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遊☆戯☆王

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遊☆戯☆王
ジャンル 少年漫画バトル漫画ダークファンタジー
漫画
作者 高橋和希
出版社 集英社
掲載誌 週刊少年ジャンプ
レーベル ジャンプ・コミックス
集英社コミック文庫
発表号 1996年42号 - 2004年15号
巻数 単行本 全38巻+ガイドブック1巻
文庫版 全22巻
話数 全343話
アニメ作品
派生漫画作品
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

遊☆戯☆王』(ゆうぎおう)は、高橋和希による日本漫画及び、それを原作としたメディアミックス作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社刊)にて1996年42号から2004年15号まで連載された。単行本は全38巻、文庫版全22巻。英語表記は「Yu-Gi-Oh!」。

作品解説

ひ弱でいじめられっ子だった高校生・武藤遊戯が、古代エジプトより伝わる闇のアイテム「千年パズル」を入手したことを契機に、彼の中に別人格であるもう1人の遊戯(闇遊戯)が現れ、闇の番人となって世の悪人たちを次々と過激な「闇のゲーム」で叩きのめし、最後には罰ゲームを与えていくというダークヒーロー(アンチヒーロー)的な要素を持った物語。当の高橋和希いわく、本作のコンセプトは「主人公が決して人を殴らないバトル漫画」。原作単行本1巻には、「身の回りの"不思議"をテーマとする」という記述もある。

初期は一話完結式で、遊戯が毎回、悪人相手に様々なゲームを繰り広げていく内容であった。しかし、シャーディー編での人気低迷を受け、読者に好評だった架空のカードゲーム「マジック&ウィザーズ」を再登場させたことで、人気を回復。以降は、「マジック&ウィザーズ」を中心とした話にシフトしていくことになる。

「友情」が大きなテーマとなっており、気弱だった遊戯が様々な仲間達と出会い、友情を育み、そして成長していくという要素が物語の鍵となっている。このテーマは高橋にとって大きなこだわりであり、主人公の遊戯の「遊」と、かつては遊戯をいじめていたが親友となる同級生・城之内克也の「城」をあわせることで「友情」になるなど、キャラクター名にも反映されている。

コミックス及び関連書籍の日本国内での累計発行部数は、2008年で3600万部を突破している。

マジック&ウィザーズ

「マジック&ウィザーズ」(以下、M&W)とは、本作に登場した架空のトレーディングカードゲームである。実在のカードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング』(MtG)がモチーフとなっている。本作の初期では様々なオリジナルゲームが登場しており、M&Wもそのゲームの一つであったが、M&Wは原作漫画に登場したゲームの中でも読者から特に大きな反響を呼び、結果として作品自体が初期の様々なゲームを駆使して悪を討つという設定から、カードゲームに秘められた古代エジプトの神秘の力を巡る戦いへと変遷し、中盤以降はカードゲーム専従の物語が展開するようになる。

その突出した人気から、キャラクターグッズの一環で1998年にバンダイより『遊☆戯☆王カードダス』として、1999年にはコナミより『遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ』(遊戯王OCG)として二度実商品化されている。特にコナミから発売された遊戯王OCGは単なるキャラクターグッズの枠を超えた人気となり、2011年には累計販売枚数251億7000万枚を突破。「世界一販売枚数の多いトレーディング・カードゲーム」としてギネス認定されている[1]。テレビゲームをはじめとした関連商品も数多く発売され、トレーディングカードゲームを題材した類似作品が国内外問わず多数登場している。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


物語

作者は学園編、DEATH-T編、RPG編、決闘者の王国編、D・D・D編、バトルシティ編、王の記憶編の全7章としている。

学園編

  • 第1巻(遊闘1) - 第4巻(遊闘25)、第5巻(遊闘41) - 第6巻(遊闘49)

ひ弱ないじめられっ子だがゲーム好きで明るい性格の高校生・武藤遊戯は、祖父の双六から貰った、誰も解いたことのない古代エジプトの秘宝「千年パズル」を8年間も組み立て続けていた。様々な困難を乗り越え、遂にパズルを解くことに成功した遊戯。その瞬間、ゲームの天才としての技量を身につけた大胆不敵なもう一つの人格、闇遊戯が覚醒する。以降、遊戯自らも気が付かないままに闇遊戯は表出し、世の中にはびこるならず者に「闇のゲーム」を仕掛け、敗北すれば恐ろしい「罰ゲーム」を下して成敗してゆく闇の番人となる。

そんなある日、友人の城之内克也らとカードゲーム「M&W(マジック&ウィザーズ)」をプレイしていた遊戯は、M&Wの強豪で同級生の海馬瀬人に、双六の大切なカード「青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイトドラゴン)」を盗まれる。遊戯の心を傷つけた海馬を倒し、ブルーアイズを奪い返すため、闇遊戯はM&Wで海馬に勝負を挑む[2]

その後、遊戯はエジプトから訪れた謎の青年・シャーディーとの出会いを経て、千年パズルに秘められた謎に足を踏み入れてゆくこととなる。

DEATH-T編

  • 第4巻(遊闘26) - 第5巻(遊闘40)

闇遊戯にM&Wで敗北した海馬は、遊戯に対する逆恨みから「DEATH-T(死のテーマパーク)」という復讐計画を遂行する。自身が社長を勤める「海馬コーポレーション」の財力を用いてテーマパーク「海馬ランド」を建設していた海馬は、そこに設置された死のアトラクション「DEATH-T」に遊戯たちを招き入れる。海馬は、事前に拉致していた双六に「デュエルボックス」でデュエルを挑み、さらには敗北した双六の信じる心が宿ったカード「青眼の白龍」を破り捨てた上に、自身が体験した罰ゲームの擬似体験を老体の双六に冷徹にも下す。双六を助けるためDEATH-Tに挑むことになった遊戯たちは、海馬が仕掛ける危険なアトラクションや様々な刺客との闘いを潜り抜け、海馬の待つ最上階へと向かう。

RPG編

  • 第6巻(遊闘50) - 第7巻(遊闘59)  

DEATH-Tでの出来事が忘れ去られようとしていたある日、不思議な雰囲気を持つ美少年・獏良了(ばくら りょう)が遊戯たちのクラスに転校して来た。獏良は転校を繰り返し、自ら友達を作ろうとしない孤独な少年であった。そんな獏良が所有する千年アイテムの1つ「千年リング」は遊戯の千年パズルと同様にもう一つの人格を宿していた。しかし、その人格は凶悪そのものであり、獏良の友人を次々と襲っており、獏良が転校を繰り返す原因となっていた。何も知らない遊戯たちは、獏良を心配して家を訪れる。獏良はかつての二の舞にならぬ様に遊戯たちを拒絶するが、もう一つの人格バクラによって肉体を乗っ取られてしまう。バクラは遊戯たちを上手く欺き、彼らとTRPGモンスターワールド」を開始する。しかし、徐々にそれが命をも落としかねない闇のゲームであったことが明らかとなってゆく。遊戯たちは困惑するなか、モンスターワールドにおいて絶対的支配者・ゲームマスターに君臨するバクラに命がけの勝負を挑む。この戦いのなかで、遊戯は初めて闇遊戯と対面する。

決闘者の王国編

  • 第7巻(遊闘60) - 第15巻(遊闘133)

M&W全国大会決勝戦の日、それをテレビで観戦する遊戯のもとに、M&Wの創造者であるペガサス・J・クロフォードから1通のビデオレターが届いた。そのビデオレターに映ったペガサスは、遊戯にビデオの中でデュエルを挑むと宣言する。困惑しながらもデュエルを開始した遊戯だが、1ターン目のやりとりで闇のゲームであることに気付き、闇遊戯が戦いに出る。闇遊戯はペガサスの策略に苦しみながらもあと一歩のところまで追いつめるが、ビデオテープの時間切れによって敗北する。その罰ゲームとして、双六の魂がビデオテープに封印されてしまった。ペガサスは双六を助ける条件として、自らが主宰するM&W大会「決闘者の王国(デュエリストキングダム)」への参加を要求し、そして最後に自分が千年アイテムの1つ「千年眼(ミレニアム・アイ)」の所有者であることを告げる。遊戯は双六を救うため、「決闘者の王国」への参加を決意。一方、城之内は離れ離れに暮らす妹・静香から送られたビデオレターを見て、彼女が先天性の病気で近く失明してしまうと知る。最先端の医療を受けさせて静香の目を治すと決めた城之内もまた、賞金を勝ち取るために王国に参加する。ペガサス島で始まった「決闘者の王国」には国内各地から名だたるデュエリストが集い、様々な思いが交錯するなか、遊戯たちはそれぞれの目標を果たすために激戦を勝ち抜いていく。そんな遊戯たちの前に、海馬瀬人の弟・モクバが現れ、ペガサスが海馬コーポレーション占領を企てていることを話す。だが、その直後にモクバはペガサスに拉致されてしまった。その頃、DEATH-Tで闇遊戯の罰ゲームを受けて以来、意識不明の状態が続いていた海馬も意識を取り戻し、モクバ救出と自社防衛のために島を訪れる。

王国編のデュエルは、上級モンスターカード召喚に生け贄(現在はリリースに改称)が不要、ライフポイント2000、ダイレクト・アタック不可[3]といった、バトルシティ編以降のルールとは違うルールだった。また、ソリッドビジョンシステムはテーブル型で、この王国編ではのちの次世代決闘盤(デュエルディスク)の雛型である投げる決闘盤も登場した。

D・D・D編

  • 第16巻(遊闘134) - 第17巻(遊闘145)

「決闘者の王国」での闘いから数日。遊戯たちの住む童実野町に、最新ゲーム店「ブラック・クラウン」がオープンした。店オリジナルの新作ゲームD・D・D(ドラゴン・ダイス&ダンジョンズ)を購入しようとブラック・クラウンに行赴いた遊戯は店主のMr.クラウンの罠にはまり、千年パズルを奪われてしまう。双六に強い恨みを持つMr.クラウンはその恨みを晴らすため、D・D・Dを創りだした息子・御伽龍児と遊戯を対戦させる。千年パズルを奪われた遊戯は、パズルと闇遊戯を取り戻すため、自分一人の力で戦いに臨む。

バトルシティ編

  • 第17巻(遊闘146) - 第31巻(遊闘278)

ある日、海馬は童実野美術館にて、エジプト政府要人・エジプト考古局長官のイシズ・イシュタールと出会う。彼女は、海馬に「3枚の神のカード」にまつわる伝説と、その神のカードの内2枚がレアカード強奪集団「グールズ」によって奪われたことを聞かせ、残された1枚である「オベリスクの巨神兵」を託すと共に、奪われた神のカードの奪還を依頼する。海馬は依頼を承諾し、カード奪還のため、アンティルールを適用したデュエル大会「バトルシティ」の開催を宣言する。時同じくして、童実野美術館を訪れた闇遊戯は、エジプトで出土した5枚の大きな石版を目の当たりにする。そこに刻まれていた、まさしく彼自身の姿を模した彫刻に闇遊戯は戸惑うと共に、自らの失われた記憶を取り戻す鍵が神のカードにあるのではないかと推測する。

一方、グールズ側もバトルシティに向けて動き出していた。バトルシティ開催前夜、城之内は自分の切り札である「真紅眼の黒竜」をグールズのレア・ハンターに奪われてしまう。翌日に真紅眼の黒竜は闇遊戯の手で奪還されるが、この一件で己の未熟さを思い知らされた城之内は真紅眼の黒竜を闇遊戯に預け、真紅眼の黒竜無しでバトルシティを戦い、自分が真の決闘者になったその時に真紅眼の黒竜を受け取り、改めて闇遊戯とデュエルすることを誓うのだった。また、「オシリスの天空竜」、「ラーの翼神竜」、千年アイテムの1つ「千年ロッド」の所持者であるグールズの総帥・マリクも童実野町入りし、海馬の持つ「オベリスクの巨神兵」とその他のレアカード、更には遊戯の命を狙って、部下と共に活動を開始する。遊戯、城之内、海馬、マリクらは決勝トーナメントに勝ち上がるが、そこには奇しくも千年アイテムと、そしてそれに少なからぬ因縁を持つ者たちが集まっていた。だが、大会がいよいよ終幕に近づいたとき、マリクに宿っていた邪悪な人格が目覚めたことで、事態は急変していく。

王(ファラオ)の記憶編

  • 第32巻(遊闘279) - 第38巻(遊闘343)

バトルシティ大会を制し、3枚の神のカードを手に入れた闇遊戯。その神のカードを童実野美術館の石版の前にかざした瞬間、闇遊戯は古代エジプトの王宮の王座に身を置いていた。闇遊戯は、千年アイテムを身に付けた側近や六神官からファラオと呼ばれるが、自身の真の名は分からずじまいであった。その直後、沢山の金銀財宝を抱える盗賊王バクラが王宮に乱入。神官らとバクラは互いに魔物や精霊を召喚して「ディアハ」と呼ばれる戦闘を行うが、その姿はまさしく、現代におけるM&Wそのものであった。バクラの強力な精霊に次第に神官団は圧倒され始めたため、闇遊戯は神を率いてバクラに戦いを挑む。一方、美術館に残された遊戯たちは闇遊戯の本当の名と記憶を明らかにすべく、闇遊戯(ファラオ)の記憶の世界へ入り込み、やがて王の真の名が封印されている王家の谷へと向かう。しかし、その奥にはバクラが立ちはだかり、遊戯にM&Wでの戦いを挑む。両者の戦いが激化していくなか、彼らはファラオの真の名を探り当てる。その名は「アテム」。

原作初期で獏良が初登場したモンスターワールド編を布石とした、本編のクライマックス。物語上の様々な謎や伏線はほぼ、この章で明らかとなる。

闘いの儀

全ての記憶を取り戻したアテム。1ヵ月後、アテムを冥界へ帰すため、イシュタール家の誘いでエジプトを訪れた遊戯たちは、マリクから「闘いの儀」について聞かされる。誰かがアテムとデュエルを行い、魂を安らかに眠らせる必要があるというのである。その戦いは、遊戯が自らの意思で受けることとなった。ルクソールの王家の神殿で始まった、遊戯とアテムの最後のデュエル。仲間達に見守られるなか、二人はお互いに一歩も引かず、一デュエリストとして真剣勝負を繰り広げる。

闘いの儀は、展開が省略されずに描かれたデュエルのなかでは、最初の遊戯vs海馬戦の次に、短いデュエルとなっている。これは、作者が連載終盤に吐血するなどの体調不良に見舞われたため、予定より連載終了時期を早めたためである。アニメでは原作をもとに大幅な肉付けがなされ、なかなかの長期戦になっている。

登場人物

千年アイテム

本作において重要なカギを握るアイテム。1つ1つ異なる不思議な力を持つ。全ての千年アイテムは黄金で出来ており、千年錠を除く全てにウジャト眼の紋章が付けられている。所持者は、闇のゲームを仕掛け敗者に様々な罰ゲームを与えることができる[4]。しかし誰でも使いこなせるわけではなく、千年アイテムはそれ自体が所持しようとする者の魂を試し、所有するに値しない者と判断された場合は魂を焼かれる。古代に於いては「千年宝物」と表記され、人間の心に宿る魔物や精霊を呼び出し、操るための力として使われた。

数千年前、隣国の大軍隊により国が滅亡の危機に扮した際、時の神官アクナディンが、王アクナムカナンにも秘密裏に盗賊の村、クル・エルナ村の住民を冥府への生贄として黄金と一緒に溶かして製作したアイテムで、後に個々の能力を生かし、罪人を裁いたり、国の危機を事前に予見するために使われるようになる[5]が、本来は冥界の石版へアイテムを収めた人間の「闇」を冥府との契約により実体化するための触媒でもあった。

かつては一箇所にまとめられていたが、現在ではさまざまな経緯を経て世界中に散っている。しかし、千年アイテムはそれぞれがパズルのパーツのようなもので、時が来れば互いに引き合い「王の記憶の石版」に集まるとされている。

M&Wにおける「神のカード」を使用する際にも必要である。

作中に登場するのは7つであるが、カードゲーム等の他の媒体では例外が存在する。

千年パズル/千年錐(せんねんパズル/せんねんすい)
初出:学園編
所有者 - 現代:武藤遊戯/王の記憶編:アテム(古代エジプト第18王朝ファラオ)
誰も解いたことのないパズル。多くのピースを組み合わせる立体型のパズルで、完成すると四角錐を逆さにした形になる。本作の主人公である武藤遊戯がこのパズルを解き完成させたことから全ての物語は始まる。この千年パズルが収納されている箱には「我を束ねし者、闇の知恵と力を与えん」という言葉が刻まれている。
内部にはかつて古代エジプトで起きた戦いの末相討ちとなった古代のファラオ(アテム)の魂と闇の大神官の魂が封じ込められている。封じ込められた魂の記憶を映し出す投影機としての能力を備えており、古代編の物語は千年パズルがバクラの闇RPG(ダーク・ロールプレイング・ゲーム)のフィールドに投影したもの[6]
千年秤(せんねんばかり)
初出:学園編
所有者 - 現代:シャーディー/王の記憶編:神官カリム
裁かれし者の目の前にかざす事で、罪の重さを量る天秤。秤が傾きの有無や大きさで対象の邪念の大きさを計ることが出来る。初期の学園編でシャーディーがこれを用い、童実野美術館館長の金倉を裁いている。
古代においては罪人を裁くための他、2体以上の魔物を融合させるための力としても使われた。
千年錠(せんねんじょう)
初出:学園編
所有者 - 現代:シャーディー/王の記憶編:神官シャダ
人の心の部屋を覗き、また中に入りこむ力を持つアンク型の鍵。心の部屋を見ることによってその者の全てが分かり、また心の部屋を模様替えして人を操ることもできる。操られた者は、千年錠に触れることによって開放される。千年錫杖、千年眼を併せ持ったような能力を持つが、こちらは前述の通り相手の心の中に一度入り込まないといけない。原作初期の学園編でシャーディーはこれを使用し、遊戯、杏子、吉森教授などの心の部屋に入り込んでいる。
古代においては、人の心に魔物が宿っているかを見極めるために使われていた。
千年輪(せんねんリング)
初出:学園編
所有者 - 現代:獏良了/王の記憶編:神官マハード
輪の内側にピラミッドを模した様な三角形、外側に円錐状の指針が5本付いたペンダント。形ある物に、人間の心や念を封じ込める能力を持つ。また、指針によって方位磁針のように邪念を感知する能力を持つ(現代では他の千年アイテムの感知能力として使われた)。
内部にはかつて古代エジプトで起きた戦いの際に、闇の大神官の片割れ・魂の一部である「バクラ」の魂が封じられており、たびたび宿主の獏良了は人格を乗っ取られる。その際には、千年輪の指針が胸に食い込むなど痛々しい場面が見られる。 宿る意思が邪悪かつ活動的であるため、作中で頻繁に所有者の獏良了から他人の手に渡っている。
古代では、その邪念感知の力が王墓の防衛のために使われていた。
千年眼(せんねんがん、ミレニアムアイ)
初出:決闘者の王国編
所有者 - 現代:ペガサス・J・クロフォード/王の記憶編:神官アクナディン
人の思考や心の内を読み取る能力を持つ義眼。所有者のペガサスはこの力を「マインド・スキャン」と呼んでおり、デュエルにおいてはほぼ無敵の力を発揮できる。
所有者となるには自身の眼球を抉り出しその場所に千年眼を埋め込まなければならず、資格を有する者であってもかなりの苦痛を要するが、所有に成功した場合は願い事を1つだけ叶えるという。
古代では罪人の魔物を暴き出し、抽出して実体化させるために使われた。
千年首飾り(せんねんタウク)
初出:バトルシティ編
所有者 - 現代:イシズ・イシュタール/王の記憶編:神官アイシス
近未来を映像として視る(視せる)能力を持つ、チョーカー型の首飾り。視た未来は断片的にしか見ることが出来ない代わりに絶対の物であったが、バトルシップでの海馬とのデュエル後、予知した未来が覆されたことで未来を予知する力が失われた。しかし、マリクとのデュエルで瀕死の状態に陥った城之内を目の当たりにして闘う意思を無くしてしまった遊戯に、一時的に未来の映像を視せている。また、アニメ版ではイシズはこの能力を用いて海馬に古代エジプト(過去)の映像を視せている。
千年錫杖(せんねんロッド、ミレニアム・ロッド、せんねんしゃくじょう)
初出:バトルシティ編
所有者 - 現代:マリク・イシュタール/王の記憶編:神官セト
人の心に自分の意思を植え付け、記憶を支配して精神と肉体を操る能力を持つ杖。ただし、洗脳するには杖で対象に触れる必要がある。杖の部分のカバーを外すと鋭い刃物のようになっており、千年アイテムの中で唯一純粋な武器として使用する事も可能。また、他者と心を通じて完全な意思疎通を図る事もでき、リシドをはじめグールズの部下達とは心を通じて会話を可能にしていた。ちなみに、演出ではあるが眼の刻印から光線が発射された事がある。これは千年眼も同様。
なお、現代での所持者であるマリクは武藤遊戯、獏良了同様に闇の人格を有するが、他の2人と違いマリクの闇人格は幼少期の過酷な経験から生み出された二重人格であり、千年錫杖に宿った物ではない。千年錫杖は所有者に古代神官文字の解読を可能とさせる啓示を与えるが、マリクの主人格には真の啓示は与えられていなかった。
古代では、人の心から実体化した魔物を封印の石版に封じ込めるために使われていた。
その他
千年魔術書(せんねんまじゅつしょ)
7つの秘宝(千年アイテム)の精製法である、99人の人間を生贄に卑金属を神秘の力を持った黄金の宝物に変える「闇の錬金術」が記された禁断の魔術書。
内容の呪文は100年以上解読されていなかったが、若き日のアクナディンにより解読され、千年アイテムが生み出された。
千年の盾(せんねんのたて)
カードゲームの『デュエルモンスターズ』にて登場した千年アイテム。
初期テキストでは千年アイテムの一つと明言されていたが、その後テキストからは千年アイテムという単語は削除され、「古代エジプト王家より伝わるといわれている伝説の盾」に変更された。
千年原人(せんねんげんじん)
カードゲームの『デュエルモンスターズ』にて登場した千年アイテムを所持する原人。
しかしながらイラストに描かれている千年アイテムは、など作中には登場しないオリジナルのものとなっている。

作中に登場したゲーム

何かにつけてカードゲームに注目が行ってしまう『遊☆戯☆王』だが、劇中にはその他にもオリジナルゲームが数多く登場している。

マジック&ウィザーズ(デュエルモンスターズ)
初登場2巻。プレイヤーは魔法使いという設定で手持ちのカードを用いて相手のライフポイントを奪い合うトレーディングカードゲーム。アニメでは「デュエルモンスターズ」という名称に変更された。
詳しくは#マジック&ウィザーズ遊☆戯☆王ゼアル オフィシャルカードゲームを参照。
カプセル・モンスター・チェス
初登場3巻。通称カプモン。チェスに似たゲーム。コマにカバーが付いていて、対戦するまで中のモンスターが解らないというもの。コナミから劇中に登場したものを再現したゲーム盤とコマが発売されたほか、後にPSGBCPS2コンピュータゲーム版も発売された。
バンダイからは1999年にガシャポンにて同名の商品が発売されているが、原作と異なり収録されているコマはマジック&ウィザーズのモンスターからの流用であった。
デジタル・ペット君
3巻で登場。たまごっちのようなキーホルダーゲームで、液晶内のペットを育成できる他、ゲーム機同士を連結させてデータを交換することが可能。
モンスターファイト
6巻で登場。取っ手の付いたモンスターの人形を、対戦相手の人形と連結して戦うゲーム。
龍札(ドラゴン・カード)
6巻で登場。中国古来から伝わる5属性の龍が描かれた「龍札」を出し合うカードゲーム。アニメでは「ドラゴン・ブロック」と呼ばれる類似ゲームに変更された。
モンスターワールド
初登場6巻。盤上の駒を用いて冒険を行うテーブルトークRPG(TRPG)。闇の支配者(ダークマスター)側1名と冒険者側数名にプレイヤーを分け、冒険者側が闇の支配者を倒すことを目的にフィールド上の駒を進めていく。舞台となる山・村・城などの盤をつなぎ合わせ、フィールドを拡張できるのが特徴。
DDD(ドラゴン・ダイス&ダンジョンズ)
初登場16巻。中にモンスターが収められた、開閉して展開する特殊なサイコロを使用して進める、ボードゲームTRPGの掛け合わせのようなゲーム。アニメでは「ダンジョンダイスモンスターズ」(DDM)という名称に変更されている。実在するTRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」(D&D)を意識して作られたもの。
コナミから『遊☆戯☆王ダンジョンダイスモンスターズ』として、劇中に登場したものにアレンジを加えて商品化したもの(ゲームボードとコマ、ダイスのセットキット)が発売されたほか、後にGBAコンピュータゲーム版も発売された。製品版のモンスターは、ほとんどがカードゲームのモンスターの流用である。逆にこのDDDに登場した「速攻の黒い忍者」がOCG化され、「ゴッドオーガス」もアニメでカードとして登場した。

関連書籍

単行本

文庫版

小説

ジャンプ ジェイ ブックス集英社)より発売された小説版。

『遊☆戯☆王』(1999年)
著者:千葉克彦
原作第1話、および遊戯対海馬の初戦、DEATH-T編のノベライズ。さらに書き下ろしでDEATH-T編の後日譚が語られている。
『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 光のピラミッド』(2004年)
著者:武上純希、デュエル構成:彦久保雅博
劇場版アニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 光のピラミッド』のノベライズ。

ガイドブック・画集

  • 遊☆戯☆王 キャラクターズガイド -真理の福音-(2002年11月発行、ISBN 4-08-873363-0
  • DUEL ART 高橋和希 遊☆戯☆王イラスト集(2011年12月発行、ISBN 978-4-08-782398-1

関連作品

週刊少年ジャンプ』での連載終了後には、派生作品として以下の5作品が発表されている。

遊☆戯☆王R』(2004年 - 2007年)
掲載誌:Vジャンプ
原案・監修:高橋和希、漫画:伊藤彰、協力:ブレインナビ[7]
原作のバトルシティ編直後を描いたアナザーストーリー。作者は本作を「天馬動乱編」と称している。
遊☆戯☆王GX』(2005年 - 2011年)
掲載誌:Vジャンプ
原案・監修:高橋和希、漫画:影山なおゆき、協力:ブレインナビ[7]
アニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』のコミカライズ版。キャラクターの性格や生い立ちなど細かい設定がアニメ版と異なる別作品。
直接的な描写は無いが、原作との関連をほのめかす演出がある。
遊☆戯☆王5D's』(2009年 - 連載中)
掲載誌:Vジャンプ
ストーリー:彦久保雅博、漫画:佐藤雅史、協力:スタジオ・ダイス
アニメ『遊☆戯☆王5D's』のコミカライズ版。『GX』同様キャラクターの性格や世界設定がアニメ版と大きく異なっており、完全なる別作品である。
直接的な描写は無いが、原作との関連をほのめかす演出がある。
遊☆戯☆王ZEXAL』(2010年 - 連載中)
掲載誌:Vジャンプ
原案・監修:高橋和希/スタジオ・ダイス、ストーリー:吉田伸、漫画:三好直人
原作とのストーリー上の関連性は明言されていない。
遊☆戯☆王 Dチーム・ゼアル』(2012年 - 連載中)
掲載誌:最強ジャンプ
原案・監修:高橋和希、漫画:友永晃浩、協力:ウェッジホールディングス

アニメ

テレビアニメ

原作漫画『遊☆戯☆王』は2度アニメ化されている。1作目は1998年にテレビ朝日系で東映アニメーション制作による『遊☆戯☆王』、2作目は2000年にテレビ東京系でASATSU-DK系列のNAS制作による『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』である。

最初のアニメ化作品である『遊☆戯☆王』は半年で放送終了となったが、1999年コナミより発売された『遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ』のヒットを受け、1作目の放送終了からわずか一年半という期間で『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』として再びアニメ化されることとなった。この2作品は制作会社、放送局、担当声優などが異なっており、全く関連のない別作品として扱われている。[8]

遊☆戯☆王
1998年4月4日から10月10日テレビ朝日系(フルネット局)で放映。東映アニメーション制作。全27話。
原作第1巻学園編から第7巻TRPG編までのアニメ化作品。以下の後続作品とは全く関連性をもたない。
遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
2000年4月18日から2004年9月29日テレビ東京系で放映。NAS制作。全224話。
原作第7巻から始まる決闘者の王国編から最終38巻までのアニメ化作品。王国編より前のエピソードは省かれているが、物語上重要なもののみ要所で挿入され補完されている。

後続作品

原作部分完結後(2作目『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』完結後)、主人公や設定を一新したアニメオリジナル作品『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』(2004年 - 2008年)、『遊☆戯☆王5D's』(2008年 - 2011年)、『遊☆戯☆王ZEXAL』(2011年 - 2012年)、『遊☆戯☆王ZEXALII』(2012年 - )が制作・放映されている。全作品NAS制作。『GX』・『5D's』については『デュエルモンスターズ』の世界観を引き継いでいる。

遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX
2004年10月6日から2008年3月26日にテレビ東京系で放映。全180話。
『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』の世界観を継承した新シリーズ。以後の作品は全てアニメオリジナル展開作品。
遊☆戯☆王5D's
2008年4月2日から2011年3月30日にテレビ東京系で放映。全154話。
『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』の数十年後が舞台。
遊☆戯☆王ZEXAL
2011年4月11日から2012年9月24日にテレビ東京系で放映。全73話 + 番外編1話。
『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』や『遊☆戯☆王5D's』と異なり過去作品とのストーリー上の関連性は明言されていない。
遊☆戯☆王ZEXALII
2012年10月7日からテレビ東京系で放送中。
『遊☆戯☆王ZEXAL』の続編。正確には改題で、話数も『ZEXAL』から継続されている。

日本国外作品

遊☆戯☆王デュエルモンスターズALEX』 (Yu-Gi-Oh! Capsule Monsters)
2006年にアメリカの4キッズエンタテインメントが制作したミニシリーズ。日本未放映。『遊☆戯☆王カプセルモンスターズ』とも呼ばれる。全12話。『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』の番外編。

劇場用アニメ

1999年に初の劇場版作品『遊☆戯☆王』が公開。2004年には全米公開用に制作されたオリジナル長編映画『Yu-Gi-Oh! The Movie』(邦題:『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 光のピラミッド』)が公開。さらに、2010年にはテレビ東京系アニメシリーズの10周年[9]を迎えることを記念して、歴代主人公の武藤遊戯(遊☆戯☆王デュエルモンスターズ)、遊城十代(遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX)、不動遊星(遊☆戯☆王5D's)の3人が共演する『10thアニバーサリー 劇場版 遊☆戯☆王 〜超融合!時空を越えた絆〜』が2010年1月23日より全国のワーナー・マイカル・シネマズTOHOシネマズティ・ジョイユナイテッドシネマの3Dシアターにて公開された。

  1. 遊☆戯☆王』 - 1999年、「'99春東映アニメフェア」の1つとして公開。
  2. 遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 光のピラミッド』 - 2004年に全米で公開。日本では劇場公開はされなかったが、上映イベントが行われた。
  3. 10thアニバーサリー 劇場版 遊☆戯☆王 〜超融合!時空を越えた絆〜』 - 2010年1月23日公開の3D映画。また2011年2月26日からアンコール上映された。

ゲーム

その他

  • ボボボーボ・ボーボボ』 - コラボ企画としてボーボボのアフロヘアーの中から「高橋本人が描いた闇遊戯」が登場し、「澤井の描いたオシリスの天空竜」を召喚。さらに『遊☆戯☆王』内に「ボーボボ」の「ぬのハンカチ」が登場した。さらにコラボ企画以前の単なるパロディとして、ボーボボが腕にデュエルディスクを装着しているシーンがあった。
  • こちら葛飾区亀有公園前派出所』 - カードゲームを扱った話で遊戯王OCGの事が語られており、『超こち亀』でも両津勘吉がオベリスクの巨神兵を召喚している絵を高橋本人が寄稿している。
  • 16ブロック』 - 劇中でモス・デフ演じるエディ・バンカーが「“遊戯王”って知ってる?今流行ってるんだぞ」と言うシーンがある。
  • 「学園編」の闇遊戯の表情や「記憶編」の大邪神ゾークのデザインなど、文庫版では一部の作画が描き直されている。

脚注

  1. ^ KONAMI公式サイト
  2. ^ ちなみに、この辺りの双六の行動に関しては、のちに文庫版にて「双六は海馬と闇遊戯(アテム)の関係も、青眼の白龍との因縁もすべて承知で、遊戯と海馬の成長のきっかけとするため海馬を煽り立てたのではないか」といった解説がなされている。
  3. ^ アニメではペガサスが直接説明している。
  4. ^ 千年アイテムによらない闇のゲームも数種存在する。
  5. ^ シャーディーは、「王墓をあばき財宝を盗み出す罪人を裁くために生み出されたもの…『ペル・エム・フルの書』にそう記されている」と語ったが、罪人を裁くために使われるようになったのは戦争終結後である。
  6. ^ ゆえに史実とは異なる。実際に作中で事実として語られる内容と大きくずれがある。このため極端な話現代パートで確認できるセト、マハード、アクナディン以外の神官が本当に以下で述べる名だったのかすら不明。
  7. ^ a b コミックスでは未表記。
  8. ^ ただし、遊☆戯☆王デュエルモンスターズGXで、姫小路 薫子や影山 リサ等、東映版遊☆戯☆王オリジナルキャラクターの名前が出る場面が存在する
  9. ^ 1998年にテレビ朝日系で放映された東映版の『遊☆戯☆王』はカウントされていない。

外部リンク