湯の山温泉 (三重県)
湯の山温泉 | |
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温泉街にある大石公園(2005/2) | |
温泉情報 | |
所在地 | 三重県三重郡菰野町 |
交通 | 詳細は交通アクセスを参照のこと |
泉質 | 放射能泉 |
液性の分類 | アルカリ性 |
年間浴客数 | 2,248,070人[1] |
統計年 | 2013年 |
外部リンク | 湯の山温泉協会 |
湯の山温泉(ゆのやまおんせん)は、三重県三重郡菰野町にある温泉である。
概要
[編集]御在所岳の山麓の東側に位置する。自然豊かであり、四季折々の景観に富んだ温泉である。歓楽街化しておらず、ファミリーの行楽向けから、鈴鹿山脈のレクリエーションやレジャーの拠点となっている。毎年10月初旬に僧兵まつりが行われる。また恋愛成就の寺で知られる三嶽寺もある。
泉質
[編集]温泉街
[編集]三重県北部の最高峰、御在所岳の東麓に位置し、三滝川河畔の渓谷に20軒ほどのホテル、旅館がひしめき合う。山の斜面に建てられているため、規模は小さく感じるが、設備は整った大型宿泊施設が多く、収容人数は多い。一帯は鈴鹿国定公園に指定されており、名古屋・大阪といった大都市圏とのアクセスに優れながらも豊かな自然に恵まれている。ゆえにレクリエーション、レジャー、スポーツの拠点として発展。同温泉地の位置付けも手軽な行楽向け温泉地となっており、日帰り入浴が可能な旅館が多い。なお、温泉地からは御在所岳に登る御在所ロープウェイが運行しており、夏場は避暑地としても賑わいを見せる。 同温泉郷を代表する旅館の一つであるグランドホテル向陽(現、彩(いろどり)向陽)には、1980年(昭和55年)5月24日、全国植樹祭のために三重県に行幸した昭和天皇・香淳皇后が宿泊したことがある[2]。また、文豪志賀直哉は湯の山温泉に滞在し、短編『菰野』を執筆している。
また、2012年秋には湯の山温泉郊外に温泉施設の他に宿泊棟、奥田政行によるイタリアンレストラン、辻口博啓による洋菓子店などがそろったリゾート施設「アクアイグニス」がオープンした。
歴史
[編集]養老2年(718年)に発見された古湯で、傷ついた鹿が癒していたことから鹿ノ湯ともいわれていた。元禄時代に廃泉を復興して杉屋をはじめ八軒の湯治宿があった[3]。宝永2年(1705年)、その中心地に天台宗の三嶽寺が創建され、大石、蒼滝三本杉などの名所も整えられ[3]、古くから東海や近畿の奥座敷として発展してきた歴史を持つ。西南戦争のあと、戦傷病者の療養所の指定を受け、杉屋、橘屋、三嶽寺が臨時の宿泊所になり、負傷した将兵を受入れたことから、治療を終えた将兵らが故郷へ帰り、温泉と勝景を称賛したため、それが宣伝されて来遊者が増加した[3]。しかし、決して湯量は多くなく、過去に4度の涸渇があった。また明治時代には他温泉との競合に敗れ、わずか1軒しか残らなかった時代もある。後にアクセスの良さに目を付けた四日市鉄道(現在の近鉄湯の山線)が鉄道を敷設、奥座敷としての地位を復活させ、次第に旅館も増加していった。その後、自然と一体化した近郊の保養温泉を標榜、歓楽色は出さないまま今日に至る。
交通アクセス
[編集]- 自動車:東名阪自動車道四日市ICから国道477号(湯の山街道)を菰野町方面へ約10kmまたは新名神高速道路菰野ICから約6km。
- 鉄道:湯の山温泉駅(近鉄湯の山線)から三重交通バスで10分、終点「湯の山温泉・御在所ロープウエイ前」下車。
- バス:名古屋(名鉄バスセンター)から三重交通の高速バスで59分。
- 三重交通バスの湯の山線と名古屋湯の山高速線は、2018年9月14日改正で、湯の山かもしか大橋経由に経路変更したことで、三重県道577号湯の山温泉線にあった「栃谷」「三之瀬」「蒼滝口」「三交湯の山温泉」を廃止し、新たに新設した「湯の山温泉・御在所ロープウエイ前」を終点とした。[4]
- 東海自然歩道:温泉街を東海自然歩道が通る。同道は蒼滝の近くを通る。
- 御在所ロープウェイ:温泉街に御在所ロープウェイの駅と駐車場がある。御在所岳の山頂まで通年運行されている。
湯の山温泉が舞台の作品
[編集]脚注
[編集]- ^ “観光地点等分類ごとの入込客数”. 三重県雇用経済部 観光・国際局 観光政策課. 2015年1月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月25日閲覧。
- ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、150頁。ISBN 978-4-10-320523-4。
- ^ a b c d 寿亭と志賀直哉菰野町役場刊『広報こもの』歴史こばなし第283回、平成13年
- ^ “湯の山かもしか大橋開通・御在所ロープウエイのリニューアルに伴い 御在所ロープウエイ前に路線バスを乗り入れます!(平成30年9月5日)”. 三重交通. 2023年11月11日閲覧。
- ^ 発掘街道の文学, 第 3 巻志水雅明, 伊勢新聞社, 2006