ジホモ-γ-リノレン酸
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ジホモ-γ-リノレン酸 | |
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(8Z,11Z,14Z)-Icosa-8,11,14-trienoic acid | |
別称 cis,cis,cis-8,11,14-Eicosatrienoic acid; DGLA; Diroleuton (INN) | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 1783-84-2 |
PubChem | 5280581 |
ChemSpider | 4444199 |
UNII | FC398RK06S |
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特性 | |
化学式 | C20H34O2 |
モル質量 | 306.48 g mol−1 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ジホモ-γ-リノレン酸(ジホモ-ガンマ-リノレンさん、Dihomo-gamma-linolenic acid、DGLA)は炭素 20 個からなるω-6脂肪酸である。20:3 (n−6) とも表記される。化学的には、DGLA は 20 の炭素原子と 3 つのシス結合の二重結合を持つカルボン酸であり、1 つめの二重結合はω末端から数えて 6 番めの炭素原子にある。DGLA はγ-リノレン酸(18:3 (n−6))を伸長することによって得られる。
生理活性
[編集]DGLAのエイコサノイド代謝物には次のようなものがある。
これらは全て、抗炎症性の効果をもち、アラキドン酸から生成するアナログとは対照的な効果を持つ。抗炎症性のエイコサノイドを作るだけではなく、DGLAはシクロオキシゲナーゼやリポキシゲナーゼに対してアラキドン酸と競合し、アラキドン酸由来のエイコサノイドの生成を抑制する。
少量を経口摂取すると、抗血栓症効果を見せる[3]。γ-リノレン酸を日常的に摂取することにより、血清中のアラキドン酸濃度を増やさずにDGLAの濃度を増やすことができる[4]と主張されているものの、現代では、リノール酸からγ-リノレン酸、ジホモ-γ-リノレン酸を経て、炎症性の誘導体の原料となるアラキドン酸に変換されるω-6脂肪酸の摂取が過剰であるとされている[5][信頼性要検証]。
出典
[編集]- ^ Fan, Yang-Yi and Robert S. Chapkin (9 September 1998). “Importance of Dietary gamma -Linolenic Acid in Human Health and Nutrition”. Journal of Nutrition 128 (9): 1411-1414 .
- ^ Belch, Jill JF and Alexander Hill (January 2000). “Evening primrose oil and borage oil in rheumatologic conditions”. February 12, 2006閲覧。 PubMed cite
- ^ Kernoff PB, Willis AL, Stone KJ, Davies JA, McNicol GP (1977). “Antithrombotic potential of dihomo-gamma-linolenic acid in man”. ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル 2 (6100): 1441–4. PMID 338112.
- ^ Johnson MM, Swan DD, Surette ME, et al (1997). “Dietary supplementation with gamma-linolenic acid alters fatty acid content and eicosanoid production in healthy humans”. J. Nutr. 127 (8): 1435–44. PMID 9237935.
- ^ 「8章危険なサプリ」金城学院大学/日本脂質栄養学会共催シンポジウムの抄録 『 脂質栄養学の新方向とトピックス』