小児救命救急センター

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小児救命救急センター(しょうにきゅうめいきゅうきゅうせんたー)は、日本国内にある救急告示医療機関のうち、重篤な小児患者に特化した三次救急医療機関である。なお、地域によって呼び方、名称が異なる。

概要[編集]

小児救命救急センターは、平成21年度、国の検討会の報告書において小児救命救急センター ・小児集中治療室(PICU) の必要性が指摘され、平成22年度から、全国に小児救命救急センターが指定され始めた。 小児救命救急センターの役割は都道府県によって定めている内容が異なるが、全国の小児救命救急センターで共通しているところもある。

  • 24時間重篤な小児患者の受け入れ
  • 小児患者搬送困難事例に積極的な受け入れ
  • 高度専門医療の提供[1]

設置基準については、厚生労働省が平成27年に定めた小児医療関連施策[2]に掲載している。

  1. 専用病床(小児集中治療室を6床以上)を適当数保有し、24時間体制で、超急性期(現在でいう高度急性期)の医療を提供、それを脱した患者に対し、高度専門医療の提供するもの。
  2. 24時間体制で診療体制を確保するため、必要な職員を配置すること
  3. 年間300例以上の症例を取り扱うこととし、うち相当数が救急外来からの入院、または転院であるものとする。
  4. 小児救命救急センターは救急搬送を相当数受け入れるものとする
  5. 施設、設備の体制を構築すること(資料に細かく定義されている)

小児救命救急センター一覧[編集]

令和3年4月1日現在、厚生労働省 小児救命救急センター現状調べより引用。

小児救命救急センター一覧 所在地
筑波大学附属病院 茨城県つくば市
埼玉医科大学総合医療センター小児救命救急センター 埼玉県川越市
埼玉県立小児医療センター 埼玉県さいたま市中央区
東京女子医科大学八千代医療センター 千葉県八千代市
国立成育医療センター 東京都世田谷区
都立小児総合医療センター 東京都府中市
長野県立こども病院 長野県安曇野市
静岡県立こども病院 静岡県静岡市葵区
愛知小児保健医療総合センター 愛知県大府市
大阪市立総合医療センター 大阪府大阪市都島区
高槻病院 大阪府高槻市
大阪母子医療センター 大阪府和泉市
兵庫県立尼崎総合医療センター 兵庫県尼崎市
兵庫県立こども病院 兵庫県神戸市中央区
岡山大学病院 岡山県岡山市
独立行政法人 国立病院機構 四国こどもおとなの医療センター 香川県善通寺市
九州大学病院小児救命救急センター 福岡県福岡市東区
熊本赤十字病院小児救命救急センター 熊本県熊本市東区
沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 沖縄県島尻郡南風原町

なお、PICUを設置しているが、小児救命救急センターの開設、指定を受けていない病院が存在する。

脚注[編集]

  1. ^ 小児救命救急センターはじめに”. あいち小児保健医療センター. 2023年12月15日閲覧。
  2. ^ 小児医療関連施策”. 厚生労働省. 2023年12月15日閲覧。