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国の擬人化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

国の擬人化(くにのぎじんか)とは、国家政府)や地域を人物として擬人化すること。

アメリカ合衆国アンクル・サムイギリスブリタニア。足元にいるハクトウワシライオンもまた国家の擬人として度々扱われている。これは第一次世界大戦時の英米同盟を表す。
5月革命100周年を記念して描かれたアルゼンチンを擬人化した女性

概要

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擬人化は対象に人間のような内面・心理を設定することで、世界を認知するための方法である[1]。社会的な存在である国家や地域を人として表すことは、メッセージを受け取る側と送る側にとっても関係性を強化することにつながり[2]、政治的パンフレットや美術作品などで伝統的に広く用いられていた。古代都市国家のアテナイは女神アテーナーを象徴としている。またアメリカ合衆国をあらわすアンクル・サムドイツをあらわすゲルマニア、フランスのマリアンヌが知られる[2]。それぞれの国家の国獣国旗を国家の擬人とする事もしばしば見られる。[3]

伝統的に用いられる国の擬人化

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これらは非公式・公式を問わず、表現として用いられた国家の擬人化である。

画像 名称
アルバニアの旗 アルバニア マザー・アルバニア英語版
アルゼンチンの旗 アルゼンチン アルゼンチンの擬人化英語版ガウチョ、マルティーン・フィエロ
アルメニアの旗 アルメニア マザー・ハヤスタン英語版
オーストラリアの旗 オーストラリア リトル・ボーイ・フロム・マンリー英語版 、Australia 、ボクシング・カンガルー
オーストリアの旗 オーストリア オーストリア(擬人化)ドイツ語版
バングラデシュの旗 バングラデシュ バングラ・マー英語版
ベルギーの旗 ベルギー ベルギー(擬人化)スペイン語版小便小僧
ブラジルの旗 ブラジル 共和国の女神英語版バンディランテ (サンパウロ州)、Candango(ブラジリア)、ガウチョ (リオグランデ・ド・スル州)
ハンガリーの旗 ハンガリー ハンガリア(擬人化)英語版
ブルガリアの旗 ブルガリア 母なるブルガリア
カンボジアの旗 カンボジア プレア・トングとネアン・ネキイ英語版
カナダの旗 カナダ アダム・ドラール・デ・ゾルモー英語版王立カナダ騎馬警察ジョニー・カナック英語版37人の老人英語版(ケベック)、母なるカナダ
チリの旗 チリ ロト (擬人化)英語版ウアッソセニョリータ・ファニーナ英語版
コロンビアの旗 コロンビア フアン・バルデス
中華人民共和国の旗 中国 黄龍
ブータンの旗 ブータン ドゥク
チェコの旗 チェコ Čechie、チェコ・ヴァセック英語版二本の尾を持つライオン善良な兵士シュヴェイク英語版
デンマークの旗 デンマーク オジェ・ル・ダノワ母なるデンマーク英語版
ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国 Conchoprimo
エジプトの旗 エジプト 世界の母(Om El Donia)
エルサルバドルの旗 エルサルバドル 世界の救世主の記念碑英語版
欧州連合の旗 欧州連合 エウローペーエウローパ・レーギーナ
フィンランドの旗 フィンランド スオミネイト
フランスの旗 フランス マリアンヌガリアの雄鶏英語版
ジョージア (国)の旗 ジョージア ゲオルギオス (聖人)グルジアの母英語版
ドイツの旗 ドイツ ドイツ: ゲルマニアドイッチャー・ミヒェル英語版

バイエルン: バヴァリア (擬人化)ドイツ語版、ベルリン: ベロリナ英語版、ブラウンシュヴァイク: ブルノニア、フランコニア: フランコニア, ハンブルク: ハーモニア英語版、プロイセン:ボルシア、プファルツ選帝侯領: パラティア、ザクセン:サクソニア

ギリシャの旗 ギリシャ ヘラス(擬人化)英語版アテーナー
ハイチの旗 ハイチ エジリ・ダントール英語版
アイスランドの旗 アイスランド レディ・オブ・マウンテン英語版
インドの旗 インド バーラト・マータドゥルガー
インドネシアの旗 インドネシア イブー・ペルティウィ
イランの旗 イラン キュロス2世
アイルランドの旗 アイルランド エリウバンバフォドラキャスリーン・ニ・フーリハン英語版ヒベルニア (擬人化)英語版、Granuaile、Scotia[4]
イスラエルの旗 イスラエル スルリク英語版
イタリアの旗 イタリア イタリア・トゥッリタ
北マケドニアの旗 北マケドニア 母なるマケドニア[5][6]
マルタの旗 マルタ メリタ (擬人化)英語版
メキシコの旗 メキシコ チャーロ (メキシコ)英語版チナ・ポブラナペラード英語版
モンゴル国の旗 モンゴル チンギス・カン
オランダの旗 オランダ オランダの乙女英語版ハンス・ブリンカー英語版、(ゼーラント州: en:Zeeuws Meisje (margarine)のキャラクター)
ニューイングランド ブラザー・ジョナサン英語版
ニュージーランドの旗 ニュージーランド キーウィジーランディア英語版南の男英語版 (南島 (ニュージーランド))
ノルウェーの旗 ノルウェー 母なるノルウェーノルウェー語版オラ・ノールマン英語版とその妻カリ・ノールマン。ノリ (北欧神話)英語版
パレスチナの旗 パレスチナ ハンダラナージー・アル=アリー英語版のキャラクター)
ペルーの旗 ペルー 祖国ペルー英語版
フィリピンの旗 フィリピン フアン・デラ・クルス、フィリピナス、ラプ=ラプ, ホセ・リサール、マリア・クララ
ポーランドの旗 ポーランド ポロニア (擬人化)英語版、レッヒ
マレーシアの旗 マレーシア ハン・トゥア英語版
ポルトガルの旗 ポルトガル ゼ・ポヴィーニョ英語版ルシタニア共和国の女神英語版バルセロスの雄鳥英語版、ポルトガルの守護天使
ルーマニアの旗 ルーマニア ルーマニア(擬人化)
ロシアの旗 ロシア 母なるロシアロシアの熊冬将軍
モンテネグロの旗 モンテネグロ 母なるモンテネグロ英語版
クロアチアの旗 クロアチア 母なるクロアチア英語版
スコットランドの旗 スコットランド カレドニア, ジャック・タムソンスコタ英語版
セルビアの旗 セルビア 母なるセルビア英語版コソヴォの娘
シンガポールの旗 シンガポール マーライオン
タイ王国の旗 タイ サイアム・デヴァディラジ英語版
朝鮮半島 アムールトラ
スロバキアの旗 スロバキア ユライ・ヤーノシーク
スロベニアの旗 スロベニア マチャジュ王英語版
スペインの旗 スペイン ヒスパニア (寓意)英語版
ジョージア (国)の旗 ジョージア Photo of Kartlis Deda made from drone グルジアの母英語版
ベネルクスの旗ベネルクス レオ・ベルギクス
スウェーデンの旗 スウェーデン モダー・スヴェア英語版
スイスの旗 スイス ヘルヴェティア
トルコの旗 トルコ トルコ(擬人化)
リトアニアの旗 リトアニア Polonia - Rok 1863 (Polonia - year 1863), 1879 リトアニア(擬人化)
ウクライナの旗 ウクライナ コサック・ママーイ祖国記念碑 (キーウ)
イギリスの旗 イギリス ブリタニア (女神)ジョン・ブルライオンブルドッグ
アメリカ合衆国の旗 アメリカ (Columbia_standing_on_the_earth,_holding_an_American_flag_and_trademark_sign)_(LOC) コロンビアアンクル・サム(連邦政府)、自由の女神
日本の旗 日本 やまとひめ[7]

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ギャラリー

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大衆文化における擬人化

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現代の日本においては、人物(歴史上の人物や神話の登場人物など)や動植物から非生物(天体鉄道言語元素など)まで、あらゆるものが擬人化、キャラクター化されている[2]。それら萌え擬人化の一つとして国(広義にはや非独立地域民族の擬人化を含むこともある)の擬人化作品も、インターネット上などで多く見られる。

SNS上のみで展開される個人規模の物から、メディアミックスされる大規模な商業作品まで幅広く存在し、前者の例はポーランドボール、後者の例としては、アフガニスタンと周辺国を擬人化したあふがにすタンアニメ化や舞台化もされたヘタリア、地政学的な側面を重視した地政学ボーイズなどが存在する。

また、各都道府県自治体などが、広報活動の一環として各地域を擬人化したキャラクターを制作していることもある[9]

脚注

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  1. ^ 関沢英彦 2012, pp. 21.
  2. ^ a b c 関沢英彦 2012, pp. 26.
  3. ^ 中国、「最後の晩餐」なぞらえG7風刺 ネットに拡散”. 日本経済新聞. 2024年7月13日閲覧。
  4. ^ O'Clery, M. (2003) Annals of Ireland by the Four Masters as translated into English
  5. ^ A Manifesto from the Provisional Government of Macedonia. (1881). "Our mother Macedonia became now as a widow, lonely and deserted by her sons. She does not fly the banner of the victorious Macedonian army" 
  6. ^ Bulgarian graphic representation of Bulgaria, East Rumelia and Macedonia
  7. ^ 林みちこ『明治政府の対外美術戦略に関する研究 : 1910年日英博覧会をめぐって』筑波大学〈博士(芸術学) 甲第8234号〉、2017年。 NAID 500001374207https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/records/43176 
  8. ^ 「ハッピー」”. タバコと塩の博物館. 2024年8月3日閲覧。
  9. ^ 真田風・倉田陽平「「都道府県擬人化」の分析

参考文献

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関連項目

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