第58回ベルリン国際映画祭

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第58回ベルリン国際映画祭は、2008年2月7日から17日まで開催され、400本以上の作品が上映された。

概要[編集]

コンペティション部門には長編21本が出品された。オープニングは2006年に行われたローリング・ストーンズのチャリティコンサートを追ったマーティン・スコセッシのドキュメンタリー映画『シャイン・ア・ライト』。また、マドンナが監督デビュー作となる『Filth and Wisdom』をパノラマ部門に出品した。他にもパティ・スミス等のドキュメンタリー作品が上映され、音楽色の濃い映画祭となった。

金熊賞は、麻薬組織と戦う警察特殊部隊を描いたブラジル映画エリート・スクワッド』が受賞した。また、審査員グランプリを受賞したエロール・モリスの『Standard Operating Procedure』はアブグレイブ刑務所で起きた虐待事件を追ったドキュメンタリー映画で、ドキュメンタリー作品の受賞は稀であるため話題となった。

日本映画[編集]

日本映画では、コンペティション部門に山田洋次の『母べえ』がノミネートされたが、受賞はならなかった。

また、フォーラム部門では熊坂出の『パーク アンド ラブホテル』、廣末哲万の『ひぐらし』、高橋泉の『すんでひらいて』、若松孝二の『ゆけゆけ二度目の処女』、『天使の恍惚』、『壁の中の秘事』、『実録・連合赤軍』が、パノラマ部門では今泉浩一の『初戀 Hatsu-Koi』、荻上直子の『めがね』などが上映された。熊坂出最優秀新人作品賞を、若松孝二は『実録・連合赤軍』で最優秀アジア映画賞ならびに国際芸術映画評論連盟賞を、荻上直子はザルツゲーバー賞を受賞した。

受賞[編集]

上映作品[編集]

コンペティション部門[編集]

長編映画のみ記載。アルファベット順。邦題がついていない場合は原題の下に英題。

題名
原題
監督 製作国
すずめの唄
Avaze gonjeshk-ha ( w:The Song of Sparrows)
マジッド・マシディ イランの旗 イラン
Ballast ランス・ハマー アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
アバンチュールはパリで
밤과 낮
ホン・サンス 大韓民国の旗 韓国
Caos calmo
(Quiet Chaos)
アントニオ・ルイージ・グリマルディ イタリアの旗 イタリアイギリスの旗 イギリス
エレジー
Elegy
イザベル・コイシェ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
Feuerherz
(Heart of Fire)
ルイジ・ファロルニ ドイツの旗 ドイツイタリアの旗 イタリア
 オーストリアフランスの旗 フランス
w:Gardens of the Night ダミアン・ハリス アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ハッピー・ゴー・ラッキー
Happy-Go-Lucky
マイク・リー イギリスの旗 イギリス
ずっとあなたを愛してる
Il y a longtemps que je t'aime
フィリップ・クローデル フランスの旗 フランスドイツの旗 ドイツ
Julia エリック・ゾンカ フランスの旗 フランスアメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
メキシコの旗 メキシコベルギーの旗 ベルギー
母べえ 山田洋次 日本の旗 日本
HANAMI
Kirschblüten - Hanami
ドーリス・デリエ ドイツの旗 ドイツ
Lady Jane ロベール・ゲディギャン フランスの旗 フランス
レイク・タホ
Lake Tahoe
フェルナンド・エインビッケ メキシコの旗 メキシコ日本の旗 日本アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
スリ
文雀 Man jeuk
ジョニー・トー 香港の旗 香港
Musta jää
(Black Ice)
ペトリ・コトヴィカ  フィンランドドイツの旗 ドイツ
Restless アモス・コレック イスラエルの旗 イスラエルフランスの旗 フランスドイツの旗 ドイツ
Standard Operating Procedure エロール・モリス アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
There Will be Blood
ポール・トーマス・アンダーソン アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
エリート・スクワッド
Tropa de Elite
ジョゼ・パジーリャ ブラジルの旗 ブラジルオランダの旗 オランダアメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
我らが愛にゆれる時
左右 (w:In Love We Trust)
ワン・シャオシュアイ 中華人民共和国の旗 中国

コンペティション外[編集]

審査員[編集]

サンドリーヌ・ボネールスザンネ・ビアは直前に辞退[1]

脚注[編集]

外部リンク[編集]