新生児蘇生法

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新生児蘇生法Neonatal Cadiopulmonary Resuscitation, NCPR)は、出生時を中心とした新生児を対象とする蘇生法

日本では、「日本版救急蘇生ガイドライン2015[1]」に基づいて行われる。

なお、対象が新生児(日齢28未満の児)であっても、病院前救護や外来、小児科病棟、小児集中治療部門といった周産期施設以外の場面では、乳児に対する心肺蘇生法を適用してよい[2]

概要[編集]

「蘇生に立ち会う医療従事者が誰であっても遅延なき有効な人工呼吸が実践でき、質の高い安全な医療が担保される」ことを基本的なコンセプトとしている。 初期処置を施行した上で「自発呼吸なし」または 「心拍100/分未満(徐脈)」のいずれかを満たす症例では、出生後60秒以内にバッグ・ マスク換気による人工呼吸を開始することが強調されている。

蘇生の基本的な流れ[編集]

蘇生の基本的な流れに関しては、アルゴリズム図が公開されており、これに基づいて行う[3]

出生直後のチェックポイントとして、「早産児」「弱い呼吸・啼泣」「筋緊張低下」の3つを評価する。 これらのうち、いずれか一つでも満たす場合には、初期処置(保温、体位保持、気道開通、皮膚乾燥と刺激)を行う。

しかるのちに「自発呼吸なし」または「心拍100/分未満」を満たす症例では、出生後60秒以内にバッグ・ マスク換気による人工呼吸を開始する。 人工呼吸開始後も徐脈が続く場合には人工呼吸を継続するが、換気が適切か必ず確認する必要がある。 人工呼吸開始後も心拍数60回/未満である場合、人工呼吸と胸骨圧迫を1:3の割合で開始する。 これら、人工呼吸を含めた蘇生の流れを、「救命の流れ」と呼び、アルゴリズム図の左側に相当する。

一方、「自発呼吸あり」かつ「心拍100/分以上」の症例では、「努力呼吸」と「チアノーゼ」とがともにみられる場合に、CPAPまたは酸素投与を行う。 その後も「努力呼吸」と「チアノーゼ」とがともにみられる場合には、人工呼吸を開始する。 これら、出生後60秒以内の人工呼吸を必要としない症例における蘇生の流れを「安定化の流れ」と呼び、アルゴリズム図の右側に相当する。

出生直後のチェックポイントとして「早産児」「弱い呼吸・啼泣」「筋緊張低下」のいずれも満たさない場合には、母親のそばでルーチンケア(保温・気道開通・皮膚乾燥)を行い、さらなる評価を継続する。

目標とする酸素飽和度(SpO2
経過時間 SpO2
1分 60%以上
3分 70%以上
5分 80%以上
10分 90%以上

出典[編集]

  1. ^ JRC 蘇生ガイドライン 2015 オンライン版
  2. ^ “第 4 章 新生児の蘇生(NCPR)”. JRC蘇生ガイドライン2015. 日本蘇生協議会. (2015). p. 5. https://www.japanresuscitationcouncil.org/wp-content/uploads/2016/04/08dce2e3b734f1a2d282553a95dfc7ed.pdf 
  3. ^ ガイドライン2015概要

参考文献[編集]

  • 日本版救急蘇生ガイドライン2015に基づく 新生児蘇生法テキスト ISBN 9784758317320
  • 日本版救急蘇生ガイドライン2015に基づく 新生児蘇生法インストラクターマニュアル ISBN 9784758317344

外部リンク[編集]