動物咬傷

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動物咬傷(どうぶつこうしょう)とは、動物に咬まれた時にできる傷であり、外傷の一つである。

犬・猫咬傷[編集]

咬まれた時は、まず水道水や生理食塩水で十分洗ってからガーゼをし、経過を観察する。国(地域)によっては、咬傷が原因による感染症が高い確率で発症する可能性があり、速やかに通院するとともに、事前にワクチン接種を行い予防することも必要になる。

魚咬傷[編集]

釣れたゴンズイオコゼアイゴトラギスウニヒトデに咬まれたり刺された場合、最初皮膚が白くなり、しばらくしてから腫れて赤くなる。疼痛がひどい場合はやけどしない程度で、なるべく高温の湯(45〜50℃位)で疼痛が和らくまで浸すのがよい。

お湯による疼痛緩和が期待できない場合、神経ブロック注射や局所麻酔を行う。犬・猫の時と同じように、破傷風予防のため、破傷風ワクチンの接種を行うのが望ましい。

ネズミ咬傷[編集]

Spirillhm minusStreptobacillus moniriformsの2菌による感染が起こりやすい。ペニシリン系の抗生剤が奏功する。同じく破傷風予防のため、トキソイドなど予防注射を行うのが望ましいとされている。

ヘビ咬傷[編集]

毒ヘビによって世界では年間50万人が咬傷をうけ、4万人が死亡している。日本ではニホンマムシにより3000人ないしはそれ以上が受傷し、約5~10人が死亡している。沖縄奄美群島では、ハブにより年間100人が受傷している。

ヘビ毒について[編集]

日本でみられるヤマカガシクサリヘビ科の構成種は血液に作用する毒、コブラ科の構成種は神経に作用する毒をもっている。この毒は血液のプロトロンビンを活性化させ、血管内に微小な凝固を引き起こす。その時、フィブリノーゲン凝固因子が消費され、逆に血液が止まらなくなる。これをDICという。こうなると、腎臓では微小な血栓のために急性腎皮質壊死を引き起こすなどの危険がある。また、ヘビ毒自体が血管内皮細胞に作用して、全身的な出血を引き起こす作用もある。

有毒ヘビかの鑑別ポイント[編集]

  • 咬んだ跡の傷の前方左右に、2つの牙の跡ができる。
  • 痛みが強く咬まれた所がどす黒く変色している。

この2点が重要であり、これらが見られる場合、有毒ヘビの可能性が高い。

対処法[編集]

ヘビに咬まれた時の対処法を、以下に列記する。ヘビの場合、間違って伝えられている言い伝えなどが多いため、注意が必要。

対処の手順[編集]

  1. まず落ち着くこと。パニックに陥ったり悲鳴を上げたり騒いだりすると心拍数が上がるため、毒の回りが速くなってしまいやすい。ウミヘビに咬まれた場合はすぐに陸や船に上がり、溺死を防ぐ。
  2. できるだけヘビを確認する(無毒ヘビと有毒ヘビでは治療法が異なる為)。有毒ヘビの場合、治療の際に使用する抗血清は毒蛇の種類によって異なる。つまり、ニホンマムシ咬傷の場合にはニホンマムシの抗血清、ヤマカガシ咬傷の場合にはヤマカガシの抗血清が必要である。このため、ヘビの種類がわかっていればそれだけ早く最適な抗血清を用意できる。もちろん、検査によって毒蛇の種類を判別するのは可能だが時間がかかるため、治療が遅れて後遺症が残ってしまうことがある。可能であれば咬んだヘビを殺し、それを病院へ一緒に持ってきて確認してもらうのが望ましい。
  3. 患部を清潔に保つ。毒によって血管や血液がダメージを受けるため、雑菌などに対する抵抗力が弱まり感染症に罹ってしまう。患部は清潔な水でよく洗い(できれば水道水が良い。消毒用のカルキを含むため)、清潔なガーゼなどで患部を保護すること。また、ウミヘビにかまれた時はお茶(できれば番茶)に含まれるタンニンで毒を洗い流すのも望ましい。

対処のポイント[編集]

  1. 毒のまわりを遅くするために患部を心臓より低い位置に保つようにするのがよい。但し、後述するように縛るのは厳禁である。
  2. 病院に行く。誰かに付き添ってもらうのが望ましいが、自分一人で行かなければならない場合はゆっくり歩くこと。走ったり早歩きをすると心拍数が上がってしまい、それだけ毒の回りが速くなる。

禁止事項[編集]

絶対してはいけないことを以下に列記する。

  • 運動 - 心拍数が上がるとそれだけ毒の回りが速くなる。
  • 飲酒 - 運動と同じで心拍数が上がる。また、肝臓に負担がかかるため、肝臓の解毒作用が弱まってしまう。
  • 切開 - 不潔な環境で素人が切開すれば化膿の危険が高まる。また、毒の作用によって抵抗力が弱まっているためたちまち感染症に罹ってしまいやすい。
  • 縛る - 毒の回りは遅いので縛っても無意味。逆に患部に新鮮な血液が行かなくなるため、患部が壊死する危険が高まる。
  • 冷やす - 毒蛇に咬まれると患部が腫れるが、打ち身捻挫とは違って冷やしても効果はない。むしろ、患部が壊死する危険が高まる。
  • 血清を打つ - 手元に抗血清があっても安易に使用してはならない。血清は毒蛇の種類によって違うし、誤った血清を使用した場合や以前にも抗血清を使用した事がある場合などには、抗血清に対するアナフィラキシーショックが起こる可能性もあるため、血清使用は医師の判断に任せること。実際の病院での治療では、あらゆる対策が講じられた後に消炎剤抗生物質などと併用しながら静脈点滴で投与する。

脚注[編集]

  1. ^ 世界の医療事情・インド”. 外務省 (2016年10月). 2018年8月4日閲覧。

関連項目[編集]