栞と紙魚子

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栞と紙魚子』(しおりとしみこ)は、諸星大二郎漫画少女向けホラー雑誌である「ネムキ」に不定期連載中。2008年、第12回文化庁メディア芸術祭においてマンガ部門優秀賞を受賞した。

「栞と紙魚子の怪奇事件簿」として連続ドラマ化され、栞役を南沢奈央、紙魚子役を前田敦子(当時AKB48)が演じた。

概要[編集]

諸星大二郎の初めての少女向け作品。基本的に一話完結の短編である。

胃の頭町(いのあたまちょう)に住む主人公の二人が、周囲で起こる怪奇現象に巻き込まれる、少女向けホラー作品。作中の脇役達はクトゥルフ神話を元ネタとする奇妙な生き物など、奇々怪々な面構えとなっているが、主人公が非日常に溶け込み、独特の不条理めいてユーモラスな世界観を作り出している。

主な登場人物[編集]

栞(しおり)
名前は本に挟むから。主人公であり、「生首事件」から登場。
新刊書店の娘。バラバラ死体の生首を持ち帰ったり、幽霊と噂される生物を虫取り網で捕まえたり、変わった実が流れてきたからと自殺者のある川に近づいたりと、神経が何本か抜けていると評される女子高生
ロングヘアの美少女であり、その容姿が怪現象を引き起こす事もしばしば。
紙魚子(しみこ)
名前は本の隙間などに生息している紙魚という昆虫から。主人公であり、栞同様「生首事件」から登場。
古書店「宇論堂」の娘。三つ編みで眼鏡を掛けた理屈屋な女子高生。栞の好奇心を諌める役割を持つが、一方で古本・珍本マニアであり、希少本を目の前にすると見境を失くしてしまう。また性格は豪胆で、本を立ち読みする幽霊を相手にハタキで挑発する他、悪霊をひっぱたいて説教する事もある。
ボリス
栞の飼う6歳の雄猫。人間に化けられるが、ネコとしての性別や年齢に比例した姿である「禿げ気味の中年男性」にしかなれない。その姿で、やはり人間に化けた子分の野良猫・シマキチともに雑貨屋「ねこや」を経営している。
モデルは作者の飼いムサシ。
クトルーちゃん
名前はクトゥルフ神話クトゥルーから。
栞がベビーシッターのアルバイトを通じて出会った子供。ボサボサの髪、大きなリボン、大きく影の濃い目、暗めの色のドレスと不気味な容姿をしている。「テケリ・リ!」と叫び、ぬいぐるみを振り回しながらはしゃぐ、虫を食べる、首が180度回る、股間と首が入れ替わるなど、奇行が多い。
段一知(だんいっち)
名前はハワード・フィリップス・ラヴクラフトダンウィッチの怪から。
クトルーちゃんの父であり、連載初期に胃の頭町のボロ屋敷に引っ越してきたホラー作家。容姿はラヴクラフトによく似ているが、作中では常に黒いスーツを着ている。
民俗学に通じており怪異には好奇心旺盛な態度を見せるが、妻には頭が上がらない。
クトルーちゃんの母
巨大な顔を持つ、段一知の妻。「外国人」だが、日本以外の国家出身という意味ではない。太古の邪神「プープーピヨマンガ」を遠縁の叔母に持つ。世界滅亡を図る魔道師の呪文によって呼び出されたところ、偶然段一知と出会い、それをなれそめとして結婚に至った。色白で整った巨大な顔と長い腕、節足動物軟体動物を彷彿とさせる足を持つが、作中で全身が描かれたことはない。しかし物語中盤のエピソードをきっかけに、文字通り「外国人風」の白色人種的な姿でも登場するようになる。
性格は至って普通の妻であり、良き母親。段一知を熱烈に愛しており、一同で「百物語」を開いた折、なれそめをのろけながら周囲に語る程。しかし夫の浮気を疑えば猛烈に攻め立てる。
胃の頭七不思議「お化け屋敷の小説家の奥さん」に数えられている他、町の物の怪達からも胃の頭イチの実力者として認知されており、菱田きとらや長姫、更には弁財天ですら一目置いている。
鴻鳥友子(こうのとりともこ)
栞たちの同級生であり、「蔦屋敷」と呼ばれる大きなお屋敷に住むお嬢様。人肉料理のために一生を捧げた血縁の鴻鳥和子・友子母子の幽霊に取り憑かれることがあり、たびたび人肉を求めて包丁を振り回して暴れまわる。大変な美食家で、カップラーメンを食べたことがない。
ゼノ奥さん
胃の頭町の奥地に住み、奇怪な生物を飼う品の良い奥さん。
毛むくじゃらのペット2匹が執事として仕えているが、彼らはその都度場に合った名前でしか呼ばれない。
菱田きとら(ひしだきとら)
ロングヘアーで背が高い女流詩人。代表作は死体を切り刻むありさまを表現した限定500部の詩集「殺戮詩集」。「血だまりの詩」「胆嚢を堪能」「腸でなわとび」などの作品が収録されている。なお、「腸でなわとび」は、中原中也の詩に似ている。
恋人を殺し、死体を解体しながら詩を書いたとされるが、心神喪失で無罪となり精神病院に入院、その後退院し、公園などで野生のムルムルを食料としながら放浪生活を送っている。段一知へ想いを寄せており、不倫の関係にもつれ込むべく暗躍する。
凶暴且つ豪胆な性格であり、物の怪に監禁されたり体がカニに変身したりと受難のたびにパワフルな破壊活動を見せている。
頸山城の長姫(くびやまじょうのながひめ)
胃の頭の地に代々住み続ける女妖怪。平安時代の10世紀頃から江戸時代まで、長姫に関する奇怪な記録が各所に残されている。若い修行僧をたぶらかして怨霊に換え、栞に取り付いて学校を乗っ取るなど、霊力は相当なものである。しかし長姫でも、クトルーちゃんの母にはかなわない。
なお、長姫の出るエピソードは妖怪ハンターのような作風になり、稗田が描かれるセルフパロディも存在する。
ムルムル
胃の頭界隈に住む、謎の生物。ハトほどの大きさで、人のような顔と4本の手足、長い尾を持ち、背には翼を持つ。段先生の奥さんとともに、「外国」からやってきた帰化生物とされており、月の夜に集団で円舞すれば生殖活動なしに増殖する。
なお食用でもあり、鍋料理にすれば菱田きとらの大好物になる。また段先生の妻は、ムルムルの佃煮を周囲への贈答品にしている。
結界
胃の頭町で見られる一般的な結界。火の玉に簡素な顔が描かれた物体が手を繋いでいるだけであり、「結界ですよー」と警告を発することくらいしかできない。胃の頭町の物の怪たちが集会する時に登場するが、一般人である栞たちにも簡単に潜られている。神様用の強力な結界も存在するがこちらもよそ見をする事があり、隙をつかれて栞たちにすり抜けられた。
弁財天
胃の頭弁天堂に祀られる神様。湯浴みを欠かさない美貌の神だが、盗撮された事により胃の頭町に怪異を巻き起こす。
但し年に1回の裸弁天のご開帳は律儀にこなすほか、盗撮されても条件反射でポーズを取ってしまうなどお茶目な一面もある。
管正一(くだしょういち)
連載後期に登場した転校生。
代々クダキツネを使役するクダ使いの家系にあるイケメン

単行本[編集]

  • 栞と紙魚子の生首事件(1996年9月、眠れぬ夜の奇妙な話のコミックス、朝日ソノラマISBN 9784257902805
  • 栞と紙魚子と青い馬(1998年5月、眠れぬ夜の奇妙な話のコミックス、朝日ソノラマ)ISBN 9784257903420
  • 栞と紙魚子 殺戮詩集 (2000年1月、眠れぬ夜の奇妙な話のコミックス、朝日ソノラマ)ISBN 9784257903932
  • 栞と紙魚子と夜の魚(2001年8月、眠れぬ夜の奇妙な話のコミックス、朝日ソノラマ)ISBN 9784257904410
  • 栞と紙魚子 何かが街にやって来る(2004年2月、眠れぬ夜の奇妙な話のコミックス、朝日ソノラマ)ISBN 9784257904946
  • 栞と紙魚子の百物語(2007年6月、眠れぬ夜の奇妙な話のコミックス、朝日新聞出版ISBN 978-4022131201

栞と紙魚子の怪奇事件簿[編集]

栞と紙魚子の怪奇事件簿』(しおりとしみこのかいきじけんぼ)は、2008年1月5日から3月29日まで、日本テレビサタデーTVラボ枠内で放映されたテレビドラマ。各話テレビ放送終了後に日本テレビのウェブサイトで動画配信も行なわれた。また、2010年4月3日より6月26日までサンテレビにて、2010年7月13日から10月5日まで札幌テレビ放送(火曜日24:49~25:19)でも放送されていた。

なお、CS放送のファミリー劇場でも過去に放送された事が有り、2010年11月現在は日テレプラスで放送されている。

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

サブタイトル[編集]

1.栞と紙魚子とジャックとエミリー(1月5日放映)
2.自殺館(1月12日放映)
3.異世界への扉(1月19日放映)
4.ためらい坂十年戦争 ケーキの乱(1月26日放映)
5.長い廊下伝説(2月2日放映)
6.ゼノ夫人のお茶(2月9日放映)
7.闇の中(2月16日放映)
8.フランダースみたいな豚(2月23日放映)
9.首山病院と首之山病院(3月1日放映)
10.ボリスvsクトルー(3月8日放映)
11.ヤマダさんちの幽霊(3月15日放映)
12.月光影虫(3月22日放映)
13.メビウス!?(3月29日放映)
  • ベース:ドラマオリジナル
  • 脚本:渡辺雄介、演出:井口昇
  • ゲスト:片桐はいり、大島優子(AKB48)、矢部裕貴子


脚注・参考[編集]

外部リンク[編集]

日本テレビ 土曜日24:50 - 25:20(日曜日00:50 - 01:20)
前番組 番組名 次番組
ハリ系
(2007.10.13 - 2007.12.29)
栞と紙魚子の怪奇事件簿
(2008.1.5 - 2008.3.29)
2クール
(2008.4.5 - 2008.6.28)