O級駆逐艦

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HMS オブデュレート(4インチ砲搭載型)
HMS オブデュレート
(4インチ砲搭載型)
基本情報
種別 駆逐艦
命名基準 「O」で始まる単語
運用者  イギリス海軍
 トルコ海軍
 パキスタン海軍
建造数 8隻
前級 M級駆逐艦
次級 P級駆逐艦
要目
基準排水量 1,540 トン
満載排水量 2,400 トン(設計時)
2,625 トン(戦時)
全長 345 フィート (105 m)
全幅 35 フィート (11 m)
吃水 13.5 フィート (4.1 m)
ボイラー アドミラルティ式ボイラー×2基
主機関 パーソンズ式蒸気タービン×2基
推進器 スクリュープロペラ×2軸
出力 40,000 shp
最大速力 37 ノット (69 km/h)
航続距離 3,850 海里 (7,130 km)
※20ノット巡航時
乗員 176名以上
兵装
4.7インチ砲搭載型
4インチ砲搭載型
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O級駆逐艦 (O class destroyer) はイギリス海軍駆逐艦の艦級。1941年から1942年にかけて建造され、戦時急造型駆逐艦(War Emergency Programme destroyers)の第1陣として知られている。

O級駆逐艦は第二次世界大戦において船団護衛を務め、何隻かは戦後の1950年代に対潜フリゲートへ改装された。

概要[編集]

O級駆逐艦は4隻ずつの2グループに分け、建造機関短縮のため兵装をI級駆逐艦のレベル[2]に下げ、船体と機関は前級のJ級駆逐艦を元にして建造された[3][4]

第1グループの4隻の主砲である4.7インチ砲は40度程度までの仰角しかないため、魚雷発射管1基の代わりに4インチ単装高角砲を1基装備した。

第2グループの4隻は主砲を4インチ高角砲に換装したほか、機雷敷設に使用できるようビーバーテイルと呼ばれる平板な艦尾を持ち、機雷敷設艦の任に就く際は機雷を搭載するため最後部の砲塔(Y砲塔)、魚雷発射管、爆雷を降ろさなければならなかった。

対空兵装は4連装ポンポン砲1基と4連装ビッカース対空機関銃2基で設計された。しかし、ビッカース対空機関銃は実用的ではないことが判明したため、エリコン20mm単装機関砲6基に置き換えられた。

O級駆逐艦は8隻とも大戦を生き抜いたが、バレンツ海海戦に参加した5隻のうち、オンズローが大破した。この海戦後、通常のマストからラティスマストに改修されている。

高性能ではないものの、戦時型のプロトタイプに適した艦だった。

戦後、第1グループの4隻は1隻がトルコ海軍、3隻がパキスタン海軍に売却され、うち2隻が1957年から16型フリゲート使用に改修された。第2グループの4隻は「オーウェル」のみが16型フリゲートに改修された。

同型艦[編集]

4.7インチ砲搭載型
# 艦名 造船所 就役 退役 再就役先 # 艦名 再就役 その後
G17 オンズロー[5]
HMS Onslow
ジョン・ブラウン・
アンド・カンパニー
1941年
10月8日
1947年
4月
 パキスタン海軍 不明 ティプー・スルタン
PNS Tippu Sultan
1949年 1957年~1959年にかけて、イギリスで16型フリゲート仕様に改修
1979年に退役、1980年に解体。
G29 オファ
HMS Offa
フェアフィールド・
シップビルディング・
アンド・
エンジニアリング・
カンパニー
英語版
1941年
9月20日
1948年
2月
タリク
PNS Tariq
1949年
11月30日
1959年に退役、解体
G04 オンスロート
HMS Onslaught
1941年
6月19日
1950年 F204
261[6]
トゥグリル
(PNS Tughril
1951年
3月6日
1957年にイギリスで16型フリゲート仕様に改修。
1975年に退役、1977年に解体。
G66 オリビ
HMS Oribi
1941年
7月5日
1946年
1月1日
 トルコ海軍 D15 ガイレット
TCG Gayret
1946年 1965年に解体
4インチ砲搭載型
# 艦名 造船所 就役 その後
G39 オブデュレート
HMS Obdurate
ウィリアム・デニー・
アンド・ブラザーズ
英語版
1942年
9月3日
1964年に退役。1965年に解体。
G48 オビディエント
HMS Obedient
1942年
10月30日
1957年に退役。1962年に解体。
G80 オポチューン
HMS Opportune
ジョン・アイ・
ソーニクロフト
1942年
8月14日
1952年11月に予備役編入。1953年7月に退役。
1955年11月25日に解体。
G98
F98[7]
オーウェル
HMS Orwell
1942年
10月17日
1952年~1953年にかけて、16型フリゲートに改修。
1963年に退役、1965年6月28日に解体。

脚注[編集]

  1. ^ 機雷搭載時には、爆雷とその関連設備、最後尾の砲塔、魚雷発射管を撤去する。
  2. ^ 主砲はトライバル級が2連装砲塔×4基(8門)、J級~M級が2連装砲塔×3基(6門)を搭載していたのに対して、戦時急造型駆逐艦では単装砲塔×4基とされた。
  3. ^ ただし、機関出力はJ級/K級/N級駆逐艦の44,000馬力やL級/M級駆逐艦の48,000馬力に対して、戦時急造型駆逐艦の機関出力は40,000馬力に制限されている。
  4. ^ これらの主砲配置や機関などの基本設計は、イギリス海軍の戦時急造型駆逐艦の最後の形式であるCr級駆逐艦まで基本的に同一であるが、それ以外の船体形状や装備、砲本体や砲架などの細かい点で逐次改良が行なわれている。
  5. ^ 嚮導駆逐艦
  6. ^ 1963年に変更後のペナントナンバー
  7. ^ 16型フリゲートに改修後の新ペナントナンバー

関連項目[編集]