちだが、実際はそのような性向のない者が性的虐待を行うことも多くある<ref name=":104">{{Cite web|url=http://www.kids-bouhan.jp/pdf/textbook/vol1-3.pdf|title=こんな子が狙われている―防犯教材|accessdate=2019/2/23|publisher=高橋猛、松井順子、佐藤一美、西江真由美、石原一彦らプロジェクトメンバー|website=犯罪からの子供の安全 子供を守る防犯ボランティア スキルアップ教材|format=PDF}}</ref><ref name=":105">{{Cite web|url=http://www.kids-bouhan.jp/|title=犯罪からの子供の安全 子供を守る防犯ボランティア スキルアップ教材|accessdate=2019/2/26|publisher=高橋猛、松井順子、佐藤一美、西江真由美、石原一彦らプロジェクトメンバー}}</ref>。子供への性的虐待の犯人は医学的診断にかかわらず一般社会から小児性愛症者であるとみなされ、そしてそういうものとして言及される。近年の精神医学診断は疾病の原因には言及しない傾向にある。しかし社会一般では逆に、犯罪の動機・原因に強い関心を持って語られることが多い{{要出典|date=2020年8月}}。


子どもに性的虐待を行う者はペドフィリアの傾向があると思われがちだが、実際はそのような性的嗜好のない者が性的虐待を行うことも多くある<ref name=":104">{{Cite web|url=http://www.kids-bouhan.jp/pdf/textbook/vol1-3.pdf|title=こんな子が狙われている―防犯教材|accessdate=2019/2/23|publisher=高橋猛、松井順子、佐藤一美、西江真由美、石原一彦らプロジェクトメンバー|website=犯罪からの子供の安全 子供を守る防犯ボランティア スキルアップ教材|format=PDF}}</ref><ref name=":105">{{Cite web|url=http://www.kids-bouhan.jp/|title=犯罪からの子供の安全 子供を守る防犯ボランティア スキルアップ教材|accessdate=2019/2/26|publisher=高橋猛、松井順子、佐藤一美、西江真由美、石原一彦らプロジェクトメンバー}}</ref><ref name="barbaree-seto">Barbaree, H. E., and Seto, M. C. (1997). Pedophilia: Assessment and Treatment. ''Sexual Deviance: Theory, Assessment, and Treatment''. 175–193.</ref>。例えば、ストレス、夫婦問題、成人パートナーと接触不能、反社会的傾向、強い性欲、アルコールなどが原因になることもある<ref name="Howells">Howells, K. (1981). "Adult sexual interest in children: Considerations relevant to theories of aetiology", ''Adult sexual interest in children.'' 55–94.</ref><ref name="setosituational">{{cite book |last= Seto |first= Michael |date= 2008|title= Pedophilia and Sexual Offending Against Children |location= Washington, DC |publisher= American Psychological Association|page= 4}}</ref>。
社会一般では、犯罪の動機が「子供に限定された強い性的興味」にあると信じられている場合が多い。しかしながら、ストレス、[[結婚]]の問題、成人パートナーと接触不能など他の動機がある可能性がある。犯人の大部分は、実際には子供に主に興味があるわけではないとの説もある{{要出典|date=2020年8月}}。


とはいっても、ペドフィリアは小児性犯罪者を説明する重要な要因として科学的にも広く認知されている<ref name="Jtaguchi">{{Cite journal|和書|author=田口真二 |title=女児に対する性的興味を容認する態度と性的加害経験, 個人要因および児童ポルノ使用経験との関連 |date=2000-01-15 |publisher=日本法科学技術学会 |journal=日本法科学技術学会誌 |volume=20 |number=2 | url= https://www.jstage.jst.go.jp/article/jafst/20/2/20_689/_pdf |ref=harv}}</ref>。ペドフィリアの人の児童への犯罪率は、ペドフィリアではない人の児童への犯罪率よりもはるかに高いことが示されている<ref name="conver2002" />。
子供への性的虐待は必ずしも(粗暴なという意味での)暴力を伴うものではなくむしろ少数とも言われる{{要出典|date=2020年8月}}。しかしながら、(粗暴な)暴力を伴う性的虐待の例では重篤な被害をもたらす場合が多く、それまで(粗暴な)暴力的手段を用いなかった小児性犯罪者が今後も(粗暴な)暴力的手段を用いない保証はない。


一般的にチャイルド・マレスターのうち25~50%の範囲の者がペドフィリアであると推定されている<ref name="Schaefer">{{cite journal| author= Schaefer, G. A., Mundt, I. A., Feelgood, S., Hupp, E., Neutze, J., Ahlers, Ch. J., Goecker, D., Beier, K. M. | year= 2010 | title= Potential and Dunkelfeld offenders: Two neglected target groups for prevention of child sexual abuse | journal = International Journal of Law & Psychiatry | volume = 33 | issue = 3 | pages = 154–163 | pmid = 20466423 | doi=10.1016/j.ijlp.2010.03.005}}</ref>。2006年の調査によれば、チャイルド・マレスターのサンプルのうち35%がペドフィリアであった<ref name="Seto">{{cite journal | author = Seto, M. C., Cantor, J. M., & Blanchard, R. | year =2006 | title = Child pornography offenses are a valid diagnostic indicator of pedophilia | journal = Journal of Abnormal Psychology | volume = 115 | issue =3 | page = 612 | doi=10.1037/0021-843x.115.3.610 | pmid=16866601| citeseerx =10.1.1.606.7677 }}</ref>。[[児童虐待|児童性虐待]]研究者で[[アメリカ合衆国|アメリカ]]アルフレッド大学コミュニケーション学助教授のパメラ・D・シュルツは『9人の児童性虐待者』の中で、実害を及ぼしている者(チャイルド・マレスター)の7割はペドフィリアの傾向がないという調査結果を記載している。
[[1994年]]、性犯罪の前科がある者が引っ越してくる場合、周辺住民にその情報が知らされる[[ミーガン法]]が[[ニュージャージー州]]で施行された<ref name=":101" />。さらに[[ラジカル|ラディカル]]な措置として、刑期を終えた未成年強姦者や小児猥褻犯を強制収容する施設がアメリカにはある<ref name=":101" /><ref>{{Cite web|url=http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/magazine/8004064.stm|title=Where they keep the paedophiles|accessdate=2019/2/26|publisher=BBC|date=2019/4/17}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://hisamichi58.blogspot.com/2010/09/blog-post.html|title=ペドフィリア収容所 ―小児性虐待者は治せるか 米精神病院レポート|accessdate=2019/2/26|publisher=|date=2010年9月3日|website=好きになった}}</ref>。


一方で、「ペドファイル」の嗜好・思想・存在自体が悪や罪として扱われていると主張をする人もいる<ref name=":0">{{Cite web|url=https://waseda.repo.nii.ac.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=repository_action_common_download&item_id=16389&item_no=1&attribute_id=162&file_no=1&page_id=13&block_id=21|title=児童保護か思想犯罪か ― 海外におけるマンガ規制の違憲問題と世論 ―|accessdate=2019/4/3|publisher=|author=ティム・F・G・ダヴィドソン|format=PDF|date=2013/3}}</ref>。[[1998年]]、3人の心理学者が[[科学的心理学会|アメリカ心理学協会(APA)]]の学術雑誌『Psychological Bulletin』に、「大人との未成年者の性行為は必ずしも害にはならない。強要・強制される行為とそうでないものとを分けて考える必要がある」という内容の論文を発表し、これに対して連邦議会の両院がその論文を強く非難する決議案を可決、[[ミシガン大学]]教授のブライアン・キムバトラーはこの連邦議会の対応について苦言を呈した<ref name=":0" />。
* [[児童虐待|児童性虐待]]研究者で[[アメリカ合衆国|アメリカ]]アルフレッド大学コミュニケーション学助教授のパメラ・D・シュルツ『9人の児童性虐待者』(ISBN 4895000923)には、実害を及ぼしている者([[チャイルド・マレスター]])の7割はペドフィリアの傾向がないという調査結果が記載されている。
* 日本でも[[貧困]]や[[ネグレクト|育児放棄]]による[[親族]]・[[ヤクザ]]の関与、身近な知人などが実害に関与している割合が高い。[[2012年]]の[[厚生労働省]]調査「児童虐待の現状<ref>{{Cite web|url=https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/dv/about.html|title=児童虐待の定義と現状|accessdate=2019/3/20|publisher=厚生労働省}}</ref>」では、虐待者は実母が57.3%と最も多く、次いで実父が29.0%となっている。厚生労働省「社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会」の報告書でも、死亡した児童の虐待者は、[[2004年]]~[[2017年]]にかけて実母がつねにトップである<ref>{{Cite web|url=http://www.orangeribbon.jp/about/child/data.php|title=統計データ|accessdate=2019/3/20|publisher=こども虐待防止オレンジリボン運動|author=社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会 第14次報告より}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000173329_00002.html|title=子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について|accessdate=2019/3/20|publisher=厚生労働省|date=2018/10}}</ref>。また、NPO法人[[全国女性シェルターネット]]の調査によれば、圧倒的多数の加害者が実の父親となっている<ref name=":106">{{Cite web|url=https://toyokeizai.net/articles/-/83031|title=誰も語らない、子どもの「性的虐待」の現実 「魂の殺人」が放置される日本|accessdate=2019/2/23|publisher=東洋経済新聞社|author=治部れんげ|date=2015/09/09|website=東洋経済オンライン}}</ref><ref name=":107">{{Cite web|url=https://toyokeizai.net/articles/-/73960|title=3日に1人妻が殺される!日本のDVの実態 支援歴20年のベテランが怒りの告発|accessdate=2019/2/23|publisher=東洋経済新聞社|author=治部れんげ|date=2015/7/8|website=東洋経済オンライン}}</ref>。
* ペドフィリアと[[チャイルド・マレスター]]が混同されることで、子供に性的魅力を感じると自覚しながらも、虐待するのはいけないと分かっている多くの人たちは、普通でないことに苦悩と不安を抱え、[[自殺]]を考えることもある。ペドフィリアとして一番つらいのは、自分が「だれからも目のかたきにされる集団の一員」だと自覚することだという<ref name=":99" /><ref name=":100" />。これは以前の[[アメリカ合衆国|アメリカ]]で[[同性愛]]行為が犯罪だったこと、[[ドイツ]]で同性愛者に強制的に[[精神外科|ロボトミー]]手術を施していた例などから、[[性的少数者|セクシャルマイノリティ]]差別と関連付けて述べられている<ref name=":101">{{Cite web|url=https://npn.co.jp/article/detail/40297359/|title=アメリカ発「小児性愛者」収容所、子どもを愛することは罪か?|accessdate=2019/2/23|publisher=|date=2010年09月13日|website=リアルライブ|author=ikoishy}}</ref>。
* [[1998年]]、3人の心理学者が[[科学的心理学会|アメリカ心理学協会(APA)]]の学術雑誌『Psychological Bulletin』に、「大人との未成年者の性行為は必ずしも害にはならない。強要・ 強制される行為とそうでないものとを分けて考える必要がある」という内容の論文を発表したことに対して、連邦議会の両院がその論文を強く非難する決議案を可決した。この決議案では「子供は神からの授かり物」で「その保護は親と社会の神聖なる義務である」 と述べられ、独立した調査により論文に学術的な問題はないと判断されたにもかかわらず、その内容は連邦議会によって否定・批判された。下院での票数は賛成355票反対0票、上院では100対0であった。[[ミシガン大学]]教授のブライアン・キムバトラーは、これがアメリカの歴史上で連邦議会が科学を否定する初めての異例の事態であり、アメリカでの子供と性についての議論が、社会的にも政治的にも合理性を失い、単なる感情論と化していることの表れであると指摘している<ref name=":0" />。


児童へ性的な接触はしないと主張するペドフィリアの人たちは苦悩と不安を抱え、自己嫌悪や[[自殺]]を考えるケースもある<ref name=":99" />。このような場合は、できるだけ早い時期に医療の助けが必要とされ、専門のセラピストを紹介する慈善団体もあるが、支援制度は不十分で、ペドフィリア当事者もなかなか専門家に相談しようとしないことがある<ref name=":99" />。また、自分の意思で行動を抑えられず、逮捕されないかぎりずっと性犯罪行為を続ける傾向が強い<ref name="wezzy1912" />。その理由として、児童への性的接触を悪いことであると認識せず、「純粋な愛情だ」「性教育のため」「相手も望んでいた」などと正当化することも挙げられる<ref name="diamond1612" /><ref name="fnn1805">{{Cite web|url=https://www.fnn.jp/articles/-/6438|title=“性教育としてやってあげた” 「小児性愛者」の異常に歪んだ闇|accessdate=2020/9/4|publisher= FNNプライムオンライン |author= |date=2018/5/16}}</ref>。さらに事件が報じられた際、「(被害者である)児童が悪い」と非難する声もインターネット上でたびたびあがるように、児童側の「非行」として片づけようとする人もいる<ref name="wezzy1909">{{Cite web|url=https://wezz-y.com/archives/69391|title=SNSで知り合った女児と性交し逮捕。「女児も悪い」と責める大人たち|accessdate=2020/9/4|publisher= wezzy |author= |date=2019/9/20}}</ref>。
==ペドフィリアと宗教==
{{独自研究|section=1|date=2018-09}}
{{独自研究範囲|かつては、すべての伝統的な[[ホモ・サピエンス]]の社会において、オスの生殖上の利益を最大にするため<ref>{{独自研究範囲|相手のオスにとって、平均的な性的快楽の面で利益が最大となる10代後半から20代前半ではなく、初潮が来る下限年齢の10代前半から中盤にメスの結婚・セックスのピークが来ていたことから、かつての結婚・セックスではオスの生殖上の利益が、オスのセックスの快楽の利益より平均して上位に位置づけられていたとされる。|date=2018-09}}</ref>、妊娠・出産が可能になる下限までのメスを性の対象とし強要した。そのため|date=2018-09}}10歳前後の少女との結婚・セックスもまかり通り、ペドフィリアの一部は、社会的に存在を容認さられる事態となった。かつて伝統的社会の規範であった宗教において、ペドフィリアに対する「寛容性」が見られていたが、現代では低年齢での妊娠・出産には多くの身体的危険が伴うことも明白となり、{{独自研究範囲|多くの宗教・宗派はペドフィリア的性向を人権侵害につながるとして認めていない。|date=2018-09}}


ペドフィリアの治療は薬物療法もあるものの、基本は「行動変容」と「認知のゆがみ」の観点から[[認知行動療法]]のアプローチをとり、とにかく問題行動を止めることが優先される<ref name="bunshun2002" />。アメリカの[[メーガン法]]では、GPS着用による位置把握や、法定雇用主への情報開示、ネットでの個人情報の公開などを小児性犯罪者に対して実施しているが、これによって孤立し、再犯が起きる可能性もあり、継続的な治療教育を組み合わせないと意味がないと指摘する専門家の声もある<ref name="bunshun2002" />。

==ペドフィリアと宗教==
===ユダヤ教===
===ユダヤ教===
[[ユダヤ教]]の[[タルムード]]によると、少女は3歳と1日を経れば結婚をすることができた。[[ミシュナー]]の『[[ニッダー (タルムード)|ニッダー]]』44bと『[[サンヘドリン (タルムード)|サンヘドリン]]』55bによると、父親が許可した場合は、3歳と1日の少女は相手と性交することによって婚約が遂行される<ref>{{Cite book |和書|translator=[[三好迪]] |year=2007 |title=タルムード トホロートの巻 ニッダー篇|publisher=[[三貴]]|page=184}}</ref><ref>{{Cite web |date= |url=https://www.sefaria.org/Sanhedrin.55b.4?lang=bi |title=Sanhedrin 55b:4 |website=[[Sefaria]] |accessdate=2019-12-18}}</ref>。また、『[[アヴォダー・ザラー]]』によると、星辰崇拝者の少女は3歳と1日で性行為をすることができるという<ref>{{Cite book |和書|translator=宇佐美公史 |year=2006 |title=タルムード ネズィキーンの巻 アヴォダー・ザラー篇|publisher=[[三貴]]|pages=157}}</ref>。3歳以下の少女の処女膜は何度破られても再生すると考えられていたため、3歳以下の少女と性行為をした成人男性は、木片で自ら処女膜を傷つけた女性と同じ200ヅヅの結婚契約額に値すると『[[ケトゥボット]]』は記述している{{sfn|ケトゥボート|1994|p=35}}。
[[ユダヤ教]]の[[タルムード]]によると、少女は3歳と1日を経れば結婚をすることができた。[[ミシュナー]]の『[[ニッダー (タルムード)|ニッダー]]』44bと『[[サンヘドリン (タルムード)|サンヘドリン]]』55bによると、父親が許可した場合は、3歳と1日の少女は相手と性交することによって婚約が遂行される<ref>{{Cite book |和書|translator=[[三好迪]] |year=2007 |title=タルムード トホロートの巻 ニッダー篇|publisher=[[三貴]]|page=184}}</ref><ref>{{Cite web |date= |url=https://www.sefaria.org/Sanhedrin.55b.4?lang=bi |title=Sanhedrin 55b:4 |website=[[Sefaria]] |accessdate=2019-12-18}}</ref>。また、『[[アヴォダー・ザラー]]』によると、星辰崇拝者の少女は3歳と1日で性行為をすることができるという<ref>{{Cite book |和書|translator=宇佐美公史 |year=2006 |title=タルムード ネズィキーンの巻 アヴォダー・ザラー篇|publisher=[[三貴]]|pages=157}}</ref>。3歳以下の少女の処女膜は何度破られても再生すると考えられていたため、3歳以下の少女と性行為をした成人男性は、木片で自ら処女膜を傷つけた女性と同じ200ヅヅの結婚契約額に値すると『[[ケトゥボット]]』は記述している{{sfn|ケトゥボート|1994|p=35}}。
125行目: 126行目:


===キリスト教===
===キリスト教===
{{main|カトリック教会の性的虐待事件}}


===イスラーム===
===イスラーム===

2020年9月5日 (土) 02:46時点における版

ペドフィリア: pedophilia)とは、幼児・小児(一般に10歳以下)を対象とした性愛・性的嗜好のこと。略して俗にペドと呼ばれる。類義語には小児性愛(しょうにせいあい)・小児愛(しょうにあい)・児童性愛(じどうせいあい)がある。思春期の子どもへの性的嗜好はエフェボフィリア: ephebophilia)という。ペドフィリアの性向を持つ人を、ペドファイルもしくはペドフィル: paedophile)という。

医学的疾患(性嗜好障害)を指して使われるが、一般に障害とまでは言えない小児への性的嗜好全般を指す場合もある(児童性虐待者についてはチャイルド・マレスターを参照)。

本記事では、一般的な概念としてのペドフィリア(小児性愛)を説明する。現在における精神医学上の障害としての小児性愛も、DSM及びICDにおける「記述」規準において触れている。

ペドフィリアの概念

言葉と概念の由来

古典ギリシア文明における paidophilia(パイドピリア=少年愛)が、キリスト教的近代において否定的意味を与えられ、精神医学の用語とされた。成人による、児童・小児への持続する性的関心をもって特徴とする。

精神医学上の概念としては、精神病理に対し深い識見を備えていたウィーン大学教授リヒャルト・フォン・クラフト=エビングが、著書Psychopathia Sexualis(性的精神病理,1886年)において最初に提唱したとされる。ラテン語より派生した形として、paedophilia とも表記する。その後、異常心理学では、「性の異常心理」として「性対象異常」の下位範疇において児童・小児を性愛の対象とする性倒錯として位置付けられた。20世紀半ばまで、精神医学においても性倒錯として把握されたが、今日の精神医学においては、性嗜好障害とされる。

現在の精神医学での概念

ペドフィリア
概要
診療科 精神医学, 心理学
分類および外部参照情報
ICD-10 F65.4
ICD-9-CM 302.2
MeSH D010378

現在、米国精神医学会 (APA) の診断・統計マニュアルDSM-5では小児性愛障害 (Pedophilic Disorder) に関して以下の記述がある。DSM-IV-TR以前では小児性愛 (pedophilia) の診断名が使われていた[1]

  • 規準A : 少なくとも6ヶ月間にわたり、思春期前の子どもまたは複数の子ども(通常10歳以下)との性行為に関する強烈な性的に興奮する空想、性的衝動、または行動が反復する。
  • 規準B : これらの性的衝動を実行に移したことがある、またはその性的衝動や空想のために著しい苦痛、または対人関係上の困難を引き起こしている。
  • 規準C : その人は少なくとも16歳で、基準Aに該当する子どもより少なくとも5歳は年長である。
    • 注記 : 青年期後期の人が12-13歳の子どもと性的関係をもっている場合は含めないこと。

また、WHOの国際疾患分類改定第10版であるICD-10[2]では、ペドフィリアに関して以下の記述がある。

F65.4 小児性愛 Paedophilia

小児、通常は思春期前あるいは思春期早期の年齢の小児への性的愛好で、ある者はただ少女だけに引きつけられるが、またある者は少年にだけ、またある者は両性に興味をもつ。

成人と性的に成熟した青年との接触は、とくに両者が同性の場合は社会的に承認されていないが、しかし必ずしも小児性愛と関連するものではない。ただ1回の出来事は、特に加害者自身が青年の場合には、診断にとって必要な持続的あるいは支配的な傾向の存在を証明するものではない。しかしながら、小児性愛者のうちには、成人の性的パートナーを愛好し続けながらも適切な接触を得るのに慢性的に挫折しているため、習慣的にその代理として小児に向かう者が含まれている。思春期以前の自分の子供を性的にからかう者は、時に他の子供たちにも同様な近づき方をするが、いずれの場合も彼らの行動は小児性愛を示唆するものである。[3]

(注:DSM-IV-TRは「このマニュアルには精神障害の分類を提示しているが、「精神障害」の概念に対して、正確な境界を設定するに十分な定義は与えていない」と述べている通り、DSM-IV-TRの記述を単純に厳密な定義と捉えてはならない。診断規準の提示はあくまで参考の為で、資格のない一般人が診断を行う為ではない。

なお、日本では医学上18歳未満(17歳以下)の者を小児に含めているが、18歳未満への性的愛好のすべてが小児性愛とみられるわけではない。 日本の学齢では、13歳に達するのは中学校1年生~2年生、5歳年長の18歳に達するのは高等学校3年生~大学1年生。11歳に達するのは小学校5年生~6年生、5歳年長の16歳に達するのは高等学校1年生~2年生。16歳以上の人と年齢差が4歳の場合は規準に含まないため、12歳~13歳の人と16歳の人、13歳の人と17歳の人、また16歳未満の人と13歳以下の人の関係はペドフィリアの定義に含まない。

性的に成熟する平均年齢をめぐっては男女共に低下傾向にあり、1880年の約18歳から、1980年には12.5歳にまで低下している。性交渉を初めて経験する年齢と38個の遺伝子変異との間には関連性があり、遺伝子的な要因により「人が性交を始める年齢差の約25%を説明できる」[4][5][6][7]。総合的臨床見地によって診断が行われるのは前述の通りであるが、16 - 17歳の者への性的愛好が小児性愛とされるのはむしろまれである。

年齢・学齢早見表
児童満年齢 学年 満年齢 学年
11歳以下 小学校5年~小学校6年以下 16歳以上 高等学校1年~高等学校2年以上
12歳以下 小学校6年~中学校1年以下 17歳以上 高等学校2年~高等学校3年以上
13歳以下 中学校1年~中学校2年以下 18歳以上 高等学校3年~大学1年以上

日常語としての用法

本来はペドフィリア(pedophilia)は「性癖」ではなく、精神疾患と位置付けられ、いわゆる性癖である「ロリータコンプレックス(ロリコン)」とは異なる[8]。しかし、世間ではペドフィリアという言葉は、精神医学的疾患分類とは別に、日常語として強く未成年へ惹きつけられる性的嗜好を表す言葉として用いられることもある。

日本の場合、ロリコンとペドフィリアが混同され、日常語としての「ペドフィリア」は、ロリコンに比べて病的・犯罪的ニュアンスを伴って使用される場合が多い[要出典]。また、いわゆるオタク的社会風俗場面においては、「少女」の中でも特に幼い「幼女」(未就学児を含む、おおむね1歳から9歳の女児)に対する性的嗜好を「ペドフィリア」として呼び分けることがあるが、この場合「ペドフィリア」「ロリコン」共に通俗的な使用であり、恣意的な使い分けである場合が多い[要出典]

なお日本国内において、13歳未満(12歳以下)の児童に対するわいせつ行為は、刑法176条により強制わいせつ罪と定められている。また、13歳未満(12歳以下)の児童は性的同意年齢に達しておらず、性的合意能力が認定されていないことから、13歳未満(12歳以下)の児童との性行為には、刑法177条により強制性交等罪が適用されるなど、法的には13歳未満(12歳以下)の子供との性行為が禁止されている。

ペドフィリアの割合

幼児・小児に対し性的興味・嗜好を持つ人の割合に関していくつかの研究や調査報告がある。ただし、幼児・小児に対する性的興味・嗜好がただちに、小児性愛(またはその傾向)を意味するわけではない。以下の報告は、精神医学上の小児性愛者(pedophile)ではなく、広義のペドフィリア「小児への性的嗜好」に関する調査報告である。

  • 日本では唯一NHKによる調査が存在する。『日本人の性行動・性意識』[9]では13歳未満の相手とのセックスについて、「してみたい」、「どちらかといえばしてみたい」、 「どちらかといえばしたくない」、「したくない」、「実際にしたことがある」、「無回答」の選択肢でアンケートを行った。「してみたい」と積極的肯定回答した男性は、10代(16 - 19歳)6%、20代5%、30代4%、40代1%、50代8%、60代0%であった。他方、女性においては、積極的肯定回答はすべての層でほぼゼロに近く、消極的肯定回答も10代に2%が見られるのみである。これらについて、10代-40代では「どちらかといえばしてみたい」の消極的肯定も、積極的肯定とほぼ同数かそれ以上あった。「無回答」は30代以下では1割以下だが、年齢と共に大きく増加し、60代では半数に迫った。「無回答」の比率は、各年代とも男女間に大きな差は見られない。
  • アメリカ合衆国におけるキンゼイ報告(1975年)での調査及び、他の研究[10]が示す数字では、成人男性の少なくとも25%が小児に対し性的魅力を感じていると述べている。
  • カルフォルニア大学ロサンゼルス校心理学部ポール=オーカミによれば性欲の第一の対象が思春期前の子どもだというアメリカ人の割合は1%前後だという。ただし「小児性愛者」の意味は法令や心理学者の判断、記者の偏見によって左右されるため、人口に占める小児性愛者の割合は1%・5%・21%・50%、いずれも正しいという。
  • 警察庁の調べでは、2005年の1月から11月までの小学生の犯罪被害件数は、強姦41件、強制猥褻1110件、公然猥褻112件である(ただし、犯罪記録は直接小児性愛者の数とは結びつかない)。
  • ペドフィリア(小児性愛)が異常あるいは精神障害(Mental Disorder)かどうかについては、議論の余地がある。かつてAPAの精神障害診断基準 DSMから同性愛を外すことに尽力したリチャード・グリーン(Richard Green)等は、小児性愛感情を持つ一般人は、20-25%存在し、小児性愛的刺激物への反応率は27.7%と、広範に存在することから、ペドフィリアをDSMより取り除くことを主張している[11]。最近の精神医学では、平均との「乖離性」よりも、その「適応性」(主体の孤立・苦悩・経済的破綻)や「価値的基準」(社会規範の遵守等)を重視する傾向がある。そのため、小児性愛(pedophilia)を医学上正常の範疇とする考えは少数派に留まる。この(「乖離性」より「適応性」や「価値的基準」を重視する)観点から近年「同性愛」は、性嗜好障害から除外された[要出典]

ペドフィリアの類型

一般に報告されている事例では、男性の小児性愛者のケースが、女性のそれを明らかに圧倒的に上回っている。

また、DSM-IVは、診断における補足項目として、次のような三つのポイントについて留意し記載するよう奨めている。

  1. 小児性愛者が対象とする児童について:a)女児のみを対象とするか、b)男児のみを対象とするか、c)男女に関係なく対象として性的に誘引されるか。
  2. 対象児童との関係が、「近親姦」となるか否か。
  3. 性愛対象におけるヴァリエーション:つまり、a)もっぱら児童のみを対象として、成人や若い青年、少年・少女に性的嗜好を持たないか、b)性的嗜好対象が、児童のみではなく、広がりを持つか。

小児性愛の類型は明らかに存在すると思われている。しかし現在、その素因や他の性嗜好との相関等について、実証的に確認できるものはないに等しく、定まった説はない。

ペドフィリアになる原因

ペドフィリアが先天的なものか後天的なものかに関して、結論は出ていない[12]

性犯罪に関する加害者臨床を専門とする斉藤章佳によれば、小児性愛障害と診断された人は、生まれながらにして子どもへの性嗜好を最初から有していたわけではなく、多くの場合、児童ポルノを通して「子どもは性的な存在である」という認識を強化し、認知を歪めていくと指摘されている[13]。児童を対象としたポルノを見る行為を繰り返し重ねると、「小児=性的対象」だと無意識に刷り込まれて、行動化へのハードルが格段に低くなる[14]。そのため「児童ポルノがあるから現実の子どもに被害がいかない」「現実とファンタジーの区別はついている」という認識は誤りであるとも語っている[13]。ペドフィリア当事者のヒアリングでは、95%が「児童ポルノが加害行為のトリガーになる」と答えた[8]

性障害専門医療センターSOMECの福井裕輝は、子どもにしか興味がない『純粋型』と、大人に興味はあるがなにかしらの理由で性的欲求が子どもに向かう『非純粋型』の2種類のうち、純粋型については、遺伝性が高い3つくらいの遺伝子が関係しているのではないかと推測されているとし、親がそうでなくても、遺伝子による先天的な特徴であり、非純粋型については、ストレスや、成人女性に相手にされないといった環境的要因が大きいと語る[15]

他にもペドフィリアになる(ペドフィリアに至る)原因については諸説ある。一説には脳内のセロトニンの異常によるという[要出典]。また一説には児童期の虐待などが原因とされる[要出典]。自身が児童であった時のイメージを、そのまま対象の児童に投影してしまうためという説[要出典]、他に、成人との性的接触に挫折した代償(前述ICD)であるという説[要出典]。幼少期にふさわしくない性的刺激を体験した者(親の性交を見る等)は児童性愛者になりやすいと唱える者[誰?]もいる。また近年の研究では、チャイルドマレスターを含む性犯罪者の中には一部脳の欠損や機能障害(遺伝的なものを含む)が認められる場合が報告され、原因のひとつと考えられる[要出典]

司法心理学コンサルタントのデレク・パーキンス教授は、「小児性愛は精神障害と認定されている。本人の意志で選ぶものではない。うつ病や注意欠陥多動性障害(ADHD)の人と同じこと」「小児性愛を行動に移さずにやっていける人も多い」としている。また、カナダの臨床心理学者であるジェームズ・カンター博士は、脳内の「混線」が原因だとし、妊娠初期の段階で胎児の脳がどのように形成されるかが鍵だと主張している[16][17]

小児性犯罪者との違い

ペドフィリア(小児性愛)という用語は子どもへの性犯罪を行う者に対して一般的によく使われる[18][19]。しかし、子どもに対し性的な夢想を抱く人間を小児性愛者(ペドフィリア)といい、子どもに対して性的な虐待を行う犯罪者を小児性犯罪者(チャイルド・マレスター)といい、この2つは区別される[20]

子どもに性的虐待を行う者はペドフィリアの傾向があると思われがちだが、実際はそのような性的嗜好のない者が性的虐待を行うことも多くある[21][22][23]。例えば、ストレス、夫婦問題、成人パートナーと接触不能、反社会的傾向、強い性欲、アルコールなどが原因になることもある[24][25]

とはいっても、ペドフィリアは小児性犯罪者を説明する重要な要因として科学的にも広く認知されている[26]。ペドフィリアの人の児童への犯罪率は、ペドフィリアではない人の児童への犯罪率よりもはるかに高いことが示されている[20]

一般的にチャイルド・マレスターのうち25~50%の範囲の者がペドフィリアであると推定されている[27]。2006年の調査によれば、チャイルド・マレスターのサンプルのうち35%がペドフィリアであった[28]児童性虐待研究者でアメリカアルフレッド大学コミュニケーション学助教授のパメラ・D・シュルツは『9人の児童性虐待者』の中で、実害を及ぼしている者(チャイルド・マレスター)の7割はペドフィリアの傾向がないという調査結果を記載している。

一方で、「ペドファイル」の嗜好・思想・存在自体が悪や罪として扱われていると主張をする人もいる[29]1998年、3人の心理学者がアメリカ心理学協会(APA)の学術雑誌『Psychological Bulletin』に、「大人との未成年者の性行為は必ずしも害にはならない。強要・強制される行為とそうでないものとを分けて考える必要がある」という内容の論文を発表し、これに対して連邦議会の両院がその論文を強く非難する決議案を可決、ミシガン大学教授のブライアン・キムバトラーはこの連邦議会の対応について苦言を呈した[29]

児童へ性的な接触はしないと主張するペドフィリアの人たちは苦悩と不安を抱え、自己嫌悪や自殺を考えるケースもある[16]。このような場合は、できるだけ早い時期に医療の助けが必要とされ、専門のセラピストを紹介する慈善団体もあるが、支援制度は不十分で、ペドフィリア当事者もなかなか専門家に相談しようとしないことがある[16]。また、自分の意思で行動を抑えられず、逮捕されないかぎりずっと性犯罪行為を続ける傾向が強い[8]。その理由として、児童への性的接触を悪いことであると認識せず、「純粋な愛情だ」「性教育のため」「相手も望んでいた」などと正当化することも挙げられる[14][30]。さらに事件が報じられた際、「(被害者である)児童が悪い」と非難する声もインターネット上でたびたびあがるように、児童側の「非行」として片づけようとする人もいる[31]

ペドフィリアの治療は薬物療法もあるものの、基本は「行動変容」と「認知のゆがみ」の観点から認知行動療法のアプローチをとり、とにかく問題行動を止めることが優先される[12]。アメリカのメーガン法では、GPS着用による位置把握や、法定雇用主への情報開示、ネットでの個人情報の公開などを小児性犯罪者に対して実施しているが、これによって孤立し、再犯が起きる可能性もあり、継続的な治療教育を組み合わせないと意味がないと指摘する専門家の声もある[12]

ペドフィリアと宗教

ユダヤ教

ユダヤ教タルムードによると、少女は3歳と1日を経れば結婚をすることができた。ミシュナーの『ニッダー』44bと『サンヘドリン』55bによると、父親が許可した場合は、3歳と1日の少女は相手と性交することによって婚約が遂行される[32][33]。また、『アヴォダー・ザラー』によると、星辰崇拝者の少女は3歳と1日で性行為をすることができるという[34]。3歳以下の少女の処女膜は何度破られても再生すると考えられていたため、3歳以下の少女と性行為をした成人男性は、木片で自ら処女膜を傷つけた女性と同じ200ヅヅの結婚契約額に値すると『ケトゥボット』は記述している[35]

ミシュナーでは「乳首が縮む」という言葉を「乳房が出る」という意味で用いており[36]、12歳半と1日以後の少女は「乳首が縮む」時期と考えられ、そのような少女はボゲレトと呼ばれた。12歳と1日から12歳半と1日までの少女は陰毛が2本生えるとされ、そのような少女はナアラーと呼ばれる。12歳半と1日以下の少女はクタンナーという。結婚相手としての女性はこの3つの年齢帯に区分され、それぞれの区分に応じて結婚の際に結ぶ契約の内容が変化した[37]

キリスト教

イスラーム

仏教

ヒンドゥー教

ヒンドゥー教でも、10歳前後の少女との結婚・セックスは広く認められていた。現代でも農村部では、10歳前後の少女との結婚・セックスが見られる。

関連書籍

  • Faller, Kathleen Coulborn : Child Sexual Abuse, (Columbia University Press) ISBN 0231064713
  • Groth, A. Nicholas, Birnbaum, H. Jean : Men Who Rape: The Psychology of the Offender, (Perseus Publishing, October 2001) ISBN 0738206245

出典・注記

  1. ^ American Psychiatric Association :DSM-IV-TR [Text-Revised] :Diagnostic criteria for 302.2 Pedophilia. - Newly translated into Japanese by a present writer of the Wikipedia Japan.
  2. ^ International Classification of Disease, 10th revision
  3. ^ World Health Organization 1992 The ICD-10, F65.4 Paedophilia
  4. ^ 初性交渉の年齢、遺伝子が影響 研究 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
  5. ^ Ken Ong | University of Cambridge
  6. ^ Physical and neurobehavioral determinants of reproductive onset and success | Nature Genetics
  7. ^ 日本性教育協会:編『「若者の性」白書 青少年の性行動全国調査報告 第7回』(小学館、2013年8月)ISBN 978-4-09-840147-5
  8. ^ a b c 「小児性愛障害は“性癖”ではない」男児への性暴力加害者がメディアに出演で物議”. wezzy (2019年12月22日). 2020年9月4日閲覧。
  9. ^ 2002年:ISBN 4140092947
  10. ^ Freund & Costell 1970, Hall et al. 1995
  11. ^ Archives of Sexual Behavior Vol. 31, No. 6 2002年
  12. ^ a b c 子どもへの性加害は「平均週2~3回」小児性犯罪者のすさまじい実態”. 文春オンライン (2015年12月8日). 2020年9月4日閲覧。
  13. ^ a b 子どもへの性被害生む児童ポルノという引き金”. 東洋経済オンライン. 2020年8月21日閲覧。
  14. ^ a b 性犯罪者が被害者に抱く「身勝手な妄想」の正体(下)”. ダイヤモンド・オンライン (2016年12月28日). 2020年9月4日閲覧。
  15. ^ 小児性愛は病気なのか?人口の5%いる彼らの犯罪を防ぐには | 日刊SPA!
  16. ^ a b c 「子供に手は出さない」 若い小児性愛者の告白”. BBCニュース. 英国放送協会(BBC) (2017年10月31日). 2019年2月23日閲覧。
  17. ^ Catherine Burns (2017年11月11日). “The young paedophiles who say they don’t abuse children”. BBC News. 英国放送協会(BBC). 2019年2月23日閲覧。
  18. ^ Ames, M. Ashley; Houston, David A. (August 1990). “Legal, social, and biological definitions of pedophilia”. Archives of Sexual Behavior 19 (4): 333–42. doi:10.1007/BF01541928. PMID 2205170. 
  19. ^ James, Marianne, ed. “Treatment for Paedophiles; Treatment for Sex Offenders”. Paedophile Policy and Prevention (12): 74–75. https://aic.gov.au/file/5759/download?token=53fJP8hS. 
  20. ^ a b We need to support paedophiles to prevent child sex offending”. The Conversation (2020年2月2日). 2020年9月4日閲覧。
  21. ^ こんな子が狙われている―防犯教材” (PDF). 犯罪からの子供の安全 子供を守る防犯ボランティア スキルアップ教材. 高橋猛、松井順子、佐藤一美、西江真由美、石原一彦らプロジェクトメンバー. 2019年2月23日閲覧。
  22. ^ 犯罪からの子供の安全 子供を守る防犯ボランティア スキルアップ教材”. 高橋猛、松井順子、佐藤一美、西江真由美、石原一彦らプロジェクトメンバー. 2019年2月26日閲覧。
  23. ^ Barbaree, H. E., and Seto, M. C. (1997). Pedophilia: Assessment and Treatment. Sexual Deviance: Theory, Assessment, and Treatment. 175–193.
  24. ^ Howells, K. (1981). "Adult sexual interest in children: Considerations relevant to theories of aetiology", Adult sexual interest in children. 55–94.
  25. ^ Seto, Michael (2008). Pedophilia and Sexual Offending Against Children. Washington, DC: American Psychological Association. p. 4 
  26. ^ 田口真二「女児に対する性的興味を容認する態度と性的加害経験, 個人要因および児童ポルノ使用経験との関連」『日本法科学技術学会誌』第20巻第2号、日本法科学技術学会、2000年1月15日。 
  27. ^ Schaefer, G. A., Mundt, I. A., Feelgood, S., Hupp, E., Neutze, J., Ahlers, Ch. J., Goecker, D., Beier, K. M. (2010). “Potential and Dunkelfeld offenders: Two neglected target groups for prevention of child sexual abuse”. International Journal of Law & Psychiatry 33 (3): 154–163. doi:10.1016/j.ijlp.2010.03.005. PMID 20466423. 
  28. ^ Seto, M. C., Cantor, J. M., & Blanchard, R. (2006). “Child pornography offenses are a valid diagnostic indicator of pedophilia”. Journal of Abnormal Psychology 115 (3): 612. doi:10.1037/0021-843x.115.3.610. PMID 16866601. 
  29. ^ a b ティム・F・G・ダヴィドソン (2013年3月). “児童保護か思想犯罪か ― 海外におけるマンガ規制の違憲問題と世論 ―” (PDF). 2019年4月3日閲覧。
  30. ^ “性教育としてやってあげた” 「小児性愛者」の異常に歪んだ闇”. FNNプライムオンライン (2018年5月16日). 2020年9月4日閲覧。
  31. ^ SNSで知り合った女児と性交し逮捕。「女児も悪い」と責める大人たち”. wezzy (2019年9月20日). 2020年9月4日閲覧。
  32. ^ 三好迪 訳『タルムード トホロートの巻 ニッダー篇』三貴、2007年、184頁。 
  33. ^ Sanhedrin 55b:4”. Sefaria. 2019年12月18日閲覧。
  34. ^ 宇佐美公史 訳『タルムード ネズィキーンの巻 アヴォダー・ザラー篇』三貴、2006年、157頁。 
  35. ^ ケトゥボート 1994, p. 35.
  36. ^ ケトゥボート 1994, p. 114.
  37. ^ ケトゥボート 1994, p. ii.

参考文献

  • 三好迪 訳『タルムード ナシームの巻 ケトゥボート篇』三貴、1994年。 

関連項目